2008年03月16日
ローマ大逆転、ミランはCL出場権に黄信号か
レガ・カルチョ、セリエA第28節、AS ROMA vs AC MILANの試合がスタディオ・オリンピコで行われた。レアルに2勝してベスト8に進出したローマ。対戦相手がマンチェスターユナイテッドに決まりモチベーション十分。一方のミランはアーセナルの軍門に下り、CL出場権の4位を目指すのみとなった。 55分にオッドのクロスからカカが決めてミランが先制する。しかしまたもやスパレッティ采配が的中、交代で入ったジュリとヴチニッチが点を決めた。2-1でローマが逆転勝利を果たす。 首位インテルを追いかけるローマ。ミランは2位ユベントスやミラノダービーを残しており、今後の勝ち点争いに不安を残した。 ■プレビュー メクセスを怪我で欠くローマ。CLに向けて無理はさせられない。この日はパヌッチをCBで起用した。 GK ドニ DF シシーニョ クリスティアン・パヌッチ フアン マックス・トネット MF ダヴィド・ピサーロ ダニエレ・デ・ロッシ ホドリゴ・タッデイ シモーネ・ペロッタ マンシーニ FW フランチェスコ・トッティ アウェーのミランは、ヤンクロフスキが怪我でファヴァッリが入る。 パトをワントップにした、お馴染みクリスマスツリー型で臨む。 GK ジェリコ・カラッチ DF マッシモ・オッド パオロ・マルディーニ カハ・カラーゼ ジュゼッペ・ファヴァッリ MF イヴァン・ガットゥーゾ アンドレア・ピルロ マッシモ・アンブロジーニ カカ クラレンス・セードルフ FW アレッシャンドレ・パト ■前半 静かな立ち上がり 前半は静かな立ち上がりとなった。11分にはカカが抜け出すも、ベテラン・パヌッチが冷静にボールにタックルに行き難を逃れる。ミランはパト・カカの個人技に頼るオフェンス。セードルフが潤滑油のような役割を果たしており、彼がいなかったCL対アーセナル戦2nd legで負けたのも納得が行く(当然、他の敗因もあるが)。 ローマはピストンのようなパスと人の動き。目まぐるしく縦・横・斜めと有機的に動いていく。左右・中央を問わず、ボールを預けたら一気に後ろにいるプレイヤーが走り出す。ミランが攻撃する時は、ゴール前に前線の3人しかいないことが多いが、ローマは気づけばボールキーパー含めて4人以上の選手が上がっていることが多い。後ろからの押し上げがうまく行っている。 25分には右サイドのデ・ロッシから中央へクロス。トッティがバックヘッドで流したが、ペロッタがうまく対応できずルーズボ-ルに。トッティが拾い逆サイドのマンシーニへ。マンシーニはオーバーヘッドを狙ったが、ミートせずにゴールの上へ。トッティの視野の広さ・判断力が光る。 ローマの守備面では、「カカ・パトの初速」を効果的に潰していた。現在のミラン対策としては最も有効だろう。カカ・パトは1回抜け出すとスピードに乗ってDFがついていけなくなり、そのまま得点するかファウルで止められる。その後はピルロのFKが待っている、という格好だ。中盤でプレスをかけるなり、ディフェンスで身体を寄せてスピードを殺すのは得策である。 前半はスコアレスで終了した。 ■後半 後半に強いローマ 後半開始して10分、大きい動きはなかった。ここでスパレッティがヴチニッチをピッチに送り込む。マンシーニが下がり、ヴチニッチは左サイドに入る。すると一瞬の気の緩みか、ミランの素早い攻撃を食らってしまう。ピルロがセンターライン付近から、右サイドを駆け上がったオッドにロングパス。すぐに中央に折り返すと、そこには飛び込んできたのはカカ。左足で軽く合わせてローマゴールに突き刺した。0-1、ミラン先制!オッドに合わせて最終ラインが一気に下がり、ペナルティエリアライン付近にすっぽりとスペースができてしまった。 58分にはミランに追加点のチャンス。中央でセードルフが、パトを使いワンツーパスで一気に抜け出す。GKと1対1になったが、GKドニが素晴らしい飛び出しを見せブロック。シシーニョが掻き出して難を逃れた。 今日も守護神ドニは素晴らしかった。セードルフやカカのミドルシュートに毎回好反応を見せる。ここ最近のゲームでは、DFラインが崩された時以外は点を許していない。65分にも左サイドのアンブロジーニの縦パスに一気にパトが抜け出した際も、ドニが一気に距離を詰めた。ここはパトがダイヴ、シミュレーションとみなされイエローカード。 そしてスパレッティはどんどん交代カードを切る。ピサーロに代えてジュリ、タッデイに代えてアクィラーニを投入。入る選手で流動的にポジションが変わる。ジュリが最初に入った時はトップ下、ペロッタがボランチに。アクィラーニが入るとジュリは右サイドへ、ペロッタがトップ下に戻りアクィラーニがデ・ロッシとコンビを組む。 0-1で守りに入る作戦に出たアンチェロッティは、セードルフを下げてエメルソンを投入。元ローマ在籍のエメルソンには、観客席から大きなブーイングが起こる。しかしこの交代が大きな誤算だった。 77分、ローマの攻撃。シシーニョが浅い位置からペナルティエリア内へクロス。マルディーニがヘッドでクリアも小さい。ジュリが拾って中央のトッティへ。守りに入ったミラン守備陣がひしめき合い、トッティは潰される。ルーズボールをペロッタが拾った。その時ジュリはパスを出してから、中央のスペースへ動いていた。ペロッタのパスにジュリがボレーシュート!ミートせずに浮いてしまったが、それが逆にカラッチのタイミングを外し、ミランゴールにゆっくりと吸い込まれていった。1-1、同点! 79分、逆転を狙うローマはさらに攻めたてる。右サイドのジュリが、最終ライン上・縦のポジションにいたトッティにボールを預ける。しかしトッティは両手を上げてボールに関わらない。するとその右をジュリが一気に駆け抜ける!ジュリについていたファヴァッリは、棒立ちのトッティに邪魔されてジュリをフリーにしてしまった。バスケットボールでいう「スクリーン」のような巧みな動きだった。しかもトッティはファヴァッリを邪魔してから反転、ゴール前に詰めている。このオフザボール(ボールを持っていない時)の動きが今季のローマは良い。 80分、センターライン右サイドにいたデ・ロッシが、斜めにロングパスを供給した。抜け出したヴチニッチ。落ち着いてボールを処理したヴチニッチはカラッチの動きをよく読み、ニアの右サイドに軽く回転をかけ流し込んだ。2-1、ローマ逆転!あまりに綺麗に抜け出したのでオフサイドかと思ったが、真横からの映像のリプレイではオンサイド。絶妙な抜け出しだった。ジュリ、ヴチニッチと交代した選手がまたもや得点を挙げたローマ。湧き上がるローマのウルトラス(サポーター)は早くも歓喜の歌。 そしてミランにアクシデント。カカが相手と接触していない場面で腰を捻ってしまい、負傷退場。代わりにパロスキ、そしてジラルディーノと攻撃の駒を入れる。ロスタイム、ジラルディーノにチャンスが訪れるが、2回とも彼の頭をかすめていった。最後の攻撃、ピルロが26mの位置でFKを蹴るが大きく外れてゲームオーバーとなった。 ■総括 ミラン総入替の流れ加速化か ローマ首位追い上げ 逃げ切るためにエメルソンを投入したが存在感はなく、むしろ攻撃の重要な起点となっていたセードルフを欠いたことで得点の期待感は一気に色褪せてしまったミラン。攻撃の切り札と呼べる交代カードが存在しない。孤立する前線、押し上げがない3列目のガットゥーゾ、ピルロ、アンビロジーニ。怪我が多く、老齢化が進む最終ライン。今季終了後に噂される「抜本的改革」が益々加速化しそうである。 ローマはホーム8連勝。来週のミッドウィークには、ラツィオとのローマダービーの大一番を迎える。今日の勝利でインテルにプレッシャーか。インテルは日曜日、パレルモをホームで迎え撃つ。
posted by batistuta |15:10 |
セリエA |
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