2008年04月14日

インテルvsフィオレンティーナ(セリエA第33節)

 
 セリエA第33節、インテル対フィオレンティーナの試合がジュゼッペ・メアッツァにて行われた。
 フィオレンティーナは10日にUEFAカップ準々決勝を戦い、アウェーながらエース・ムトゥの2得点の活躍で勝利したベスト4に駒を進めた。
 その代償は大きく、コンディション不良で精彩を欠いたフィオレンティーナに攻撃の迫力は見られない。GKフレイのファインセーブ連発に助けられ、前半はスコアレスで終了。しかし55分のカンビアッソ、62分のバロテッリのゴールでインテルが2点リード。インテルがゲームをコントロールし勝利した。
 ローマ(2位)とインテル(1位)が勝ち、ミラン(5位)とフィオレンティーナ(4位)が負けたため、それぞれの勝ち点4差は変わらず。サバイバルレースはまだまだ続く。

 
 ■プレビュー
 インテルはエース、イブラヒモビッチがケガのためメンバー登録せず。ロベルト・マンチーニは監督業をフィオレンティーナからスタートさせ、コッパ・イタリアを勝ち取っている。

 GK ジュリオ・セザル
 DF マイコン
    ニコラス・ブルディッソ
    マルコ・マテラッツィ
    マクスウェル
 MF ハビエル・サネッティ
    パトリック・ヴィエラ
    エステバン・カンビアッソ
    デヤン・スタンコヴィッチ
 FW フリオ・クルース
    マリオ・バロテッリ

 アウェーのフィオレンティーナは、ミッドウィークの10日にUEFAカップ準々決勝を戦った。オランダはアイントホーフェンに乗り込み、PSVに0-2で勝利。24日には準決勝、レンジャーズとの試合がある。

 GK セバスティアン・フレイ
 DF マッシモ・ゴッビ
    トマーシュ・ウイファルシ
    アレッサンドロ・ガンベリーニ
    マルティン・ヨルゲンセン
 MF ファビオ・リヴェラーニ
    ズドラフコ・クズマノビッチ
    リッカルド・モントリーヴォ
 FW マリオ・サンターナ
    ジャンパオロ・バッツィーニ
    アドリアン・ムトゥ

 元インテルの選手が3人。フレイ、ムトゥ、ヴィエリだ。
 ムトゥは'99年にルーマニアから初めての海外挑戦でインテルに加入したが、無得点に終わり失意のシーズン。その後はエラス・ヴェローナで、そしてパルマで中田英寿とアドリアーノの"トリデンテ"(三叉の槍の意味)を形成し活躍したが、ドーピングが発覚。紆余曲折を経て現在はフィオレンティーナのエースに君臨している。EURO2008ではイタリア、フランス、オランダと同居する「死の」Cグループにルーマニアが入ったが、ムトゥの活躍に注目だ。
 フレイはインテル、エラス・ヴェローナ、パルマとムトゥと縁があるようだ。デビューが18歳と早く、3月に28歳になったばかりで今後も活躍が期待できる。ミランがジラルディーノとの交換で狙っているという話もある。
 ヴィエリのインテルでの活躍は語るまでもないだろう。割愛する。


 ■前半 フレイのファインセーブ連発
 チャンピオンズリーグは水曜開催、UEFAカップは木曜開催である。1日の違いは大きい。しかもこのシーズン終盤戦なら、コンディションを戻すのは難しいだろう。フィオレンティーナの動きは精彩を欠く。集中力も落ちているようで、パスミスが目立つ。
 10分あたり、インテルが押し込む展開に。CKを弾き出されてもなお、ペナルティエリアにボールを放り込むと振り向きざまにシュートを放っていったのはヴィエラ。DFウイファルシに当たりまたCK。今度はCKに直接ヴィエラが頭で合わせるも、GKフレイが掻き出してラインに逃れる。正に「CK無間地獄」だ。

 32分にはインテルのキャプテン、サネッティが意表を突いてミドルシュートを放っていく。クルスとガンベリーニがいてGKからは死角になっていたが、ここもGKフレイがCKに逃れる。この右サイドからのCKを蹴るのはバロテッリ。ニアでクルスが合わるもまたもやフレイ。
 41分にはスタンコヴィッチが右サイドからアーリークロス、クルスがGK頭上を破らんとしたが、フレイが左手でワンハンドセービング!これにはインテルサポーターもどよめく。

 しかしPSV戦第2戦で負傷していたフレイの足の状態は良くないようで、足を引きずったりゴールキックを任せている時があった。フィオレンティーナはフレイの踏ん張りで前半を無得点で乗り切った。

 
 ■後半 襲い掛かるインテル
 後半になってもフィオレンティーナの調子は上がらない。
 55分、ついにインテルが仕掛ける。ヴィエラがペナルティエリア内右寄りのところで、リヴェラーニに1vs1を挑む。巧みに抜き去ったところに、ウイファルシとガンベリーニが必死のスライディング。ヴィエラも倒れこんだが、その姿勢のまま中央へパス。カンビアッソが落ち着いて合わせゴールした。大事な試合が一通り終わると活躍しだすのが、ヴィエラの最近のイメージだ。

 すかさずフィオレンティーナはバッツィーニに代えてクリスティアン・ヴィエリを投入。インテル在籍時に優勝争いに貢献していた重量FWをブーイングでお出迎えだ。そのヴィエリ、早速左サイドをエグり中央へクロス。クズマノビッチが左足で合わせるも大きく外してしまう。

 少ないチャンスを決められないフィオレンティーナを尻目にインテルの追加点。62分、中央の下がった位置でクルスがボールをもらい、前方をルックアップ。スルーパスを出すと、バロテッリがスルスルと抜けて完全フリーの状態に。GKとの1対1を落ち着いて決めて2-0に。リプレイを見ると、左端のDFゴッビがライン上げを怠っていたためにオフサイドにかけられなかった。

 フィオレンティーナは、攻撃の柱のムトゥに「ボールが収まらない」「下がってくる」「取られる」の悪循環に陥り、攻撃が単調になる。インテルも落ち着いて守備陣を整えるために、少し攻撃のテンポが遅れると「青黒の壁」が出来上がる。
 攻撃ヴァリエーションを増やすために、SBのヨルゲンセンを本職のSHに上げるなど試しても良かったプランデッリだが、モントリーヴォを左SB本職のマヌエル・パスクアルに代える消極的采配。中盤底でゲームメイキングするリヴェラーニも今日はあまり輝くことは出来ず、FWのオズワルドと交代。しかしこの状態でFWを増やしても、状況は変わらなかった。

 ロスタイム、フィオレンティーナは絶好のポジションでFKを得て、ムトゥが蹴るもGKセザルの好セーブ。その後のCKにヴィエリが合わせるが、これもセザルが反応。この日あまり仕事がなかったセザルだが、最後のピンチをきっちり完封し、インテルが2-0で勝利した。

 ■MOM セバスティアン・フレイ
 チームは負けたが、GKフレイをMan OF the Matchに挙げたい。前半、ことごとくインテルのシュートを枠から弾き出した。バロテッリにキックをお見舞いされてケガをさらに悪化させ、第2GKのヴラダ・アヴラモフがアップを始め、すわ交代かと思われた。しかし、
「僕は僕のやるべきことを努めた。残念ながら、この間のカップ戦(UEFAカップ準々決勝、対PSV)で、ひざを打ったんだ。そして、今夜は太ももを打った。0-0の間は交代を願い出ることも考えていたんだけど、後半10分で失点を喫した。それで、最後まで試合を続ける方がいいと言ったんだ」
と試合後に語ったフレイ。フィオレンティーナのゴールマウスに最後まで立ち続けたフレイの男気と責任感に拍手を送りたい。


 ■総括
 コッパ・イタリアも残してはいるが、CLで早々に敗退したインテルにとってスクデットは至上命題だ。一時は2位と勝ち点9差があったが、ローマが4差に迫っている。強豪フィオレンティーナとの対戦だったが、UEFAカップ2戦を「戦い尽くした」後というタイミングはインテルのとってラッキーだったと言える。残り5節、天王山はミラン戦で他を取りこぼしさえしなければ3連覇は目の前だ。

 気になったのはインテルのプレースキッカーの不在。キヴがいなかったためか、バロテッリが蹴っていた。普段のイブラヒモヴィッチにしてもキヴでも「得点の期待感」があまりないが、バロテッリもそうだった。実況の倉敷保雄氏は「普通ですね」と一言。
 またバロテッリが起用され、出番の少ないエルナン・クレスポの胸中やいかに。ローマが獲得という小さな噂もあったが、今夏の移籍はあるか。そして89分という消化時間でのフィーゴの投入。このあたりのベテラン選手の今後の動向も注目だ。

posted by batistuta |18:22 | セリエA | コメント(2) | トラックバック(0)
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