2008年07月07日

勝ちきれない 京都vs大分

  
 Jリ-グ第15節、京都サンガ(15位)vs大分トリニータ(8位)の試合が、西京極陸上競技場にて行われた。
 京都の夏が始まった。京都特有の"盆地気候"による独特の暑さが、両チームを苦しめる。大分は7/2(水)にナビスコカップ、アウェーでFC東京戦を戦った。そのためコンディションは落ちているようで、動きは良くなかった。
 試合はほとんどサンガがペースを握る。試合を通じてのシュート数は15-6と、京都が押していた。しかし22分に柳沢のゴールで京都が先制したが、3分後にゴールを奪われて結局同点に終わった。


 ■プレビュー
 ホームの京都、前回とは同じ顔ぶれ。増嶋を右サイドバックに置き、中谷と角田の位置が補完しあう形。

 GK 水谷 雄一
 DF 増嶋 竜也
    大久保裕樹
    水本 裕貴
    中谷 勇介
 MF 佐藤 勇人
    シジクレイ
    角田 誠
 FW 渡邉 大剛
    柳沢 敦
    フェルナンジーニョ


 大分は3-2-3-2の布陣。DF上本大海が出場停止。エジミウソンとダブルボランチを組むホベルトが、試合前の練習中に筋肉系のケガ。藤田がボランチの位置に入り、小林宏之がDFラインに入る。

 GK 西川 周作
 DF 深谷 友基
    森重 真人
    藤田 義明
 MF 小林 亮
    小林 宏之
    エジミウソン
    金崎 夢生
    鈴木 慎吾
 FW ウェズレイ
    前田 俊介


 ■両チームの関係   
 2002年の京都の天皇杯優勝に貢献した鈴木慎吾は、現在大分でキャプテンマークを巻く。しかもこの試合でJ1出場200試合という節目のゲームであったという。そして京都の前半戦のキャプテン、シジクレイはかつて大分でキャプテンだった。
 J1での対戦成績は、大分の3勝1分け。京都は相性が悪いようだ。


 ■前半
 京都はこの面子で2試合目。攻撃だけでなく、守備の連携でもかなり不安がある。
 序盤、最終ラインが混乱して増嶋がパスミス、ゴールに迫られる場面があったが、失点には繋がらず。増嶋はこの試合では右SB、前節の左SBよりはプレーできている。

 勇人はこの暑さでも相変わらずの運動量。
 12分、増嶋の縦のボールを、勇人がエリア内で足裏で落とす。フリーになったフェルナンジーニョがワントラップで強烈なシュートを放つもGK西川がセーブした。19分にも中央突破の際のワンツーパスのクサビになったのは勇人だった。
 
 22分、京都に先制点が生まれる。
 中央へ下がってきていた大剛が、中谷の競り合いのボールが浮き球になったところを、鋭い反転で前へ運ぶ。最後は大分DF2人を引きつけ、GKがさわれないところへパス。柳沢が身体ごと預けるようなスライディングでゴールに押し込んだ。

 しかしここで京都の悪いクセが出た。
 3分後の25分に大分が、FKのクロスボールをFW前田がヘディングで軌道変更してゴールに流し込んだ。1-1、同点に。
 この直後にもFKがあり、右サイドのライン近くからのボールをニアで前田が合わせたがこれは枠を捉えず。このシーンは両方とも中谷がついていたようだ。少しフリーにしすぎている。

 30分、京都も逆襲。フェルナンジーニョが中央からドリブルで持ち込み3人に囲まれながらもスルーパス、柳沢にボールが渡る。DFと大剛が併走する中で、半ばフリーであったためシュートを選択。しかしGK西川の好守に阻まれる。


 ■後半
 流れを変えたい京都は、後半開始時に中谷に代えて中山 博貴を投入。さらに京都が押し気味に試合を進めるが、得点するまでに至らない。
 大分は55分に2枚交代カードを切る。小林亮に代えて高橋 大輔、前田 俊介に代えて松橋 優をピッチに送り出す。
 
 しかし大分のペースが大きく変わることはなく66分、京都DFのマーカーの受け渡しミスからウェズレイがフリーに。ペナルティーアークの外あたりからシュートを狙ったが落ちきらず、クロスバーを叩いた。

 この後、両チームに得点は生まれず。しかし試合を通じてのシュート数が15対6と京都が勝ったにも関わらず勝ち点差に結びつかなかったことから、試合終了後の西京極は不気味な静寂に包まれていた。


 ■総括
 ネットで色々と見る限り、加藤監督の采配に疑問を呈する方が多いので少し考えてみる。まずは試合後のコメントから(サンガ公式、J's Goalなど参照)

・監督「90分を通じて悪いゲームではなかったと思います」「この試合の前のG大阪戦、清水戦と内容的にはそう悪いゲームではなかったと思います」

<ここ3試合は確かに内容としては悪くはない。同意。


・Q.1人残した交代をしましたが、交代の意図は?
 監督「これからスタメンでやっていくだろうというメンバーが揃いましたので、そのメンバーのプレーする時間をなるべく長くできればいいなと思っていました。出来るならば今日は一人も交代せずに終わるゲームができないかなと思っていました。最後フェルナンジーニョを代えたのは、かなり彼自身疲労していたということ。後は終盤セットプレーになったときにアタリバを入れればもう一つ高さが加わるのでそういう意味で最後、交代しました」

<やはり連携が足りないというところが肝、と監督は考えているようだ。ただこの暑さのために、フレッシュな選手を入れて「もう1点」を狙うべきでもあったと思うし、アタリバよりはスピードと運動量のある林 丈統を入れた方が、面白かったという気はする。フェルが疲れていたというのなら尚更。


・Q.引かれた相手に対してどう攻撃しようと思ったのか?
 監督「基本的には相手がゴール前に引いたらミドルシュートでラインを引っ張り上げるということが必要だと思います。もうちょっとタイミング早く打てる場面が何回かあったと思いますし、どうしても相手のディフェンダーが目に入ると外側から行こうと、自分のところでボールを取られたくないという気持ちも働いたかなと思いますが。基本的にはサイドから崩すことと、ミドルシュートを打つことが有効な方法と思います」

<後半、中山がシュートをためらった時に「打て!」と指示が飛んでいたよう。角田のミドルの精度もあまり良くなかった。引いて守る大分を攻略しきれなかったところがドローの結果か。


 ◆大分、引いて守ってアウェーで勝ち点1
 この試合、ペースはほとんど京都だった。大分の3-2-3-2、中谷と増嶋の両SBが高い位置を保ち、大分のサイドプレーヤーを守備に意識を持たせる。大分は引いて守るために、攻撃に手数と時間がかかり、セットプレーと個人技頼みになる。

 前回の記事「サンガ×EURO2008」でも書いたことだが、現在のサッカーで3バックはかなり少なくなってきている。攻守が分断しがちであるし、前線の攻撃陣の調子で安定しない。また個人技頼みになってしまう。
 実際、大分の得点シーンはセットプレーであったし、その直後のチャンスもセットプレー。66分のウェズレイのシーンは、崩したというよりただの京都のミス、そしてウェズレイのギリギリを狙ったシュートという個人技だった。他の攻撃は機能していなかったに等しい。
 180cm代の3バックでガッチリと引いて守り、京都の精度を欠くクロスを丁寧に弾き出していった大分。大分のセットプレーからのカウンターで、早く前線に持ち込めなかった京都。
 ミッドウィークにアウェーでナビスコカップを戦い、コンディションは決して良くない大分には「アウェーで勝ち点1」は悪くないものだった。逆に京都はこの試合を落とすようでは厳しい。大分は現在ホーム4連勝中、「アウェーで弱い」と言われるが引き分けに持ち込んでいるゲームも少なくない。京都はこの大分の戦い方を見習うべき。

 チームとして良かったのは、前線からプレスをかけていたこと。後半からバテるかとも思われたが、極端に運動量が落ちるでもなかった。しかし、相手よりは試合数が少ないわけだから、そういうところでもし負けていたら上位進出は望めない。


 ◆サンガ選手寸評

 水谷 雄一 …安定している。しかし失点はセットプレーからが多いので、ポジショニングやコーチングで防げるものも少なくないはず。

 増嶋 竜也 …クロスの精度では平島や角田に劣るように思われる。右CBで見たい。

 大久保裕樹 …ウェズレイのマンマークに奔走し評価する声もあるが、個人的には不満。大分のゴールキックが流れて、水谷が取れるボールをクリアしたり(水谷のコーチングミスかもしれないが)。ライン際でのボールセーブをミスして相手にファウルを犯しFKを与えるなどのミスも。

 水本 裕貴 …本人も「試合勘がまだまだ」と語っている。しかし大きなミスは少なく安心感はある。

 中谷 勇介 …失点につながるセットプレーでの守備はマズい。大分の3-2-3-2を突くため、左サイドで高い位置を保ち試合を優位に進める動きはできていたが…

 佐藤 勇人 …今日は豊富な動きの中にもクサビになる動きが見られた。

 シジクレイ …中盤底の守備がかなり効いていた。

 角田 誠 …右利きのためか、今日の左サイドは向いていないように感じられた。エリア近くでボールを持っても右足に持ち変えるために切り返したりして、攻撃のテンポが崩れる。やはり右サイドバックで見たい。

 渡邉 大剛 …アシストは見事。守備に難がある、DFが多くなってきたために前線で起用ということだが、左SBに置いてオーバーラップで攻撃参加が効果的に思うが…

 柳沢 敦 …オフ・ザ・ボールの動きは相変わらず見事。しかし、あまり大分のDFが釣られなかった。

 フェルナンジーニョ …中断前の京都になかった「タメ」。相手2~3人くらいを平気で引きつけるボールキープ力は素晴らしい。

 <番外>
 田原 豊 …別メニュー調整をしていたため、ケガをしていると思われるが不明。しかし早くフェルナンジーニョとの共存を見たい。また今日の大分戦では、クロスを上げる機会が多かったため、ターゲットマンが欲しかった。

 ケガのためか、手島・平島を最近見ない。徳重も含めてベテランの力も欲しいところ。

 次はアウェーで東京ヴェルディ戦。フッキを水本がストップできるか注目。

posted by batistuta |02:48 | 京都サンガ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年07月04日

サンガ×EURO2008

 
 Jリーグは第14節まで消化しました。京都サンガは、勝ち点17の15位。
 勝ち点16の16位神戸から、勝ち点23の6位の柏までダンゴ状態が続いています。まだまだ、どうなるか分かりません。

 一方、欧州では6/29にEURO2008が決勝戦、スペインの優勝で幕を閉じました。全試合を観ましたが、ドイツW杯と比べて総じてレベルが高く、見応えのある試合がほとんどでした。
 やはり「現在のフットボールの流行」というものがあったと思います。私なりに感じたものですが、簡単にまとめてみたいと思います。 
 

1.全員で守備をし、全員で攻撃
 もちろん、以前からある傾向ではあります。ファンタジスタというものが段々と少なくなりました。戦術を遂行するには、守備をしない者・走らない者・フィジカルのない者は淘汰されてきました。"ファンタジスタの抹殺"
 ドイツW杯でのジネディーヌ・ジダンはどうか、というと確かにファンタジスタ然とした高いテクニックを持つものの、それ一辺倒ではなくフィジカルも有しています。フランチェスコ・トッティに関しても同様です。

 西部謙司さんの分かりやすい例え、現在のチームに必要なのは「一芸、ニ芸のあるハードワーカーを揃える」「テクニシャンがハードワークする」のどちらかだ、というものがありました。
 今回のEUROの決勝で言えば前者がドイツ、後者がスペインだったということです。

 「全員で攻撃」という意味では、GKエドウィン・ファン・デル・サールの足下の技術の高さから、ピッチ全体でビルドアップができるというのがオランダの強みでした。マンUででもそうですが、GKに一旦戻して再び攻撃を作り直すという光景はよく見られます。


2.フォーメーション
 EURO2004王者のギリシャ。おそらくこのチームだけだったでしょう、3バックを用いたのは。3バックにサイドバックが加わって5バックに近い時が多かったです。これが功を奏したかというと「否」です。ギリシャのグループリーグはスウェーデンに2失点、ロシアに1失点、メンバーを落としたスペインに2失点を喫しています。
 得点はスペインでの1点のみ。カラグニスのFKに合わせたハリステアスのヘッドのみ、というセットプレーだけのものでした。

 …というように、現代のサッカーで3バックは「古い」ものとなっています。トルシエの「フラット3」導入時ですら、もはや古いと言われていたようです(杉本茂樹氏の「4-2-3-1」にありました)。
 「守れないのか?」という意味よりも、「一層点が取れなくなる」という意味の方が強く感じます。ギリシャは前回優勝した時でさえ、得点源はセットプレーでした。引きすぎると、かなりカウンターの精度を高めない限りは得点力がかなり落ちます。
 
 チャンピオンズリーグというクラブレベルで見ても、3バックはかなり少ないです。4-3-3、4-2-3-1、4-4-2がほとんどです。一昔前のミランの中盤ダイアモンド型の4-4-2、これを少し守備的に両セントラルMFが下がった4-3-1-2、現在のミランの4-3-2-1(クリスマスツリー型)なども少なくなりました。

 EUROで、スイスが第1戦のチェコ戦で見せたような「最終ライン+中盤のライン」の4人×4人の2枚、のような美しい守備ラインはとても印象的でした。「全体をコンパクトに、かつスペースを消す」というのも現在の流れかと思います。
 かつてのアルセーヌ・ベンゲルが率いた名古屋グランパスも、4-4-2のコンパクトな陣形をしいており「意識したわけでもないのに」オフサイドを取ることが多かったらしいです(「ベンゲル・ノート」より)。今季のピクシー名古屋は、ベンゲルの影響が少なくないはずです。
 引いて守ると自ゴールに近くなり、相手のゴール・危険なセットプレーに繋がりやすくなります。ラインを押し上げ、高い位置でボールを奪い得点に繋げる。
 チェコvsポルトガル戦で、チェコは両SBの上がりは少なく、かなり引いて守っていました。しかしこれが裏目に出ていたようです。

 そしてFWにも守備が求められます。一番印象的だったのはクロアチアのイヴィツァ・オリッチ。彼の守備でのハードワークはチームに多大な貢献をしていました。


3.サイドバックの重要性
 スペインのセルヒオ・ラモス、ドイツのフィリップ・ラーム、ロシアのユーリ・ジルコフ、トルコのハミト・アルティントップ――EURO2008ベスト4のサイドバックたちです。アルティントップは、チームが負傷者まみれになってからはサブリ・サリオールに右SBを任せて中盤をやっていましたが、グループリーグでは右SBとして効果的な働きをしていました。

 さて何を言いたいかというと「これも以前からだろう」と言われるかもしれませんが「サイドバックの重要性」です。
 優勝したスペインのS・ラモスはほとんどの場面に顔を出していました。スペインの攻撃の時に、スペインの守備の時に、あるいはセンターラインでの右サイドでのビルドアップに…。ドイツは逆にラームが、負傷のためハーフタイムに下がらざるを得なくなり、後半のドイツの攻撃の迫力不足の一因となったと見ています。また大会前にベルント・シュナイダーがいなくなってしまったことで、サイドプレーヤーの人員配置で混迷が見られました。

 そして記事で何度か取り上げましたが、クロアチア代表のサイドバック問題。
 アーセナルのエドゥアルド・ダ・シウヴァが、今年2月23日のバーミンガム戦で悪質なタックルを受けて大ケガを負い、EUROまでもが絶望になりました。エドゥアルドが挙げたEURO予選10得点は、EURO本大会参加国中で最高の個人得点成績です。そのうちの1得点は、クロアチアホームでのイングランド戦のもの。
 そんなストライカーの穴を埋めるべく、クロアチア代表のスラヴェン・ビリッチ監督が考えたのは、攻撃的MF/WGのダニエル・プラニッチを左SBに配すること。これは攻撃面で効果を発揮することもあり、また初戦のオーストリア戦で徹底的に突かれたように「諸刃の剣」でもありました。
 しかし個人的なベストマッチに挙げたいクロアチアvsドイツ戦で、プラニッチは積極的に左サイドを攻め上がり1点目を演出しました。

 個人的な考えですが、現在の日本代表の攻撃の硬直化にもSBの人材不足が考えられます。内田はクラブでの好調な動きが出来ておらず(連携やフィットしているかの問題もあるかとは思いますが)、内田を右に置くために本職ではない左SBに置かれて力を発揮できない駒野。浦和に復帰していた三都主は今季絶望(岡田監督に招集する意思があったかは分かりませんが…)。加地・坪井は代表引退。
 今のところ期待できるのは長友ですが、これまた負傷に悩まされています。

 例えばアーセナルなどでは、右サイドでエマニュエル・エブエ&バカリ・サニャという「ダブル・サイドバック」と言っても良いくらいの機動力を持ったサイドラインを形成したりしています。


4.FWの決定力
 これも当たり前のことですが、FW1人や2人だけで得点できるというようなことは稀です。よほど相手と実力差がないとなかなか難しいことだと思います。
 ハイライトで見ると錯覚してしまいますが、やはり得点に至るまでの「流れを作る」こと、そしてそれを最後に決めきれるかということだと思います。今回のEUROで、そのように「独力で決める」というシーンは少なかったように感じました。

 日本代表でよく言われる「決定力不足」ですが、FWの決定力うんぬんというよりは(もちろんイージーで外す時も多々ありますが…)、それまでの「流れ」そしてチャンスを作り上げることが必要だと思います。その例の一つが、サイドバックの重要性だったりすると思います。


 ■上記を考えつつ、サンガを考える。
 「EUROを見た上でサンガも好き」でないと、以降のことは「何のこっちゃ」となるかもしれません。「サンガと欧州トップレベルを比べるな」とか「机上の空論」と言われるかもしれません。ファンの戯言、と思って気楽に読んで(読み流して)下さい。

┏━┳━┳━━━┳━┳━┓ 
┃□┃□┗━━━┛□┃□┃ 
┃□┃□□□11□□□┃□┃ 11 田原 豊
┃□┗━━━━━━━┛□┃ 10 柳沢 敦
┃□□□□□□□□□□□┃ 09 フェルナンジーニョ
┃■08■■■09■■■10■┃ 08 徳重 隆明
┃■■■■■■■■■■■┃ 07 シジクレイ
┃■■■■■■■■■■■┃ 06 佐藤 勇人
┣━━━━━━━07━━━┫ 05 角田 誠
┃■■■06■■■■■■■┃ 04 増嶋 竜也
┃■■■■■■■■■■■┃ 03 水本 裕貴
┃□02□□□□□□□05□┃ 02 渡邉 大剛
┃□□□□□□□□□□□┃ 01 水谷 雄一
┃□┏━━03━04━━┓□┃
┃□┃□□□□□□□┃□┃
┃□┃□┏━━━┓□┃□┃
┗━┻━┻━01━┻━┻━┛

 まずフォーメーションは4-2-3-1。イメージするのはオランダ代表です。

 大剛がたまに3トップ右に置かれることがありますが、やはり左SBで起用したいところ。これは「3.サイドバックの重要性」に関連しています。オランダの左SBジョバンニ・ファン・ブロンクホルストのように、豊富な運動量で攻守に貢献してもらいたい。
 3トップの右に位置することが多い柳沢は、4-2-3-1の「3の右」。ディルク・カイトのように運動量+守備面で、対面する相手のサイドバックを封じながらも、巧みなオフ・ザ・ボールの動きでチャンスメイク。

 「シジクレイ=ボランチ」は今まで何度も言ってきましたが、最近は「2ボランチにしても良いんじゃないか?」という考えがあります。というのは4-3-3(4-1-2-3)の1ボランチにすると、守備で下がった時に最終ラインに吸収されがちです。サイドからのクロスボールに強くなるのは良いですが、奪った後のカウンターに持ち込むスピードが遅く、攻撃のテンポアップが重く感じます。
 またゴールキックは基本的に田原に当てる戦術です。しかしこれをシジクレイに切り替えます。勇人が少し下がり目で待機し、シジクレイの競り合いのルーズボールを拾う、あるいは相手に奪われた時の逆襲に備えます。そして田原がシジクレイに任せて前線に張ることで、運動量が減り他に守備などで使うことができます。

 大久保がCBで使われたこの2試合ですが、やはり水本と増嶋を組ませたCBの方が良い気がします。増嶋の左SBもあまり芳しくなかった。利き足が右である上、サイドバックでの守備・攻撃参加に慣れていない。本職の手島和希に任せる手もあるが、やはり大剛をファーストチョイスに推したい。
 CBで左・水本、右・増嶋がおそらくベスト。もし増嶋をSBで使うなら右で、左サイドで大剛に攻め上がらせた上での守備のバランサーとしての起用が良いかと思います。そしてもちろんロングスローの時は前線に。
 右サイドのスタメンとしてファーストチョイスとしては、角田誠をやはり薦めたい。前半戦は平島崇の後塵を拝したが、ここ2試合G大阪戦の序盤でのオーバーラップ、そして清水戦での幾多のアーリークロス、エグってのクロスと好機を演出しました。

 フェルナンジーニョ。上の図ではトップ下の位置に配し、左を徳重に任せました。フェルナンジーニョを左に配し、アタリバor中山をトップ下に置いてポゼッションを高めるという考え方もできます。
 今までのサンガの攻撃において、バイタルエリアでのボールキープが少なかったように思えます。

バイタルエリアとは:
1.相手のペナルティーエリアの中でゴール幅と同じ幅のエリアの事。ペナルティアーク付近のペナルティエリアの正面ライン(幅40mくらい)から少し外側のエリア。 
2.DFとMFの間のスペースのこと。ペナルティアーク周辺のDFラインとMF(セントラルMF・守備的MF)の間のスペース。

 田原が下がってポストプレーで受けるは良いが、その後の展開に乏しかった。周りの押し上げであったり、サポートであったり。もっと田原が相手ペナルティエリア内でボールを持てるようになれば面白いことになるのでは、と思っています。

 その田原。今までのJ1での成績よりは、良いペースでゴールを積み上げてはいるものの(J2で量産、が多い)、今以上の得点をやはり期待してしまいます。「難しいゴールほどよく決める」とは加藤監督の弁ですが、清水戦のようにイージーショット(GKとの1vs1など)もしっかりと決めていってほしい。
  
 さて、よくよく見ると現在のサンガのスターティングは昨季とは過半数、いやそれ以上の入れ替えぶりです。いくら実力者を引き入れたといっても連携ゼロスタートはなかなか厳しいです。
 負けが続いて、確かに「気持ち見せろ」とは私も、そしてサポの皆さんも言いたいところでしょう。とは言っても実際は「気持ちと連携が空回り」している状態なのかもしれませんね。
 今考えると、やはり第7節のアルビレックス新潟からオカシくなりました。しかし第14節清水戦ではシュート数16本と、かなり増えました。その中にはもちろん決めなきゃいけないものが多かったのも事実です(田原…)。

 中位がダンゴだからこそ、まだまだ巻き返せます。選手は揃っています。今後のサンガの巻き返しに期待したいですね。相手に引かず、全員守備・全員攻撃の気持ちで戦ってほしいです。
 スペインがEUROで優勝したのは、テクニシャン揃いだったからではありません。全員で結束して、強い気持ちを持って、相手に走り勝ったからです。
 清水戦のフェルナンジーニョのゴールの時の雰囲気の良さは、TV画面越しにもよく伝わりました。サンガの選手たちに、もっともっと頑張ってもらいたいです。そしてその応援も惜しみません!

posted by batistuta |01:09 | 京都サンガ | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年06月28日

引き分けにさえ 清水vs京都

 
 Jリ-グ第14節、清水エスパルス(15位)vs京都サンガ(12位)の試合が、日本平スタジアムにて行われた。
 京都は水本が初出場、初スタメン。期待通りの対人の強さを見せる。攻撃面でもフェルナンジーニョの加入が目に見えて大きく、中断前との違いを見せる。シュート数で清水を圧倒する京都。先制点も古巣相手にフェルナンジーニョが決めた。
 しかし5分後に枝村に技ありシュートを決められ、83分には藤本のFKに原が飛び込みオウンゴールを誘った。
 清水が逆転勝ちを収め、京都はリーグ再開後の2連敗となってしまった。


 ■プレビュー
 清水のU-23の若武者たち。FW岡崎 慎司はトゥーロンで負傷し、本田拓也・山本海人はベンチだ。
 市川 大祐が欠場の模様。その右SBのポジションには、筑波大学時代に関東大学リーグ得点王、MVPにも輝いたFW戸田 光洋が入った。昨季清水に加入してからコンバートされたとのこと。
 注目の高卒ルーキー大前 元紀がベンチ入りしたが出番はなかった。

 GK 西部 洋平 
 DF 戸田 光洋 
    青山 直晃 
    高木 和道 
    山西 尊裕 
 MF マルコス パウロ 
    伊東 輝悦 
    藤本 淳吾 
    枝村 匠馬 
 FW マルコス アウレリオ 
    西澤 明訓 

 京都は注目の水本 裕貴が初登場。ナビスコから監督の信頼を勝ち得た大久保裕樹がCBのコンビを組む。増嶋が左SBのポジション、不調の田原はスタメンを外れ、大剛が3トップに入る。
 古巣相手に出場が期待された森岡隆三は、残念ながらベンチにもいなかった。

 GK 水谷 雄一
 DF 角田 誠
    大久保裕樹
    水本 裕貴
    増嶋 竜也
 MF 佐藤 勇人
    シジクレイ
    中谷 勇介
 FW 渡邉 大剛
    柳沢 敦
    フェルナンジーニョ 


 ■前半 新加入、ポジションチェンジによる危うさ
 前半、いつもはスタメンの田原がトップで張るが、ここに柳沢が入る。常にライン裏を狙う動きで、清水ディフェンスに緊張感を持たせる。
 初めてに近いだろうか、左SBに入った増嶋だが、不慣れなのが明らか。パスミスを繰り返し、守備でも度々マーカーを離してしまうことがあった。攻め上がりでも期待感のあるクロスを上げられず。
 シジクレイもつられるようにパスミスを何度か見せた。中断前と全く異なるディフェンスライン。連携もゼロからに等しいかもしれないが、ここでボールを奪われたら即失点に繋がる。
 実際に枝村のフリーのシュート(足を滑らせてミートできず)、M・アウレリオのシュートなど、クリアが浅く危険なシュートを打たれる場面が見られた。

 京都のゴールキックの際、ターゲットはほぼ田原。これは間違いない。しかしピッチにいない今、ターゲットはシジクレイだった。もしシジクレイのデフォルトポジションがいつもの中盤底で、ゴールキックの度に高い位置でもらおうとして失敗してカウンターを食らったらどうするのか。今日はそういうシーンはなかったが、不安はよぎった。

 しかしリスクをかける分、面白いシーンはあった。度々高い位置でボールを持ったシジクレイ。45分に左サイドからフェルナンジーニョがドリブルで切れ込み、ペナルティアークの柳沢へパス。後ろへ戻したところで、シジクレイがミドルシュートを放った。GK正面ではあったが、抑えの効いた良いシュートではあった。


 ■後半
 後半開始時に、清水の長谷川監督が先に仕掛ける。M・パウロを下げて兵働 昭弘を投入。藤本・戸田との筑波大学OBトリオだ。

 しかし先制点を挙げたのは京都。
 左寄りになっていた京都の攻撃が右に振られ、右SBの角田へ。アーリークロスを挙げDFの足に当たるも危険な位置へ。柳沢がヘディングシュート、GKが弾いたところをフェルナンジーニョが詰めた。京都、先制点!

 「昨日の友は今日の敵」、フェルナンジーニョ相手にゴールを決められて意気消沈する清水かと思われたが、同点はあっけなかった。
 53分、前線の右サイドへ流れた西澤がキープ、後ろの兵働に戻す。兵働は枝村に預けてワンツーを狙うが、DFに潰される。枝村はこれを確認してか、間合いを少し空けてマークする大久保を揺さぶってからシュートに持ち込む。このコントロールショットが、ファーサイドのポスト内側に当たり、さらに逆ポストに当たってゴールラインを割った。清水が同点ゴールを決めて1-1。

 66分、京都は田原と林の2枚同時投入で局面打開を図る。しかし清水の藤本の精度の高いFKとスルーパスでチャンスを作られる。京都は角田が右サイドでチャンスを作るが、田原や勇人が決めきれない。
 逆転を狙う清水は、78分にM・アウレリオを下げて、2年目のFW原 一樹をピッチに送り込む。これが大当たりした。83分、左60度・40m付近からの清水のFK、キッカーはもちろん藤本。巻くような弾道のクロスを上げると、入ったばかりの原がコ-スに入り込む。マークマンの大久保の対応が遅れて、後ろからユニフォームを掴むのみ。シジクレイの足に当たったようでオウンゴール扱いとはなったが、京都の完全なミスだった。

 92分、最後の攻撃でセンターサークルにいたアタリバが背面に大きく蹴り上げる。清水のDFがクリアミス、田原が拾い押し込むだけだったが、GKの飛び出しに焦ったか大きく浮かせてしまう。

 ゲームオーバー、清水が逆転勝ちを収め、通算800ゴールとホーム150勝の達成を見せつけられた結果となった。


 ■総括
 京都、リーグ戦アウェイで5連敗達成。15位に後退したものの、中位がダンゴ状態のために「まだ大丈夫」と思ってるんじゃないだろうか?フェルナンジーニョ・水本の補強で「これで大丈夫」と思っているのだろうか?選手・監督に危機感が感じられない。

 シーズン序盤、各試合あるいは試合中にシステムを変更してちょっとした話題になった「加藤采配」ではあるが、ここのところ脆さを見せてきている。
 フェルナンジーニョのプレースキック(FK・CK)の精度の高さを生かして、高さのある田原に合わせるのは一種のセオリーではあると思うが、G大阪戦・この清水戦と、フェルナンジーニョと田原を入れ替える交代策。
 しかも柳沢・フェルナンジーニョと動きの良かった前線をごっそり代えて、攻撃の流れを分断し、83分の清水逆転ゴールの直前に中谷に代えてアタリバ投入。ああいうインターバルを置くと、集中力が切れるのは守備の方である。今回それがまともに出た。清水のFW原をほとんどフリーにしてしまっていた。

 この試合のWorst Of the Matchは、やはり田原を挙げるしかないだろう。73分のクロスにヘディングで合わせた場面。手前に林が飛び込んでおり、ブラインドになっていた言い訳はできるかもしれない。しかしロスタイムの最後のシュートは、弁明のしようがないだろう。加藤監督も試合後のインタビューで「あれは決めてほしい」とコメントしている。


 ◆MOM 角田 誠
 世間ではやたらと評価が低い気がする。今日の試合のキーマン・Man Of the Match
は、間違いなくこの男。CBから右SB、右SHにコンバートされ、時にサイドでの守備に不安を見せたりする。しかし右サイドの攻撃の活性化に一役買える選手である。

 前半はフェルナンジーニョのCKに2度ほど、角田が合わせそうな惜しい場面があった(一度目は右CK、シジクレイと少しカブった。2度目は左CK、ニアにいたがDFのクリアにあう)。
 今季のサンガで、唯一CKを直接叩きこんだのは角田だけだ。
 フェルナンジーニョのCKは素晴らしく、良いポジションに飛び込める角田、そして田原・シジクレイが必要だ。だからこそ田原とフェルナンジーニョは同時起用しないと意味がないと思う(練習で相性が悪いのだろうか?)

 そして、この試合の角田の真骨頂は「アーリークロス」(相手陣内まで深く切り込まず、浅い位置から上げるクロス)だった。今日3度ほど見せたが、どれも「GKとDFの間へ」というセオリー通り、しかも飛び出しにくい速さと強さのあるボールを蹴りこんでいた。

 後半開始時、若干左サイド寄りの攻撃になっていたサンガにおいて、右サイドの角田がドフリー。しかしその直後、48分に生まれたゴールへの起点。 
 左寄りになっていた京都の攻撃が右に振られ、右SBの角田へ。アーリークロスを挙げDFの足に当たるも危険な位置へ。柳沢がヘディングシュート、GKが弾いたところをフェルナンジーニョが詰めた ……は上のコピー&ペーストである。

 62分にはまたも角田のアーリークロスから決定機。
 DFに当たり正面にボールがこぼれる。そこを勇人が、左上隅を狙って強烈なシュートを放っていったがクロスバーに嫌われた。

 69分にもまたアーリークロスを見せたが、これは決定機にはならず。しかしこの再三の狙いが、次のプレーに繋がる。
 73分、右サイドでボールを持った角田は詰めてくるDFを前に、またもアーリークロスを上げるような小さなキックフェイントを1~2回入れる。警戒したDFを置き去りにして、一気に縦突破!絶妙のクロスを送ったが、これを田原が決め切れなかった。


 ◆勝つ意識
 「相手より走り、相手より強い気持ちで、シンプルに泥臭くチャレンジする」
 これが現在の京都のスローガンだが、最後に「(~チャレンジして)勝つ」をつけてほしい。

 最近の試合後のコメントは、毎試合のように「悪いゲームではなかった」「いい内容でプレーできていた」というものが多い。
 確かに新加入選手、大久保のようにスタメンを勝ち得た選手などがいる中で、前線も最終ライン、いや全体的に連携不足になっているのは否めないし「仕方がない」のかもしれない。しかしこれで残留できなかったら、全て水泡に帰してしまうのではないか。

 最近は「引き分けにさえ」持ち込めず、しっかり負けるパターンが多い。相手チームも「(自チームの)内容が悪かったが、京都相手だったから勝てた」と思うことも多いだろう。

 次はホーム西京極で、現在12位の大分戦。中位以下のチームに勝てないと、降格圏内なんてあっという間だ。いや、もう片足をまるまる突っ込んでいる。

posted by batistuta |20:32 | 京都サンガ | コメント(7) | トラックバック(0)
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2008年06月26日

収穫 G大阪vs京都

 
 ガンバ大阪のACL出場のため延期されていたJリ-グ第11節、G大阪(8位)vs京都サンガ(12位)の試合が、万博記念競技場にて行われた。
 地力の差か、G大阪のペースで試合が進む。バレーが決めきれない時間が続いたが、54分に遠藤が決めてこれが決勝点に。
 0-1で敗れた京都だが、久し振りに次の試合が楽しみになる「収穫」の多い試合だった。


 ■プレビュー
 平島崇に関して情報不足のため分からないが、手島和希は負傷のためベンチ外に。大久保裕樹が今季初の出場にしてスタメン。
 注目の新加入選手、清水から来たフェルナンジーニョはベンチスタート。G大阪から移籍した水本裕貴は今週末の清水戦から出場可能、「昨日の友は今日の敵」とならなかった。

 GK 水谷 雄一
 DF 角田 誠
    増嶋 竜也
    大久保裕樹
    渡邉 大剛
 MF シジクレイ
    中山 博貴
    佐藤 勇人
 FW 柳沢 敦
    田原 豊
    徳重 隆明

 G大阪は、播戸が足首の捻挫により欠場。安田 理大はベンチスタート。

 GK 藤ヶ谷陽介 
 DF 加地 亮 
    中澤 聡太 
    山口 智 
    下平 匠 
 MF 橋本 英郎 
    明神 智和 
    遠藤 保仁 
    二川 孝広 
    ルーカス 
 FW バレー 


 ■襲い来る"縦"の脅威
 昨年のナビスコ王者であり、リーグでも最後まで優勝戦線に絡んでの3位であったG大阪。今季は厳しいACLの日程に苦しめられているため現在8位と奮わない。
 しかし、やはりこのG大阪のプレースタイルは観ていて面白い。今季の京都の試合を(TV放映がなかったナビスコを除いて)全て観てきたが、今のところ最も面白い対戦相手だった。

 前線のバレーは、ありきたりな言い方を承知で言えば、正に重戦車。何本も送られる後方からのパスに対して、寄せてくるDFにビクともせず前を向けるボディバランスはやはり魅力だ。そんなバレーに絡むのはFC東京から来たルーカス。自らもシュートを狙いつつ、スペースメイキングや繋ぎのために下がるなど献身的な動きには頭が下がる。
 この2人に二川と遠藤が、常にパスを狙う。G大阪サポには「ワクワク」、対戦相手サポには「ハラハラ」である。これは決められても仕方がない、むしろ嬉しいかも、という複雑な境地にまで至った。

 最高のお膳立てをしてもらっているにも関わらず、決め切れなかったのがバレーだ。全て決められたら0-3とか0-5で京都が負けているんじゃないだろうか、と思ったほどだ。EUROでのルーカ・トーニを彷彿させる位に、決定機を外す。
 もちろん京都のDFも奮起していた。中でも今季初出場で、バレーのマンマークについていた大久保のプレッシャーやいかに。GK水谷と1vs1になりかけたところを、スライディングでクリアしたり、身体を寄せたりしていた。初出場という点で言えば、及第点だろう。

 G大阪ユース上がりで安田の一つ下の左サイドバック、下平。下平の攻め上がりも見事で、39分には角田を振り切りクロスを上げ、バレーにチャンスを与えた。8つ年上の加地も巧みなアーリークロスを見せ、両サイドから京都ゴールを脅かす。

 終始、試合の主導権を握ったのはG大阪。
 54分に二川が、京都の選手に囲まれながらも粘り、ペナルティーアークにいるルーカスへ。その様子を窺いながら、前線へスルスルッと上がっていた遠藤。ルーカスはそれを見逃さず、二川のパスをつま先で背面方向にダイレクトパス。遠藤はGKの動きをしっかりと読み、コースへ流し込んだ。
 この1点が決勝点となった。
 

 ■悪くなかった京都
 ……とここまで書くと、京都がボロボロだったかのように見えるがそうでもない。中断前にはなかった「期待感」があったのだ。
 
 開始して5分までに2つほどG大阪ゴールに迫る場面があった。その後、押し込まれる時間帯だったが14分、G大阪のCKをクリアするとそのままカウンターに持ち込む京都。前線から自陣まで戻った柳沢が右サイドに張りポストプレー、角田が柳沢を使ってワンツーで抜け出し、さらに前で右サイドに張っていた中山ともワンツーを使って、ゴールエリアでGKと1vs1になる。隅を狙ったが、ゴール左へ惜しくも外れた。これを決め切れない辺りが遠藤との差か。
 出番の少ない角田だが、元はセンターバックにも関わらず、右サイドハーフや右サイドバックで面白いプレーを見せる。個人的に好きな選手である。

 そしてそのすぐ後、自陣の左サイドから大剛が勇人を使ってワンツーで抜け出したり、柳沢や中山がサイドへ張り出したりと、前半は京都がサイドを上手く使う場面が多かった。預けてタッチ&ゴーを繰り返せば、大剛もゴール前でシュートを放ったりする。途中で中谷を入れたにも関わらず、大剛を左SHに上げずにそのまま左サイドバックに残したのも、その方が攻撃に厚みが出ると、加藤監督は考えたのではないか(実際には、後半の大剛の攻め上がりが少なかったが)
 
 フェルナンジーニョの加入でポジションを脅かされるであろう徳重は、今日は何度もウラを突くプレーを見せた。残念ながらそのほとんど(全て?)がオフサイドではあったが、パサーと呼吸が合えば面白くなる。3トップの柳沢が右に張り、田原が少し右に流れれば左から中央にかけてスペースが出来る。そういう突き方をすれば、また面白そうだ。

 さて58分に入ったフェルナンジーニョ。185cm田原と交代。161cmというJリーグ登録選手最小だが…本当に小さい。
 しかしこのフェルナンジーニョ、やはり凄かった。コーナーキックやフリーキックのプレースキックに関して「上手い」とか「定評がある」とか言われている徳重や林と比べて、レベルの違いを感じさせる(両選手を貶める意図はありません、あしからず)。
 京都にセットプレーでの得点が少ないということは、中断中の「まとめ」で記したが、これは今後の大きな武器になるかもしれない。増嶋のロングスローをGK藤ヶ谷が処理をミスしてCKになった場面があったが、こういう合わせ技も期待できる。
 その後は遠目のFKで、ゴール前の増嶋に放り込む場面があった。通常の流れているプレーでは連携が必要だが、セットプレーでの連携プレーは比較的早く構築できるのではないだろうか。
 高さのあるシジクレイや田原がいるのだから、CKで直接合わせて…という場面に期待したい。

 こういう精度の高いパスを目の当たりにした後では、アタリバのパスの稚拙さが浮き彫りになってしまう。調子が良い時は面白いパスを出したりするが、如何せん不安定である。ガンバレ、アタリバ。


 ■総括 と言うより次戦に向けて
 おそらく連携面を考えてフェルナンジーニョを途中交代で入れた加藤監督。試合後のコメント:

>中盤前めの選手をサイドに開いてプレーさせていたので、相手に中盤でパスを繋がれてしまいました。後半にポジションを修正して、相手の中盤の厚みに対して抵抗できるような形に変えました。
 
 とある。しかし流れの中でチャンスを作れていたのは前半だと感じた。それはやはり「得点を狙いに行く上でリスクを犯しているから」であり、サイドを起点にすることでピッチを広く使い攻撃できていたと思う。大剛と角田の両サイドバックの上がりで厚みをもたらすこともできていた。
 徳重を中谷に変えたことで逆にバランスが崩れてしまい、後半はフェルナンジーニョのプレースキックでしかチャンスを作れなかった印象がある。そしてそのセットプレーのクロスボールの先には田原と交代してしまい、そこにはいない…と。

 守備に関しては、再び手前味噌で申し訳ないが、「ボランチ・シジクレイ」が当たっていると思われる。ただでさえ、縦を何度も通されたG大阪の攻撃に、シジクレイをCBに起用していたら悲惨な結果だったかもしれない。大久保起用はリスキーではなかった(もちろん健康ならば手島がベストだろうが)。
 時に4バックの前での壁に、横から崩された時は空中戦で守るシジクレイ。奪い返してからの散らし・展開も悪くない。巨漢だが、懐深いボールキープを見せてくれる。

 後半はフェルナンジーニョと交代で田原を下げた後に、柳沢が負傷退場するというアクシデントに見舞われてしまった。1点を取って引いて守ってしまっているG大阪を、加入したてで小柄なフェルナンジーニョのワントップで崩すのは容易ではない。
 サイドを崩したところで、クロスに合わせられる選手が少ない。失点後のあの流れでは、負けも仕方ないと言える。

 ただ、光があった。


 ◆水本加入
 さて世間で(特に古巣の千葉、G大阪)とやかく言われている水本。京都も今冬の大量補強に加えて、ここでフェルナンジーニョ・水本を補強と「今季の京都は、読売ジャイアンツみたい」との声もあるようで…
 また水本のG大阪退団が「北京五輪のために出場機会を求めての退団」(新聞報道であり、事実かは分からないが…)とあるが考えれば柳沢も同じ理由(出場機会)であり、水本はただただ時期が悪かった。実際は京都が開幕前から狙っていたというが…

 しかし、水本がこれまでの補強選手と比べて明らかに異なるのが「若さ」だ。梅本社長も、そして加藤監督も、水本の将来性を含めて大きな期待を寄せているだろう。京都ではスタメンを死守するくらいに活躍してほしいし、ずっと京都でやっていってほしいもの。
 あまり穏やかではない移籍だったため、他のクラブだけではなく「いきなり背番号8をつけた水本」に対して、懐疑的な目を向ける京都サポーターもいるのも事実。認めさせるには水本自身がピッチで証明するしかない。サンガの一員に相応しく、北京でもDFの要として活躍できるということを。
 厳しいが、プロは結果が全て。サンガの当面の目標は、結局J1残留になりそうだ(開幕してしばらくは「上位進出」という夢を見れたが…)。その目標達成にフェルナンジーニョと水本が大きな力となってくれることに期待である。

posted by batistuta |00:12 | 京都サンガ | コメント(7) | トラックバック(0)
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2008年06月09日

ナビスコでの京都、そして補強決定

 
 京都のナビスコは散々か、それとも妥当か?おそらく後者だろう。

 グループリーグを6試合戦い、1勝3敗2分。7得点8失点。 
 シーズンが進むにつれて顕著になった得点力不足が、ナビスコにも反映されてのこと。戦術的にレベルの高い名古屋と神戸が、順当に勝ち進んだと言える。戦術が良く浸透すれば、控えとの差が少なくなる。名古屋と浦和との差はそこなのだろう。
 
 「アウェーはスカパー!で」と高らかに謳うのは良いが、ナビスコはほとんどやってくれなかったスカパー!のおかげで浦和戦のナマ観戦とTV観戦の2試合に終わった。後半3戦などは、ネットの掲示板レベルでしか試合内容を分かりえなかったが、とても期待できるものではなかったよう。
 中断前の状況と、さして変わりはなかったようだ。

 ということで補強策に期待がかかるのは当然。

 李東国か、チョ・ジェジンか。いやアンドレを呼び戻しだ、など色々な憶測・噂が飛び交ったが、5月下旬に京都が「ブラジル人3選手に絞りこみ中断期間中に合流する」と発表。当ブログで「大黒将志なんか面白いんじゃないか?」と書いていたら、フタを空ければ「大黒の最高の相棒」とも言われたフェルナンジーニョだった。

 サンガ公式
 スポナビ

 フェルナンジーニョは07年には清水エスパルスに移籍してトップ下で開花、33試合9得点の活躍(チョ・ジェジンに次いでチーム2位)。
 他チームからまさか分捕れるとは思っていなかったので予想外な展開。しかしフェルナンジーニョの高年俸と今季の不調などから、清水が放出を考えていたようで利害が一致したらしい。
 ニッカン


 しかもフェルナンジーニョは今季いっぱいのレンタルでの獲得、来季にパウリーニョが戻る余地もしっかり空けてある。年俸1億・複数年契約を要求してきた李東国を蹴り、先を見据えた理想的な補強ができた。

 おそらく加藤監督の好みは4-3-3のようなので、フェルナンジーニョは左ウィングをデフォルトポジションとしつつ、トップ下へボールをもらいに行きチャンスメイク。あるいは田原のポストプレーから、フェルナンジーニョと柳沢がウラを狙うというのが理想の形だろうか。
 フェルナンジーニョはボールを持ちすぎるようなので、勇人・大剛の追い越し、あるいは守備のカヴァーリングのバランスが要求されるだろう。

 京都デビュー戦は何の因果か、6/25(水)の「アウェー」での古巣ガンバ大阪戦。
 何とその次は「アウェー」での清水戦である。おそらくブーイングを浴びることだろう。

 ナビスコ最終戦、田原が久々に得点を決めてくれた。そしてフェルナンジーニョが得点不足解決のワンピースたりうるか。

 25日が待ち遠しい。

posted by batistuta |21:43 | 京都サンガ | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年05月18日

今季これまでの京都サンガを振り返る

 
 Jリーグは13節まで終了。一旦中断期間に入ることになる。
 1/3を消化して、現在11位につける京都サンガ。ACLの関係で第11節G大阪戦を6/25に控えている。
 4位柏から16位東京Vまで、13チームが勝ち点6差でひしめいている(消化試合の差が幾分あるが)。今後これがどう動いていくか。

 昇格組にあって、京都は良い順位につけられているように思う。
         (勝ち点、試合数、勝、敗、分、得、失、得失差)
 11位 京都  17 12 5 2 5 11 15 -4
 16位 東京   14 12 4 2 6 14 19 -5 
 17位 札幌   10 13 3 1 9 12 25 -13

 昨季、J2であれだけの堅守を誇った札幌ですら25失点。
 得点が一番少ない京都ではあるが、昨季24得点のパウリーニョ、15得点のアンドレの二人が抜けた状態では仕方ない面もある。
 日本屈指の元代表FW柳沢が入ったから即、得点が増えましたとならないのがサッカーである。

 そのあたりは加藤監督も認めているところで、「昨季からスタメンが大幅に入れ替わっている。安定し始めるのはこれから」と語っている。

 攻撃パターンの乏しさも連携不足からか。リーグ戦の得点シーンを振り返る。

第1節:対名古屋 パウリーニョPK
第2節:対大宮  柳沢ゴール前で詰めてゴール&大剛スーパーゴール
第3節:対F東京 CKから角田&大剛ミドル&田原スライディングゴール
第4節:対柏    ナシ
第5節:対川崎  ウラをとった柳沢
第6節:対神戸  GKミスキックを田原&柳沢ヒールに田原
第7節:対新潟  ナシ
第8節:対浦和  ナシ
第9節:対磐田  ナシ
第10節:対札幌  アタリバミドル
第12節:対千葉  ナシ
第13節:対横浜  オウンゴール

 ナビスコはコチラ。
第1節:対名古屋  アタリバ(TVがなかったので詳細不明)
第2節:対浦和   増嶋ロングスロー→山田クリアミス→徳重&ウラ柳沢&勇人シュートこぼれ球を大剛
第3節:対浦和   林がバックパスミスを奪ってそのまま


 ■セットプレーの得点の少なさ
 このように振り返ると、セットプレーからの得点が少ないことに気づく。増嶋のロングスローが今季の京都の特徴の一つになった。実況は「CKに近いボールが入ってくるので容易にラインに逃げられない」と言ってはいるものの、直接ゴールに結びついたのはナビスコ第2節:対浦和くらい。

 CKからでは「第3節:対F東京 CKから角田」くらいか。「守備の」セットプレーでは田原・シジクレイの弾き返しをよく目にするので得点機でも期待したいところだ。CBコンビの手島・増嶋にも奮起を促したい。
 キッカーだが、ファーストチョイスは徳重ではないだろうか。横浜FM戦では直接得点機を作れなかったものの、嫌らしいところには蹴りこめていた。


 ■田原 豊について
 FW田原には高い期待をかけている方は多いだろう。自分もその一人。
 昨季までの通算得点はJ1で44試合出場4得点、J2では89試合出場24得点。
 浦和戦の退場処分で2試合停止のため今季は9試合出場3得点。しかも序盤戦は途中出場が多かった。
 現在はペースとしては今までで最も良いだろうが、爆発を期待したい。

 浦和の阿部に膝蹴りをくらい報復、CKでは肩に手をかけられたりして飛べないようにされているのも何度も観ている。それだけハードマークされていることこそ成長の証。黙々とポストプレーをこなす田原の地道な貢献も最高だが、やはり得点量産にも期待がかかる。

 加藤監督の田原評。
1.コンディションが悪く1試合のスタミナがもたない
 後半になって動きが悪くなるところはあるが、序盤に比べればかなり改善された。
2.難しいシュートほどよく決める
 第3節の対F東京、スライディングゴールが真骨頂か。しかし対横浜FM戦ではあの中の1本だけでも決めてほしかったのが正直なところ。


 ■システム
 3バックと4バックを試合毎に、あるいは前後半・選手交代で切り替えていた加藤采配。しかし勝った試合、調子の良い時というのは4バックだった気がする。
 そして横浜FM戦のレポでも挙げた、「ボランチ・シジクレイ」が当たっていると思う。スピードに弱いのは明らか。しかし予想以上に展開・配球・保持力は悪くない。3バックにして大剛・平島をSHに上げた3バックよりは、SB左を大剛(or中谷)に、右を平島の4バックがベストだと思われる。

 増嶋はロングスローはもとより、気迫あふれる守備も魅力だ。
 手島は京都のバンディエラ(旗頭)といえる存在。高さはないが、経験による抜群の読みでカヴァーリングセンスの高さが光っている。地味だが、ボールタックルの精度の高さは見ていて心地よい。
 森岡は出遅れてはいるものの、やはり欠かせない存在。最近はボランチでの起用も多く、中盤の底~最終ラインの引き締めに一役買っている。第7節の新潟戦の悪夢の後半を、無得点どころかシュート一つ打たせなかったのは、森岡の活躍に他ならない。

 左CMF(セントラルミッドフィルダー)は勇人しかいない。実は一番代えがきかない選手であり、今のサンガに最も貢献している選手だろう。攻守のバランス感覚が抜群だ。
 アタリバは少し不用意なディフェンスが目立つが、非凡なオフェンスセンスを垣間見せる。中山博貴と、調子の良い方を使っていくのが加藤監督の狙いではないだろうか。

 柳沢はさらなる自身の得点にももちろん期待したいところだが、これまででの一番の好影響は「オフ・ザ・ボール(ボールを持っていない時)」の動きだろう。他のFW陣に、もっともっと伝授していってほしい。
 徳重は飄々としながらも、得点を決められ、ゲームを作れる選手。シーズン中盤戦以降にはベテランの力が活きてくるはず。
 「スタメンになるため京都に来た」林には大変申し訳ないが、このブログで何度も書いているように途中交代が最も活きると思う。相手のDF陣が元気な前半の時間帯ではオフサイドトラップがあり、高さでは到底叶わない。ピッチ全体に疲れが充満している時こそ、林の運動量・スピードが活きると思われる。

 最後になったが、GKの平井と水谷は甲乙つけがたい。「生え抜きだから」と平井が優遇されるべきではないし(もちろんそんなことはないが)、現在は健全な競争ができていると思う。あまりコロコロ代えると最終ラインとの連携が不安定になるが、引き続きの正GK争いを見守りたい。

 上記を考えて、現在の私的京都ベストイレブン:

 GK 水谷 雄一
 DF 平島 崇
    増嶋 竜也
    手島 和希
    渡邉 大剛
 MF シジクレイ
    アタリバ
    佐藤 勇人
 FW 柳沢 敦
    田原 豊
    徳重 隆明


 ■意識
 「終盤での失点は京都のお家芸」――以前に他チームサポから言われていたこと。
 今季は何とか少ないよう。ただ先制して追いつかれるor逆転は多くとも、先制されて逆転勝利はまだまだ少ない。集中力もそうだが、後半になって動きが極端に悪くなるというのも改善のしどころか。
 そのあたりの意識を強く持っているのはやはり佐藤 勇人。彼の加入は本当に大きい。柳沢も鹿島11冠を経験した「勝者のメンタリティ」をもっと植えつけて欲しい。
 
 序盤戦に多かった「やすやすとクロスを上げさせる」。これは改善されたように思える。両SBの攻撃参加も京都の攻撃のポイントの一つになるので、SBの守備の戻りと中盤のサポートが不可欠。またボランチのシジクレイが最終ラインに吸収されることで、ハイボールへの対処がしやすくなる。

 ルーズボールの競り合い、セカンドボールの奪い合いはまだ安定感がない。千葉戦と横浜FM戦で差を感じたように、相手に関係なく自分たちのサッカーをやれればうまくいくと思う。
 晴れの方が運動量が落ちるような気がするが、横浜FM戦では走り勝てた。逆に雨の新潟戦・千葉戦は落としている。


 ■補強
 再び補強の話。

 ①FWであること 
 ②他の外国人と同じくブラジル人 
 ③Jリーグ経験も考慮 

 は確か京都新聞が掲載したものとネット上で見た(東京在住のため紙面確認はなし。すみません)。

 開幕前に大量補強をしたために、金銭的にはキツいはず。
 ブラジル人・韓国人あたりが候補だろうが、ブラジルはJリーグと同じく単年開催(年またぎではない)。なのでおそらく移籍で獲得する場合は移籍金が発生するために、余計にお金がかかってしまうと思われる。 
 となると、シーズンを終えているor終えようとしている欧州戦線。②よりも③を考慮した場合はやはり韓国人。
 で、現在交渉中といわれる李東国(イ・ドングク)がやはり手堅いか。ミドルスブラを放出されて移籍金はゼロ。獲得できれば最も理想的か。
 
 次点候補のチョ・ジェジンは昨季までJ1清水で大活躍。確かに理想的であり魅力だが、現在所属する全北現代が簡単に手放すとは思えない。

 イ・ドングクが断られれば、無名のブラジル人を獲る…そのあたりが現実的な路線か。


 ■大黒はどうか?
 「欧州戦線の降格チームなら、誰か良いのが安く獲れるのでは?」と色々見てみたが、なかなかいない。そんな中、気になったのがみやじゅんさんもご指摘の大黒将志である。一通り調べていて「大黒どうかな…?」と思って自分のブログに戻ると、みやじゅんさんの書き込みがあって本当に驚いた次第(苦笑)

 「来季も欧州で」「戻るならG大阪か」など報じられている大黒ではあり、可能性はかなり低い。しかしメリット・デメリットを考えると、京都側・大黒側に悪くない話だと思う。

・大黒の欧州挑戦かJ復帰か
所属先のセリエA・トリノでかなりしんどい状態。ベンチすら入れない日々が続いている。大黒は28歳になったばかりで、サッカー選手としては難しい時期だ。29歳を迎える高原はJ復帰を選択した。もし大黒が代表復帰を狙うなら、J復帰は悪くない話。

・G大阪
J復帰なら古巣のG大阪と言われている。しかしマグノ・アウベスが抜けたとは言え、ルーカス加入でFWが過多状態は変わらず。もし大黒が復帰したとしても出場機会は限られるだろう。

・日本人
無理矢理外国人を入れなくとも、力のあるFWなら日本人でも良いと思う。経験あるベテランは京都の力になるはず。もちろん日本語で連携は築きやすいはず。
さらに大阪時代にブラジル人プレイヤーと、通訳を介さずに会話していたという。シジクレイやアタリバともうまくいきそうだ(G大阪時代の04~05の2年間、大黒とシジクレイはチームメイト)
大阪人の大黒は京都に馴染みやすいだろう。あとはサンガ全員とUNOをやれば完璧http://2chart.fc2web.com/ooguro.html

そして外国人を入れた場合、来季にパウリーニョが戦列に復帰した際に誰を切るのか、という状態になる。将来を嘱望されるウィリアムのためにも道を空けておくという選択肢もある。
28歳FWの大黒にJで活躍する時間は、沢山残されている。

・田原の育成
チームとしては現在26歳の田原を、FWの柱に育てる方針が良いと思う。なので「ポストプレーができる得点力のある即戦力FW」の獲得もいいが、その場合田原がベンチに追いやられるだろう。競争させるのも良いとは思うが、3トップで「パウ・田原・柳」がベスト布陣だと思っていたので、3トップの左をこなせる機動力のあるFWが良い。大黒はうってつけ。

 ネックは大黒の年俸と試合勘。
 柳沢・小笠原・大久保などのようにJに戻ってすぐに活躍した例もあり、高原・名波などはまずまずといったところだろうか。

 5/19のニュースで、トリノが大黒と契約を更新しないことを発表。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20080519-00000015-kyodo_sp-spo.html
 移籍金なしで獲得が可能。京都は動くか?

 …とざっと現在の状況をまとめてみました。皆さんのご意見お待ちしております。

posted by batistuta |12:04 | 京都サンガ | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年05月17日

原点回帰 京都vs横浜FM

 
 Jリ-グ第13節、京都サンガvs横浜Fマリノスの試合が、鹿児島鴨池陸上競技場にて行われた。
 前節で未勝利千葉に勝ち星を与えた京都、3試合勝利がない横浜という不振にあえぐチーム同士の対決。中断前の大事な試合は、京都がシーズン序盤戦のような勢いを取り戻した。僅差ではあるが押し気味に試合を進め、61分に横浜のオウンゴールを誘って先制。その後もロニー・山瀬・大島の横浜攻撃陣3人を封じ込んで京都が勝利。
 京都は気持ち良く中断期間を迎え、ナビスコに挑むことになる。


 ■プレビュー
 鹿児島県立鴨池運動公園陸上競技場――かつて横浜フリューゲルスが特別活動地域、つまりは「準ホーム」として試合を行ったこともある。現在は京都のスポンサーの京セラ絡みということで、今季唯一のホームゲームがこの日行われた形だ。
 またこの試合は九州に縁(ゆかり)が多い選手が多かった。 

 京都:
 田原・徳重・中山が鹿児島出身。田原は2001年に横浜FMでデビュー、中山はJリーグデビューが鴨池だとか。手島は福岡出身で横浜「フリューゲルス」でのデビュー、G大阪の在籍を挟むが京都に長く在籍するベテランだ。
 柳沢敦が扁桃腺の腫れのために鹿児島遠征に帯同せず。何と大剛が3トップの右に入るサプライズ起用。攻撃力を生かせるか。そしてシジクレイが中盤の底に入る。シーズン序盤を思わせるフォーメーションで期待が膨らむ。

 GK 水谷 雄一
 DF 平島 崇
    増嶋 竜也
    手島 和希
    中谷 勇介
 MF シジクレイ
    佐藤 勇人
    アタリバ
 FW 渡邉 大剛
    田原 豊
    徳重 隆明

 横浜FM:
 FW大島は横浜フリューゲルス吸収合併時に京都へ移籍。しかし2年在籍して戦力外通告。その後、紆余曲折を経て横浜FMのスターティングに名を連ねるようにまでなった。
 ロペス・狩野・高桑が負傷欠場。

 GK 榎本 哲也
 DF 田中 隼磨
    栗原 勇蔵
    中澤 佑二
    田中 裕介
 MF 兵藤 慎剛
    山瀬 功治
    松田 直樹 
    小宮山尊信
 FW ロニー
    大島 秀夫


 ■前半 思い出した京都
 京都の対横浜戦成績は2勝12敗2分。圧倒的に分が悪い。しかしここ3戦勝ちがない横浜につけいるスキはあるはずだ。この日の鹿児島は27℃。どちらが走り勝つか。
 前節の千葉戦で不甲斐ない試合を見せた京都。サポーターの失望を買い、むざむざと千葉に初勝利をプレゼントしてしまった。

 サポーターの檄が届いたか、加藤監督のカミナリが落ちたか。この日のサンガはかつての「調子が良い時」の姿を取り戻していた。そして「4バック+ボランチ・シジクレイ」のシステムに戻した。
 3分に山瀬にアッサリと抜かれたシジクレイだが、高いポジションではあったし後ろのカヴァーリングがあった。こういうマイナスポイントよりも、やはり中盤から相手のキーマンを潰す守備が活きていた。シジクレイは、プレーの見た目不器用ながらも左右に散らす展開のパスも良かった。19分の田原へのスルーパスも見事。

 古巣相手に力が入っていたようだった京都・田原と横浜・大島。両者決定的な場面でボールを受けていたが、決めきることができなかった。

 22分、左サイドのゴールライン際で増嶋と1対1を敢行した山瀬。狭い方にボールを出してクロス。ゴールこそならなかったが、何か見覚えのあるシーンだと思ったら2/9の日本vsタイの代表戦だった。54分に全く同じ状況で突破し、大久保ゴールに結びつけた場面だ。

 32分にアクシデント。シジクレイが右サイドオープンスペースにパスを出し、追いついた大剛がクロス。中澤の競り合いに怯むことなく、頭から突っ込んでいった勇人。頭同士がぶつかり合い、勇人は流血してしまった。3日の札幌戦で勇敢に飛び込み、GKとの交錯を恐れなかった柳沢の姿と重なる。勇人は止血をしてピッチに戻った。

 36分にはゴールキックをシジクレイが弾き返し、田原が裏へ一気に抜け出す場面が。胸トラップはうまくいったが、足トラップがおぼつかず大きく前に出してしまいGKキャッチ、得点には至らない。
 46分、松田がFKからエリア内に向かってロングフィード。大島が落としたところにロニーがシュートまで持ち込んだが、GK水谷が見事にコースを切り難を逃れた。
 
 かつてのプレーを「思い出した」京都。失点も防ぎ、後半に期待を持たせた。


 ■後半 攻撃のキーマンを封じる守備
 後半早々、京都は田原が2度「小さな」チャンスを得るがモノにはできない。守備では横浜攻撃のキーマン・山瀬を2~3人で囲みボールを奪う。
 左SBの中谷のオーバーラップなどで攻撃のアクセントを作る。右SB平島もよく動けており、このあたりも「シーズン序盤の好調京都」を思い起こさせる。

 これなら行けるはず――そう思っていた61分。ハーフラインでボールを受けた大剛が
ゆっくりと持ち上がり、エリア内にゆっくりとしたパスを送ると勇人がスルー。田原が潰されて徳重が右足を振り抜く!…がGKがファインセーブ。ゴールならずか、と思った矢先に田中 隼磨のスライディングしてのクリアボールが横浜のゴールを鋭く突き刺す。 茫然とするGK、倒れたまま頭を抱える田中 隼磨。オウンゴールだ。2秒ほど時が止まったスタジアムに歓声が起こる。オウンゴールではあったが、京都の綺麗な崩しが見られた場面。ここ数試合でなかったものだった。1-0、京都が先制する。

 65分、交代で入ってきた清水が大島と鮮やかなパス交換。そこからのスルーパスに反応したロニーが、エリア内でヒールでお膳立て。田中 隼磨が汚名返上とばかりに右足を振り抜くが、無情にもポスト直撃。
 その後は中谷のウラを何度もついた清水がクロスを供給し続けるも、京都DF陣も集中しており得点には結びつかない。
 
 73分には大島がエリア内から強烈なシュートを放つも、至近距離ながらGK水谷が反応してファインセーブ!
 この後も、京都は横浜攻撃トリオのロニー・大島・山瀬を封じきった京都。虎の子の1点を守りきった京都が1-0で勝利を挙げたのだった。

 
 ■MOM 佐藤 勇人
 中盤のダイナモは、最終ラインも積極的にカバー。32分の出血アクシデントにも気持ちは全くブレることなく、京都に闘志を植え続けた。そしてオウンゴールを誘ったオール前での「スルー」の動き。前節の古巣対決では苦杯を舐めさせられたが、この日勝利に大きく貢献した。

 次点として中谷を挙げたい。後半少し守備で穴を開けてしまってはいたが、リスクチャレンジの代償とも言える。左サイドにスペースが空いたと見るや、ドリブルでもオフ・ザ・ボールの時でも積極的に上がり、京都に攻撃意識を植え付けた。

 そして田原。少々甘いかもしれないが、前線で孤立していたここ数試合を考えると、シュートまで持ってこれているのは好印象。FWはシュート打ってなんぼ。もっともっと得点機に絡んでいって、得点感覚を出していってほしい。この日がその前段階になってくれれば。

 
 ■総括
 横浜の調子が今ひとつ上がってないところにも助けられた感はあるが、京都は全体的に動きが良かった。試合後の監督インタビューの時にも言われていたが、前節千葉戦とは大違い。観戦中、「今日は引分けはあっても負けることはないな」と妙な安心感も出てしまったくらいだった。課題は、これを安定感を持って相手レベルに関係なく出せるかだろう。

 相手の良さを消し(攻撃トリオを封じ)、セカンドボールを粘り強く奪い続けることができた。両SBが激しい上下動を見せ、「4バック+ボランチ・シジクレイ」が完全に機能したように思う。アタリバや勇人が良きリンクマンとなっており、前線が孤立することが少なかったのも良かった。
 徳重はプレースキックで相手の嫌がるポイントへ蹴れていた。得点こそ絡めなかったが、チームの勝利に陰ながら貢献できただろう。

 GK水谷は日に日に調子が上がっているようだ。おそらくナビスコでは平井が再起用されることが出てくると思うので、正GK争いの激化にも注目したい。

 来週は5.25(日)、ホーム西京極でのヴィッセル神戸戦。4/13のリーグ戦では大久保が累積警告のため出場停止だった。リヴェンジを果たすつもりで来るはず…と言いたいが、京都・神戸ともに戦力を落として臨むだろうか?
 中断期間のナビスコカップを、2位京都、3位神戸がどのような形で挑んでくるのか、注目だ。


 ■京都の補強は
 そして噂される京都の「パウリーニョ代理問題」。
 開幕前に大量補強をしたために、金銭的にはキツいはず。
 ①FWであること 
 ②他の外国人と同じくブラジル人 
 ③Jリーグ経験も考慮
 という条件が噂されるが、最も有力視されているのはミドルスブラで契約を終えたFW李東国(イ・ドングク)。前清水の韓国代表FWチョ・ジェジン(26=全北現代)もリストアップされているとか。

 ここ数試合、京都の得点力が極端に落ちているため即戦力・得点力のあるFW獲得は急務かもしれない。

posted by batistuta |17:11 | 京都サンガ | コメント(8) | トラックバック(0)
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2008年05月11日

汚れないGK 千葉vs京都

 
 Jリーグ第12節、ジェフユナイテッド千葉vs京都サンガの試合が、雨が降る中のフクダ電子アリーナにて行われた。
 7連敗・今季未勝利の千葉に対して京都が不甲斐ない試合を見せ、68分に新居のパスに反応したレイナウドがシュート、ポストに当たったがこぼれ球を工藤が詰めてゴール。
 その後も千葉がゲームを支配。終了を告げるホイッスルが鳴った瞬間、優勝したかのような歓喜に包まれたフクアリ。しかしその試合内容はJ1にふさわしくないものだった。


 ■プレビュー
 ホームの千葉、オフシーズンに大量の離脱者が出て混乱したまま開幕。リーグ11節を終えて0勝2分9敗、未勝利で最下位。
 ヨジップ・クゼ監督は解任され、澤入 重雄コーチがつなぎ登板。次節からはリヴァプールやスコットランド代表コーチなどを歴任した世界を知る猛者、アレックス・ミラー新監督が指揮を執ることとなっている。
 今節、FW巻 誠一郎と苔口卓也がケガで欠場。

 GK 立石 智紀
 DF 坂本 將貴
    池田 昇平
    ボスナー
    青木 良太
 MF 工藤 浩平
    斎藤 大輔
    下村 東美
    谷澤 達也
 FW 新居 辰基
    レイナウド

 アウェーの京都、3連敗の後に前節の札幌戦でようやく不調から抜け出したかに見えたが、最近の得点力不足は深刻。

 GK 水谷 雄一
 DF 増嶋 竜也
    シジクレイ
    手島 和希
 MF 平島 崇
    佐藤 勇人
    中山 博貴
    渡邉 大剛
 FW 林 丈統
    柳沢 敦
    田原 豊


 ■ジンクス
 不安が的中した。京都ファンの間で、もしくはスカパー!でも言われていた最悪のジンクスがあった。
 ・フクアリで京都は5連敗中
 ・今季「相手の不調を止めます」
  1.公式戦3試合得点のなかった浦和FWエジミウソンにハットトリックを献上(3/23)
  2.公式戦10試合得点のなかった浦和FW高原に初得点、計2得点献上(4/26)
  3.公式戦未勝利の新潟相手に初勝利を献上(4/19)
 そして、  
  4.11試合未勝利の千葉に勝利を献上(5/10)


 ■日程と準備、戦力
 GW最終日となった5月6日にJリーグ第11節が開催されたが、京都はG大阪と組まれており、ちょうどG大阪のアジアチャンピオンズリーグ戦と日程が重なっていたため、6/25(水)に回されている。
 よって京都は一週間のコンディション調整と戦略を練る時間があった。千葉は監督が失脚しているといっても、そこまで大幅に戦術が変わることはなかったはず。選手の顔ぶれも変わったわけでもない。

 千葉は、オフシーズンに代表級が5人も去った。京都の佐藤勇人もその一人、いや一人というには大きすぎる。何せ昨季のキャプテンを務めていた男だからだ。
 先発し得点を挙げた工藤 浩平、第2GK岡本 昌弘はジェフのユースから。交代で入った松本 憲は千葉リザーブスから上がっている。彼らは主力を押し退けたからメンバー入りしたのではなく、ごっそり抜けたから上がるチャンスを得たかもしれない。現在の千葉の選手層はJ1というよりは1.5軍、最悪2軍レベルだ。今の成績も不思議ではない。

 対して京都は今季加入が多く、昨季最多出場でありキャプテンを務めていた斉藤 大介、そして引退した秋田にかわってDFリーダーになると見られていた森岡 隆三がベンチに入れるか入れないか、という選手層になった。

 しかし今日の京都の出来は何だったのか?


 ■モチベーション、勝ちへの執念 
 スカパー!の実況の倉敷保雄氏は「監督が変わって心機一転。そして新監督にアピールする意味でモチベーションは高いでしょうね」と言っていた。アレックス・ミラー新監督は今日の試合に来場し、メンバー選考をしていただろう。

 京都にモチベーションは?無得点の3連敗を脱出したとはいえ、「下から2番目」に苦しむ同じ昇格組の札幌相手に、ホームで1点を取るのがやっと。開幕戦の調子を思えば、考えられないことだ。

 千葉の得点シーンを振り返る。
 68分、京都のDF陣の気の緩みを突いた新居がスルーパス。一気にウラへ抜け出したレイナウドがGK水谷の動きをしっかり見てゴール隅へ流し込んだ…しかしポストに当たる。そこを工藤が押し込んだ、という普通のゴールシーンだが、よく見るとDF手島の足が、レイナウドのシュート後、完全に止まっている。
 手島はそれまでのところでは、しっかりとボールタックルに行っていて、集中してディフェンスできていたのだが、ここで集中が途切れてしまっていた。


 ■システム、戦術
 「良い時は変えるべきではない」これはサッカーでよく言われることだが、開幕序盤を振り返ると、「シジクレイ→ボランチ策」「4バック」が当たっていたように思う。最近3バックにしてから、チームの調子がジワジワと落ちているように感じられるのだ。
 この日の失点シーンも、前に出ていたシジクレイのウラを突かれたような格好ではある。以前は、スピードのないシジクレイをボランチにして後ろをカバー、攻め込まれた時は4バックの中に吸収されて、サイドからのハイボールに対処、という形が綺麗に収まっていたように思う。
 運動量が増えてシンドイところもあろうが、渡邊 大剛と平島 崇はSH起用よりも、SBの時の方がバランスが良かった気がする。

 そしてスカパー!の実況の倉敷氏と、解説の原 博美元FC東京監督の「京都の3トップは機能していない」には大いに賛同したいところ。
 おそらくパウリーニョがその一角に入っていたら話は別だろうが、柳沢と林はウラを取る動きなど少々カブっているところがある。そしてこのブログでも常々言っているが、林の運動量を活かすのは、両チームとも疲れがたまっている「後半の後半」だと思う。
 スタメンで見られる林の動きは正直物足りない。高さがないので、ロビングボールでは取られるし、オフサイドトラップによくかかる。この日は3トップの一角からトップ下に下がってボールを受けていたが、決定的なパスを出せるタイプでもない。
 そうなると、京都自身調子が良かった時を考えると、スタメンのファーストチョイスは徳重じゃないかと思う(むろん、練習時の徳重のコンディションも考慮すべきだが)


 ■もはや分析済みか
 あとは開幕して2ヶ月近く経ち、他のチームが京都の戦術を分析済みだということだろう。
 ・ゴールキックでは田原をターゲットマンとして狙う(今日の試合は8~9割そうだった)
 ・攻撃の流れで田原をポストマンとして当てる
  →19分に興味深いシーンがあった。ハイボールを田原に当てて、田原はバックヘッドですらして後ろの柳沢を狙う場面があったが、千葉の4人のプレイヤーは全員読んでいて、全員下がっていた。そしてたやすくボール奪取。
 ・増嶋のロングスロー
  →ここ数試合で得点に結びついた記憶がない

 「分かっていても止められない」レベルなら良いが、残念ながら今の京都は「読まれて終了」という状態に陥っている。
 そしてFKやCKのセットプレー(増嶋のロングスローも含む)で、京都にゴールがあったかというと無い。期待感も感じられない。
 特に高さのある田原がCKに合わせてドンピシャ、というのが今季記憶にないのだ。シジクレイも同じ。セットプレーでのディフェンスでは、この2人が弾き出すところはよく見られるが…。


 今日の京都が最も不甲斐ないと思わされたこと。

 千葉GK立石 智紀を脅かすシュートが皆無で、おそらく彼のユニフォームは雨でしか汚れていないということだ。京都のGK水谷は何度も地に這い、泥にまみれたというのに。


 ■まるでJ1ではないような
 はっきり言って、今日の京都の相手が千葉ではなかったら、浦和戦・磐田戦のように2点以上の差で負けていてもおかしくなかった。それぐらいひどかった、「千葉も」
 得点シーンは、他のJ1チームなら決めているだろうと思われる場面が何度もあった。27分の谷澤 達也が左サイドを深くえぐり中央へクロス、「合わせるだけ」のところでGK正面にヘディングしてしまったレイナウド。
 千葉がゴールを挙げた時も、レイナウドの一発で仕留めていてもおかしくないところだ。


 ■総括
 もちろん負けに満足するわけではないが、今の京都は負けるにしても「内容の無い負け」が多すぎる。気合を見せ、集中し、全力を尽くしたが惜しくも敗れた、というものが感じられない。
 5月17日(土)の鴨池での横浜Fマリノス戦は、田原のJ1デビューチーム――古巣相手だ。意地を見せてもらいたい。
 そしてこの後は第11節の代替開催、6月25日(水)の万博でのガンバ大阪戦までしばらく空くことになる。

 またJ2に行きたいのか?京都の選手には大いに発奮してもらいたい。ファンも応援は惜しまないはずだ。

posted by batistuta |00:17 | 京都サンガ | コメント(15) | トラックバック(0)
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2008年05月03日

勇敢さが勝利を呼ぶ 京都vs札幌

 Jリーグ第10節、京都サンガvsコンサドーレ札幌の試合が、西京極で行われた。
 田原とダヴィという両チームのFWの柱が不在。そんな中、京都の加藤監督が中山ではなくアタリバをトップ下起用。これが見事に当たり、20分にアタリバが先制ゴールを挙げる。
 札幌も反撃を試みるが、京都が押し気味に試合を進め、1-0で京都が勝利。3連敗を脱出し、5月スタートを良い形で切れた。


 ■プレビュー
 ホームの京都、FW田原が出場停止中、次の試合から復帰予定。アタリバをトップ下起用という策に出た加藤監督。吉と出るか凶と出るか。GKは前節の磐田戦に続き、水谷が起用された。
 システムは3-5-2。大剛と中谷がサイドに張り、中山と勇人のダブルボランチ。

 GK 水谷 雄一
 DF 増嶋 竜也
    シジクレイ
    手島 和希
 MF 渡邉 大剛
    中山 博貴
    佐藤 勇人
    中谷 勇介
    アタリバ
 FW 林 丈統
    柳沢 敦

 アウェーの札幌はダヴィ出場停止のため不在。そして藤田、西嶋、中山を欠く苦しい台所事情。ボランチのクライトンを2トップの一角に。クライトンはブラジルのボタフォゴFRで、アタリバとダブルボランチを形成していたことが。

 GK 高木 貴弘
 DF 池内 友彦
    柴田 慎吾
    吉弘 充志
    坪内 秀介
 MF 砂川 誠
    ディビッドソン純マーカス
    芳賀 博信
    西谷 正也
 FW クライトン
    西 大伍

 今日の西京極は30℃の暑さ。はるばる札幌から来るのは大変だろう、アウェー席はやはり空席が目立った。
 無得点3連敗中の京都と、2連敗中の札幌。イヤな流れを断ち切れるのはどちらか。


 ■「左サイド+アタリバ」
 スタメン発表でFW登録のアタリバに注目が集まった。まさか3トップの一角を担うのかと思われたが、トップ下だった。今までの動きでは守備型のMFかと思われただけに「奇策」かと思われた。
 しかし開始早々にそのアタリバが前線に柔らかくパス。抜け出した柳沢がチップインシュートを狙ったが、猛然と飛び出すGK高木と激しく交錯。頭を打ったようで意識があるか心配され、そのまま担架で外へ。どうやら額を出血したようで、テーピングを巻いてピッチに戻った。

 西京極は今日も強風が吹いていた。前半は札幌の追い風だったが、攻撃に追い風は来ない。京都は左サイドの中谷と勇人が激しく動く。自陣の下がり目の位置からボールを持ってスルスルッと上がった勇人。バイタルエリアに入り込みDFの意識をひきつけた。そしてアタリバにパス!アタリバは落ち着いてワンドリブルでマークを外すと右足を振り抜き、ゴール左隅へ叩き込んだ。1-0、京都が先制した!

 「左サイド+アタリバ」、この流れが続く。得点直後に勇人がインターセプト、30分には中谷がボールを奪い、横に流すとアタリバがワンタッチで前線へ。スペースに侵出した柳沢がワントラップでGKを交わそうとしたところを倒されてPKを獲得!
 しかしこのPKをシジクレイが蹴り、右に外してしまう。このところ得点できていない柳沢に蹴らせて勢いづいてほしかったが…。

 札幌は右サイドからのクロスにクライトンが押し込む場面があったが、ボールをもらう前の競り合いで倒してしまい、幻のゴールに終わった。


 ■中山のゲームメイク
 前節出番がなかった中山。結果論にすぎないが、ミランのアンドレア・ピルロのように視野が広く、決定的なロングパスを出せる中山なら後方からゲーム展開の舵取りをするのも良いかもしれない。勇人という守備面の負担を減らす相棒もいるし、アタリバもいる。ピルロとガットゥーゾ&アンブロジーニのような関係だ。中山は守備もしっかりとやっている。
 34分には柳沢がバックチャージを受けてファウルかと思われたがノーホイッスル。っ両軍の足が止まったが、中山はスキを見逃さず前線の林へ。これはGK高木がストップ。
 82分の場面では、自陣でボールを奪った中山が即座に前線へ大きくフィード。柳沢が抜け出し、DF2人に囲まれながらもつま先でループシュートを狙ったが大きく上へ外れてしまった。
 ライン裏への抜け出しが巧みな柳沢と林という2トップには、中山のパスセンスは合致する。これにアタリバの攻撃センスが絡めば、田原に当てるポストプレー戦術に加える攻撃バリエーションの一つとなるだろう。


 ■攻め手を欠く札幌
 前半、シュートがゼロに終わった札幌。攻撃の核となる選手を欠いているのが痛いところ。クライトンは良い動きを見せているものの、後半から石井 謙伍を入れてワントップ気味にし、クライトンに下がり気味でゲームメイクを司ると、札幌はボールの回りが良くなりチャンスを作り始める。
 しかしその攻撃もシュート空振りなどのミスや、京都の必死のディフェンスの前に得点できない。

 逆に京都は後半もどんどん攻めていく。
 55分、柳沢が自陣で積極的にディフェンスしてボールを奪うと、中谷が左サイドから持ち上がる。決定的なパスを出すも、前目でもらいたかったアタリバがトラップしきれず好機を逸する。
 59分には京都が攻撃をしのいでカウンター、柳沢が持ち込みシュートもゴール左。
 73分、京都は左サイドに意識を集中させてから一気に右サイドに展開。大剛がアーリークロスで放り込むと、途中交代で入った西野が倒されるもノーホイッスル。ゴールラインで、交代で入った徳重が粘りマイナス気味に戻すと、そこに柳沢が完全な形で札幌ゴールを破った!…かに見えたが、徳重の戻しの際にラインを割っていたためノーゴールに。

 この後は札幌の攻撃をしのいで、1-0で京都が勝利を挙げた。


 ■MOM 柳沢 敦
 ゴールへの意欲、交錯を恐れぬ勇敢さ、オフ・ザ・ボールの動き、献身的な守備。それに胸トラップ、足でとあらゆるところに落とし、自分の持っていきたい体勢に持ち込む身体使いの巧さ。
 前節終了後に加藤監督に「そろそろ得点が欲しい」と名指しされて期待をされている柳沢。惜しい場面が何度かあり、決めたゴールも幻のゴールだったが動きは試合を通して良かった。
 この試合の後のインタビューで加藤監督は「身体のキレは良いし、波に乗れれば固め取り(大量得点)も可能だ」と、ストライカーに全幅の信頼を置いている。
 次節に大いに期待しよう。

 
 ■総括
 終わってみればシュート数が20対4と京都が圧倒的に押した。札幌の三浦監督は、試合後に「怪我人が多いのはお互い様なので言い訳にはならない」と語ったが、選手層の厚さはないので頭を悩ませていることだろう。10代後半から20代前半の選手が多く、成長を待っていては降格圏内から脱出することは苦しくなる。

 京都は途中から入った西野が何度か好機に絡めていた。いまだノーゴールだが、少ない出場機会を十分に生かして飛躍してほしい。
 GK水谷は2試合目のスタメン、そして西京極初登場となった。安定したフィールディング、ライン際での落ち着いたセーブ、場面を見極めた飛び出し。浦和など強豪とやりあったGK平井と比べることは難しいが、水谷が安定していたのは事実。今後、激しい正GK争いが続くようだ。
 中谷は動きは良かったものの、クロスの精度の低さが気になった。しかし中谷も出場機会は最近になって増えてきたので、フィットしてきたら貢献度は増すだろう。
 今日は五輪代表の井原コーチが観戦。中山の視察を明言したらしい。中山は今日何度も良質のパスを繰り出していたので好印象ではないだろうか。増嶋は23歳になったばかり、滑り込みでの出場も期待される。
  
 5月、良いスタートを切ることができた京都。次は千葉に乗り込んでの一戦。その後は横浜FM、G大阪、清水と強豪の3連戦が控えているため、2連勝で気持ちよく連戦に臨みたいところだ。

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2008年04月29日

暗闇の中で 磐田vs京都

 
 Jリーグ第9節、ジュビロ磐田vs京都サンガの試合がヤマハスタジアムで行われた。
 開始早々にFKを田中誠が押し込み、磐田が先制。36分にも上田の見事なスルーパスを、抜け出した西がゴールに結びつけた。
 京都も反撃したが決めきれずに2-0で磐田が勝利。京都はリーグ戦無得点の3連敗を喫し、トンネルに入ってしまったかのようだ。ベストメンバーが揃わない苦しい戦いが続く。


 ■プレビュー
 13位の磐田。かつての勢いはなく、今シーズンも勝ち負けを繰り返している。今日はFW前田 遼一、カレン・ロバート、DF茶野らを欠く。好材料は新加入のジウシーニョが早くもフィットし、5ゴールを挙げてリーグ得点王首位タイにつけていること。

 GK 川口 能活
 DF 鈴木 秀人
    田中 誠
    加賀 健一
 MF 駒野 友一
    河村 崇大
    上田 康太
    村井 慎二
    西 紀寛
 FW ジウシーニョ
    萬代 宏樹

 アウェーの11位京都は、エース・パウリーニョが長期離脱。田原、アタリバが欠場とベストメンバーを組めない日々が続く。前節の浦和戦では0-4と大敗を喫した。その失点の1点目がGK平井の飛び出しミスだったためか、今日は新加入GK水谷 雄一が先発起用。柏から来て初起用。期待に応えられるか。

 GK 水谷 雄一
 DF 手島 和希
    増嶋 竜也
    森岡 隆三
 MF 斉藤 大介
    平島 崇
    シジクレイ
    佐藤 勇人
    渡邉 大剛
 FW 林 丈統
    柳沢 敦


 ■早々の失点
 京都の悪いところが出た。「開始早々」の「セットプレー」での失点だ。
 3分、左サイドで磐田がFKを得る。上田が左足を振りぬき、GKと最終ラインの間という定石通りの所へ放り込む。そこに集団で飛び込み、ボールを押し込んだのは田中!磐田が先制点を挙げた。

 前半、磐田がゲームを支配。その中心的役割を担ったのは、日本代表に招集されている西。トップ下を基本ポジションとしつつも、ワイドにピッチを使い、得点機にも積極的に絡んでいく。
 それが形になったのは36分の場面。自陣左サイドのライン際で村井が囲まれながらも粘りパス。その後、上田が抜け出して右前方へ太刀を落とすかのようにスルーパス。西が反応し、GK水谷と1対1の状況に。GKの動きを良く見て、京都ゴールに流し込んだ。2-0、