2008年05月11日
汚れないGK 千葉vs京都
Jリーグ第12節、ジェフユナイテッド千葉vs京都サンガの試合が、雨が降る中のフクダ電子アリーナにて行われた。 7連敗・今季未勝利の千葉に対して京都が不甲斐ない試合を見せ、68分に新居のパスに反応したレイナウドがシュート、ポストに当たったがこぼれ球を工藤が詰めてゴール。 その後も千葉がゲームを支配。終了を告げるホイッスルが鳴った瞬間、優勝したかのような歓喜に包まれたフクアリ。しかしその試合内容はJ1にふさわしくないものだった。 ■プレビュー ホームの千葉、オフシーズンに大量の離脱者が出て混乱したまま開幕。リーグ11節を終えて0勝2分9敗、未勝利で最下位。 ヨジップ・クゼ監督は解任され、澤入 重雄コーチがつなぎ登板。次節からはリヴァプールやスコットランド代表コーチなどを歴任した世界を知る猛者、アレックス・ミラー新監督が指揮を執ることとなっている。 今節、FW巻 誠一郎と苔口卓也がケガで欠場。 GK 立石 智紀 DF 坂本 將貴 池田 昇平 ボスナー 青木 良太 MF 工藤 浩平 斎藤 大輔 下村 東美 谷澤 達也 FW 新居 辰基 レイナウド アウェーの京都、3連敗の後に前節の札幌戦でようやく不調から抜け出したかに見えたが、最近の得点力不足は深刻。 GK 水谷 雄一 DF 増嶋 竜也 シジクレイ 手島 和希 MF 平島 崇 佐藤 勇人 中山 博貴 渡邉 大剛 FW 林 丈統 柳沢 敦 田原 豊 ■ジンクス 不安が的中した。京都ファンの間で、もしくはスカパー!でも言われていた最悪のジンクスがあった。 ・フクアリで京都は5連敗中 ・今季「相手の不調を止めます」 1.公式戦3試合得点のなかった浦和FWエジミウソンにハットトリックを献上(3/23) 2.公式戦10試合得点のなかった浦和FW高原に初得点、計2得点献上(4/26) 3.公式戦未勝利の新潟相手に初勝利を献上(4/19) そして、 4.11試合未勝利の千葉に勝利を献上(5/10) ■日程と準備、戦力 GW最終日となった5月6日にJリーグ第11節が開催されたが、京都はG大阪と組まれており、ちょうどG大阪のアジアチャンピオンズリーグ戦と日程が重なっていたため、6/25(水)に回されている。 よって京都は一週間のコンディション調整と戦略を練る時間があった。千葉は監督が失脚しているといっても、そこまで大幅に戦術が変わることはなかったはず。選手の顔ぶれも変わったわけでもない。 千葉は、オフシーズンに代表級が5人も去った。京都の佐藤勇人もその一人、いや一人というには大きすぎる。何せ昨季のキャプテンを務めていた男だからだ。 先発し得点を挙げた工藤 浩平、第2GK岡本 昌弘はジェフのユースから。交代で入った松本 憲は千葉リザーブスから上がっている。彼らは主力を押し退けたからメンバー入りしたのではなく、ごっそり抜けたから上がるチャンスを得たかもしれない。現在の千葉の選手層はJ1というよりは1.5軍、最悪2軍レベルだ。今の成績も不思議ではない。 対して京都は今季加入が多く、昨季最多出場でありキャプテンを務めていた斉藤 大介、そして引退した秋田にかわってDFリーダーになると見られていた森岡 隆三がベンチに入れるか入れないか、という選手層になった。 しかし今日の京都の出来は何だったのか? ■モチベーション、勝ちへの執念 スカパー!の実況の倉敷保雄氏は「監督が変わって心機一転。そして新監督にアピールする意味でモチベーションは高いでしょうね」と言っていた。アレックス・ミラー新監督は今日の試合に来場し、メンバー選考をしていただろう。 京都にモチベーションは?無得点の3連敗を脱出したとはいえ、「下から2番目」に苦しむ同じ昇格組の札幌相手に、ホームで1点を取るのがやっと。開幕戦の調子を思えば、考えられないことだ。 千葉の得点シーンを振り返る。 68分、京都のDF陣の気の緩みを突いた新居がスルーパス。一気にウラへ抜け出したレイナウドがGK水谷の動きをしっかり見てゴール隅へ流し込んだ…しかしポストに当たる。そこを工藤が押し込んだ、という普通のゴールシーンだが、よく見るとDF手島の足が、レイナウドのシュート後、完全に止まっている。 手島はそれまでのところでは、しっかりとボールタックルに行っていて、集中してディフェンスできていたのだが、ここで集中が途切れてしまっていた。 ■システム、戦術 「良い時は変えるべきではない」これはサッカーでよく言われることだが、開幕序盤を振り返ると、「シジクレイ→ボランチ策」「4バック」が当たっていたように思う。最近3バックにしてから、チームの調子がジワジワと落ちているように感じられるのだ。 この日の失点シーンも、前に出ていたシジクレイのウラを突かれたような格好ではある。以前は、スピードのないシジクレイをボランチにして後ろをカバー、攻め込まれた時は4バックの中に吸収されて、サイドからのハイボールに対処、という形が綺麗に収まっていたように思う。 運動量が増えてシンドイところもあろうが、渡邊 大剛と平島 崇はSH起用よりも、SBの時の方がバランスが良かった気がする。 そしてスカパー!の実況の倉敷氏と、解説の原 博美元FC東京監督の「京都の3トップは機能していない」には大いに賛同したいところ。 おそらくパウリーニョがその一角に入っていたら話は別だろうが、柳沢と林はウラを取る動きなど少々カブっているところがある。そしてこのブログでも常々言っているが、林の運動量を活かすのは、両チームとも疲れがたまっている「後半の後半」だと思う。 スタメンで見られる林の動きは正直物足りない。高さがないので、ロビングボールでは取られるし、オフサイドトラップによくかかる。この日は3トップの一角からトップ下に下がってボールを受けていたが、決定的なパスを出せるタイプでもない。 そうなると、京都自身調子が良かった時を考えると、スタメンのファーストチョイスは徳重じゃないかと思う(むろん、練習時の徳重のコンディションも考慮すべきだが) ■もはや分析済みか あとは開幕して2ヶ月近く経ち、他のチームが京都の戦術を分析済みだということだろう。 ・ゴールキックでは田原をターゲットマンとして狙う(今日の試合は8~9割そうだった) ・攻撃の流れで田原をポストマンとして当てる →19分に興味深いシーンがあった。ハイボールを田原に当てて、田原はバックヘッドですらして後ろの柳沢を狙う場面があったが、千葉の4人のプレイヤーは全員読んでいて、全員下がっていた。そしてたやすくボール奪取。 ・増嶋のロングスロー →ここ数試合で得点に結びついた記憶がない 「分かっていても止められない」レベルなら良いが、残念ながら今の京都は「読まれて終了」という状態に陥っている。 そしてFKやCKのセットプレー(増嶋のロングスローも含む)で、京都にゴールがあったかというと無い。期待感も感じられない。 特に高さのある田原がCKに合わせてドンピシャ、というのが今季記憶にないのだ。シジクレイも同じ。セットプレーでのディフェンスでは、この2人が弾き出すところはよく見られるが…。 今日の京都が最も不甲斐ないと思わされたこと。 千葉GK立石 智紀を脅かすシュートが皆無で、おそらく彼のユニフォームは雨でしか汚れていないということだ。京都のGK水谷は何度も地に這い、泥にまみれたというのに。 ■まるでJ1ではないような はっきり言って、今日の京都の相手が千葉ではなかったら、浦和戦・磐田戦のように2点以上の差で負けていてもおかしくなかった。それぐらいひどかった、「千葉も」 得点シーンは、他のJ1チームなら決めているだろうと思われる場面が何度もあった。27分の谷澤 達也が左サイドを深くえぐり中央へクロス、「合わせるだけ」のところでGK正面にヘディングしてしまったレイナウド。 千葉がゴールを挙げた時も、レイナウドの一発で仕留めていてもおかしくないところだ。 ■総括 もちろん負けに満足するわけではないが、今の京都は負けるにしても「内容の無い負け」が多すぎる。気合を見せ、集中し、全力を尽くしたが惜しくも敗れた、というものが感じられない。 5月17日(土)の鴨池での横浜Fマリノス戦は、田原のJ1デビューチーム――古巣相手だ。意地を見せてもらいたい。 そしてこの後は第11節の代替開催、6月25日(水)の万博でのガンバ大阪戦までしばらく空くことになる。 またJ2に行きたいのか?京都の選手には大いに発奮してもらいたい。ファンも応援は惜しまないはずだ。
posted by batistuta |00:17 |
京都サンガ |
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