2008年06月09日
ジリジリと EURO GROUP B
◆オーストリアvsクロアチア EURO2008の第1戦、グループB・オーストリアvsクロアチアの試合がエルンストドハッペル・シュタディオンにて行われた。 開始早々、オーストリアエリアでオリッチが倒されてクロアチアがPKを獲得。モドリッチが冷静に決めて先制。 後半はオーストリアがペースを掴み、何度もクロアチアゴールに攻め寄せる。しかしミドルシュートは枠を捉えきれず、クロスに合わせきれない連携の悪さがあり、同点弾は生まれなかった。 結局PKでの得点が決勝点となり、1-0でクロアチアが勝利した。 ■じりじりとした試合 これまでに観たA・Bグループの4試合で最も「じりじりとした」試合だった。それは試合後にクロアチアの選手たちがピッチに倒れこんだことからも分かる。モドリッチのPKで先制点を挙げてもクロアチアが支配するでもなく、クロアチアの2トップも走り続けて攻守に奔走していた。 両チームともナーバスになり、攻撃の精度を欠いた印象もあった。 そして、ここでも「ホスト国の開幕戦は不利」というジンクスが生きてしまった形。 クロアチアから帰化したオーストリア代表、イヴィツァ・ヴァスティッチが途中出場した時には、大きな歓声が沸いた。ヴァスティッチは、名古屋グランパスでもわずかながらプレーしていた。 ◆ドイツvsポーランド EURO2008の第1戦、グループB・ドイツvsポーランドの試合がヴェルターゼー・シュタディオンにて行われた。 ポーランド生まれのポドルスキが2得点を挙げる活躍。マリオ・ゴメスのお膳立ての働きも光った。 こちらも動きが硬かったが、ドイツが徐々に自分たちのペースを掴み勝利を挙げた。 ■プレビュー 以前のプレビュー記事で「ベルント・シュナイダーが不在、シュバインシュタイガーが不調のために、ドイツはサイド攻撃が弱いんじゃないか」と浅はかなことを書いたが、この日のスターティングは納得させられるものだった。 GK イェンス・レーマン DF マルセル・ヤンゼン クリストフ・メッツェルダー ペア・メルテザッカー フィリップ・ラーム MF ルカス・ポドルスキ ミヒャエル・バラック トルステン・フリンクス クレメンス・フリッツ FW ミロスラフ・クローゼ マリオ・ゴメス ブレーメンで右SBをやっているフリッツを右SHに。バイエルンで左SBを争うラームとヤンゼンだが、右利きのラームを右SBに配置。シュバインシュタイガーはスタメンから外し、バイエルンでSHをやっているポドルスキを左SHに据えた。 この配置で、両SBと左SH、そしてトップにクローゼというバイエルン勢の連携が生かされる。実際、試合中のSBの上がりはかなり効果的だった。 ■前半 クラブでほとんど出番のなかったGKレーマン。ケガがちでほとんど出場のなかったメッツェルダー。不安のある守備陣、レーマンの飛び出しが最終ラインとコミュニケーションを取れていないのでは、というシーンが何度かあった。 スイスほど精確でないにせよ、ドイツも綺麗な「DF×MFの2ラインディフェンス」を形成していた。この中盤から、いやゴメスやクローゼも下がって守備をしていたことが完封に繋がったのだろう。 一方のポーランドの最終ラインは危うかった。開始3分でバラックのスルーパスにクローゼとゴメスが抜け出してフリー。これはクローゼのパスミスに救われる。 20分には右サイドのハーフライン近くからラームが、下がってきたゴメスへ縦パス。ゴメスはターンして右足のアウトサイドキックでライン裏を狙うと、あっさりとクローゼが抜け出した。GKと2vs1の状況になり、今度はしっかりと横パスを出して最後はポドルスキが決めた。 「母国」とも言えるポーランドへのゴール。決まりが悪そうでいて、素直に喜ぶことはできないポドルスキ。「ドイツ代表を選んだのだ」と確かめるように、胸元のマークをしきりに触る。 34分前後にはポーランドが猛攻を仕掛ける。何度もミドルを放つが、ドイツディフェンダーにコースを消されてしまう。中央がダメならサイドと、右サイドに展開するとウォボジンスキが突破してクロス、キャプテンのジュラフスキが詰めたがミートできずヘンな回転がかかったボールはゴール左へ。 奇妙なことに3分後に同じことが反対ゴールで起こる。 お返しとばかりに、フリッツが右サイドを突破しマイナス気味のクロスを送ると、ゴメスがフリーでシュート。しかしこちらもミートできずヘンな回転がかかったボールはゴール左へ。 ■後半 ポーランドは後半からジュラフスキに代えて、ブラジルから帰化したロジェール・ゲレイロを投入。独特のリズムで右サイドを攻略するが、他の選手との連携は皆無。それも当然、ロジェールは予選は不参加で、5/27のアルバニアとの親善試合でデビューした。共にプレーしたのはわずかな期間であり、無理があると言える。 ドイツも前半に走りきった感すらあるフリッツを下げて、シュバインシュタイガーを投入する。 ロジェールの動きで少しは流れが傾いたが、それも微々たるもの。ドイツは69分、右サイドでシュバインシュタイガーとラームがワンタッチで回し、右前方のオープンスペースへラームが飛び出した。クロスを送ると、FWに時間差で遅れて飛び込んだバラックがシュートを放つが、GKボルツがワンハンドセービングでCKに逃れた。 しかし再びドイツが攻撃を組み立てる。 1点目同様、ゴメスが下がってきてバラックとワンツーパス、ゴメスがスルーパスを出すとポーランドDFがクリアしきれないところにシュバインシュタイガーがチェイシング。ボールを奪って折り返し、クローゼが合わせたがミートせず真上にボールが浮いてしまう。そのボールをポドルスキが豪快な左足ボレーで叩き込み、2点目を挙げた。 この後も、ポドルスキが3人に囲まれながらも左足アウトサイドでクローゼに出し、2人はゴール前に迫る。持込んだクローゼはニアのポドルスキではなく、ファーにいたフリンクスを選択したが、クロスが強すぎてラインを割ってしまった。 ポーランドはロジェールのクロスにサガノウスキが合わせる場面があったが、レーマンが好反応。この日完封して、自信を取り戻したか。 試合は2-0でドイツが勝利した。 ■総括 序盤のライン裏を取る動きがオフサイドにならなかったのは、少々線審の甘いジャッジに助けられた感もある。しかし第1戦特有のナーバスな雰囲気を乗り切り、自分たちのサッカーを出した。 得点は出来なかったクローゼとゴメスだが、正に「滅私」というチームが得点するための動きをしていた。3分のクローゼの横パスも自分で行けていた場面ではあったし、確実性を取っていたのだろう。 シュバインシュタイガーは、ドイツW杯の時ほどの迫力を感じないがサイドプレーヤーでもちろん必要な人材。ヒツルスベルガーも悪くなかったし、オドンコールはまだ使っていない。 レヴァークーゼン時代から「準決勝男」という印象のあるバラックは、今年もチャンピオンズリーグで2位に終わった。しかしこのドイツ代表は優勝を狙える戦力バランスを有し、日程的・組み合わせ的にも比較的恵まれているだろう。 次戦は難敵クロアチア、しかしこれを叩けばグループリーグ首位はまず間違いない。
posted by batistuta |06:11 |
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