2008年03月30日

先行され、逆転し、追いつかれ 京都、東京と引き分け

 味の素スタジアムに行って参りました。今季の初ナマサンガです。
 関東サポの皆様、はるばる来られた京都サポの皆様、お疲れ様です。

 第3節、FC東京vs京都サンガの試合が味の素スタジアムにて行われた。中盤に多くの怪我人を抱える東京が、昇格組ながら調子良く来ている京都を迎え撃つ。試合は点の取り合いとなった。東京が先行する形だったが、81分の田原の倒れこみながらの難しいゴールで逆転。しかし87分に今野にゴールを決められ3-3の痛み分けで終了した。


 ■プレビュー
  京都は中山博貴が欠場。
 GK 平井 直人
 DF 平島 崇
    増嶋 竜也
    手島 和希
    渡邉 大剛
 MF シジクレイ
    角田 誠
    佐藤 勇人
 FW 柳沢 敦
    徳重 隆明
    パウリーニョ

  東京はエメルソン、石川らを欠く苦しい台所事情。昨季チーム得点王ルーカスがガンバ大阪に流出も、韓国リーグ得点王のカボレを補強。

 GK 塩田 仁史
 DF 徳永 悠平
    吉本 一謙
    茂庭 照幸
    長友 佑都
 MF 今野 泰幸
    金沢 浄
    羽生 直剛
    大竹 洋平
 FW 赤嶺 真吾
    カボレ


 開始早々、京都GK平井がミスをした。足下に来たボールを大きく蹴り返そうとした際にキックミス、上に跳ね上げてしまう。カボレはボールを奪いシュート。ここは平井は防いだがCKを獲得。CKから競ったこぼれ球を吉本に詰められてしまった。1-0、東京が先制する。悔やみきれない失点だった。

 しかし京都も食らいつく。左サイドでCKを得ると、徳重が上げたボールを角田が競り合いに勝利し、頭で叩き込んだ。1-1の同点。
 その後勝ち越しを狙い、必死にボールを追う東京。エリア内でカボレが増嶋の首を掴み倒す。しかし主審はこれに気づかず、東京のCKを宣告。動揺した京都イレブンを尻目に、CKに赤嶺がヘッドで合わせた。平井が1歩も動けないベストのタイミングだった。

 この日の京都は、ルーズボールに対する執着が足りなかった気がした。赤嶺がバックヘッドですらし、無人のスペースに転がった際に京都の選手が誰も行かなかった場面。左サイドで羽生がループ気味にシュートを狙い、「タッチラインを割る」とほっとしていると、カボレにボールをさらわれたりした場面があった。

 前半は2-1、東京リードで折り返す。攻撃システムを代えて後半の逆転を狙う京都は、怪我明けで調子の悪いパウリーニョを下げて田原豊をピッチに送り出す。そして角田を下げてアタリバを投入。シジクレイが最終ラインに入り、アタリバが中盤底に入るという最近の戦術だ。

 後半開始して膠着状態が続いた。57分もそんな攻めあぐねていた場面だったが、左サイドでボールを持った渡邊大剛が、右にワンドリブルしてマークを外し、思い切り右足を振り抜いた。ボールはゴール右上を突き刺す!2-2、京都が同点に追いついた。

 東京は後半から大竹洋平が躍動する。ユースからの生え抜きで今季から昇格してきた若武者は、ベテランを差し置き積極的にプレースキックを蹴る。60分には直接FKをゴール右上を狙う。しかしここはGK平井のワンハンドセーブ。

 65分過ぎには雨が降り始める。足を痛めた柳沢が下がり、林丈統が入る。スピードと運動量で相手陣内をかき回す林は面白い存在だ。守備でも相手を追い回す。左サイドからループ気味の柔らかいクロスを中央に供給し、田原が合わせる場面があった。
 また今季の京都らしい攻めの崩しが出た。シジクレイが最終ラインからロングフィード。徳重が頭で落としたところにアタリバ。すかさず右に展開して平島へ。平島が中央へ折り返すと、先ほど落とした徳重がワンテンポ遅れで飛び込んできてヘッド。惜しくもバーの上へ外れたが、形としては面白いものだった。加藤監督の「相手に走り負けないように」という指示を形にした、連動して走りこむスタイルだ。

 80分、相手のトラップミスをアタリバがインターセプト。前方をルックアップし、山なりのボールを送る。反応した田原が倒れこみながらボールの落下地点に合わせてシュートを放った。おそらくGK塩田は、このタイミングでシュートを狙うと予想していなかったようで反応が遅れてしまった。3-2、京都が逆転を果たす!

 このまま逃げ切りたかった京都だったが、気を抜いてはいけなかった。右サイドの徳永の大きなクロスを処理しようとした平井が、落下地点の憶測を誤る。思ったより伸びたボールを後ずさりしながらジャンプし掻き出した。しかしその掻き出しが浅く、今野が詰めており万事休す。3-3、同点に追いつかれる。

 その後は緊張感が走ったまま終了した。点の取り合いで、痛みわけの勝ち点1となった。

 ■総括
 この試合には2つの再会があった。ジェフからの移籍組である羽生と佐藤勇人の「再会」、そして増嶋が敵となって東京に戻ってきた「再会」である。羽生と勇人はユニフォームを交換し、今後の健闘を誓った。増嶋は出場機会を求めて昨季は甲府、今季は京都に加入した。拍手もブーイングもあった。定位置を確保した京都にはレンタルで来ている。来季はどこにいるのか。「増嶋のロングスロー」は武器の一つになっているので、京都としては手放したくないところであろう。

 京都は「負けない」までも、引き分けが続いている。J1昇格組は得点力不足に悩み、そのままズルズルと負けていくパターンが多いのだが、幸い得点力は高い。ただ、この2試合で6失点(ナビスコ浦和戦と今回)はいただけない。GK平井は神がかったワンハンドセーブを見せたと思いきや、とんでもないミスをしたりする。DF陣は渡邊、増嶋と得点に絡むプレイを見せているが、守備でも一層の集中が必要だろう。シジクレイの高さでかなり助けられているところもある。クロスを上げられないようにプレスに行く必要もある。あとは森岡隆三の復帰で状況がどう変わるかである。

 サンガは水曜にホームで柏レイソルを迎え撃つ。週末は等々力に乗り込み川崎戦。川崎はフッキが退団したが、逆に攻撃の的が絞れるかもしれない。試合は観ていないが、千葉に勝利したようだ。

posted by batistuta |18:48 | 京都サンガ | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年03月30日

決定機を逃し続けたローマ、カリアリに引き分け

 セリエA第31節、カリアリ対ローマの試合がカリアリホームのスタディオ・サンテリアにて行われた。ホーム4連勝中、勝ち点マイナス3の処分取消で最下位脱出という、「ローマにとっては最悪」のカリアリのモチベーションの高さに引き分けに持ち込まれた。
 開始早々の2分、集中力がなかったフェラーリが相手CKでオウンゴール。前半終了間際にトッティが直接FKを決め、後半は流れをつかみ攻めたてたものの、追加点を奪えず痛恨のドロー。1-1で終了した。
 しかしインテルもアウェーのラツィオ戦で引き分けたため、勝ち点差は4のまま。スクデット争いはまだ終止符が打たれていないようだ。


 ■プレビュー
 ホームのカリアリはホーム4連勝中。また3月1日に内部告発により勝ち点3ポイントがマイナスされていたが(http://news.livedoor.com/article/detail/3534067/)、取消となった。このため最下位を脱出。残留戦線は大混戦のため、残留に向け一気にモチベーションが高まったようだ。

 GK マルコ・ストラーリ
 DF フランチェスコ・ピザーノ
    ミケーレ・カニーニ
    ディエゴ・ロペス
    アレッサンドロ・アゴスティーニ
 MF アンドレア・コッス
    アンドレア・バローラ
    ミケーレ・フィーニ
    ジェダ
 FW パスクアーレ・フォッジャ
    ロベルト・アクアフレスカ

 アウェーのローマはペロッタ、デ・ロッシ、ヴュチニッチがカード累積のため出場停止。またペロッタは水曜日のチャンピオンズリーグ(以下CL)のマンチェスター・ユナイテッド戦も累積のため出場停止。このシミュレーションも兼ねてジュリをトップ下に置いてきた。
 デ・ロッシは先日、代表でスペイン戦を戦ってきたので良い休みにはなるかもしれない。トッティは右膝の負傷の話が尽きないが、テーピングをして出場。ヴュチニッチもいないので代役も不在だ。

 GK ドニ
 DF シシーニョ
    フィリップ・メクセス
    マッテオ・フェラーリ
    マックス・トネット
 MF マッテオ・ブリーギ
    ダビド・ピサーロ
    マンシーニ
    リュドヴィク・ジュリ
    ホドリゴ・タッデイ
 FW フランチェスコ・トッティ


 ■前半 あっけない失点
 先述の通り、カリアリは高いモチベーションで臨んできた。つい先日まで最下位だった彼らだが、「負け犬の眼」をしていない。全体が躍動的にローマゴールに迫りCKを獲得。2分、CKをゴール前に送ると集中力を欠いていたフェラーリの足下に。処理するでもなくただ「足に当たった」ような、気の抜けた雰囲気でローマゴールに吸い込まれていった。0-1。
 その後も、ワントップ気味に位置するカリアリFWアクアフレスカが貪欲にライン裏を狙いつつ、カリアリ攻撃陣が盛り立てる。しかしローマもこの失点で集中し、追加点を許さない。
 
 ジュリは積極的にゴールを狙うが、少し精度に欠ける。またGKストラーリも今日は「当たり日」のようだ。ストラーリは今季途中加入。給料未払いで揺れたスペインのレバンテを離れ、セリエA最下位のチームを救いにやってきた。どちらも降格圏内だが、地元イタリアで気持ち良くやれているようだ。

 トッティは怪我の影響を感じさせないプレイ。21分に右サイド浅めの位置からニアにクロス。切り込んだトッテイがバックヘッドで中央へ。ジュリが空振りしたものの、後ろで詰めていたマンシーニがシュートもバーの上。
 43分にはトッティがポストプレーをして反転、左サイドのジュリに流すもシュートまで持ち込めず。「周りを生かすプレー」を惜しみなく出すトッティ。

 しかし44分に自らが決めた。一度FKを外したがセカンドチャンスが巡ってきた。中央25m付近からカリアリゴールの左下隅を狙った。ワンバウンドするくらいの低い弾道は、みるみる吸い込まれていった。壁で死角になっており、ストラーリの反応が一瞬遅れてしまったようだ。1-1、同点に追いつき、前半が終了した。

 ■後半 ローマ、流れを掴むも…
 後半54分にはトネットを下げ、マルコ・カッセッティを送り出すスパレッテイ監督。トネットもCLにおいてカードが累積しているため、不在の時を考える必要がある。トネットは大事な攻撃のオプションである。
 57分にフェラーリが、失点にはならなかったものの決定的なパスミス。集中力を取り戻していたかに見えたが…。

 ここでミランファンに朗報。カリアリの司令塔、フォッジャがイエローカードをもらい次節のミラン戦出場停止になった。確実に叩いておきたいところだ。

 後半は完全にローマがペースを掴んだ。決定機はほとんどローマ。ただそれを決めきれなずに試合が進んだ。
 65分にカッセッティのクロスをトッティが落としてジュリがシュートもゴール左へ逸れる。 ブリーギと交代で入ってきたアクィラーニが、シシーニョのアーリークロスをフリーでの状態で頭で合わせようとするも、ゴール左へ流れる。右サイドを突破したピサーロのクロスに、ニアにいたアクィラーニがヒールで流し込もうとするが、GK正面に行ってしまう。
 82分にはシシーニョがインターセプトし、中央のトッティへ。前を向き、右前を走るジュリにパス…と思わせておいて、ボールを預けたシシーニョが走りこみトッティがパス。シシーニョがシュートを放つも、バーの上へ。
 最後はマンシーニのクロスにファーでトッティがヘッドで合わせるも、ストラーリがブロックした。
 結局後半は得点が入らず、1-1で終了した。

 
 ■総括 内容は悪くない
 贔屓目で見れば「運が悪い」、悪く言えば「決めきれない」「集中力がなかった」。「GKの当たり」というのはバーやポストに助けられることも含むと思う。そういう意味ではストラーリは正に今日「当たって」いた。
 しかしローマの出来は決して悪くない。前のエンポリ戦の出来の悪さは悪夢だったが、今日は良かった。中でもトッティの出来は特筆に値する。
 バイタルエリア、つまり「ゴールに繋がるラストパスの起点となる重要なエリア」をトッティは完全に支配していた。以前より言われる「背中に眼があるのでは」という通り、仲間の動きを予測・把握しておりヒール、ヘッドなどを使い、ワンタッチもしくはタメを使ってと、状況に応じて決定的なチャンスを作り出す。
 昨季はゴールデンシューを獲得し得点力の高さを見せつけたが、今季は周りを使うプレーに特化している。それがチームの好成績に繋がっていることは本人の望む通りだろう。

 幸いインテルが引き分けたため、勝ち点さは4ポイントのまま。このあたりでもまだまだローマは、運に見放されてはいないようだ。
 4/1に対戦するマンチェスター・ユナイテッドは、4-0でアストン・ヴィラに快勝した模様。相手にとって不足なしだ。

posted by batistuta |11:48 | セリエA | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年03月28日

無敵艦隊は甦るか スペイン、ビジャのスーパーゴールでイタリアに勝利

 
 3月26日スペインのマルチネス・バレーロ・スタジアムにて、スペイン対イタリアの国際親善試合が行われた。両チームのGKカシージャスとブッフォンが鉄壁の守備を見せ、得点が動かなかった。しかし77分にイタリアCBカンナヴァーロがクリアしたボールをダイレクトに蹴りこんだビジャのスーパーゴールが決まり、スペインが1-0でイタリアに勝利した。
 スペインは、2月のフランス戦に続いてイタリアというワールドカップ優勝国に勝利。これが続きEURO2008で好成績を収めるのか、それとも「いつもの」無敵艦隊に終わってしまうのか。

 
 ■プレビュー
 まずはメンバーを。
 GK イケル・カシージャス
 DF ホアン・カプデビーラ
    カルロス・マルチェーナ
    カルラス・プジョル
    セルヒオ・ラモス
 MF ダビド・シルバ
    チャビ・エルナンデス
    マルコス・セナ
    フランセスク・ファブレガス
    アンドレス・イニエスタ
 FW フェルナンド・トーレス
 注目すべきはやはり「若さ」じゃないだろうか。20代前半の選手が多い。といっても経験がないわけではなく、早くにトップ・リーグでデビューして活躍している選手ばかりである。28歳のチャビも最早10年選手である。

 アウェーのイタリア、こちらは老若バランス良い印象。EURO予選突破に大きな印象を残したパヌッチは御歳34歳である。ローマの選手が増えたな…という印象も(控えにはアクイラーニも)。
 GK ジャンルイージ・ブッフォン
 DF ファビオ・グロッソ
    マルコ・マテラッツィ
    ファビオ・カンナヴァーロ
    クリスティアン・パヌッチ
 MF アンドレア・ピルロ
    ダニエレ・デ・ロッシ
    アントニオ・ディ・ナターレ
    シモーネ・ペロッタ
    マウロ・カモラネージ
 FW ルーカ・トーニ

 
 ■前半
 序盤は両チーム探りあいの展開。ピルロが攻撃を組み立てるイタリア。「1秒持つな」というルールがあるかのような早いパス回しのスペイン。
 12分にいきなり試合が動いた。イタリアが、ペナルティエリア左角の近くでFKを得た。ピルロが巻くように曲がるボールをゴール前に上げて、トーニがヘッドで完璧に合わせた。先制か!…と思いきやファーサイドで選手を倒したことでイタリアにファウルが与えられた。
 得点取消に気落ちするイタリアイレブンを見て、GKカシージャスが出し抜く。早いリスタートを促し、あれよあれよという間にボールは前線へ。トーレスが受けて左サイドを猛然とドリブル突破した。クロスを中央へ送り、シルバがニアで合わせたがゴール左へ転がっていった。

 25分にマテラッツィがトーレスにファウル、イエローカードをもらう。どこかで見た光景だ。プレミアトップで揉まれたトーレスは明らかな成長の跡を見せた。デ・ロッシ・パヌッチに囲まれても、ドリブルで強引に抜きにかかる。
 36分にはセンターサークル付近でチャビが前方をルックアップ。フワリとパスを前線に送ると、シルバが頭でトーレスに落とした。トーレスが左足を振りぬくも、ブッフォンが反応した。
 スペインの攻撃的な姿勢を、中盤のアンカーの位置に入るセナがどっかりと支える。チャビ、セスクが自由にゲームメイクをし、イニエスタは右サイドから中央へ切れ込み、そのスペースをセルヒオ・ラモスが何度も突く。セスクはアーセナルで自信を得たか、シュートをガンガン放っていく。クラブでの活躍がうまく反映されているようだ。

 イタリアはピルロの前線への侵出が見られる。これはスペイン勢とは逆に、ミランでは最近見られなくなってしまっている彼の動きだ。


 ■後半
 ハーフタイムの間に選手を代えてきた。
 スペイン トーレスout ビージャin
 イタリア ピルロout → イヴァン・ガットゥーゾin
      トーニout → マルコ・ボリエッロin
      マテラッツィout → アンドレア・バルツァーリin
 怪我で欠場の噂もあったトーレスがここで下がる。そんな噂も吹き飛ばす動きのキレがあったが、無理はさせられまい。
 ピルロを敢えて下げたのは、彼が不在の時の攻撃の組み立てを考えてのことだろう。そして現在セリエA得点王のボリエッロ、ネスタから後継者の指名を受けた若手のDF筆頭株のバルツァーリが入る。

 後半はイタリアがいきなり先制パンチ。カンナヴァロが同じレアル。マドリーの同僚セルヒオ・ラモスから容赦なくボールを奪うと前線へ向かうグロッソへ。グロッソは左サイドを駆け上がり、中央へ切れ込んできたボリエッロ…ではなくその後ろに来たカモラネージへ精確なクロス!カモラネージはフリーでもらい左足で合わせた。しかしバーを直撃。
 「バーの跳ね返り」という速い弾道だったが、背中を向けていたFWボリエッロはこれに反応。左足を振り抜いたが、目の前にいたラウール・アルビオル(前半に負傷交代のプジョルと交代)の顔面を直撃した。倒れこむアルビオル。
 プレーは一時中断。再開し、スペインはボールをイタリア陣内へ送る。しかしイタリアはこのボールを再びスペイン陣内へ。親善試合であることもあるが、故意ではないが怪我させそうになったのだからとボールを返したのだろう。地味だが、こういうフェアプレーには拍手を送りたい。

 59分には左サイド角度のないところで、イタリアがFKを得る。キッカーのデ・ロッシからファーサイドへ。パヌッチが頭で合わせたが、浮かせてしまった。EURO予選のスコットランド戦のゴールシーンを思い出させる。
 
 66分にはイニエスタがロビング(浮き気味)のボールをゴール前に送るとセスクが合わせてシュート!しかしGKブッフォンがセーブ。76分にはカモラネージが中央で、デ・ロッシを使ってワンツーパスでスペインゴールに迫るも、GKカシージャスが立ちはだかる。欧州、いや世界屈指の2人のGKが得点を許さない。

 しかし均衡を破ったのはスペインだった。またもイニエスタからロビングパス。カンナヴァーロがクリアするも浅い。ペナルティエリアライン上に落ちてきたボールを、FWビージャが狙いすまして蹴りこんだ!ドライブがかかったようなボールがイタリアゴールが左上に突き刺さった。さしものブッフォンもこれは止めれらない。1-0!スペインがゴールを挙げた。

 87分にもまたもイニエスタが右サイドからダイアゴナル(斜め)にパスを送り、ビージャが抜け出すも、今度はさせじとブッフォンがコースを切った。

 試合は1-0のまま。スペインが終了した。


 ■総括
 結果を見ればスペイン勝利、だ。しかしイタリアも動きは良く、メンバーのテストもしっかりこなせていた。EURO本戦に向け着々と準備が進んでいることを窺わせた。1失点も「あのゴールを決められたら仕方ない」というもので、本番はしっかり修正してくるはずだ。
 対するスペインは、またもクラブでは絶好調のラウール・ゴンサレス不在。しかし解説の早野宏史氏も言っていたように、今のスペインの選手・システム・戦術では居場所がないのではないか、というのは同意できるところだ。
 得点感覚に益々磨きがかかっているFWトーレスはアンタッチャブルな存在になりつつあるし、チャビ、イニエスタ、セスクのパスセンス、戦術眼がトーレスと益々シンクロすれば恐ろしいものになるだろう。現実的に考えれば、今回のEUROをステップとして南アフリカワールドカップを狙えることも十分可能だ。ビージャ、シルバもクラブのゴタゴタがなければ、もっと精神的に落ち着いて戦えるだろう(ビージャは得点したが)。
 しかしそういう「無敵艦隊ぶり」は昔から。それを払拭するには、本戦での勝利・栄光が必要だ。

posted by batistuta |22:34 | EURO2008 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年03月28日

テストか連携強化か U23日本、アンゴラ相手に引き分けに持ち込む

 
 国立競技場にてU23日本代表とフル代表のアンゴラとの親善試合が行われた。
 53分に長友のクロスを豊田が決めて先制。しかし85分にマヌーチョに決められ1-1で終了した。8/7の北京五輪開幕に向けて選手選考がまだまだ続く。

 ■プレビュー
 北京五輪前のテストマッチ、反町監督たっての希望の相手ということらしい。若い日本代表に、ドイツワールドカップ出場、アフリカネーションズカップベスト8のチームを引っ張ってきた。当然、親善試合だからあちらはガツガツ来ない。しかも昨日の昼に来日したというから、時差ボケを全く気にしていないだろう。やはりアンゴラ代表の身体のキレは良くなかったと思う。

 今回、反町監督の起用に関して注目が集まった。J1もしくはJ2でレギュラー、もしくはそれに準ずるポジションにいるコンディションの良い選手を召集した。その最たる例はJ2モンテディオ山形の豊田陽平。逆に召集されなかったのは五輪予選チーム得点王の平山相太。海外組も、反町監督が「優遇しない」ことで召集外。VVVの本田圭佑、セルティックの水野晃樹、カターニアの森本貴幸らだ。
 
 アンゴラは、マヌーチョが将来を嘱望された人材のようだ。マンUのファーガソン監督に見初められるも、労働ビザのためレンタル移籍することに。14のクラブが獲得争奪をしたとも言われ、注目度は高いようだ。結局ギリシアのパナシナイコスへ行っている。
 また宗主国がポルトガルのため(ドイツWカップ時は同じグループリーグだった)、ポルトガルリーグで活躍している選手も多いようだ。

 ■試合
 日本が押し気味に試合を進めた。日本のプレーも良いことは良いが、アンゴラがそこまで力を出していないというのもあっただろう。アンゴラは前半3本シュートを放つも、確か全て枠外。長い手足と躍動的な動きを生かした…と言いたいところだが、いかんせん動きが重い。

 この試合で注目したのは右サイド、FC東京の長友佑都。SBもこなすが今日は3バックのために、前めでプレイ。しかし豊富な運動量で右サイドを往復。心臓が血液を送り出すかのように激しいものだった。攻撃でも貢献したが、守備でもしっかり最終ライン近くまで戻り対応した。
 後半になってその長友が得点に絡む。53分、右サイドのスローインを受けた長友、中央をルックアップ出来る姿勢に行きやすい巧みなボールのもらい方。そしてDFの股を抜いてクロスを供給した。中央にいたFW豊田も秀逸だった。一度ウラへ抜けるフェイントを仕掛けて、アンゴラDFアイホーザを油断させる。「9番はファーに行ったから楽にクリアだ!」とボールへ対応しようとしたところを、豊田は切り返してアイホーザの前にスッと入り込む。豊田は左足で合わせ、ゴールの上ネットへ突き刺した。1-0、日本が先制した。

 その後、アンゴラは選手をどんどん代えてくる。世代交代の時期にあるため、こちらもテスト要素が強いようだ。
 日本は、良い仕事を見せた豊田と梅崎(2列目をタフに動き回りチャンスメイクした)を下げて、興梠慎三と香川真司を投入。興梠はスペースへの侵入、香川は巧みなドリブルでチャンスを作り出した。
 87分の場面が面白かった。左サイドをドリブルで突っかける香川。前方ペナルティエリアライン付近でFW李 忠成が、興梠とクロスしてポジションチェンジした。ボールを受けた李はヒールパスで興梠へ。興梠は丁寧にゴール左上を狙ったが、バーの上へ浮かせてしまった。残念ながら得点はならなかったが、良い崩しだった。

 緊急招集された京都サンガの中山博貴も魅せた。交代直後、左サイドでパスカットした中山は前方をルックアップ。斜めに定規で線を引くようにパスを出した。残念ながらその引いた線は、ピッチという紙面をはみ出してしまった。長友が追いつくことができなかったが、「GKが飛び出せない位置」という絶妙なところへパスを出せた。

 今日のアンゴラの出来では図りかねるかもしれないが、守備陣がキャプテン伊野波雅彦を中心として守れていた。チャレンジ&カヴァーリングがしっかりしていて、前半しっかりと守れていた。85分の失点はそのカヴァーリングがちょうど裏目に出てしまったところか。アンゴラのゴールキック、バックヘッドですらしてマヌーチョが反応し、ドリブルで左サイドを突破。そこをカヴァーしたところで、ジャンジをフリーにしてしまった。ここは修正ポイントだろう。


 ■試合総括
 何度も書くが、おそらくアンゴラは本調子ではなかった。しかしこの若き日本代表は良くやったと思う。前日の不甲斐ないA代表の後だから余計良く見えたのかもしれないが…。5月はツーロン国際、欧州遠征が控えている。ガチンコでやって経験を積んでほしい。そして北京五輪は時差が少ない有利な状況なので、一つでも多く勝ち進んでほしい。今回は特に南米勢のブラジルとアルゼンチンはとても「オイしい」相手だ。何点差で負けようが、是非とも対戦して、良い糧にしてほしい。


 ■オーバーエイジ
 あとはオーバーエイジ(以下OA)をどうするのか。試合後に梅崎司も「(OA枠は)勝つためには必要」とコメントしているように、準備は早めにしなければならない。「今の連携が壊れる」という危惧は、全世界共通だ。オーバーエイジを使わない国というのは基本的にないので、反町監督の判断が待たれる。
 起用選手をテストもいいが、ある程度固めて連携を築く期間も必要だろう。そして欧州組はどうなるか?オーバーエイジは?

 イタリアではデル・ピエロやインザーギを使うという話もある。前回アテネ五輪ではDFマッテオ・フェラーリ、MFアンドレア・ピルロ、GKイヴァン・ペリッツォーリと、バランス良くOAを配置し3位に。
 優勝したアルゼンチンはDFファビアン・アジャラ、Dfガブリエル・エインセ、MFキリ・ゴンザレスという守備寄りのOA配置。(OAではないが)大会得点王に輝いたカルロス・テベスは現在マンチェスター・ユナイテッドで活躍中だ。

 前回の日本はどうだったか?GK曽我端準、MF小野伸二、FW高原直泰をチョイスしたが、高原が怪我で離脱してしまった。今日の試合ではGK西川、DF伊野波の出来が安定していた。さてどこにどういうOA選手を配置するのか。

 強豪国は、例えばアルゼンチンではメッシ、ブラジルはパトという「オーバーエイジでない世代が強力な国」が脅威だ。欧州はあまり五輪に力を入れないが、南米勢は優勝を狙ってくる。前回優勝のアルゼンチンを面白く思っていないブラジルが、つっかけてきたら面白い。OA枠もあっと驚く人選があるかもしれない。

posted by batistuta |00:35 | 日本代表 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年03月27日

良いところなく日本、バーレーンに敗戦

 
 ワールドカップアジア3次予選の第2節、バーレーン対日本の試合が行われた。場所はバーレーンナショナルスタジアム。日本は前半はほとんど展開を作り出すことができない。後半になって少し前線にボールが回るようになったものの、決定機を作れずじまい。バーレーンは幾度かチャンスを作りだし、76分には最終ラインから一気に最前線にフィード、中央へのクロスをGK川口が弾いたところを絶対エースハサン・フバイルが頭で押し込んだ。
 これで日本は2位に後退。バーレーンに首位にとって代わられた。
 次節は6/2にホームでオマーンを迎え撃つ。バーレーンへのリベンジは6/22の最終節まで待たなければならない。

 
 ■敗因は?
 何が悪かったのか? 

 ピッチコンディションか?いや見ている限りはそこまで悪影響ではなかった。何より今までやっていた、ワンツーでの崩し、オフザボールの動きなどがほとんど見られなかった。前半、日本の2トップはほとんどボールに触れていなかったのではないだろうか。 

 新しいボールか?いや影響は少ないはず。 

 アウェーだから?いや東アジア選手権の方がよっぽどヒドかったし、こちらはかなり穏やかだった。中東のパーカッションと歌声が鳴り響くくらいで、激しいブーイングはほとんど聞こえなかった。 

 バーレーンの監督、ミラン・マチャラの采配…だろうか?様々な中東クラブを渡り歩き、日本を知り尽くしているということだったが。 

 その前にバーレーンが強かったか、と言われるとやはりアジアの1国という印象だ。稚拙なミスも多かった。自陣ペナルティエリアで明らかなバックパスをGKがキャッチ(確かに故意ではないが…)。低いボールをクリアするのに無理矢理頭でクリアしてCKにしたり。FKを蹴る前に飛び出してイエローをもらう、というのも最近はあまり見ない反則だが…。 

 ナイジェリアから帰化し注目されていたアブドラ・ババ・ファタディが、45分に中央でドリブル突破を仕掛けた。なるほど、独特のリズムに加えてモーション小さくトーキックでゴールを狙ったのは面白かった。でもここで問題なのは、左サイドにバーレーン選手がオーバーラップしているでもなく右サイドに偏っていたこの場面、日本選手は守備に4人がいたのに、誰もチャレンジすることも間合いを詰めることもなく、フリーにしたことが問題だ。 

 後半開始直後から、バタバタとバーレーン選手が倒れ始める。時間稼ぎでも何でもなく、本当に足がつっているようなのだ。プレスが強かったか?いや1月に親善試合で戦ったチリ代表の方がよっぽどプレスがきつかった。 

 76分についに試合が動いた。バーレーンのCBがロングフィード。左サイドにイスマイル・ハサンが抜け出しトラップ。中央へ鋭いクロスを送るとGK川口がクリア。しかしクリアが弱く、ポジショニングの良かったアラー・フバイルがヘディングでゴールへ押し込んだ。 
 解説の松木氏は「ハンドですよ!」と連呼していたが、それはおそらく問題じゃない。胸トラップにも見えるし、主審からは完全に死角だった。川口の判断ミスとも言えるし、弾いてからの2人のDF、中澤と阿部?はボールウォッチャーになっていた。 
 ハンドかかなり微妙だったが、ミスジャッジはつきものだしそこで集中力を切らせてはいけない。審判の笛が鳴るまでは勝手に自己判断してはいけないのだ。 

 バーレーンは他にもポスト脇へのシュートや、ポスト直撃もあった。 
 最後は焦る日本FW2人を、まるまるオフサイドトラップに陥れてジ・エンド。 

 日本はどうだったか?特筆すべきものは何もなかった。どう贔屓目に見ても。 
 バーレーンの複数の選手が足をつっても、日本が運動量で崩した場面もなかった。 
 バーレーンは細い選手が多い印象があったが、日本がフィジカルで勝った場面もなかった。 

 何かモヤモヤしたものが残る試合だった。 
 もちろん日本を応援している。しかし「良いサッカーをした方が勝って欲しい」というのが自分の考えだ。
 そして今日は間違いなくバーレーンが良いサッカーをした。

posted by batistuta |01:52 | 日本代表 | コメント(0) | トラックバック(1)
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2008年03月26日

今日は国際マッチデーです

 今日は国際親善試合が世界各地で行われますね。特にEUROを控える欧州各国は今後を占う大事な一戦です。
 http://www.skysports.com/calendar/football/competition/0,19944,12009_25_1_2008-03-26_2008-04-03,00.html

 独断と偏見による注目の対戦カードは下記の通り。(左がホームです)

 1.フランスvsイングランド
  ・ベッカム代表100キャップ達成なるか(たぶん出場します)
  ・リオがキャプテンかよ!?
  ・フランスのドメネク監督、トレゼゲ嫌ってた割には怪我人続出で
   アッサリ追加召集

 2.スペインvsイタリア
  ・トーレスが怪我で欠場?
  ・デル・ピエロは召集されず
  ・トレゼゲと並びセリエ得点王トップのボリエッロはどう使われるか

 3.スウェーデンvsブラジル
  ・ちょうど50年前にこのスウェーデンでWカップが行われ、
   ブラジルが初優勝を果たした地だとか。
  ・ロナウジーニョもカカも、怪我のため来ないようです(前者は仮病の噂も)
  ・イブラヒモビッチも怪我で欠場
  ・SWEの左SBエドマンは重傷を負い、EURO絶望です
  ・07年6月にイングランド・ウェンブリースタジアムで行われた
   イングランドvsブラジルで得点したブラジルのMFジエゴは、
   日に日に評価を高めています。今夏の移籍市場の目玉なだけに、
   この日の活躍にも注目です

 4.ロシアvsルーマニア
  ・イングランドをEURO予選敗退に追いやったロシア率いる名監督ヒディンク、
   ロシアと2010南アWカップ終了後まで契約延長したそうです。ロシア賢い。
  ・ムトゥがフィオレンティーナでも代表でも絶好調。
   ルーマニアはEUROグループステージではグループC。イタリア、フランス、
   オランダと同組。4番手扱いでしょうが、強国の潰し合いで2位通過も
   十分ありえます。というより予選はオランダを抑えて1位通過でした。

 5.デンマークvsチェコ
  ・チェコ代表監督カレル・ブリュックナーのEURO後の勇退が決定済み
  ・EURO2004ベスト4、他チームから「完成度の高いチーム」と賞賛された
  ・その時の得点王、ミラン・バロシュは今や「ああ、271km出した人ね」という
   評価です。個人的には頑張ってほしいところです。
  ・ロシツキーはEUROに間に合うのでしょうか
  ・リーガ・エスパニョーラを面白くしているビジャレアルのFWトマソンさん
   の活躍にも期待です。と思ったらEURO本戦には出ません。せめてこの日だけ
   でも頑張って下さい。


 TVはスカパー含め、基本的にはないようです。
 BS-1でスペイン対イタリアは放送するようです。
 http://www.nhk.or.jp/sports2/soccer/soccer.html

 何か情報をお持ちの方、教えて頂ければ幸いです。
 
 付け足しみたいですが、今晩は当然日本代表戦を観ます。 

posted by batistuta |11:46 | サッカーその他 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年03月24日

GRAND SLAM SUNDAY #2 CHELSEA vs ARSENAL

 プレミアシップ第31節、チェルシー対アーセナルの試合がスタンフォード・ブリッジで行われた。地元で「グランドスラム・サンデー」と銘打たれた4強の直接対決、マンチェスター・ユナイテッド対リヴァプールの試合から2時間半遅れでキックオフ。
 3位チェルシーと2位アーセナル、首位マンUを追走する両チームはどうしても落とせないこの試合。前半は拮抗した試合展開が続きスコアレス。58分、セスクのCKをサニャが頭で合わせ、アーセナルが先制した。
 しかし77試合ホームで無敗のチェルシーが記録を守る。72分にドログバがルーズボールに反応してゴール、80分にはアネルカのバックヘッドを受け、再びドログバがゴールに叩き込んだ。
 師匠モウリーニョの辞任で、今季6ゴールと不振に陥っていたストライカーが高らかに復活宣言。ブルーズがプレミアシップ覇権奪回を目指す。


 ■プレビュー
 ホームのチェルシー、GKペトル・ツェフが足首の負傷のため、クディチーニがゴールマウスを守る。
 前節はカーリング杯決勝を戦ったトットナムと4-4の死闘を演じた。シーズン前半は調子が上がらなかったが、終盤に向け調子は上々だ。
 GK カルロ・クディチーニ
 DF マイケル・エッシェン
    リカルド・カルヴァーリョ
    ジョン・テリー
    アシュリー・コール
 MF ミヒャエル・バラック
    クロード・マケレレ
    フランク・ランパード
    ジョー・コール
 FW ディディエ・ドログバ
    サロモン・カルー


 アウェーのアーセナルは、チェルシーと対照的にリーグ戦では不振。シルバを失って、若いチームにショックを与えたか4試合連続ドロー。
 GK マヌエル・アルムーニア
 DF バカリ・サニャ
    コロ・トゥレ
    ウィリアム・ギャラス
    ガエル・クリシ
 MF エマニュエル・エブエ
    フランセスク・ファブレガス
    マチュー・フラミニ
    アレクサンドル・フレブ
 FW エマニュエル・アデバヨール
    ロビン・ファン・ペルシー


 ■前半 拮抗した試合 集中している守備陣
 実況の西岡明彦氏によると、チェルシーはプレミアシップ77試合ホームで無敗。2004年2月から4年続く大記録、最後に負けた対戦相手はアーセナルだという。
 試合を観ていると攻めるテンポの違いが面白い。チェルシーは最終ラインで整えて、ロングフィードを混ぜながら一気に前線に持ち込む。このスタイルがアーセナルの潰し屋、フラミニにとってはやりづらいかもしれない。CLのミラン戦は、中盤でビルドアップするピルロを封じて勝利に貢献したが、チェルシーはそんなフラミニを超えてゲームが作られる。
 アーセナルは「横一杯ピッチを使う、しかし縦はコンパクト」、いつもの戦い方だ。高い最終ライン、コンパクトな縦のフォーメーション。細かいパスでポゼッションを高め、ジワリジワリとチェルシーゴールに迫る。

 そんなアーセナルの高い最終ライン裏をつくチェルシー。24分、テリーの2段蹴りのようなカンフーキックで前線にロングフィード。ウラへ抜け出したドログバ、しかしファーストタッチで処理を誤り、ボールはGKアルムニアのの元へ。
 40分のチェルシーの攻撃。FKで中央へ送られゴール前が混戦に。ルーズボールにカルーが捉えたかと思いきや空振り。アーセナル、難を逃れる。
 40分過ぎにはお互いゴール前まで攻め込むようにはなるが、決めるまでには至らない。前半はスコアレスで終了した。

 アーセナルのギャラス、チェルシーのカルヴァーリョが素晴らしかった。特にカルヴァーリョは、左右のカヴァーリングを一手に引き受ける。フラミニとの競り合いで頭を負傷、包帯を巻きながらもヘッドで果敢にクリア。勝利への執念が見られた。

 ■後半 チェルシー、無敗は譲らない
 54分にはドログバが再びスルーパスに抜け出す。ここはギャラスが身体を入れて防ぎきる。元チェルシーのギャラスは観客から大ブーイングを浴びるも、落ち着いてプレーできている。

 試合が動いたのは58分だった。左サイドのCKをセスクが蹴る。ニアサイドに低く鋭い弾道で送ると、反応したのはサニャ!カルー・ランパードを出し抜き、難しい角度ながら頭でゴールニアに流し込んだ。0-1、アーセナル先制!

 反撃したいチェルシー、バラックがシュートチャンスを得るがミートせず。グラント監督は2人同時投入で局面打開を図る。マケレレに代えてニコラ・アネルカ、バラックに代えてベレッチをピッチに送り出す。マケレレが不服そうな顔をしてベンチへ座り、バラックは真っ直ぐにドレッシングルームに向かった。プレミアの銀河系軍団、グラント監督は頭が痛いところだろう。

 しかしこの交代が功を奏す。ドログバとアネルカの2トップになり、アーセナル守備陣にプレッシャーを与える。交代から3分、すぐに結果が出た。
 センターラインからのロングパス、ドログバが胸で落として左のランパードへ送る。持ち込むところでトゥレの足に当たりルーズボール。ドログバが反応し、ゴール右へ突き刺した。1-1、同点に追いついた。

 75分にはカウンター、右サイドでフリーになったアネルカが狙うもゴール左へ逸れる。しかし得点の機運は高まるばかり。

 そして80分、右サイドの浅い位置からFKを得てベレッチがゴール前へ送る。アネルカがバックヘッドで後ろへ、ドログバが右足で落としセッティング、右足を振り抜いた。アルムニアは反応したが、止めきれずアーセナルゴールに吸い込まれた。2-1!チェルシーが逆転を果たす。

 その後もチェルシーがチャンスを作り脅かした。アーセナルは前線にうまくボールが収まらない。アデバヨールは髪を切ってからノーゴールだ。何か違うものまで切ってしまったのだろうか。ファン・ペルシーも復帰して全快になるには、まだ時間がかかるようだ。

 2-1でチェルシーが逆転勝利、これでチェルシーは2位に浮上、68pts。アーセナルは67pts、首位をマンUに奪われチェルシーにまで抜かれた。若いチームの失速は止まらないか。

 ■総括 この日の結果が今後に影響大か
 リーグ3位だとCLは予備予選からの参加になる。この差は大きい。
 両チームとも、首位マンU・5位エヴァートンとの試合を残す。まだまだ気が抜けないだろう。

 CLに目を向けると、チェルシーは「相手の情報が少ない未知の相手」「トルコ遠征」「相手は失うものがない」「勝って当然」といわれるフェネルバフチェと対戦する。
 しかしここでドログバの復調は朗報だ。プレミア・CLの2冠を目指すには重要なファクター。そしてアネルカが今季中にどこまでフィットできるかもキーポイントになるはず。

 アーセナルはリヴァプールと対戦する。リーグ戦を含んでの3連戦。4位のリヴァプールは国内試合は捨てて、CLでの対戦で1勝1分に持ち込むようなズル賢さを出すかもしれない。リヴァプールは4位が危うい状況ではあるが、全体的に調子は取り戻してきているし、(簡単ではないが)CLで優勝すれば来季のCL参加が可能になる。 逆にアーセナルは下降傾向だ。ロシツキー復帰の噂も聞こえてこない。

 今日の試合の「逆転」という結果は、両チームにとって大きな明暗となったのではないだろうか。

posted by batistuta |12:59 | プレミアリーグ | コメント(2) | トラックバック(1)
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2008年03月24日

GRAND SLAM SUNDAY #1 MANCHESTER UTD.. vs LIVERPOOL

 プレミアシップ第31節、マンチェスター・ユナイテッドvsリヴァプールの試合が行われた。4強の直接対決は、地元では「グランドスラム・サンデー」と呼ばれ注目を浴びる。オールド・トラッフォードにて一足早く行われたこの1戦、前半34分にマンUのブラウンが決めて先制。前半終了間際に、リヴァプールのマスチェラーノが審判に抗議し2枚目のイエローカードをもらい退場に。
 勢いを失ったリヴァプールにC・ロナウド、ナニが追加点を挙げ3-0。マンUが容赦なく止めを刺し圧勝した。首位固めするマンU、この後に行われるチェルシーvsアーセナルの3位対2位対決の2チームにプレッシャーをかける。

 ■プレビュー
 「C・ロナウドに得点を依存しすぎている」というのが最近ここ数試合の評価。CLに向けて負担を減らしたいところ。
 赤い悪魔に朗報、ガリーネヴィルの復帰が近い。
 GK エドウィン・ファン・デル・サール
 DF ウェズ・ブラウン
    リオ・ファーディナンド
    ネマニャ・ヴィディッチ
    パトリス・エヴラ
 MF クリスチアーノ・ロナウド
    ポール・スコールズ
    マイケル・カリック
    アンデルソン
    ライアン・ギグス
 FW ウェイン・ルーニー

 アウェーのリヴァプール。ここのところ出番のないオーストラリア代表のハリー・キューウェルは豪州代表合宿に行った模様。ベニテスも引き止めなかったとか。
 どうでもよいが今日はスペイン総動員。
 GK ホセ・マヌエル・レイナ
 DF アルバロ・アルベロア
    ジェイミー・カラガー
    マルティン・スクルテル
    ファビオ・アウレリオ
 MF ディルク・カイト
    ハビエル・マスチェラーノ
    スティーヴン・ジェラード
    シャビ・アロンソ
    ライアン・バベル
 FW フェルナンド・ト-レス

 
 ■マスチェラーノの退場 ベニテスはギャンブルはしない

 強い日差しが射すオールド・トラッフォードに満員の観客がつめかけ、歌が満ち溢れる。観客の強い後押しに支えられ、終始ペースを握ったのはマンUだった。前半5分、まずは挨拶代わりにアンデルソンが前方にスルーパス。レッズCBカラガーの動きをよく見たルーニーがウラを取り、完全に抜け出した。足をかけられたが強いフィジカルで中途半端に踏ん張ってしまったため、バランスを崩してレイナにストップされる。解説の粕谷氏曰く「7番なら間違いなく倒れてたね」 9分にもスコールズのスルーパスにルーニーが反応。これも決められず。

 23分には右サイド45度、3~40m付近の位置でFKを得たマンU。キッカーのギグスは後方上空を振り返り、ゴール前へ蹴り上げた。レッズゴールから見ての、太陽の逆光を計算に入れたのだろう。トーレスがバックヘッドでクリアしたが、ボールはC・ロナウドの足下に。シュートはポストを直撃した。

 リヴァプールのGKレイナ。現在26歳ながら、その風貌と落ち着いたプレイで30代かと思わせる。しかし今日はミスが多かった。味方からのバックパスを前方に蹴るとサイドラインを割ったり、クロスをファンブルしてゴールを割りそうになったり、挙句の果てにはスローイングでアンデルソンにパスを渡していた。らしからぬミスが頻発した。

 そのミスが影響したのだろうか。レッズのCKからカウンターをしかけたマンU。スコールズが左サイドに展開。大きく外れたボールをルーニーが追いかけて拾う。落ち着いて中央へクロス。するとGKレイナとCBスクルテルの意思疎通がうまくいっていなかったようで、微妙な距離ができてしまった。そこを一気呵成に上がっていたマンUのブラウンが、ランニングジャンプで飛び込み身体ごと行くかのように頭で合わせた(実際には肩で当てたようだが)。ボールはレッズゴールにポトリと入った。1-0、マンUが先制した!

 レッズも攻撃を仕掛けるが単発に終わる。左サイドのバベルが独特のリズムで突破するが決定機を作るまでには至らない。焦るレッズ、トーレスが相手プレイヤーを倒してしまい、イエローカード。確かに当たりは浅かったように見えたが、マスチェラーノが主審に詰め寄った。ベニテス監督が止めようとするも、時既に遅し。10分にカードをもらっていたマスチェラーノに2枚目が提示された。マスチェラーノ、SENT OFF―退場。ベニテスの計算が狂った。

 後半になり、数的優位のマンUは無理をせずに、じっくりと攻め上げる。様子を見ていたベニテス監督は、59分にバベルに代えてヨッシ・ベナヨウンをピッチに送り出すが状況を変えることはできない。

 逆にサー・アレックス・ファーガソンは止めを刺しにかかる。ギグスに代えてナニ、アンデルソンに代えてカルロス・テベスを投入。78分のC・ロナウドへのCKはナニ。ドンピシャのクロスでお膳立て。頭で合わせるだけのC・ロナウド、これで25ゴール目。得点王争いにいるトーレスの目の前で、さらに突き放す。
 その2分後の80分、ナニはルーニーとパス交換。楕円を描くように走りこんでパスをもらったナニは、ワンドリブル入れてシュートを叩き込んだ。パス交換からシュート→側転~捻り宙返りのゴールパフォーマンスまでの流れを含めての一連の動きは、「Theatre of Dreams」の役者さながらだった。

 その後マンUはパス回しで時間を消化し、つつがなく終劇したのだった。3-0の完勝だった。ファーガソンの脚本通りだったか。
 ベニテスはリスクを犯すことはなく、大敗を受け入れたかのようだった。

 ■総括
 マンUはこの試合を確実に勝てたことは大きい。勝って勝ち点が73ptsになった。2位、3位の直接対決、チェルシーvsアーセナルはそれぞれ67pts、65pts。アーセナルが勝っても、ここのところ調子を上げているチェルシーの勢いを止める結果になり、チェルシーが勝っても67、68となる。
 マンUはこの両チームとも4月に直接対決を残している。優位な状況で望めるはずだ。

 あとはCLのローマ戦がどう影響してくるかによるだろう。マンUはCLとプレミアの「ダブル」を果たせるか。

posted by batistuta |00:33 | プレミアリーグ | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年03月23日

京都、2点ビハインドを跳ね返し同点、貴重な勝ち点1獲得 浦和は未だ未勝利

 ナビスコカップ第2節、西京極にて京都vs浦和の試合が行われた。前半でハットトリックを決めたエジミウソンの活躍で、浦和が今季初勝利かと思われたが、京都の加藤監督の交代・システム変更と采配が的中し、2点のビハインドを跳ね返して京都が引き分けに持ち込んだ。これで京都は1勝1分。グループAの単独首位に躍り出た。

 ■プレビュー
 ホーム京都、パウリーニョが怪我で欠場したようだ。また'98~'01を浦和でレギュラーを張っていた石井俊也が先発で登場。
 GK 平井 直人
 DF 平島 崇
    増嶋 竜也
    手島 和希
    渡邉 大剛
 MF シジクレイ
    石井俊也
    佐藤 勇人
    中山 博貴
 FW 柳沢 敦
    徳重 隆明

 アウェーの浦和は、代表召集のため主力を欠く。
 GK 都築 龍太
 DF 坪井 慶介
    堀之内 聖
    堤 俊輔
 MF 平川 忠亮
    山田 暢久
    細貝 萌
    相馬 崇人
    梅崎 司
 FW エジミウソン
    永井雄一郎

 ■前半 梅崎とエジミウソのフィット
 春の古都に雨と赤い嵐がやってきた。アウェー席を真っ赤に染め上げ怒号のような歌声に、ここは浦和かと錯覚させる。
 2試合でホルガー・オジェック監督が解任され、京都を天皇杯優勝に導いたゲルト・エンゲルスが後任に。他チームからすれば「もう少しオジェックで粘ってくれれば」と思ったに違いない。まだ勝ちは得ていないが、チーム状態は良くなってきてるようだ。

 また2トップの配置は孤立する高原よりも、エジミウソンにプラス、永井や田中達也を絡められるほうが危険。また梅崎が2列目をやるとフィットするのでは(少なくとも山田の2列目よりは)と思っていたが、前半はその悪い予感が的中した。
 
 右サイドをドリブル突破した梅崎が中央にクロス、エジミウソン。
 右サイド永井の突破に梅崎、シュートをブロックされるも粘ってエジミウソンにパス→エジミウソン。
 左サイドのこぼれ球をサンガDFがラインを割るのを待つ。強引に奪った相馬にファウルを期待したサンガの足が止まり、相馬は一気に中央突破を狙う。シジクレイがスライディングで防いだが、浮き球にエジミウソンが詰めた。

 両サイドを完全に突破され、エジミウソンにハットトリックを決められる。TVゲームのように簡単に得点された。

 浦和2点目の直後にはサンガが逆襲。右サイドから増嶋がロングスロー、山田のクリアがナイスパス…ではなくクリアミスが徳重の懐に。押しこむだけだった。

 前半は1-3、浦和リードで終了した。しかし「絶対的な力の差」を見せつけられたわけではなかった。いくつか攻撃の形を作れていたので、後半に期待を持たせるものだった。 


 ■後半 加藤監督の采配的中
 ハーフタイム中に交代。石井に代えてアタリバ、司令塔の中山を下げて田原豊を入れた。アタリバが中盤底に入ってディフェンシブに、シジクレイが最終ラインに入り、手島・シジクレイ・増嶋の3バック、大剛・平島が上がって3-5-2のフォーメーションを形成。
 そして加藤監督の指示は「1点ずつ返していこう」シンプルなものだが、これが大当たりとなる。

 46分、いきなり結果が出る。再び増嶋が右サイドからロングスロー、クリアボールを平島がフワリと縦パスを出した。徳重が頭ですらしたところに、左サイドからエリアに侵入した柳沢がワンタッチでシュート。GK都築の牙城を破った。2-3!得点の嗅覚を持つ柳沢、雨でも得点の匂いはしたようだ。

 そして54分にも追加点。前線へのパスを田原が忠実にポストプレー。左に流して勇人が持ち込みシュート。ブロックされるものの、こぼれ球を切り込んできた大剛が落ち着いて右隅に流し込んだ。3-3、同点!!

 その後も京都が決定機を作り続ける。左サイドを大剛が崩してファーサイドの平島にクロス。ボレーで合わせたが浮いてしまいバーの上。60分にはまたもや増嶋のロングスロー、坪井のクリアをシジクレイが頭で押し込もうとしたがバーとポストの交差部分に当ててしまった。

 守備でも京都はうまくやった。中盤底のアタリバが睨みをきかせ、シジクレイが最終ラインを統率。永井に代えてスピードのある田中達也をピッチに送り出したが、京都最終ラインはことごとくオフサイドに陥れる。
 浦和攻撃陣は前の3人だけという、開幕戦から続く悪循環に陥る。後ろからのサポート、押し上げがなく攻撃に厚みがない。前半に活躍した梅崎の存在も、京都守備陣が完全に消し去った。
 浦和のエンゲルス監督は勝負を捨てたか、若手の西澤代志也、高崎寛之を投入。交代で下げられたエジミウソンは不服そうだ。昨季のオジェック監督とワシントンの衝突の場面を思い出させる。既に1敗を喫している浦和に若手を試す余裕があるとは思えないが…。


 ■総括 無敗の京都、未だトンネルの浦和
 これでナビスコでは京都が首位。もちろんいつぞやの阪神タイガースのごとく、「最初だけ」かもしれない。しかし今の勢いのうちに実力・経験をつけ踏ん張って欲しいところ。
 浦和はついに得点できたかと思いきや、勝利は挙げられなかった。大阪、川崎と上位陣が調子を上げられない今季のJ。大型補強しても「サッカーは足し算ではない」と痛感させられる。

 京都も大型補強をしたチームに入るとは思うが、システム・選手起用を試している段階にしては勝ち星を得られている。それは組織サッカーを目指し、全員が同じ方向を見ることができているのではないだろうか。FWの林も田原も柳沢も自陣近くまで戻って守備をし、攻撃の時には2列目・3列目が積極的に前へ飛び出している。地味に、忠実にだが、全員がサボらずに戦っている。

 加えて増嶋のロングスローがこの試合のポイントだった。浦和のDFラインは完全に混乱に陥り、京都の決定機を作った。今後の大きな武器になるに違いない。

posted by batistuta |19:41 | 京都サンガ | コメント(13) | トラックバック(0)
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2008年03月23日

Derby D'Italia インテル今季ホーム初黒星 ユーベが勝利

 セリエA第30節、ジュゼッペ・メアッツァにてインテル対ユヴェントスの「イタリア・ダービー」が行われた。ピッチを縦横無尽に駆け回ったユヴェントスのマウロ・カモラネージが勝利に貢献。先制点を挙げ、2点目も決定的なパスを供給した。インテルも交代で入ったマニシェがねじ込むも追加点ならず。1-2でユヴェントスの勝利。インテルはジュゼッペ・メアッツァで初黒星を喫してしまった。これでローマとの勝ち点差は「4」。CLでリヴァプールに敗戦して以降、調子の上がらないインテル。セリエ首位争いが激化する。

 ■プレビュー
 インテルはエステバン・カンビアッソ、パトリック・ヴィエラが怪我で欠場。
 GK ジュリオ・セザル
 DF マイコン
    ニコラス・ブルディッソ
    マルコ・マテラッツィ
    マクスウェル
 MF クリスティアン・キヴ
    デヤン・スタンコビッチ
    ハビエル・サネッティ
    ルイス・ヒメネス
 FW フリオ・クルス
    ズラタン・イブラヒモビッチ

 アウェーのユヴェントス。中盤のリンクマン、クリスティアーノ・ザネッティを怪我で欠き、カモラネージが中盤センターに入り、サリハミジッチが右サイドに入った。
 GK ジャンルイージ・ブッフォン
 DF ズデネク・グリゲラ
    ニコラ・レグロッターリエ
    ジョルジョ・キエッリーニ
    クリスティアン・モリナーロ
 MF ハサン・サリハミジッチ
    マウロ・ヘルマン・カモラネージ
    モモ・シッソコ
    パヴェル・ネドヴェド
 FW ダヴィッド・トレゼゲ
    アレッサンドロ・デル・ピエロ

 イタリアダービーの戦績はインテルの50勝83敗43分。


 ■前半はGKが主役 後半は流れを掴んだユーヴェに
 背後にローマが迫るインテル、3位固めをしたいユーヴェ。いやもちろんこのダービーは意地でも勝利したいはずだ。引き分け狙いではなく勝ちを。前半は様子を見ての滑り出しだった。ブッフォンとセザルという世界最高峰のGKのぶつかり合い。あまりにストップが鮮やかなので簡単に見えるが、両チームの攻撃陣はかなり際どいコースを狙っている。
 元ユヴェントスのイブラとキエッリーニが絡む。前回の11月4日の戦いの時も激しくやりあっていた。前半はスコアレスで終了する。

 後半入ってユーヴェが流れを掴んだ。右サイドのグリゲラのクロス、クリアが甘いところにネドヴェドが狙いすましてシュート。至近距離だったがGKセザルが反応してCKに逃れる。「これは選手交代で流れを変えないと、得点は生まれないか…」と思った矢先のことだった。
 ユヴェントス、右サイドの深い位置でファウルもらいデル・ピエロがFK。クリアされてモリナーロの元へ。モリナーロは一気に前線にパス。このパスがスルスルっと渡りペナルティエリア右でフリーになっていたカモラネージに渡る。GKセザルと1対1になり、落ち着いてニアに決めた。0-1、ユーヴェ先制!横からのリプレイ映像ではオフサイド気味だったが…

 インテルのマンチーニ監督は反撃にダビド・スアーソを投入。ユヴェントスのCKを防いでのカウンターで、抜け出したスアーソが一気にドリブルで攻め上がる!速すぎてゴールラインを割ってしまう勢いだった。この後もイブラヒモビッチのヒールパスの落としに反応するなど、良い動きを見せるスアーソ。

 しかし試合の流れを掴んでいたのは、ユヴェントスのカモラネージだった。普段は右サイドで今日は慣れないセンターながら、しっかりと守備をこなしていた。運動量豊富なシッソコが相棒だったため、信頼して左右両サイドを動き回れたカモラネージ。ユーヴェの2得点目はカモラネージの左サイドからのパスが起点だった。カモラネージはペナルティエリアライン中央にいるデル・ピエロにパス。デル・ピエロはそのパスの勢いを軽く殺して、フワリと浮かせた。CBブルディッソは完全に振り回されヘッドでクリアするも浅い。そこにトレゼゲが飛び込み、左足を振り切った。0-2!ユーヴェが追加点。笑顔が弾けるトレゼゲ。前半はボールが渡らず完全に消えていたが、ここで仕事をやってのけた。このダービー同様、ジェノアのボッリエッロとの得点王争いにも負けられない。17ゴールで並んだ。

 前半はインテルが押し気味でペースを掴んでいたが、決定機は少なく決め切れなかった。逆に後半からペースを掴んできたユヴェントス。デル・ピエロが右サイドでマテラッツィを完全に手玉にとる。デル・ピエロ、トレゼゲとでGKセザルとの2対1の場面もあった。
 83分インテルの攻撃。右サイドのスアソからマイコン。マイコンが右サイドライン際までドライブし、ゴール前のマニシェが合わせてゴール。この後に再びマニシェにチャンスが訪れたが、ユーヴェ守備陣も集中しており同点弾は生まれなかった。

 1-2で終了、インテルが今季ホームで初黒星となった。

 ■総括 展開を作れないインテル
 中盤の底から攻守に貢献できるカンビアッソが今日は欠場。流れの中での得点が、1/20のパルマ戦以来ない(以降はPKのみ)というストライカー、イブラヒモビッチは今日も点を奪えない。マニシェが良い動きをしていたが、冬の移籍市場で獲得してから出場機会を与えず、チームにフィットできないままここまで来てしまった。うまく使えばカンビアッソと併用できる攻守のリンクマンとなれたはずだが…。「イタリアダービー男」クルスも今日は沈黙。ここのところ元気がない。ブルディッソとマテラッツィのCBコンビは見ていてハラハラする。デル・ピエロに「してやられた」試合だった。
 次はアウェーでラツィオと対戦するインテル。ムトゥ復帰で調子の上がっているフィオレンティーナ戦、ミラノダービーも残っている。ローマとの勝ち点差「4」は決して安心できる数字ではない。

 今日のユーヴェは、インテル攻撃陣に簡単にウラを取らせなかった最終ラインと、中盤を制圧したシッソコが良かった。セリエA復帰の初年としてはかなり良い出来であろう。今夏は移籍市場で精力的に動くような噂もあり、来季はスクデットとCLの2冠を狙ってくるに違いない。老貴婦人(ユーヴェの愛称)の復活が、セリエAをさらに面白くする。

posted by batistuta |13:55 | セリエA | コメント(2) | トラックバック(0)
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