2008年07月24日

SBの重要性 U-23日本vsU-23オーストラリア

 
 北京五輪の壮行試合、U-23日本代表vsU-23オーストラリア代表の試合がホームズスタジアム神戸で行われた。
 34分、オーストラリアのロングボールをDF吉田が処理を誤り、相手にボールを奪われてしまう。ルカビチャがドリブルで仕掛けて、日本DF3人を引きつけてラストパス。FWトンプソンがきっちりと決めて、オーストラリアが先制。
 41分、日本がすぐに同点に持ちこむ。ポストに入った李が内田の縦パスをスルーし、さらに森本がヒールパス。香川がフリーで受け、ゴール左に流しこんだ。
 後半は決定機が少なく同点で終わるかと思われた終了間際の89分、日本が逆転ゴールを挙げる。左サイドのスペースに抜け出した安田が後ろに戻し、谷口がゴール前へクロス。岡崎が頭で合わせてゴール隅を狙った。GKはボールを見送ったがポストの内側に当たって入り、これが決勝点に。日本が2-1で逆転勝利した。


 ■プレビュー
 正GK西川がスタメンを外れた。"ブログ事件"のためか、アルゼンチン戦でのスタメン起用のために第2GK山本を先に使っておく意図かは分からない。
 
 GK 山本海人
 DF 吉田麻也
    水本裕貴
    長友佑都
    内田篤人
 MF 細貝萌
    本田圭佑
    香川真司
    本田拓也
 FW 森本貴幸
    李忠成

 オーストラリアはオーバーエイジ(以下OA)枠の選手が2人参加。DFのジェイド・ノースとFWアーチー・トンプソンだ。
 トンプソンは、国際Aマッチ1試合最多得点記録となる13得点を、2001年に米領サモア戦で記録した選手。ドイツW杯の豪州代表に名を連ねたが、出場時間はゼロだった。
 オーストラリアは北京五輪・アジア最終予選で3勝3分で、グループAを1位通過。「6試合で失点1」は、韓国と並んでトップだ。


 ■トゥーロン国際
 5月にフランスで行われたトゥーロン国際大会。U-23日本代表が参加し、北京五輪への予行演習となった。どのようなものだったかは、↓を参照下さい。
 GL第1戦:日本vsオランダ
 GL第2戦:日本vsフランス
 GL第3戦:日本vsチリ
 準決勝:日本vsイタリア
 3位決定戦:日本vsコートジボワール

 この大会にはサイドバック(以下SB)の長友、内田、安田が参加しなかった。A代表にいたためだ。現代サッカーにおいてサイドバックの重要性はかなり高いものであり、この3人とトゥーロンで連携を高めておきたかった、ということも考えられる。
 しかしA代表に必要なSBが、この世代に3人「も」いることは喜ばしいことだろう。

 6/12の対U-23カメルーン戦もリンク張っておきます。

 ■前半 
 「森本と李の2トップ」というTVの予想布陣だったが、李はトゥーロン国際や柏でのプレーと同じように「シャドーストライカー兼トップ下」という印象だ。
 ワントップに位置する森本にボールが集まるが、パスの出し手と呼吸が合っていなかった。トゥーロン国際から合流した森本だが、まだ連携は確立していないよう。次のアルゼンチン戦、遅くとも北京五輪本番には間に合ってほしい。

 3人のSBのトゥーロンで不在を嘆いてみたものの、A代表で揉まれたことが今のU-23にもたらされているという事実ももちろんあるだろう。そう思えるくらい、内田と長友の攻め上がりは素晴らしかった。
 加えて香川も、A代表の時よりもイキイキとしたプレーを見せた。特にCKの精度は目を見張るものがあった。A代表で遠藤や俊輔を押し退けて蹴るわけにも行かないので、この試合で初めて見ることになった(C大阪では毎試合蹴っているのだろうか)。
 球速が鋭く、コース取りも良い。22分、ファーサイドを狙ったCKも、DFに身体を寄せられていた森本が決め切れなかったが、クロスは申し分がなかった。五輪本番で大きな武器になりそうだ。

 34分、オーストラリアに先制点が生まれる。
 オーストラリアのロングボールを、DF吉田が胸トラップで落とす。味方に、と意識したプレーだったろうが、近くにいたルカビチャにボールを奪われてしまう。ルカビチャがそのままドリブルで仕掛けて、日本DF3人を引きつけてラストパス。トンプソンがきっちりと決めて、オーストラリアが先制した。
 水本がマークについたが、ボールにアタックせずズルズルと下がってしまった。しかもDF3人が完全に引きつけられ、トンプソンをフリーにしてしまった。DFの連携も課題として残ったようだ。

 しかし41分、日本が同点に持ちこむ。
 左から右へサイドチェンジ。フリーの内田がドリブルで中に絞って、ポストに入った李へ縦パス。李はこれをスルーし、さらに森本がヒールパス。飛び込んできた香川がフリーで受け、ゴール左に流しこんだ。
 最近のU-23で(A代表でも?)見られなかった、明確な崩しによる得点だった。

 
 ■後半
 47分、右サイドで圭祐、内田と繋いでニアへクロス。交代で入った谷口が飛び込むがポストに嫌われた。また香川のスルーパスから圭祐がシュートに持ち込むが決めきれず。
 この後は「親善試合のため、6人まで交代可能」というレギュレーションのため、頻繁に両チームの選手が交代する。
 両チームに決定的な場面は少なく、時間が過ぎていった。

 このまま終了かと思われた89分に試合が動いた。
 左サイドのスペースに展開されると、抜け出した安田が追いつく。後ろに戻し、谷口がゴール前へクロス。DFが多い中を、岡崎が頭で合わせてボールの軌道を変えてゴール隅を狙った。GKは枠を外れると判断しボールを見送ったが、ボールはポストの内側に当たった。
 
 これが決勝点となり、日本が2-1で勝利を収めた。


 ■総括
 EURO2008のマッチレポの時にも、ひたすらSBの重要性を書いてきたが、この試合でも改めて実感させられた。
 「鹿島の時よりも元気がない、A代表の内田」という印象を持っていたが、今日は積極的に攻め上がる。片方のSBが攻め上がると、バランスを考えてもう片方は控えるのがセオリーだが、今日の両SBは競争するかのように上がっていた感すらある。
(試合後のインタビューでは「バランスを取っていた」と語る長友だが、攻撃参加に迫力があった)

 個人的に、今の日本選手で最も好きなSBの長友。彼にはどうやら夏バテはないらしい。攻め上がったかと思うと、次の瞬間には最後尾に戻っておりしっかりと守備をこなす。A代表・アジア3次予選で苦戦が続いた時に、長友がケガで不在だったことは無関係だと思わない。
 83分に安田が交代で入り、長友が右に移った。18人枠という限られた中で、左右両方をこなせるのは強みだ。

 フィジカルで勝るオーストラリアを相手に、球際で粘り強く競った日本のディフェンスにも注目したい。試合の主導権はほぼ日本で、走り勝っていたと思う。
 現在、真冬のオーストラリアにこの暑さは厳しすぎたのかもしれない。もちろん北京では「こちらの気候」になるわけだが。

 森本は周りと連携がかみ合わなかったが、しっかりと1アシストを残して交代した。次戦で暴れまわってほしい。

 次は29日(火)、東京・国立競技場にてU-23アルゼンチン代表と戦う日本。本番直前なのでケガをしないように流すとは思うが、いつもよりは「ガチンコを期待できる」数少ない日本での国際親善試合になるかもしれない。
 

posted by batistuta |21:34 | 日本代表 | コメント(4) | トラックバック(1)
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