2008年04月27日

温存、温存、そして…? チェルシーvsマンU

 
 プレミアリーグ、チェルシーvsマンチェスター・ユナイテッドの試合が、スタンフォード・ブリッジで行われた。
 35試合を終えた時点で勝ち点は81-78の3ポイント差。ここでマンチェスター・Uが勝つようだと優勝が決まる可能性のある一戦だ。
 前半のロスタイムに入る前後に、ドログバのクロスに頭で流し込んだバラックの得点でチェルシーが先制。55分にはリスタートでのチェルシー最終ラインのミスをルーニーが逃さずゴール、同点に追いつくが、痛めていた足を悪化させ退いた。
 86分、エッシェンのクロスをカリックが痛恨のハンド。PKキッカーはバラック。ここをきっちりと決め、マンチェスター・Uに引導を渡した。
 これでチェルシーはリーグ戦でのスタンフォードブリッジ無敗記録を「81」に伸ばした。この勝敗がチャンピオンズリーグに影響するか?


 ■プレビュー Rest In Peace
 フランク・ランパードの母親が病床に伏していた。ランパードはリーグ戦2試合を休み、チャンピオンズリーグ(以下CL)に出たものの精彩を欠く。そして木曜に母親は天に召された。ご冥福をお祈りしたい。選手達は喪章をつけてプレーした。

 GK ペトル・ツェフ
 DF アシュリー・コール 
    リカルド・カルヴァーリョ 
    パウロ・フェレイラ 
    ジョン・テリー 
 MF ミカエル・エシアン 
    ジョン・オビ・ミケル 
    ミヒャエル・バラック 
 FW ジョー・コール 
    ディディエ・ドログバ 
    サロモン・カルー

 アウェーのマンチェスター・Uの布陣に目を疑った。29日のCLバルサ戦を見据えてのことだろう、ロナウドを休ませてきた。スコールズはベンチ外。首位決戦を甘く見ると痛い目に会うのでは…そんなことを予感させた。
 膝の靭帯を痛めていたダレン・フレッチャーが復帰。

 GK エドウィン・ファン・デル・サール 
 DF リオ・ファーディナンド 
    ウェズ・ブラウン 
    ネマニャ・ヴィディッチ 
    ミカエル・シルヴェストル 
 MF アンデルソン 
    マイケル・カリック 
    ダレン・フレッチャー 
 FW ウェイン・ルーニー 
    ライアン・ギグス 
    ナニ 

 ■前半 チェルシー優勢
 頂上決戦らしく、激しい攻防となった。落としたメンバーのマンチェスター・Uにホームで負けようものならブルーズの誇りに傷がつく。勝ち点差で負けているのもあるが、チェルシーは貪欲に勝ちを求めて攻め込む。マンチェスター・UはCLバルサ戦のように自陣を固めることはないものの、攻撃意識は普段より弱い。
 ジョー・コールがポストに当てる惜しいシュート。バラック→カルーと流れたボールをJ・コールが持ち込むがゴールならず。前線でチャンスを作る。

 ロスタイムが4分、と場内アナウンスが流れた前後、試合が動いた。
 前線右サイドでボールキープしたドログバ。3~4人で囲んだマンチェスター・Uディフェンスだったが、ドログバが反転した際に全員が間合いを取ってしまった。包囲網が緩んだ瞬間、ファーサイドの目標を見つけたドログバはクロス。カルーとそのマークを越えたところに飛び込んだのはバラック!これ以上ないタイミングで「点で合わせた」ヘディングシュートがマンチェスター・Uゴールを破った。1-0、チェルシー先制!
 チェルシーの選手達が掲げるユニホームには「PAT LAMPARD R.I.P.」――パット・ランパード 安らかに眠れ――スタンフォード・ブリッジに奏でられた鎮魂歌。ランパードの母親に捧げるゴール。


 ■不安定な最終ライン
 この試合、両チームの最終ラインが不安定に感じた。
 開始早々、ブラウンがヘッドでGKファン・デル・サールにバックパスを送るも、間合いを間違えたGKファン・デル・サールが弾き、ヒヤリとする。シルベストルは空振りやパスミスなどを犯す。
 ドログバの膝蹴り(もちろん故意ではなかったが)をまともに食らい、ノックアウトされたネマニャ・ヴィディッチに代わり右SBに入ったハーグリーヴスも、判断が甘くチェイシングされ危ない場面が見受けられた。
 
 チェルシーサイドは、アシュリー・コールがとんでもないところにバックパスをし、ツェフに対して不満顔。直接失点に繋がってしまったのは最終ラインミスだった。
 ドログバがセンターライン付近でキープするところに激しく当たりに行ったアンデルソン。ファウルの笛が吹かれると、お互いの健闘を称える握手。美しい光景だ。
 しかしそのリスタートを、パウロ・フェレイラが不用意にカルバーリョにパス。コントロールを失い、ボールはルーニーの元へ。ルーニーは一気に持ち込むと、ツェフの横を打ち抜きシュート。ボールは左ポストの内側に当たり、まるでビリヤードのように美しい跳ね返りの連続を見せた。
 そのルーニーは得点後、ナニが喜んで飛びつく行為を拒否。左足のつけ根を痛めているようだ。この後クリスチアーノ・ロナウドと交代することになる。
 ともあれ1-1。同点に追いついたマンチェスター・U。このまま逃げ切っても問題はない。


 ■内紛
 71分、テリーがマンチェスター・Uゴール前でナニに倒されてFKを獲得。
 ここで何とバラックとドログバがキッカーを争って、ホームサポーター前で大喧嘩。エッシェンがユニホームを被り呆れ顔を隠し、カルバーリョが仲裁。結局ドログバが蹴り、良いコースをついたが、GKファン・デル・サールの好セーブに阻まれる。
 その後、ピッチ横で給水するバラックに言い寄るドログバ。前半のアシスト&ゴールが何だったのかと思わせる光景だ。


 ■グラント采配
 一時期(今も、かもしれないが)、グラントの交代策が酷いと感じたサポーターが「モウリーニョを懐かしむ」チャント(歌)を歌っていた。今日の采配はどうか?
 65分にパウロ・フェレイラに代えてニコラ・アネルカを投入。この交代でエッシェンが右SBに入る。
 そして80分にはカルーに代えてシェフチェンコをピッチに送り出した。残り10分で得点を上げる――ここ最近出番が少ないシェフチェンコにはなかなか厳しいミッションだ。
 83分、左サイドでボールを持ったシェフチェンコがアーリークロス。中央でアネルカがワンタッチでドログバに流すも強すぎた。それでもこのFW3枚は、存在そのものが脅威だ。

 しかし思わぬ形で試合が再び動いた。エッシェンのクロスがエリア内のカリックの手に当たり、これがハンドの判定でPKに。キッカーはバラック。最近の大舞台ではローマのデ・ロッシ、マンチェスター・Uのロナウドが外しているイメージがあった。しかしここはホームだ。バラックは落ち着いて決めてみせた。2-1、再び突き放すチェルシー。

 グラント監督はベレッチを用意していたが、マケレレに切り替え逃げ切りを図る。J・コールが下がる。


 ■マンチェスター・Uに2回の好機 
 その後、マンチェスター・Uに好機が訪れた。
 88分、ファーディナンドのロングフィードを、チェルシーのペナルティエリア内左寄りの場所で、正に「吸い付くように」トラップしたナニ。中央へクロスを送るがこれが潰され、そのままロナウドの元へ。GKツェフの右を破るゴール隅を狙った巧みなシュートだったが、立ちはだかったのはアシュリー・コール。
 91分には左寄りの浅い位置でFKを得たマンチェスター・U。ファーサイドへ大きく蹴り出したボールは中央へ折り返された。そこにダイビングヘッドを敢行したのはフレッチャー!枠内を捉えて万事休すか…と思われたところにクリアを見せたのは、何とシェフチェンコだった!
 こぼれ球を競り合い、ミケルを倒したファーディナンド。焦りからか、ミケルに言い寄り乱闘寸前になる。この騒ぎでファーディナンドとハーグリーヴスはイエローカード。

 残り時間も守りきり、チェルシーが2-1で勝利。マンチェスター・Uの優勝に待ったをかけた。

 
 ■総括
 シュート数、枠内シュート、コーナーキック数、ポゼッションなどチェルシーがマンチェスター・Uを圧倒した。数字以上に「気持ち」で圧倒した試合だったように感じた。
 ミッドウィークにCLを控えるのはお互い様だが、主力を温存したマンチェスター・Uはどうなるか。マンチェスター・Uはここでチェルシーを確実に仕留めておけば、優勝はより確実、残りのリーグ戦2試合を肉体的にも精神的にも余裕を持って戦えたはずだが…。
 そして思わぬルーニー、ヴィディッチの故障。攻守のキーマンを欠きバルサ戦に臨む可能性も考えられる。シルベストル、ブラウンなど不安なプレーを見せた。

 チェルシーは、ランパードが母親を失ったショックで今季どうなるか分からない。戻ってもキレはないかもしれない。内紛もあからさまに出てしまった。しかし出場停止だったエッシェンの動きは良かった。リヴァプール戦でも大いに活躍するはずだ。

 マンチェスター・Uが圧倒的な強さで2冠か、と思われたが予断を許さない状況になった。無冠に終わる可能性もありうる。
 Suvivalか、Drop Outか。火曜日、水曜日にまず一つの答えが出る。

posted by batistuta |03:28 | プレミアリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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