2008年05月30日

酸いも甘いも 日本vsコートジボワール(トゥーロン国際)

  
 トゥーロン国際大会2008、日本vsコートジボワールの3位決定戦がスタッド・マヨルにて行われた。
 オランダ、フランス同様2軍編成のコートジボワール。技術力、組織力がやはり落ちるような印象を受けたが、30分にフォファナが個人技でシュートを叩きこむ。
 後半から雨が降り始めピッチ状態が悪くなっていく。そんな中の71分、李のクロスをエスクデロが合わせて同点。81分には梅崎のCKを途中交代で入った森重がヘッドで叩きこんで逆転。
 さらに雨が強くなり、水たまりだらけのピッチ状態。逃げ切りたかった日本をロスタイムの悪夢が襲う。競り合いのこぼれ球をS・シセが押しこみ同点。
 PK戦ではコートジボワール2番手のフォファナが外したが、李と水本が決めきれず敗退。しかし日本は経験と成長を得て大会を締めくくった。


 ■プレビュー
 トゥーロン5試合目はGK林彰洋を先発に。これで全員を起用したか。勝利のみにこだわるだけでなく、良いテストになったのではないか。

 GK 林  彰洋
 DF 伊野波雅彦
    水本 裕貴
    吉田 麻也
    田中 裕介
 MF 細貝  萌
    上田 康太
    水野 晃樹
    梅崎  司
 FW 李  忠成
    エスクデロ・セルヒオ

 コートジボワールはおそらく2軍編成。ジェラルド・ジリ監督は「ジェルヴィーニョ(ル・マン)などを含めて6~7枠入れ替える予定だ」と語っていたよう。オーバーエイジ枠を含めての話かは定かではないが、ディディエ・ドログバ(チェルシー)、ディディエ・ゾコラ(トッテナム)、コロ・トゥレ(アーセナル)の招集を考えているらしい。EURO2008には関係のない国だが、シーズン準備のためクラブ側が出し渋る可能性がある。

 GK オクワ
 DF メテ
    ディアラッスパ
    ディオマンド
    ジャクパ
 MF コネ
    オウアットラ
    アントニ
    ジャジェジェ
 FW ニアングポ
    フォファナ


 ■ワンタッチで前へ
 時差修正や体調管理など、コンディションが良くなったのもあるだろうが、着実に日本代表は経験を積み、成長を見せていた。

 この日に明確に出ていたのは「ワンタッチで前へ」。10分、梅崎がルーズボールを奪って後ろに戻すと吉田がダイレクトで左サイドを上がっていた田中へ。田中のアーリークロスは李を狙ったが、GKキャッチ。
 19分にもバックパスをそのまま前線へ。李、シュートまで持ちこめず。
 48分、横パスをもらった細貝が、ワンタッチで右前方のスペースへパス。エスクデロが走りこみヒールパスで伊野波へ。クロスはカットされてしまった。

 …と積極的かつ、早く前へボールを運びこむ意識が見て取れた。相手の陣形が整う前に、先に仕掛ける。相手が全員戻ってから「よっこらしょ」と始めていては決定機の回数は減ってしまう。

 18分の場面では前線からプレッシャーをかけてくるコートジボワールを何とかいなして、梅崎が高くなったライン裏へロビングボールを一気に放りこむ。これをエスクデロがコントロールし李へパス。しかし水野がコントロールしきれずDFのカットにあう。


 ■物足りないコートジボワールだったが…
 コートジボワール・イレブンは関係の深いフランスの地でプレーしている選手が多いよう。しかしそれが2部リーグだったりするから、この構成はやはり2軍でありそれは監督も認めている。序盤のコートジボワールの攻撃の組み立てだったり、守備はあまり組織的なものは感じなかった。
 しかし身体能力・個人の技術の高さは、やはり予想通り。長い足が出てカットを狙う。
25分、左サイドからジャクパがシュートのような強いパスをエリア内に送ると、アントニが左足を当ててダイレクトで弾道を変える。しかしこれはGK林が好反応を見せた。

 しかし30分に得点が生まれる。日本の守備陣が戻っている状態だったが、ジャクパが中央で縦パス。フォファナはそのボールを受けつつ巧みにターン、飛び出した水本を闘牛士のごとくかわす。一瞬フリーになったと見るや、躊躇せず左足を振り抜いた。GK林もさわったものの、威力が勝った。0-1、コートジボワール先制。

 コートジボワールは得点後ペースを掴み、自陣に引きこもることなく、ロングボールで積極的に日本のDFライン裏を狙っていった。

 ここまでの交代:
 14 オウアットラ out  7 クリバリ in
 12 ジャジャエ out  18 シセ in
 15 上田 out 9 森重 in
  7 水野 out 8 本田 in


 ■女心とフランスの空
 これまでの日本戦5試合を見てきたが、やたらと天気が変わる。この日は一番ひどかった。後半を少ししたあたりからポツポツと降り始め、やがてスコールのような大雨が選手たちを叩く。もちろんピッチ状態は悪化の一途を辿る。

 しかしそんな悪条件をものともせず、日本の同点弾が。
 森重は大分では3バックの真ん中、トゥーロンの間はサイドバックを担当。この日は本職であるボランチに。71分、入ったばかりの森重が中央でドリブルで仕掛ける。DFを引きつけると左の李へパス。李はゴールライン際までドリブルし深くえぐるとマイナスにパス。ファーでエスクデロが押しこんだ。1-1、同点!

 この得点シーンのポイントは、
1.森重の仕掛け、そしてDFの意識をひきつけた
2.雨の中、制御困難な中で李がラインギリギリのクロス
3.森重が仕掛けた後にしっかりゴールニアへ飛びこみGKを引きつけた
4.エスクデロの抑えの効いたシュート
 だったように思う。


 ■日本に追加点
 なおも攻める日本。74分、左前方のオープンスペースへボールを出すと、エスクデロが追いつき後ろの梅崎へ。梅崎がボールを持つと、エスクデロはマーカーを中央へ引きつれ、スペースメイクの動き。そこをドリブルでしかけクロスを上げようとした梅崎だが、雨に足をとられ滑ってしまう。この転倒が、先ほどの李のクロスの難しさを再認識させる。
 この中途半端になってしまったクロスはクリアされるが、再び左サイドの梅崎に。アーリークロスを送り、本田圭祐が頭で合わせるがGK正面。

 そして81分、再び左サイドを起点に攻撃を進める日本。田中がシュートを狙ったか、クロスをミスしたかは判断しかねるが、弾道がゴール枠内へ。GKは目測を誤り慌てて戻ってフィスティングで掻き出す。
 この左CKを梅崎が蹴り、森重がヘディングで叩きこんだ。力強いボール、手前で細貝がフォファナと競り合って潰れていた。コートジボワールはゾーンかマンマークかは分からなかったが、近くのコネは森重を完全にフリーにしてしまい、森重はGKの手前へ回りこんで打つことができたのだった。


 ■重馬場
 85分頃にはさらに強くなる雨。ベンチの監督の足は水で埋まり、カメラマンは傘をさしつつ怪訝な顔。ピッチにはいくつもの水たまり。ドリブルをするとボールが止まり、スライディングをするとゴール裏の看板に当たるまで滑る。正に競馬でいうところの重馬場である。 

 85分、反撃を試みるコートジボワール。フォファナがゴール前に放り込み、シセが頭で下に叩きつけたが、ワンバウンド後は低くGK林が悠々とキャッチ。もし水たまりでなければボールはもっと強く跳ねて、林に襲いかかっていただろう。
 そしてロスタイム。コートジボワールの猛攻が4分間続いた。そして終わり際、右サイドの深いところでコネがボールを持ち、DFを背にしつつ何とオーバーヘッドで中央へボールを送る。フォファナが競り合い、こぼれたボールをシセが押しこんだ。2-2、土壇場でコートジボワールが追いつく。
 守備固め、そして時間稼ぎに本田拓也を送り込もうとした反町監督は、PK戦に備えて森本に変更した。


 ■PK戦
 準決勝イタリア戦に続いてのPK戦となった日本。
 先攻のコートジボワール2番手、フォファナのシュートがバーを叩き、はるか上空へ。日本が優位に立ったかと思われたが、4番手の李のシュートが何とGK正面。そして最後の水本がプレッシャーに負けたか、左ポストを大きく外すシュートでジ・エンド。
 コートジボワールが2年連続でトゥーロン国際大会の3位となった。


 ■総括
 日本は残念ながら入賞できなかった。しかしこの短い5戦の間で成長が見えたし、課題も見えたことだろう。何より、(2軍とはいえ)オランダ、フランス、コートジボワールと対戦し、オーバーエイジを含まないイタリアとスコアレスで渡りあい、ビエルサ率いるチリとも戦えた。
 そして天気の変化という環境、先制されてから逆転、そしてロスタイムの失点という展開も味わった。
 攻撃の形も見えた。李、森本、エスクデロというFW陣がしっかり点を取れた。
 水本を中心として守備もしっかりしていたし、フランスのラフプレーにもひるむことなくやり返す度胸。
 全選手を試せた。森重のサイドバック&ボランチ、伊野波の両サイドバックなどのように複数ポジションをこなせるかの確認もできた。

 もちろん課題もある。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/beijing/column/200805/at00017388.html

 連携もまだまだ不足しているだろう。

 そしてオーバーエイジを入れることによるバランスの調整。
 相手国が1軍になった時にどうなるか。

 正直、五輪代表には期待していなかったが、このトゥーロンを追いかけていると長所・短所含めて注目したい面白いチームだった。5試合でスタメン固定はなく「どれがベストメンバーの組合せなのか」という見極めも必要だろう。
 五輪代表は18人。複数ポジションをこなせる人材が必要になる。
 現在、GK3人・DF7人・MF9人・FW4人の合計23人。オーバーエイジをフルで使えば、5+3の8人が落ちる計算となる。

 個人的な感想だが、このU-23は見ていて面白かった。
 北京での飛躍を期待したい。

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posted by batistuta |06:17 | 日本代表 | コメント(3) | トラックバック(0)
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酸いも甘いも 日本vsコートジボワール(トゥーロン国際)

コメント投稿者ID :

GK林はないような、負けたのはそれだけじゃないだろうけど。見てないのでなんともいえないんですけどね。

勝ち癖つけるのも大事な気がする。よくやったけど、勝ちきれないというのは、本番では避けたいですね。

posted by 勝ちに行くなら | 2008-05-30 09:40

酸いも甘いも 日本vsコートジボワール(トゥーロン国際)

コメント投稿者ID :

運をフランスで使わないでよかったですね。北京にとっておきましょう。アテネのときよりいいチームだと思います。ただ攻撃に課題がありますけど、残りの期間で少しでも改善してもらいたいです。

posted by coo | 2008-05-30 10:32

Re:

コメント投稿者ID :

書き込みありがとうございます。

勝ちに行くならさん<
もちろん正GKは西川できまりでしょうが、もしオーバーエイジをGKに使わずに控え置いておくなら山本よりも林を推したい、というのが個人的な感想です。

cooさん<
運で優勝されるよりは、よっぽど良い経験になった試合だったかと思います。
攻撃面に関しては、平山のようにタメを作れるポストプレーヤーを、という声が選手間にあるみたいですね。


6/12に国立でカメルーン戦を行うようです。ここではしっかり勝って、勝ち癖をつけてほしいですね。

posted by 管理人 | 2008-05-30 14:02

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