2008年05月30日
トゥーロン国際大会2008、日本vsコートジボワールの3位決定戦がスタッド・マヨルにて行われた。
オランダ、フランス同様2軍編成のコートジボワール。技術力、組織力がやはり落ちるような印象を受けたが、30分にフォファナが個人技でシュートを叩きこむ。
後半から雨が降り始めピッチ状態が悪くなっていく。そんな中の71分、李のクロスをエスクデロが合わせて同点。81分には梅崎のCKを途中交代で入った森重がヘッドで叩きこんで逆転。
さらに雨が強くなり、水たまりだらけのピッチ状態。逃げ切りたかった日本をロスタイムの悪夢が襲う。競り合いのこぼれ球をS・シセが押しこみ同点。
PK戦ではコートジボワール2番手のフォファナが外したが、李と水本が決めきれず敗退。しかし日本は経験と成長を得て大会を締めくくった。
■プレビュー
トゥーロン5試合目はGK林彰洋を先発に。これで全員を起用したか。勝利のみにこだわるだけでなく、良いテストになったのではないか。
GK 林 彰洋
DF 伊野波雅彦
水本 裕貴
吉田 麻也
田中 裕介
MF 細貝 萌
上田 康太
水野 晃樹
梅崎 司
FW 李 忠成
エスクデロ・セルヒオ
コートジボワールはおそらく2軍編成。ジェラルド・ジリ監督は「ジェルヴィーニョ(ル・マン)などを含めて6~7枠入れ替える予定だ」と語っていたよう。オーバーエイジ枠を含めての話かは定かではないが、ディディエ・ドログバ(チェルシー)、ディディエ・ゾコラ(トッテナム)、コロ・トゥレ(アーセナル)の招集を考えているらしい。EURO2008には関係のない国だが、シーズン準備のためクラブ側が出し渋る可能性がある。
GK オクワ
DF メテ
ディアラッスパ
ディオマンド
ジャクパ
MF コネ
オウアットラ
アントニ
ジャジェジェ
FW ニアングポ
フォファナ
■ワンタッチで前へ
時差修正や体調管理など、コンディションが良くなったのもあるだろうが、着実に日本代表は経験を積み、成長を見せていた。
この日に明確に出ていたのは「ワンタッチで前へ」。10分、梅崎がルーズボールを奪って後ろに戻すと吉田がダイレクトで左サイドを上がっていた田中へ。田中のアーリークロスは李を狙ったが、GKキャッチ。
19分にもバックパスをそのまま前線へ。李、シュートまで持ちこめず。
48分、横パスをもらった細貝が、ワンタッチで右前方のスペースへパス。エスクデロが走りこみヒールパスで伊野波へ。クロスはカットされてしまった。
…と積極的かつ、早く前へボールを運びこむ意識が見て取れた。相手の陣形が整う前に、先に仕掛ける。相手が全員戻ってから「よっこらしょ」と始めていては決定機の回数は減ってしまう。
18分の場面では前線からプレッシャーをかけてくるコートジボワールを何とかいなして、梅崎が高くなったライン裏へロビングボールを一気に放りこむ。これをエスクデロがコントロールし李へパス。しかし水野がコントロールしきれずDFのカットにあう。
■物足りないコートジボワールだったが…
コートジボワール・イレブンは関係の深いフランスの地でプレーしている選手が多いよう。しかしそれが2部リーグだったりするから、この構成はやはり2軍でありそれは監督も認めている。序盤のコートジボワールの攻撃の組み立てだったり、守備はあまり組織的なものは感じなかった。
しかし身体能力・個人の技術の高さは、やはり予想通り。長い足が出てカットを狙う。
25分、左サイドからジャクパがシュートのような強いパスをエリア内に送ると、アントニが左足を当ててダイレクトで弾道を変える。しかしこれはGK林が好反応を見せた。
しかし30分に得点が生まれる。日本の守備陣が戻っている状態だったが、ジャクパが中央で縦パス。フォファナはそのボールを受けつつ巧みにターン、飛び出した水本を闘牛士のごとくかわす。一瞬フリーになったと見るや、躊躇せず左足を振り抜いた。GK林もさわったものの、威力が勝った。0-1、コートジボワール先制。
コートジボワールは得点後ペースを掴み、自陣に引きこもることなく、ロングボールで積極的に日本のDFライン裏を狙っていった。
ここまでの交代:
14 オウアットラ out 7 クリバリ in
12 ジャジャエ out 18 シセ in
15 上田 out 9 森重 in
7 水野 out 8 本田 in
■女心とフランスの空
これまでの日本戦5試合を見てきたが、やたらと天気が変わる。この日は一番ひどかった。後半を少ししたあたりからポツポツと降り始め、やがてスコールのような大雨が選手たちを叩く。もちろんピッチ状態は悪化の一途を辿る。
しかしそんな悪条件をものともせず、日本の同点弾が。
森重は大分では3バックの真ん中、トゥーロンの間はサイドバックを担当。この日は本職であるボランチに。71分、入ったばかりの森重が中央でドリブルで仕掛ける。DFを引きつけると左の李へパス。李はゴールライン際までドリブルし深くえぐるとマイナスにパス。ファーでエスクデロが押しこんだ。1-1、同点!
この得点シーンのポイントは、
1.森重の仕掛け、そしてDFの意識をひきつけた
2.雨の中、制御困難な中で李がラインギリギリのクロス
3.森重が仕掛けた後にしっかりゴールニアへ飛びこみGKを引きつけた
4.エスクデロの抑えの効いたシュート
だったように思う。
■日本に追加点
なおも攻める日本。74分、左前方のオープンスペースへボールを出すと、エスクデロが追いつき後ろの梅崎へ。梅崎がボールを持つと、エスクデロはマーカーを中央へ引きつれ、スペースメイクの動き。そこをドリブルでしかけクロスを上げようとした梅崎だが、雨に足をとられ滑ってしまう。この転倒が、先ほどの李のクロスの難しさを再認識させる。
この中途半端になってしまったクロスはクリアされるが、再び左サイドの梅崎に。アーリークロスを送り、本田圭祐が頭で合わせるがGK正面。
そして81分、再び左サイドを起点に攻撃を進める日本。田中がシュートを狙ったか、クロスをミスしたかは判断しかねるが、弾道がゴール枠内へ。GKは目測を誤り慌てて戻ってフィスティングで掻き出す。
この左CKを梅崎が蹴り、森重がヘディングで叩きこんだ。力強いボール、手前で細貝がフォファナと競り合って潰れていた。コートジボワールはゾーンかマンマークかは分からなかったが、近くのコネは森重を完全にフリーにしてしまい、森重はGKの手前へ回りこんで打つことができたのだった。
■重馬場
85分頃にはさらに強くなる雨。ベンチの監督の足は水で埋まり、カメラマンは傘をさしつつ怪訝な顔。ピッチにはいくつもの水たまり。ドリブルをするとボールが止まり、スライディングをするとゴール裏の看板に当たるまで滑る。正に競馬でいうところの重馬場である。
85分、反撃を試みるコートジボワール。フォファナがゴール前に放り込み、シセが頭で下に叩きつけたが、ワンバウンド後は低くGK林が悠々とキャッチ。もし水たまりでなければボールはもっと強く跳ねて、林に襲いかかっていただろう。
そしてロスタイム。コートジボワールの猛攻が4分間続いた。そして終わり際、右サイドの深いところでコネがボールを持ち、DFを背にしつつ何とオーバーヘッドで中央へボールを送る。フォファナが競り合い、こぼれたボールをシセが押しこんだ。2-2、土壇場でコートジボワールが追いつく。
守備固め、そして時間稼ぎに本田拓也を送り込もうとした反町監督は、PK戦に備えて森本に変更した。
■PK戦
準決勝イタリア戦に続いてのPK戦となった日本。
先攻のコートジボワール2番手、フォファナのシュートがバーを叩き、はるか上空へ。日本が優位に立ったかと思われたが、4番手の李のシュートが何とGK正面。そして最後の水本がプレッシャーに負けたか、左ポストを大きく外すシュートでジ・エンド。
コートジボワールが2年連続でトゥーロン国際大会の3位となった。
■総括
日本は残念ながら入賞できなかった。しかしこの短い5戦の間で成長が見えたし、課題も見えたことだろう。何より、(2軍とはいえ)オランダ、フランス、コートジボワールと対戦し、オーバーエイジを含まないイタリアとスコアレスで渡りあい、ビエルサ率いるチリとも戦えた。
そして天気の変化という環境、先制されてから逆転、そしてロスタイムの失点という展開も味わった。
攻撃の形も見えた。李、森本、エスクデロというFW陣がしっかり点を取れた。
水本を中心として守備もしっかりしていたし、フランスのラフプレーにもひるむことなくやり返す度胸。
全選手を試せた。森重のサイドバック&ボランチ、伊野波の両サイドバックなどのように複数ポジションをこなせるかの確認もできた。
もちろん課題もある。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/beijing/column/200805/at00017388.html
連携もまだまだ不足しているだろう。
そしてオーバーエイジを入れることによるバランスの調整。
相手国が1軍になった時にどうなるか。
正直、五輪代表には期待していなかったが、このトゥーロンを追いかけていると長所・短所含めて注目したい面白いチームだった。5試合でスタメン固定はなく「どれがベストメンバーの組合せなのか」という見極めも必要だろう。
五輪代表は18人。複数ポジションをこなせる人材が必要になる。
現在、GK3人・DF7人・MF9人・FW4人の合計23人。オーバーエイジをフルで使えば、5+3の8人が落ちる計算となる。
個人的な感想だが、このU-23は見ていて面白かった。
北京での飛躍を期待したい。
posted by batistuta |06:17 |
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2008年05月29日
■アルベルト・ジラルディーノがフィオレンティーナ移籍
17、12、7点。ジラのミラン在籍3年間の下降線。ロッソネロの金看板、その重圧と責任感に押し潰されてしまったか。FW陣の度重なる故障に、ジラがスタメンに定着するチャンスは幾度となくあったが、サイドネットの外側・ポストに愛されてしまった。
EURO2008メンバーには当然漏れてしまった。WOWOWのEURO番組のオープニングにジラが出てくるのを見ていると切なくなる。
しかしパルマ時代の恩師、クラウディオ・チェーザレ・プランデッリの存在は間違いなくプラスに働くはず。クリスティアン・ヴィエリの放出も噂され、ジラはジャンパオロ・パッツィーニと2トップを組むことが予想される。
ミランと異なるのはやはりチャンピオンズリーグ出場。大舞台に弱いとレッテルを貼られてしまったジラだが、奮起を期待したい。
7月で26歳になるジラ、2010年まで猶予はある。またアズーリのユニフォームに袖を通す日を待ちたい。
■ローマ、コッパ・イタリア制覇、そして補強は?
残念ながらスカパー!での中継はなかったので、ニュースで結果しか見られなかった。UEFAカップでレンジャーズに悔しい敗戦をしたフィオレンティーナ同様、最終節までスクデットをもつれこませたローマには「報われて」ほしかった。手術後間もないトッティは当然不在であったが、見事2-1で勝利しコッパ・イタリア2連覇を達成!
さてとFWの補強だが、ハンガリー生まれのユダヤ系アメリカ人であるジョージ・ソロス氏の買収いかんで大きく変わってくるだろう。
記憶する限りでは、
・エルナン・クレスポ(インテル) : 出場機会を求めている
・ヴィンチェンツォ・イアクインタ(ユヴェントス) : ウディネーゼ時代の恩師スパレッティと再合流か
・アントニオ・ディナターレ(ウディネーゼ) : 最早アズーリの常連に。左サイドハーフでヴュチニッチと回せる。170センチなのでワントップは厳しいか?
・リサンドロ・ロペス(ポルト) : 今季のポルトガルリーグの得点王に輝いたアルゼンチン人ストライカー
あたりがリストアップされたと思うが、もしソロス氏の出資があるようならば、さらなるビッグネームの獲得も可能か。
■ベンフィカ キケ・フローレス氏の監督就任を発表
チェルシーのジョゼ・モウリーニョといい、バレンシアのキケ・フローレスといい、性急な解任とも思っていた。厳しい欧州の監督事情だから仕方ないが…
ともかくキケ・フローレスがまた戻ってくるのは嬉しい。隣にルイ・コスタがいるのも不思議な気分。
http://www.afpbb.com/article/sports/soccer/portgul/2395506/2963340
■フランス代表、最終メンバーを発表
レイモン・ドメネク――ドイツ・ワールドカップの頃から「12星座での相性がウンヌンカンヌン」と言っていて、マルコ・マテラッツィにバカにされていたが、今回もそのあたりは揺るぎなかった。
あくまで戦術面の理由で外していて、星占いは詭弁かもしれないが。外れたメンバーで活躍した選手は、
・ダビド・トレゼゲ : 36試合で20ゴールで2位。得点王のデル・ピエロとスコアを分け合っていたことを考えると驚異的な数字だ。
・ロベール・ピレス : アーセナル在籍の05-06シーズンでの不振からビジャレアルに移籍。ケガがちではあるが、2年目の今季は飛躍の年に。
・フィリップ・メクセス : ローマでフアンと鉄壁CBコンビを形成し、リーグ2位に貢献
・リュドビク・ジュリ : 控えの方が多かったかもしれないが、連携が少ない1年目では立派な働きをした。ドメネク監督とプライベートで確執があると言われるが…
・マチュー・フラミニ : アーセナル躍進は、この男の活躍抜きで考えられない。ミランでも暴れまわってくれるはず
早速、移籍市場がざわついていて面白くなっていますね。EUROの前に買うか、後で買うか?楽しみです。
EUROのプレビューもまた書いてみたいと思います。
posted by batistuta |23:09 |
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2008年05月28日
トゥーロン国際大会2008、日本vsイタリアの試合がスタッド・マヨルにて行われた。
開始すぐの時間にイタリアの技術を見せつけられ、やはり2軍だったオランダやフランスとは勝手が違う、ということを予想させた。
しかし日本が粘り強く守備をしイタリアをいらつかせ、攻撃でもシンプルなワンタッチサッカーで何度か好機を作り出した。イタリアはアバーテを投入すると、前半のジョヴィンコの左サイドから右サイドに攻撃の起点がシフト。決定機を作ったが決めきれずに試合が終了。
トゥーロンの規定により延長戦はなくPK戦に日本の4人目のキッカーの水野がストップされ、5人全員が決めたイタリアが決勝進出。
しかしチリがコートジボワールに勝ったため、日本は3位決定戦でコートジボワールと対戦する「幸運」に見舞われた。北京五輪に出場するコートジボワール相手に願ってもない前哨戦となる。
■プレビュー
日本はこれまでの3試合でほとんどの選手を起用することができ、システムも試してきた。この試合では4-2-3-1を基本にする。
GK 西川 周作
DF 森重 真人
水本 裕貴
青山 直晃
中村 北斗
MF 青山 敏弘
本田 拓也
本田 圭佑
谷口 博之
梶山 陽平
FW 森本 貴幸
イタリアを率いるは、ピエルルイジ・カシラギ監督とジャンフランコ・ゾラコーチだ。往年のセリエAを知る人には感慨深い2人だろう。
そして何度かこのブログで書いてきたが、セリエAの選手を多く含むアズッリーニ(アズーリのユースの名称)。
GK ダヴィデ・バッシ(エンポリ)
DF ロレンツォ・デ・シルヴェストリ(ラツィオ)
サルバトーレ・ボッケッティ(フロシノーネ:セリエB)
アンドレア・コーダ(ウディネーゼ)
マルコ・モッタ(トリノ)
MF セバスティアン・ジョヴィンコ(エンポリ)
クラウディオ・マルキージオ(エンポリ)
ルーカ・チガリーニ(パルマ)
アントニオ・ノチェリーノ(ユヴェントス)
FW ダヴィデ・ランツァファーメ(バーリ)
パオロ・オズヴァルド(フィオレンティーナ)
■ジョヴィンコ
注目はやはりジョヴィンコである。「デル・ピエロの後継者」や「ゾラの再来」と称されるファンタジスタ。エンポリが降格した今季、ユーヴェにレンタルバックされるかそれとも新天地でスタメン定着を目指すか。
左サイドハ-フに入ったジョヴィンコ、早速仕掛けていってファウルをもらう。そこからFK→CKと日本ゴールを脅かす。CKのキッカーももちろんジョヴィンコ。本田圭祐と激しくやりあっているモッタの足下に絶妙なボールを送ると、モッタは足を伸ばして枠内へ弾道を変える。しかしボールはGK西川の顔面を直撃!こんなところで「石崎くんの顔面ブロック」を見られるとは。
8分にはジョヴィンコの”魅せる”プレー。
青山直晃を背中にしてボールをもらうと、右足でボールを蹴り自分の左足に当てて一気に反転。青山直は完全に逆に振られてしまった。
15分には左サイドを滑るように突破。重心を落として、などではなく何か背筋を伸ばしたような独特のドリブル姿勢だ。もちろんどんなに速いドリブルを仕掛けてもボールは足下から離れない。クロスもマークしているDFのタイミングを外すかのような間合いで蹴りこむ。これはランツァファーメが合わせられなかった。
このように開始~15分あたりまではイタリアが日本陣内を攻め入る時間帯となっていた。しかし引いて守っているわけではないイタリア最終ラインにはある程度スペースがあった。日本はシンプルにそこを突いていく。
■森本の存在感
今日はワントップの森本。そして何度も対戦しているであろう、セリエAの面々…と言いたいところだがお互い、いや森本の方が出場機会が少なかっただろうから、ベンチで顔を合わせていたくらいかもしれない。しかし経験はもちろん森本を助ける。
13分、青山敏弘のフワリとしたパスに反応した森本が狙うもGKが飛び出し。
18分には中央で本田圭祐が縦パスを送り、梶山がターンしながら森本へボールを受け渡す。すると想定外のところにボールが来た森本はコントロールできない。オフサイドも一瞬頭をよぎったようだ。しかしオンサイド、もたついている間にDFに追いつかれてしまった。
21分、ボッケッティのヘディングでのバックパスを奪おうとしたが、これはGK飛び出しに阻まれる。
森本の後半のチャンスは63分。梶山がセンターライン付近からスルーパスを送ると、森本の前を走るDFがGKにバックパス。しかしこれが弱かったので、インターセプトしてゴールに持ちこみたかったがGKの左足にストップされた。
他に決定的だったのは左サイドをリズミカルなパス交換、最後に谷口がボールを持ってウラへ抜け出し、角度のないところからシュート。ギリギリで右ポストを逸れた。青山敏弘もしっかりと詰められていただけに残念なシーンだった。
■イライライタリア
イタリアは明らかにいらだっていた。Bグループ全勝・6得点1失点という好成績、日本相手なら楽勝と思っていただろう。15分あたりまでは。
中村北斗がジョヴィンコをマンマークでピタリとつきはじめ起点を消す。中村の良かったことはジョヴィンコのマーク「のみ」に追われることなく、積極的に攻撃参加していた。
31分にイタリアの攻撃、エリア内で囲まれたオズヴァルドがボールを浮かせて送ると、ランツァファーメがダイビングヘッド……しようとしたところを、森重がうまく相手ユニを掴んで飛ばせなかった。相手に激しくやられても、ちょっとしたお返しをする。今回のU-23日本はなかなかタフだった(今まででも普通にやっていたかもしれないが)
■アバーテの投入
試合の流れを変えたのは68分に投入されたイニャツィオ・アバーテだった。
ジョヴィンコが真ん中に流れてきてもマンマークでそのままついていく中村北斗。ここで攻撃のリズムを変えるべく、右サイドのアバーテを起点にした。この采配が当たり、アバーテが森重をかわしてクロス、という場面が何度もあった。73分にはカウンターで7~80メートルの距離をアバーテ一人が持ちこむ場面もあった。
77分、同じく交代で入ってきたFWアントニオ・カンドレヴァにクロスを上げると、ニアに飛び込みファーサイドへヘディングで流したがボールは左へ。
さらにはアバーテの右をオーバーラップしたモッタがグラウンダークロスを上げると、同じく途中交代のペレがヒールで流しこもうとしたがこれは失敗。覚えている方・言って通じる方がいるか分からないが、チャンピオンズリーグ・グループリーグのリヴァプールvsベジクタシュ戦(07年11月6日)で、ライアン・バベルがやったヒールシュートだ。
そして最後は93分、アバーテが右から切りこんで中央のジョヴィンコへ。右へワンドリブルしてシュートかと思わせたが、もう一度中央へ折り返してペレへ。しかし本田拓也が危機一髪、スライディングでボールコースに入って止めたのだった。
結局スコアレスドロー。しかし見応えのある内容だった。
シュート数は日本:イタリア=6:13とイタリアが圧倒したが、日本のDF陣が踏ん張った。
■PK戦
85分頃、局地的な大雨が降ったようだったが、PKキッカーに足を滑らせるものはいなかった。ただ、87分という難しい時間帯で入ってきた水野のシュートは止められてしまった。。水野の次のキッカーのカンドレヴァは、トッティがたまにやるクッキアイオ(スプーンシュート。思い切り蹴ると見せかけてスローなボールを蹴り、相手GKのタイミングを外すシュートだがリスクの高いシュート)を見せた。
■総括
戦前、そして最初の15分を見て完膚なきにまで叩きのめされるんだろう、と予想していた。しかしグループリーグ3戦で日本は成長を見せたのだろう。今大会最も良いパフォーマンスを見せて、楽勝ムードのイタリアをナーバスにさせた。
PK敗退であり、もし延長があったら分からなかった試合だ。もっとも、後半はイタリアペースではあったが…
もし北京五輪でイタリアと当たるなら、オーバーエイジ枠を使ったアズッリーニになる。噂されたデル・ピエロはEURO出場が濃厚。逆に落選したフィリッポ・インザギか?何にせよ楽しみである。
そして個人的に「ラッキー」だと思ったのが3位決定戦の対戦相手のコートジボワール。こちらは名前や所属クラブを何となく眺めてみたらおそらく2軍であろうことは想像がつくが、身体能力などはお決まりで高いだろう。色々と試せることはあるはず。
そしてそのコートジボワールを退けたチリ。組織力は本物か、それともイタリアを前にあっさりと敗れ去るのか。決勝も楽しみなカードになった。
この3位決定戦、決勝戦は29日(日本時間30日未明)に行われる。
posted by batistuta |07:17 |
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2008年05月27日
キリンカップ2008、日本vsパラグアイの試合が、埼玉スタジアム2002で行われた。
ワールドカップ3次予選前の大事なテストマッチ、岡田監督は前のコートジボワール戦から7人のスタメンを入れかえて臨んだ。
しかし開始30分は攻めたてるも、その後は決定機を作れないという前の試合をなぞるような展開となる。結局、守りをかためたパラグアイを崩せないままスコアレスドロー。
キリンカップ2連覇という結果になったが、課題が多く残った試合となった。
■プレビュー
日本は大幅にスタメンを入れかえた。扁桃炎により体調を崩し、先週末のG大阪戦でやっと途中出場をした鈴木啓太をスタメンに起用。
GK 楢崎正剛
DF 寺田周平
田中マルクス闘莉王
阿部勇樹 → 駒野友一(後半24分)
長友佑都
MF 遠藤保仁 →松井大輔(後半0分)
山瀬功治 →大久保嘉人(後半32分)
中村俊輔
鈴木啓太(cap) →長谷部誠(後半18分)
中村憲剛 →今野泰幸(後半40分)
FW 巻誠一郎 →高原直泰(後半18分)
パラグアイは22日のコートジボワール戦から中4日。休養はとれただろうか?
試合が終わってから気づいたが、カルロス・パレデスが出場せず。
GK デルリス・ゴメス
DF ホルヘ・ヌニェス →エドガル・バルブエナ(後半37分)
ペドロ・ベニテス
ダリオ・ベロン
デニス・カニサ(CAP)
MF マルセロ・エスティガリビア
エドガル・ゴンサレス →ビクトル・カセレス(後半34分)
セルヒオ・アキノ →フリオ・アギラル(後半43分)
ホルヘ・ブリテス →ルイス・カセレス(後半35分)
オスバルド・マルティネス →ファビオ・エスコバル(後半35分)
FW クリスティアン・ボガド →ダンテ・ロペス(後半21分)
■デジャブ
日本は前のコートジボワール戦の悪いところがまた出てきた、という印象だった。
相手のCKを豪快に頭で弾きだしたと思いきや、次にはバックパスをトラップミスする闘莉王。憲剛からスルーパスを受け、前を向けばシュートチャンスなのに、中央へのパスを最優先した巻。
と思いきや、左サイドの角度のない縦パスを、しっかりと足下に収める長友の技術。そしてこの試合最大の得点機だった16分。左サイドでタメを作った俊輔がルックアップすると「いつもの姿勢」でゴール前にクロス。闘莉王の頭への「ピンポイントとはこういうものだよ!」と言わんばかりの精確なボールだったが、GK正面に行ってしまった。
そして30分すぎには日本の攻勢が終了。前の試合の長所・短所、展開がほとんど同じだった。ゴールを奪えなかったこと以外は。
■岡田システム
後半からは遠藤に代えて松井を投入した岡田監督。左から遠藤・山瀬・俊輔という2列目だったが、松井を入れると山瀬・松井・俊輔の並びにした。
これに対して解説の金田喜稔氏はしきりに「松井・山瀬・俊輔の並びにした方が良いんじゃないですか」と言う。そして「俊輔・長友の縦ラインを試すのも面白い」とも。この案には賛成したい。山瀬の持ち味、得点力を生かすなら左サイドに張らすよりも、トップ下というかシャドーに近い形の方が良いし、松井もクラブではサイドを多くやっている。今更、松井のトップ下を試してどうするのだろうかと思った。
そして鈴木啓太。彼の実力に疑いはないが、クラブでもあの状態なのに「確かめたかった」という軽い気持ちで出しても、何も変わらなかった気がする。それなら「闘莉王ボランチ」を試す方が実験としては有用ではないだろうか。
啓太は体調不良からかずっと伏し目がちだったし、無理に使ったところでクラブにも迷惑がかかることになるだろう。
そしてFWは負傷がちで調子が上がらない巻よりは、得点感覚を取り戻しつつある高原先発の方が今後に光明をもたらすとも思えた。
■パラグアイのシステム
周知の事実だが、この日のパラグアイは国内組中心のいわば2軍だ。欧州組にはブラックバーンのロケ・サンタクルスがいる。
また、ケガでもしたのか中盤のベテラン、カルロス・パレデスがいなかった。
パラグアイは、コートジボワールとの試合では走りあう戦いをしていたように感じられたが、この日本戦は「引いて守るカウンター戦術」。しかしワールドカップ3次予選を考えると、これはかなり「オイシイ状況」ではある。ほとんどの相手が守りかためる戦術だからだ。これは願ってもないシミュレーションとなる。
しかし結果はスコアレスドロー……いや65分のヌニェスの強烈なフリーキックを詰められなかったE・ゴンサレスのミスに救われたこと。そして71分のペナルティエリアのライン上でクロスボールに手が当たってしまった闘莉王のハンド。これは微妙なジャッジで、アウェーだったらPKを宣告されてもおかしくない。
「たられば」は禁物だが、0-2で負けていた内容といっても過言ではない。
■総括
俊輔、松井という攻撃のキーマンに対して、2~4人で囲み真っ先に潰しにかかったパラグアイディフェンス。ただ自陣をかためるだけではなく、しっかりと意識を持って組織的に守れていたように思える。
そして日本のパス・サッカーが具現化されつつあるが、縦よりも横の展開が多くて時間がかかり、結果相手ディフェンス陣の体勢が整ってしまう、というあまり宜しくない方向に行っているように思える。
あと気になったのが、さいたまスタジアム開催。観客席はガラガラ。このあたりは専門誌で語りつくされているとは思うが、一時期のブームは去り「日本代表の試合をやればとりあえず集まる」時代ではない。
火曜日という平日開催であるので、無難に国立競技場にした方が関東圏の中ではアクセスが良いので観客も集まりやすいのではないか、とも思ったが。
日本は6月2日に横浜国際総合競技場にて、ワールドカップ・アジア3次予選第3戦、オマーン戦を控える。
posted by batistuta |22:09 |
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2008年05月26日
トゥーロン国際大会2008、日本vsチリの試合がスタッド・ミュラにて行われた。
決勝トーナメント決めている両チームだが、激しいぶつかり合いが見られた。日本が好機を見出せないまま、後半へ。ジワジワとチリに攻められ、75分には波状攻撃を受けてMFカルモナにミドルシュートを叩きこまれた。
ロスタイムには、チリに完全に崩されての追加点。0-2で敗北し、決勝トーナメントへは2位通過。準決勝は日本とイタリア、チリとコートジボワールという対戦が決定した。
■プレビュー
前の試合で負傷した岡崎、捻挫ということでこの試合は欠場。大事には至らなかったようで一安心。
GKは抜群の存在感を見せていた西川に代わって山本 海人を起用、チャンスを与える。
GK 山本 海人
DF 田中 裕介
水本 裕貴
青山 直晃
森重 真人
MF 本田 圭佑
上田 康太
細貝 萌
水野 晃樹
FW 李 忠成
エスクデロ
チリは何か見覚えが…と思ったらマルセロ・ビエルサ監督だ。メンバーを見ても1月にキリンチャレンジカップで来日したメンバーが名を連ねていた(☆が来日メンバー)
フランスに5点、オランダに2点を挙げて勝利している。
GK トセリ☆
DF アバルカ
マルチネス☆
カロカ☆
MF レボジェード
ビジャヌエバ
カルモナ
メネセス☆
FW サグレド
ロルカ
バルガス
■好機を作り出せない日本
序盤、エスクデロの動きが目立つ。身体の使い方、入れ方がやはり巧い。しかし周りとの連携はまだまだと言った感じで、ボールの出し所の意識の共有がほとんどできていなかった。
10分、中央の細貝から右の水野へ、突破した水野がクロスを上げてエスクデロが合わせようととしたがDFに阻まれた。
28分の日本、上田のコーナーキックに本田が頭で叩きつけたがGK正面。
前半でこのくらい。後半は71分にエスクデロが、ルーズボールを追ってそのままクロス、しかしダイビングヘッドでクリアされた場面があった。
ロスタイムに日本はゴール近くでフリーキックを得る。壁に当たってコースが変わったが、GKが横っ飛びでストップ。
全体的には、得点機を「日本自ら」作れなかった、と言っていい内容だった。
■GK山本
山本は、所属の清水エスパルスで西部洋平に次ぐポジションであるため、トップチームではほとんど出番がない。大分で揺ぎ無い地位を得ている西川との差は大きいだろう。
この試合ではゴールキックでのミスキックなどナーバスになっているように見えたが、後半は持ち直したように見える。62分の場面、ジャラのポストプレーから右サイドに流しカロカがフリーでシュートを放ったが、GK山本がワンハンドセーブを見せた。その後のコーナーキックでも冷静にパンチングで弾き出す。
チリの1点目のシーン。73分から波状攻撃をかけられ、エリア内のシュートは青山が飛びこんでブロックしたが、ルーズボールを正面25m付近からカルモナが直接叩きこむ。ボールは右ポストを叩き、山本に当たってゴールに入ってしまった。
2点目の場面は、カローカから右のバルデス、中央のロルカからモラレスへと流れるようにパス。モラレスは水本の飛び出しを軽くかわすと、ゴール右隅に流し込んだ。
■ビエルサ采配の勝利か?
チリは北京五輪には出場しない。A代表の監督のマルセロ・ビエルサは、ワールドカップ・南ア大会を見据えて、じっくりとユース育成も考えたチーム作りをしているに違いない。
今回はほとんどチリ国内組だが、組織力などではAグループの他を上回ったというのは結果からも明らかだろう(もちろん他の国が二軍を送っている点もあるが)
凸凹のピッチ、変わりやすい天気と悪条件は、両チームに平等。
日本は押し上げが少なく、前線・中盤が前を向いてプレーすることが少なかった。運動量も日本は少なかった。
■オーバーエイジ
とある週刊サッカー誌によれば、反町監督曰く「オーバーエイジは3人使う。候補はA代表全員」のようなことを言って会議が紛糾したというが、できればこのトゥーロンに連れてきて、連携を高めるべきではなかったか?
おそらく今のU-23でオーバーエイジに使うべきは、展開力を持った中盤であろう。例えば遠藤だとしたら、ACL出場中のG大阪が必ず「NO」と言うだろう。海外組がオフではあるので、小野伸二など呼んではどうかと思うが。
そして年齢的に起用可能な、長友 佑都・内田 篤人・香川 真司・安田 理大……。トルシエ時代のようにA代表とユースを兼任がベストとまでは言わないが、日本サッカー協会の「縦の」連携は間違いなくうまく行っていない気がする。
■決勝トーナメント
個人的には、このチリ戦の結果は幸運だと思っている。
もちろん参加している日本代表は優勝を狙っているだろうが、「経験を積む」という観点では準決勝でイタリア代表と当たれるのは大きい。オランダやフランスと違って1軍構成だし、Bグループ全勝・6得点1失点の磐石の戦いで来ている(内容は見ていないが)。
そして決勝もしくは3位決定戦でコートジボワールと当たりたいところ。チリと異なり、北京五輪参加国である。コートジボワールが1軍かは情報不足だが、一度手を合わせておきたい。
スカパー!では予選は日本戦のみだった。次は待望のイタリア戦だ。
同日の27(火)にはキリンカップ・日本vsパラグアイ戦がある。
トゥーロンメンバー参考ページ:
http://en.wikipedia.org/w/index.php?title=2008_Toulon_Tournament_squads&oldid=214614387
posted by batistuta |13:50 |
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2008年05月25日
キリンカップ2008、日本vsコートジボワールの試合が、大雨の豊田スタジアムで行われた。
日本がいきなり2度の好機を作り出し、3度目の正直は21分、長谷部からのクロスに合わせた玉田のゴール。GK楢崎も何度も好セーブを見せ完封。
期待の松井や長谷部、A代表デビューの長友・香川も良い動きを見せて、日本が1-0でコートジボワールに勝利した。
■プレビュー
海外組が岡田体制で初招集。サンテティエンヌの松井とヴォルフスブルクの長谷部がスタメンで出場。リーグ逆転優勝を果たしたセルティックの中村俊輔は、パラグアイ戦から出場の予定。
そして注目の長友が左サイドバックのポジションでA代表初登場。
闘莉王の起用にも注目が集まっていたが、岡田監督が戦前に明言していたようにDF起用。中澤と大型CBコンビを組む。
また香川真司が3番目の若さでのA代表デビュー。19歳68日での快挙。
GK 楢崎正剛
DF 駒野友一
田中マルクス闘莉王
中澤佑二(cap)
長友佑都
MF 今野泰幸
遠藤保仁
松井大輔 → 香川真司(後半30分)
長谷部誠
FW 玉田圭司 → 矢野貴章(後半30分)
大久保嘉人
コートジボワールの注目は、アーセナルDFのコロ・トゥレ。しかし左太もも負傷のため、ベンチには入ったもののパラグアイ戦に続き出番はなかった。
GK アリスティド・ゾクボ :FCショルタ(エジプト)
DF アルトゥール・ボカ :シュツットガルト
アブドラーユ・メイテ :ボルトン
ギー・ドメル :ハンブルガーSV →イゴール・ロロ :ゲンク(ベルギー)
マルコ・ゾロ :ベンフィカ
MF エマニュエル・エブエ :アーセナル
シアカ・ティエネ :サンテティエンヌ
カンガ・アカレ :マルセイユ →カンディア・トラオレ(ソショー)
ディディエ・ゾコラ :トッテナム
エメルセ・ファエ :レディング →ドゥンビア(徳島ヴォルティス)
FW ブバカル・サノゴ :ブレーメン
■仕掛ける日本
いきなり最初から仕掛けていったのは日本だった。
5分、左サイドのタッチラインぎりぎりをドリブルで仕掛けていったDF闘莉王。「岡田監督から攻め上がり禁止」なる報道も出ていたが、積極的に打って出る。そのまま左サイドでワンタッチパスの交換を繰り返し、最後は深くえぐった長友がクロス、ニアの松井は合わせられず、大久保が飛び込んだがボールと距離があり、苦しい体勢のスライディングシュートはゴール右に逸れていった。
クロスを上げた長友は攻守で活躍を見せる。
対面のエブエとガチンコ勝負を挑んだり、ボールの競り合いで当たってきたCBゾロを吹き飛ばす。170cm/65kgの長友、182cm/75kgのゾロのぶつかり合い、小柄な長友が勝利。Jでフッキともバチバチにやっていたのも頷ける。
15分には左サイド、遠藤のCKに大久保が合わせたが、ポスト内側に立つボカに当たりゴールならず。
そして日本は3度目の正直。21分、右サイドセンターライン上から今野が前方のオープンスペースへスルーパス。抜け出した長谷部がフリーでクロスを送る。するとDF二人を引きつけた大久保が囮になり、最後は玉田が押しこんだ。1-0、日本先制!
■象牙軍団、不調?
17・18日に欧州戦線を終えたばかり、20日に来日。22日三ツ沢(神奈川)でパラグアイ戦、24日に豊田(愛知県)で日本というハードスケジュールのコートジボワール。
第1戦の動きの良さは驚いたが、正直この試合はあまり芳しくなかったようだ。球技に必要な「長距離よりも100mの速さ・瞬発力」というものがある(もちろんサッカーに1試合で10km前後走るタフネスも必要だが)。
この日本戦ではその「スプリント能力」が見えた。日本も不用意ではあったが、松井、そして今野のバックパスをインターセプトする速さには、分かっていても驚かされる。ベストコンディションならどうなっていたか。
松井のパスをインターセプトしたエブエを、闘莉王がファウルで止めたがホームコートアドバンテージか、カードは出なかった。
■アテネ組、そして名古屋勢
楢崎のポジショニングの良さも手伝い、コートジボワールの枠内シュートはGK正面が多く、ポストを逸れるシュートもまた多かった。クロスボールに対しては闘莉王・中澤の身長・パワーが活きた。
そして運動量が落ちるエブエを複数のDFで容赦なく囲み、長友が追い回す。エブエが途中からサイドを変えていたことは、長友が無関係ではないだろう。
かつて「谷間世代」とも言われたアテネ五輪メンバー、闘莉王・松井・駒野・大久保・今野がこの日の日本を支えた。特に期待度が高かった松井は堂々たるプレー振り。コートジボワール監督をして「松井しか知らない」という知名度もあるが、プレーでもしっかりと欧州での経験を見せつける。
ボールを持った時でも冷静に周りを把握し、ル・マンでFWを務めた経験も活かし積極的に得点機に絡もうとする。守備でもライン際、ルーズボールの競り合いで身体を投げ出して闘っていた。エブエへの的確なタックルには、エブエも健闘の握手を松井に求める。
そして名古屋の二人。ワールドカップ・ドイツ大会、ブラジル戦で得点したように玉田は大物相手で燃えるタイプか。またそれ以上に楢崎の活躍が目立った。大雨でスリッピーだったが、飛び出し・パンチング・キャッチングの判断、フリーキック時の壁の指示・動き出しなど的確だった。
58分のボカの強烈なグラウンダーの直接フリーキックを止め、試合終了間際の中澤のクリアミスを詰められるもコースをふさいでストップ。完封に貢献した。
アテネ・名古屋組ではないが、長友の活躍ももちろん見逃せない。左サイドを縦横無尽…いや「縦無尽」と言うべきか、攻守で激しい上下動を繰り返した。正に文字通りの強心臓、初のA代表という緊張は全く見せることのない精神的な強さ、衰えない運動量という肉体的な強さと両方を見せつけた。
長谷部 誠。シーズン途中加入のヴォルフスブルクで早くもレギュラーを奪った男は、この日も欧州のプレーを鮮度そのまま直輸入。雨で味が落ちることはなく、中盤を絶え間なく動いてチャンスの芽を摘み、得点機には鋭い飛び出しと精確なクロスで演出。
■総括
日本の課題としては、後半に極端に落ちた運動量。先述のような事情のあるコートジボワール相手に走り負けるわけにはいかないだろう。
「1点を取ってから、ダランとしてしまったところがあった。ああいうところで、もう1点を取りに畳み掛けることが必要になってくる」(G大阪:遠藤)
2度ほどゴールエリア内でチャンスにも関わらず、シュートを打たずに選択したところも日本らしさは変わっていないな、という印象を受けた。
後半に関しては、コートジボワールの選手がスタミナ配分を考慮してやっていた(コートジボワール監督会見より)。そのため日本の運動量が落ちてしまった後はコートジボワールのペースになってしまったとも言える。
CL決勝を闘っていた者、招集に応じなかった者(ケイタやコネ・ブラザーズ?)を含めて7人の主力が不在、監督采配2試合目だったコートジボワール。そのチーム相手にもう少し点を獲りたかった、というのは欲張りな話でもないだろう。
しかしこれまでの試合にあまり見せられなかったワンタッチでの崩しなどが出てきたのは収穫。次は中村俊輔も加わるので楽しみだ。
次戦は27日に埼玉スタジアム2002で、日本vsパラグアイが行われる。
posted by batistuta |00:06 |
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2008年05月23日
トゥーロン国際大会2008、日本vsフランスの試合がスタッド・ペリュックにて行われた。
17分に梅崎が決めて日本が先制、60分には森本が追加点。フランスもケルシアが見事なハーフボレーを叩き込むが、その後は失点を許さなかった日本が勝利。
連勝した日本とチリが最終戦を残して、決勝トーナメントに進むことになった。これで決勝・3位決定戦どちらでも全5試合が保障され、日本に良い経験となりそうだ。
■プレビュー
トゥーロン国際と同時期に行われているスウェーデンでの4カ国国際トーナメントの出場国はスウェーデン、オランダ、フランス、ポルトガル。すなわち日本の第一戦の相手のオランダ同様、フランスもいわゆる二軍であった。
キャプテンであるピエール・デュカスはボルドーの生え抜き。リーグでは守備固め要員であり、出番は少ないようだ。
2トップを組むFWジュリアン・ケルシアは、オセールの控えFW。
FWシャヴィエ・ペンテコートは以前トゥールーズにいたが、現在はリーグアン2部のバスティア所属。13試合で6ゴールを挙げている。
ボランチに入ったダミアン・プレシスは、リヴァプール所属。今シーズンは2試合出た模様。
一方でモナコ所属の左サイドバック、ビセンテ・ムラトリは、ファビオ・グロッソに弾かれ出場機会を求めてモナコにやってきたジェレミ・ベルトーを抑えてスタメンに。バレンシアが狙ったこともあったようで、今後注目の選手かもしれない。
日本はGK西川・DF伊野波を残してスタメンをガラリと変えてきた。
GK 西川 周作
DF 中村 北斗
青山 直晃
吉田 麻也
伊野波 雅彦
MF 青山 敏弘
上田 康太
本田 拓也
梅崎 司
FW 森本 貴幸
岡崎 慎司
■聖霊降臨祭
序盤は落ち着いたペース。フランスがミドルを放っていくが、枠に飛ぶことはなかった。
すると17分、日本が右サイドで上田が前方のスペースへパス。岡崎が入れ替わるような動きでDFを振り切ると中央へクロス。森本が待ち受ける手前を、梅崎が飛び込みヘディングで押し込んだ。1-0、日本が先制!
フランスで輝いていたのは14番のペンテコート。得点もチャンスメイクもできる良い選手だった。ケルシアへのスルーパスは見事だったが、これはオフサイド。
ペンテコート、38分にはエリア内でDF二人に囲まれながらも反転、さらに一人をかわしてシュートまで持ち込む。これはゴール右に逸れた。前半終了間際にも一人を置き去りにしてシュートを外す場面が。
46分には再びケルシアにスルーパス、これはケルシアが外す。すると1分後にまたもや同じ形。しかもケルシアが完全に抜け出してGKと1対1になったが、西川が左手に当てセーブ、こぼれ球を押しこむところは伊野波が身体を張って止めた。
PENTECOTEは「聖霊降臨祭」を表すそうだが、この日は残念ながら彼にゴールは降臨しなかった。
■ハードマークとホームコートアドバンテージ
主審はコートジボワール人。「かつてはフランスの植民地であってな」…なんて野暮なことは言わないが、ジャッジはホームのフランス寄りではあった。中村と上田に対して、さほど時間がかかったわけでもないのに遅延行為のイエローを繰り出す。
激しいボディチェックを受け転倒した梅崎に胸元にヒールキックをお見舞いしたフランス人DFを見逃し、報復行為に出てしまった梅崎にイエロー(もちろん報復行為は許されるものではないが、梅崎への行為も見ていてほしいということ)。
ハードマークとは無関係だが、岡崎が足を痛めてしまい無念の負傷交代。セルヒオ・エスクデロが反町ジャパンデビューとなった。
■日本に追加点
先制点を挙げた日本、後半にもチャンスを作っていく。右サイドから中央へ、ワンタッチで小気味良く繋いでいくとエスクデロから上田にラストパス。しかしこれは長くなりGKキャッチ。
しかしこの後、日本に追加点が生まれた。60分、ファウルを受けて早いリスタート。左サイドの梅崎から、前方のオープンスペースに流れてきた上田へパス。上田がゴール前に送るとエスクデロがうまく合わせたがGKが弾く。しかしゴールの臭いを嗅ぎつけた森本が抜け目なく押しこみ、2-0!日本が突き放した。
■いらだつフランス
日本はラフプレーに走りがちになったフランスに臆することなく、線審の目の前の競り合いでユニフォームを引っ張ることも。もちろん褒められた行為ではないが、引き下がるわけにもいかないだろう。
57分にペンテコートが日本DF2人をかわすと左前方へパス。中村の頭上を越え、ボネにパスが通り中央へ折り返し。ケルシアがシュートに持ちこむも、ミートせず大きく枠を外す。
これにはゴール裏で観戦しているフランス人たちの怒り交じりのヤジが飛ぶ。フランス語は分からないが、怒っていることは伝わってくる。
日本の2点目が入った後に、梅崎がチャージされて転倒。日本がボールを出して試合を止めたが、再開後マナーに反してそのまま攻めてきたフランス。ペンテコートが青山直晃と1vs1になるも青山がストップ。
日本DFの誰かが、倒れたペンテコートに(マナー違反に対してか、シミュレーション気味の倒れ方に対してかは分からないが)頭を小突くと、両軍入り混じっての小競り合いとなった。
■GK西川の堅守
先述の決定的な1vs1を止めたのもそうだが、西川の活躍が目立った。67分にフランスが右サイドの角度のないところからのFKを得る。ニアに入れてきてペンテコートが飛び込んできたが、西川がコースをブロックして得点を許さない。
常々、「GKにオーバーエイジ枠は使わせない」と公の場で発言する西川。有言実行の男だ。
フランスが70分に左サイドからのFK、森本の甘いクリアを拾ったケルシアが鮮やかなトラップからハーフボレーで日本ゴールに叩き込む。さすがに西川もこの弾道ばかりは止めきれなかった。
その後は細貝を投入して、逃げ切りに成功した日本が2-1で勝利を収めた。
■総括
もちろん相手は二軍であり、大喜びできるものではないかもしれない。
しかしこういう試合でもしっかりと勝ち、決勝トーナメントに進出して決勝か3位決定戦を含めた5試合を経験できることは大きい。またラフプレーの展開の後半にあっても、退場者を出すことなく乗り切れたことも収穫だろう。
そして前の試合から大きくスタメンを変えたにも関わらず、きっちり2得点を挙げられた。反町ジャパン初招集の2トップ、森本やエスクデロがボールをもらいに下がってくる場面もあったが、2点目は二人とも得点に絡めた。連携などはまだまだこれからだろうが、得点を挙げたことでやりやすくなるだろう。
オランダがチリに敗れたため、Aグループは第3戦を残して日本とチリの決勝トーナメント進出が決定。反町監督は心置きなく、選手・システム起用を試すことができるだろう。
「勝った時こそ、課題を見つめ直す」そんな前向きなことができる今のU-23日本代表は心強い。
posted by batistuta |23:40 |
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2008年05月22日
キリンカップサッカー2008、コートジボワールvsパラグアイの試合が、三ツ沢球技場で行われた。
来日して間もない両チームだが前半から激しい動きを見せる。しかし前半にゴールは生まれず0-0で折り返す。
72分、エブエのグラウンダークロスをトラオレが押し込み、コートジボワールが先制点を挙げる。
しかしその直後の76分、カセレスのロングボールをロペスが頭で落とし、ボガドが左足で叩きこみパラグアイが同点に持ち込んだ。
その後スコアは動かず1-1のドローに終わった。
DFコロ・トゥーレは左太ももを痛めて出場せず。また、J2徳島ヴォルティスのFWドゥンビアが代表に初選出され、ベンチに入った。
キリンカップはこの試合の他、24日に豊田スタジアムで日本vsコートジボワール、27日に埼玉スタジアム2002で日本vsパラグアイの試合が行われる予定。
■プレビュー
象牙軍団来日――ディディエ・ドログバとサロモン・カルーはチャンピオンズリーグ決勝を戦っていたため当然いない。バルセロナのヤヤ・トゥレは椎間板ヘルニアの手術を行ったばかり。
あと個人的に注目していた、ル・マンのジェルヴィーニョ(ジェルヴェ・ヤオ・クアッシとも称される)が来日メンバーに当初は書かれていたが、試合当日のメンバー表に名前はなかった。
バカリ&アルナのコネ兄弟も不参加。
とは言うものの、バックスは良いメンツを揃えてきた感のあるコートジボワール。
GK ブバカル・バリ(ロケレン(ベルギー))
DF アルトゥール・ボカ(シュツットガルト)
アブドラーユ・メイテ(ボルトン)
マルコ・ゾロ(ベンフィカ)
シアカ・ティエネ(サンテティエンヌ)
MF カンガ・アカレ(マルセイユ)
ディディエ・ゾコラ(トッテナム)
エメルセ・ファエ(レディング)
エマニュエル・エブエ(アーセナル)
FW カンディア・トラオレ(ソショー)
ブバカル・サノゴ(ブレーメン)
コロ・トゥレが左太もも裏を痛めて出場せず。
それでも全員が欧州組という布陣だ。注目は右SHに配置されたエブエと、ボランチに入るゾコラ。
6/1からワールドカップ・アフリカ予選が開始されるため、集まれるメンバーでのテストマッチの趣もある。
一方のパラグアイは国内組を招集。しかしこちらも6/15からワールドカップ・南米予選があるため、若手・国内組最後のアピールチャンスとなる。予選では、ブラックバーンで活躍中のFWロケ・サンタクルスが合流するだろう。ブラジル・アルゼンチンとまだ手を合わせていないとはいえ、4試合戦って3勝1分で首位。
カルロス・パレデスはレッジーナで中村俊輔と同じ釜の飯を食っていた…いやパスタか?俊輔はセルティックでの都合上、パラグアイ戦から合流するとの話。
GK デルリス・ゴメス
DF ホルヘ・ヌニェス
ペドロ・ベニテス
ダリオ・ベロン
デニス・カニサ(CAP)
MF マルセロ・エスティガリビア
ビクトル・カセレス
カルロス・パレデス
セルヒオ・アキノ
FW ファビオ・エスコバル
ダンテ・ロペス
■前半 躍動する象牙軍団
20日に来日したという両軍。欧州戦線などは先週末終わったばかりで、シーズンの疲労がかなりたまっていることだろう。
お決まりの「選手は良いのが来ても、試合では手を抜く?」という考えが浮かんだが、コートジボワールは勝ちに来ている。
パラグアイからボールを奪ってからの、ゴールに襲い掛かる姿が野性そのもの。気がつけば、エリア内にコートジボワールの選手が殺到する。
エブエは相手DFの股を抜いて仕掛けたり、右サイドを突破してクロスなど、時差や疲労を感じさせない動きを見せる。両サイドバック、ボカとティエネも積極的に上がっていく。14分には機を見て上がっていたゾコラがシュート、パラグアイゴールを脅かす。
しかしFWがいつものディディエ・”エレファント”・ドログバではないため、フィニッシュの精度に欠ける。
30分を過ぎるとパラグアイがペースを掴み、コートジボワールゴールへ攻め寄せる。
キャプテンの右サイドバック、カニサがクロスを上げてエスコバルがシュートも枠を捉えられない。
エスティガリビアはミドルシュートを狙っていく。そしてパレデスが遠くから無回転のシュートを放つ。これにGKバリが何とか触って軌道を変え、バー直撃。
前半はスコアレスで終了した。
■後半 試合が動く
後半開始後は、少し落ち着いてしまい静かな立ち上がりに。
62分に中央のゾコラが右に大きく展開、ティエネが受けて右サイドを突破してクロスを送るが、シュートまで持っていくことができない。
ここでパラグアイベンチが動く。エスコバルに代えて、クリスティアン・ボガドを投入。ディエゴ・シメオネが監督を務め、ファン・セバスティアン・ヴェロンがいるアルゼンチンの古豪、エストゥディアンテス在籍のストライカーだ。
パラグアイにチャンス。66分にライン裏でパスを受けたアキノが、GKの横にシュートを流し込むも、マルコ・ゾロがゴールラインギリギリでスライディングクリアし場内を沸かせた。
そして72分、遂に試合が動く。
右サイドからエブエがグラウンダークロス、トラオレが押し込み、コートジボワールが先制点を挙げる。
しかし直後の76分にカセレスのロングボールをロペスが頭で落とし、交代で入ってきたボガドが左足で叩き込みパラグアイが同点に持ち込んだ。
その後、エブエがFKで面白いボールを放り込んでいたりしたが、得点は動かずタイムアップ。1-1、引分けに終わった。
■総括
親善試合ではあるが、両チームとも大事なワールドカップ予選を控えている。招集メンバーが少ないためケガがあった場合心配ではあるが、日本との試合でも面白くしてくれそうだ。
特にコートジボワールはチーム全体が躍動感溢れる攻撃を見せるので、日本がどれだけ耐えられるか、そしてトゥレが戻ってくるであろう最終ラインをどう攻略するか、日本代表の戦いに要注目である。
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2008年05月22日
チャンピオンズリーグ決勝戦、マンチェスター・ユナイテッドvsチェルシーの試合が、モスクワのルジニキ・スタジアムで行われた。
様子をうかがううような静かな立ち上がり、均衡を破ったのはマンU。25分、ブラウンのクロスに頭で合わせたC・ロナウドが先制点を挙げる。しかし前半終了間際、エッシェンのシュートがDFに当たったところを、ランパードが押し込んで同点にする。
後半はチェルシーペースで試合は進んだが得点は動かず。延長に入り、動きの激しい両チームの疲労はピークに達し、足を吊る選手が続出する死闘になった。
結局勝負はつかずにPK戦に突入。C・ロナウドが止められ、チェルシーの優勝かと思われたがテリーがポストに当ててしまう。両チーム14人目のキッカーのアネルカのシュートを完全に読んだGKファン・デル・サールがストップし、マンUが98-99シーズン以来の3度目のチャンピオンズリーグ優勝を果たした。
■プレビュー
マンUは、ヴィディッチが前日練習で別メニュー調整を行い、心配されたがスタメンで出場。
GK エドウィン・ファン・デル・サール
DF パトリス・エヴラ
ネマニャ・ヴィディッチ
リオ・ファーディナンド
ウェズ・ブラウン
MF オーウェン・ハーグリーヴス
ポール・スコールズ
マイケル・キャリック
クリスチアーノ・ロナウド
FW カルロス・テベス
ウェイン・ルーニー
チェルシーも、A・コールが前日練習で負傷の話があったがスタメン。
GK ペトル・ツェフ
DF アシュリー・コール
リカルド・カルバーリョ
ジョン・テリー
ミカエル・エッシェン
MF クロード・マケレレ
フランク・ランパード
ミヒャエル・バラック
FW ジョー・コール
ディディエ・ドログバ
フロラン・マルダ
両チームとも、プレミアリーグを終えてからリフレッシュし、今シーズン最後の公式戦へ向けて調整。正にベストな布陣が出揃った。
■ルジニキ・スタジアムとそのピッチ
ヴィディッチがかつて所属していた、ロシアサッカー・プレミアリーグのスパルルタク・モスクワのホームスタジアムである。
昨年10月に行われたEURO2008予選のロシアvsイングランド戦後に、人工芝から天然芝に張り替えられたが、状態が良くなかったため、スロヴァキアから取り寄せた芝に再度、張り替えられている。
「芝の状態が良くないのでは」と欧州メディアで取り沙汰され、管理責任者やUEFA関係者のコメントが飛び交う事態となっていた。リオ・ファーディナンドなどは「(ピッチの質が)プレミアなどの基準に達していない場合は、対応せざるをえない」と戦前にコメント。
遠目では分かりづらかったが、近くで映されると一部荒れているところもあった。
■CL優勝者・決勝参加(敗退含む)経験メンバー
数えてみるとかなり多い。漏れ・間違い覚悟で書いてみますので、間違い探しでもしてみて下さい。
マンU:
ファン・デル・サール … アヤックスで優勝、翌年ユベントスにPK負け
ブラウン … 98-99優勝時、在籍していたがほとんどベンチ。今回はCL予選からほとんどの試合に出ており、貢献した上での決勝に感慨深げだった。
ハーグリーヴス … 00-01バイエルンで優勝。マンUに逆転優勝された時はユース。
エヴラ … モナコ在籍時にポルトとの決勝で敗退
スコールズ … 98-99は累積警告のため決勝不参加だった。
ギグス … 説明不要か。
ファーガソン … 同上。
G・ネヴィル … 残念ながらケガのため、今日はスーツ姿で観戦。
カルロス・ケイロスアシスタントコーチは、レアル・マンUともにCL優勝した後にスタッフ入りしているようだ。
チェルシー:
カルバーリョ&P・フェレイラ … モウリーニョ・ポルトで優勝
マケレレ … レアルにて優勝
バラック … レヴァークーゼンで、マケレレがいたレアルに決勝敗退。
ベレッチ … バルセロナで決勝弾を決め優勝に貢献
テン・カーテアシスタントコーチもその時のスタッフ。
A・コール … バルセロナに敗れる。
シェフチェンコ … ミランで優勝、イスタンブールの悲劇も
アネルカ … レアル在籍時
■セレモニー
旧ソ連の赤の国旗、赤の広場(本来は「赤」ではなく、「美しい」の意味があるらしいが…)などから、イメージカラーは赤と言えるモスクワの地。
選手入場の際に、ピッチ上でのパフォーマンスは赤と黄色を基調としていた。ほとんどの人がマンUの赤を連想したのではないだろうか。
もちろんモスクワが決勝の地に決まったのはかなり前のことで、決勝の組合せを予見しているわけではない、というのは百も承知だが。
対するチェルシーのロマン・アブラモヴィッチはロシアのサラトフ州生まれ。故郷に錦を飾ることができるか。
■前半
開始15分は様子の探りあい、といった趣になった。ホーム&アウェイではない一発勝負。攻撃時にリスクを犯さないように、慎重に攻める。
そして輝きを見せ始めたのはやはりC・ロナウド。15分にエッシェンをかわしてクロス、これはファーサイドのハーグリーヴスに合わなかった。1分後には追い越していったエヴラにスルーパス。C・ロナウドが観客を魅了しつつ、チャンスを作り出していく。
試合が動く。右サイドのスローインから、ブラウンがスコールズとワンツー、抜け出したブラウンがクロスを送るとテベスが囮になり、C・ロナウドがヘディングで叩き込んだ。ツェフは見送るばかり。1-0、マンUが先制する!
11試合出場で8得点目の脅威の得点率。CL得点王を決定的にした一発だった。
22分にはランパードのフワリとしたパスが前線のドログバへ向かうがヴィディッチがクリア。33分にも同様にランパードからドログバ、頭で落としたところにバラックがヘディングで押し込むもGKファン・デル・サールがバレーボールのアタックのようなクリアを見せるシーンがあった。
ファン・デル・サールに負けられないツェフ。
33分、チェルシーCKのセカンドボールをルーニーが奪うと、ピッチの真逆となる左前方へロングフィード。追いついたC・ロナウドがクロスを送ると、テベスがダイビングヘッド。しかしツェフがこれに反応する!
こぼれ球をテリーがクリアしたが、それが飛び込んできたキャリックへのお膳立てになってしまう。キャリック砲が放たれ万事休すかと思われたが、右手でワンハンドセービング!
世界最高の舞台で、世界最高のGK二人が火花を散らした。
このまま前半が終了かと思われた45分。
C・ロナウドに手を焼いていた右サイドバックのミカエル・エシアンが上がり、遠目から強烈なシュートを放っていった。するとヴィディッチ→リオとピンボールのように当たっていく。シュートコースに反応したGKファン・デル・サールの体勢が崩れたのを見逃さずに、エリア内に侵入したのはランパード。
勝負どころで力むことは全くなく、横向きに倒れているGKの上を、左足で軽く浮かせてゴールに押し込んだ。勘所での飛び出し、冷静な判断力が見えた見事なゴールだった。そしてゴール後は天の母に捧げる仕草を見せる(パフォーマンスと書いては語弊があるか)。
■後半 チェルシーの不運
前半終了間際のゴールが効いたか、後半開始後はまた慎重な立ち上がりになった。しかしチェルシー優勢になったと言える。チェルシーが何度もクロスを上げ、マンU守備陣を脅かすシーンが多かった。77分のドログバのミドルシュートの場面。ペナルティエリアの外から、コンパクトな振り足で強烈なシュートを放ち、GKファン・デル・サールの届かないコース・速さであったが不運にもポストを叩いてしまった。
しかし不運というのはシュートが決まらなかったことではなく、ジャッジだった。
先に言っておくと、私はマンUファンでもチェルシーファンでもない。しかし後半に目立ったのは、右サイドにいた線審と主審のジャッジが不可解なものが多かった。
C・ロナウドがライン際のドリブルで、チェルシープレイヤー2人に囲まれてC・ロナウドの足に出たがマンUボール。
J・コールとエブラがゴールライン近くで競り合い、エブラの足に当たるもゴールキック。
テベスがマケレレの顔をかきむしり、C・ロナウドのシュートがサイドネットに行きゴールキックかと思えばJ・コールのワンタッチとみなされコーナーキック。
89分、マンUエリアへのボールの競り合いで、リオ・ファーディナンドがJ・コールの顔面近くまで足を振り上げローリング・ソバットのような体勢。ファーディナンドがワンタッチで出したようにも見えたがこれもゴールキック。
75分時点で最も走っていたJ・コール。激しく闘っていた彼の周りで、微妙なジャッジが多かったのは悲しいところだった。誤審とまで強硬に言うつもりはないが、何か釈然としないものがあった。
■延長
おそらく両監督は、延長戦になることを予想していたのだろう。
最も早い交代で87分のスコールズout、ギグスin。ギグスは、ボビー・チャールトンの通算クラブ出場記録を塗り替えた。決勝トーナメント1回戦のリヨンでもCL出場100試合を達成していたギグス、今年は良い年になったようだ。
さて延長になり、チェルシーはマルダに代えてサロモン・カルー、J・コールに代えてニコラ・アネルカを投入。マンUもルーニーに代えてナニを入れる。
ランパードとギグスが好機を得るが、ゴールならず。
雨も強くなり、お互いの体力を奪っていく。調整期間があったとはいえ、もちろんシーズンで蓄積した疲労は簡単に取れるものではない。それにモダン・フットボールの集大成とも言えるこの決勝で、常人には計り知れない運動量。足を吊る選手が続出し、これが死闘であることを再確認させる。
精神的にもピークに達したか、延長後半の終わり際に小競り合いに発展。カードが乱れ飛ぶ事態となり、ドログバがヴィデッチを平手打ちしレッドカード。エースストライカーが退場することとなった。その後試合の時間は短く影響は無かったように見えるが、もちろんPK戦には影響しただろう。
最後にマケレレに代えてベレッチ、ブラウンに代えてアンデルソンと、両チームが交代のカードを使いきって終了。PK戦に移る。
■PK戦 クライベイビー
名選手ほど外すのではない。外すと目立つのが、有名選手の宿命である。
PK失敗で有名なのは94年ワールドカップアメリカ大会のロベルト・バッジョであるが、一番手で外していたのはバレージだった。
成功したことは記憶が曖昧になるが、失敗はやはり強く印象に残る。
このPK戦で最初に失敗したのはC・ロナウドだった。プレミアで31ゴール、試合が終わった今、ドログバのゴールがなくなり8得点で得点王。しかしバルセロナとの準決勝でPKを外し、そしてここでも外した。
ニックネームはよく涙を流すことから「クライベイビー」。ドイツワールドカップ準決勝でフランスに敗れ涙し、今季ここまで得点を積み上げながら、最後のPK失敗で涙に暮れることになるのか。
しかし両チーム10人目のキッカー、ジョン・テリーが泣くことになった。
強くなった雨でシュートの際滑ってしまい、右のポストを直撃。そして14人目のキッカーはアネルカ。GKファン・デル・サールが完全に読みきりストップ。心地よい衝突音を鳴らして、コースから弾き出した。ドイツワールドカップでもPK戦で敗退したイングランド代表のテリー、あの時と同じ悔しい泣き顔がそこにあった。
■悲しみ、そして歓喜
ビッグイヤー獲得次第では、アブラム・グラント監督来季続投も考えられたが、これでかなりの可能性でなくなっただろう。優勝セレモニーの前、円陣を組むチェルシーの一団。おそらくグラント監督が感謝と、そして惜別をしたに違いない。
イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストの「ジュピター」が流れる中を、マンUの選手たちが壇上へ。そして主将のリオ・ファーディナンドとライアン・ギグスがビッグイヤーを掲げるとベートーベンの第九がスタジアムを包む。
ジュピターは快楽をもたらす者、第九は歓喜の歌だ。残酷なPK戦により敗者となってしまったチェルシーだが、素晴らしい試合をしてスタジアムの観客とテレビの前の観客に快楽をもたらしたのではないだろうか。
そして最後はお決まりのピッチ上の優勝記念看板の前で歓喜。そして紙吹雪
というより帯状のようなものが大量に舞う。その色は黄金。
やはり赤と黄金というマンチェスター・ユナイテッドのチームカラーが歓迎の色となっていた。
posted by batistuta |11:24 |
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2008年05月21日
トゥーロン国際大会2008、日本vsオランダの試合がスタッド・マヨルにて行われた。
64分に李が決めて日本が1-0で勝利、初戦を白星で飾った。
■トゥーロン国際大会とは
フランス南部トゥーロン近辺の都市で開催される、U-21世代のサッカーの国際大会。 若手有望株を探しに、欧州クラブのスカウトが集結するとか。
思い出すと、昨年のドイツワールドカップの前行われた同大会において、U-20日本代表が「デカモリシ」こと森島康仁の2発でU-21ドイツ代表を破ったというニュースを見た覚えがあった。
今回は夏の北京五輪を前に、テストマッチを兼ねた海外遠征になる反町ジャパン。今回の布陣は;
GK 西川 周作
DF 伊野波雅彦
森重 真人
水本 裕貴
田中 裕介
MF 梶山 陽平
細貝 萌
水野 晃樹
本田 圭佑
谷口 博之
FW 李 忠成
18日に所属の清水で試合があった青山 直晃はベンチスタート、結局出番はなかった。森本 貴幸も18日にローマとのセリエA最終戦に出場したことと、システム上の問題もあると思うがベンチスタート。
柏木陽介はケガで招集外、内田・長友・香川・安田はA代表でキリンカップを戦うようだ。
オランダのスターティングと交代メンバーは以下の通り。
GK クルル (ファルカーク)
DF ヒアーイ(フローニンゲン)
クーンデルス (AZ)
ファン・アイデン (PSV) ⇔サルポン (アヤックス)
フルーレン (VVV)
MF フォルメル (AZ)
ドナルト (アヤックス)
ヤンセン (ローダ) ⇔キヴヴ (NEC)
FW ジョージ (ユトレヒト)
プーポン (ヴィレムII) ⇔イダブデライ (NAC)
アグスティエン (AZ)
■ガラガラ
日本の応援団の声がハッキリと聞こえる。しかしその数も多くはない…いや数十人、あまり映っていなかったので分かりにくかったが十数人レベルかもしれない。
他の観客も合計して500人いたかどうか。ボールボーイすらいない状況で、淡々と試合が進んでいった印象だ。
オランダのスターティングメンバーを見ても誰も分からない。少し調べても、良くてクラブチームの控えレベルだ。それもそのはず、U-23オランダ代表はスウェーデンの4カ国トーナメントに参加しており、トゥーロン国際大会はリザーブチームで参加ということだった。
「(今日の相手はベストより2段階位下という感じだが?)いや、2段階もしくは3段階ぐらい下なんじゃないかなと思います。その中でもいい選手も試合に出ていた。ただ、チームとしてオランダは活動していなかったと思うので。シーズンも終わってますし、プレーオフのあった選手、なかった選手もいて、コンディションのバラバラさも考えると、俺たちより悪いんじゃないかなと思いました」
と、本田圭祐は試合後に語っている。
■試合の印象
試合は印象が少ないものだった。コンディションの上がらない両チーム、決定機も少ない…と何とも書きにくい。
目立ったのはまず本田圭祐。14分、日本の攻撃時、ゴール前でオランダDF二人を引きつけ足裏を使って、フリーの谷口にパスをした本田のプレー。それに落ちなかったが、直接FKでブレ球を狙ったところ。
そして李は、64分の得点シーン。GK西川の正確なゴールキックから前線へ。谷口が競ったところからポイントが外れ、大きく弾んだところにうまく李がトラップ。そしてDFファン・アイデンをかわし、左足アウトサイドでコンパクトにプッシュしての見事なゴールだった(J1京都vs柏戦で決められたことを少し思い出してしまったが)
68分には自陣から水野がロングフィード、李は胸トラップしてゴールへの動きを描いたが、2人目のDFのカヴァーに会いゴールならず。
ベビーフェイス細貝のフィジカルの強い当たりも効いていたし、田中裕介と伊野波の上がるタイミングも良かった。
オランダにあまり連携が感じられず、身体能力でぶつかってきていた感があったが、その中でも森重・水本のCBコンビの競り合いは負けていなかった。
■システム・選手起用
五輪予選の試合を毎試合観ていたわけではないので、大きいことは言えないが李のワントップが固定されてきているようだ。李はこの試合でもキッチリ得点を決めてみせたし、もらう時の動き、その後の動きと良い動きを見せている。この日はトラップが大きくなってしまうことが多かった。
そして初招集の森本。カターニアvsローマ戦を見たが、その時も同点弾に繋がる動きを見せたいたし、この日も存在感が他の選手より一際目立っていた気がする。
同じく初招集で、注目のエスクデロは出番なし。
反町監督は、「特にシステムにこだわってやっていく必要はないですから、とりあえず目先のゲームに一番いい形・戦い方、日本らしいゲーム、それを考えてやっていくと思います」と語っているため、グループリーグ第2戦・第3戦でどう変えてくるか注目だ。
次は地元のフランス戦。今日よりは観衆も増すだろうし、アウェー感が出るだろう。大金払って日本国内で親善試合をするよりも、海外遠征の方が選手には良い。国内では収入面・興行面が大きい。ただ今回のオランダがリザーブチームになってしまったのは本当に残念。
フランスも2軍メンバーを使うなどあまり変わらないかもしれないので、遠慮なく勝って1試合でも多く戦って経験を積んでほしい。
そして決勝トーナメントに駒を進めて、是非ともイタリア代表と対戦してほしい。前回の記事でも取り上げたが、セリエBに降格してしまったパルマ・エンポリのメンバーが多くいる。セリエAチームから声がかかるように、この大会で奮起する可能性もある。
このオランダ戦でも日本が1点取ってから、オランダの前への圧力が強くなった。そのような状況を作ることで、日本の成長に繋がるだろう。
posted by batistuta |18:25 |
日本代表 |
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