2008年05月27日

哀しい2連覇 日本vsパラグアイ(キリンカップ)

 キリンカップ2008、日本vsパラグアイの試合が、埼玉スタジアム2002で行われた。
 ワールドカップ3次予選前の大事なテストマッチ、岡田監督は前のコートジボワール戦から7人のスタメンを入れかえて臨んだ。
 しかし開始30分は攻めたてるも、その後は決定機を作れないという前の試合をなぞるような展開となる。結局、守りをかためたパラグアイを崩せないままスコアレスドロー。
 キリンカップ2連覇という結果になったが、課題が多く残った試合となった。


 ■プレビュー
 日本は大幅にスタメンを入れかえた。扁桃炎により体調を崩し、先週末のG大阪戦でやっと途中出場をした鈴木啓太をスタメンに起用。

 GK 楢崎正剛
 DF 寺田周平
    田中マルクス闘莉王  
    阿部勇樹 → 駒野友一(後半24分)  
    長友佑都  
 MF 遠藤保仁 →松井大輔(後半0分)  
    山瀬功治 →大久保嘉人(後半32分)  
    中村俊輔  
    鈴木啓太(cap)  →長谷部誠(後半18分)  
    中村憲剛 →今野泰幸(後半40分)  
 FW 巻誠一郎 →高原直泰(後半18分) 

 パラグアイは22日のコートジボワール戦から中4日。休養はとれただろうか?
 試合が終わってから気づいたが、カルロス・パレデスが出場せず。

 GK デルリス・ゴメス
 DF ホルヘ・ヌニェス →エドガル・バルブエナ(後半37分)
    ペドロ・ベニテス
    ダリオ・ベロン
    デニス・カニサ(CAP)
 MF マルセロ・エスティガリビア
    エドガル・ゴンサレス →ビクトル・カセレス(後半34分)
    セルヒオ・アキノ →フリオ・アギラル(後半43分)
    ホルヘ・ブリテス →ルイス・カセレス(後半35分) 
    オスバルド・マルティネス →ファビオ・エスコバル(後半35分) 
 FW クリスティアン・ボガド →ダンテ・ロペス(後半21分)


 ■デジャブ
 日本は前のコートジボワール戦の悪いところがまた出てきた、という印象だった。
 相手のCKを豪快に頭で弾きだしたと思いきや、次にはバックパスをトラップミスする闘莉王。憲剛からスルーパスを受け、前を向けばシュートチャンスなのに、中央へのパスを最優先した巻。
 と思いきや、左サイドの角度のない縦パスを、しっかりと足下に収める長友の技術。そしてこの試合最大の得点機だった16分。左サイドでタメを作った俊輔がルックアップすると「いつもの姿勢」でゴール前にクロス。闘莉王の頭への「ピンポイントとはこういうものだよ!」と言わんばかりの精確なボールだったが、GK正面に行ってしまった。

 そして30分すぎには日本の攻勢が終了。前の試合の長所・短所、展開がほとんど同じだった。ゴールを奪えなかったこと以外は。


 ■岡田システム
 後半からは遠藤に代えて松井を投入した岡田監督。左から遠藤・山瀬・俊輔という2列目だったが、松井を入れると山瀬・松井・俊輔の並びにした。
 これに対して解説の金田喜稔氏はしきりに「松井・山瀬・俊輔の並びにした方が良いんじゃないですか」と言う。そして「俊輔・長友の縦ラインを試すのも面白い」とも。この案には賛成したい。山瀬の持ち味、得点力を生かすなら左サイドに張らすよりも、トップ下というかシャドーに近い形の方が良いし、松井もクラブではサイドを多くやっている。今更、松井のトップ下を試してどうするのだろうかと思った。

 そして鈴木啓太。彼の実力に疑いはないが、クラブでもあの状態なのに「確かめたかった」という軽い気持ちで出しても、何も変わらなかった気がする。それなら「闘莉王ボランチ」を試す方が実験としては有用ではないだろうか。
 啓太は体調不良からかずっと伏し目がちだったし、無理に使ったところでクラブにも迷惑がかかることになるだろう。
 
 そしてFWは負傷がちで調子が上がらない巻よりは、得点感覚を取り戻しつつある高原先発の方が今後に光明をもたらすとも思えた。


 ■パラグアイのシステム     
 周知の事実だが、この日のパラグアイは国内組中心のいわば2軍だ。欧州組にはブラックバーンのロケ・サンタクルスがいる。
 また、ケガでもしたのか中盤のベテラン、カルロス・パレデスがいなかった。

 パラグアイは、コートジボワールとの試合では走りあう戦いをしていたように感じられたが、この日本戦は「引いて守るカウンター戦術」。しかしワールドカップ3次予選を考えると、これはかなり「オイシイ状況」ではある。ほとんどの相手が守りかためる戦術だからだ。これは願ってもないシミュレーションとなる。

 しかし結果はスコアレスドロー……いや65分のヌニェスの強烈なフリーキックを詰められなかったE・ゴンサレスのミスに救われたこと。そして71分のペナルティエリアのライン上でクロスボールに手が当たってしまった闘莉王のハンド。これは微妙なジャッジで、アウェーだったらPKを宣告されてもおかしくない。
 「たられば」は禁物だが、0-2で負けていた内容といっても過言ではない。


 ■総括
 俊輔、松井という攻撃のキーマンに対して、2~4人で囲み真っ先に潰しにかかったパラグアイディフェンス。ただ自陣をかためるだけではなく、しっかりと意識を持って組織的に守れていたように思える。
 そして日本のパス・サッカーが具現化されつつあるが、縦よりも横の展開が多くて時間がかかり、結果相手ディフェンス陣の体勢が整ってしまう、というあまり宜しくない方向に行っているように思える。

 あと気になったのが、さいたまスタジアム開催。観客席はガラガラ。このあたりは専門誌で語りつくされているとは思うが、一時期のブームは去り「日本代表の試合をやればとりあえず集まる」時代ではない。
 火曜日という平日開催であるので、無難に国立競技場にした方が関東圏の中ではアクセスが良いので観客も集まりやすいのではないか、とも思ったが。

日本は6月2日に横浜国際総合競技場にて、ワールドカップ・アジア3次予選第3戦、オマーン戦を控える。

posted by batistuta |22:09 | 日本代表 | コメント(9) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
哀しい2連覇 日本vsパラグアイ(キリンカップ)

無難に開催スタジアムを変えても一緒。クラブチームの人気が代表人気を逆転したのは日本のサッカー人気が成熟してきた証拠などと発言する協会幹部がいる位、日本サッカーは全体的に勘違いしている方向に進んでいると実感する。6月の2試合が満員になればまたまた気がつく機会もなくなるであろう。

posted by Jun | 2008-05-27 23:50

哀しい2連覇 日本vsパラグアイ(キリンカップ)

何が哀しいって、試合後の監督・選手の談話がねぇ…

 ・岡田・・・前半、非常にボール支配率が高かったんですけど、なかなかディフェンスラインの裏を取れない、ちょっとじれったい展開になりました。何回かチャンスは作ってくれたんですが。そういう中で後半、松井が入って裏を取れるようになったけれども、結局崩せずに点は取れなかった。
 ・俊輔・・・前半はできていたけど、(後半は)出ていく選手がいなかったり、ボールが回っていても選手が止まっていた。
 ・長谷部・・・前半はいい形で回せていたけど、途中からうまく回せなくなってしまった。
 ・相手の監督・・・私の印象としては、前半と後半とではまったく違う2つのチームのように思えた。それが、こちらのプレーの影響によるものかどうかは分からない。もしかしたら、日本が自滅というか、自分自身でレベルを下げてしまったのではないかという印象さえ受けている。いずれにしても前半の日本は、非常にスピード感あふれていて、プレーも正確だった。攻撃時にいい動きができていたと思う。

岡田一人だけ状況把握が違う…… あーあ…
 

posted by atatata | 2008-05-27 23:54

哀しい2連覇 日本vsパラグアイ(キリンカップ)

試合終了直後に丁寧な記事掲載、お疲れ様です。

>哀しい2連覇

私は自分の記事を(1点取っての省エネ優勝)と皮肉
っぽくいこうかと思いましたがやめました。
キリンカップそのものをテーマにしなかったので。

>これは願ってもないシミュレーション

なのにチームづくりではなく選手選考の場にしてましたね。チームづくりの実戦は大学生相手にやるんでしょうか??

これからトゥーロンの放送もあるんですね。
私はこれは見れないので、またここを覗かせてもらいます。

posted by nike3 | 2008-05-28 00:26

哀しい2連覇 日本vsパラグアイ(キリンカップ)

>デジャブ
日本の選手によく見かけるのは、トラップミスの多さだ。ご指摘の箇所もそうだが、ゴール前の得点チャンスに迷ってしまうか、迷いがなかったとしても力が入ったのかトラップを大きくしてしまう。この辺が点取り屋を生み出せるかどうかの境目の一つだと思う。
ただ、シュート数が少ないとはいえあらぬ方向へのシュートミスは昔の代表に比べて少なくなっている気がする。ゴール前でもパスをまわすのはチームコンセプトに依存していると思うが、正確にシュートを打とうとしているのは評価したい。

>岡田システム
個人的には高原は相手の2ライン間で前を向いたときに最も持ち味を発揮すると思う。最近はいろんなことをやりすぎていて、ポジショニングが悪い。相手の脅威となる位置に張っていればいいと思う。

>総括
観客は首都圏の平日では厳しいのでは。みんな目が肥えてきたのと、代表はメンバーがすぐ変わってしまうからミーハーな人たちは少し見なくなるとついていけなくなるのかな。俊介が帰ってきてあの客入りは少し信じ難い。

逆に豊田は代表戦初でしたからね。

長文失礼しました。

posted by マレスカ | 2008-05-28 00:58

Re:

皆様、書き込みありがとうございます。

Junさん<
>日本サッカーは全体的に勘違いしている方向に進んでいると実感する。6月の2試合が満員になればまたまた気がつく機会もなくなるであろう。
<確かに仰る通りですね。ジーコ→オシムに交代の時もそうでしたが、またうやむやにしそうですね。

atatataさん<
分かりやすい比較ありがとうございます(笑)
パラグアイがあれだけ引いて守っていたんだから、
<常にボール支配率が高かったんですけど、なかなかディフェンスラインの裏を取れない
は当然ですよね。
個人的にはパラグアイは、日本vsコートジボワール戦を見ていて後半勝負をかけてくるのかな、と思ってたのですが。

nike3さん<
毎度です。

>チームづくりの実戦は大学生相手にやるんでしょうか??
<図星ではないでしょうか(笑) J1下位チームとか相手にFW爆発!とか言われても…

マレスカさん<
>日本の選手によく見かけるのは、トラップミスの多さだ
<確かに今日目立ちましたね。誘発されたかのように。巻のバックヘッドは「クリアすんなよ!」というコメントが掲示板に溢れてましたね。

>正確にシュートを打とうとしているのは評価したい
<綺麗に行くべきか、「シュートを打てば何かが起こるか」。 それでももう少し積極的に行った方がいいかなとは思いますよね。
綺麗に点を取っても、倒れこみながら押しこんでも1点は1点です。

>俊輔が帰ってきてあの客入りは少し信じ難い。
<もう「欧州組だから」と持てはやす時代ではないと言っても確かに寂しいですね。
上でJunさんが仰っているように「無難に開催スタジアムを変えても一緒」かもしれませんね。

posted by 管理人 | 2008-05-28 01:13

哀しい2連覇 日本vsパラグアイ(キリンカップ)

今更松井のトップ下を試す?
今だからlこそ試すべきです。

だって、テストマッチですよ?

松井が左サイドで活躍できることは誰でも
わかってますよ。

さまざまな状況を把握して準備しておくのが監督。
そのためのキリンカップですよ。

真剣に勝ち狙いにいくわけないでしょ。
メンバー見て分かるとおり練習試合ですよ。

あなたは凡人。
岡田さんは日本代表の監督です。

凡人が偉そうに言わないの(笑)

posted by yuta | 2008-05-28 01:38

哀しい2連覇 日本vsパラグアイ(キリンカップ)

>綺麗に行くべきか、「シュートを打てば何かが起こるか」。 それでももう少し積極的に行った方がいいかなとは思いますよね。
綺麗に点を取っても、倒れこみながら押しこんでも1点は1点です。
<確かにそうなんだけど、シュートはとにかくどんな状態でも慌てず正確に打つのが基本。ただしMF的な人が多いせいか綺麗に行き過ぎなのはその通りです。でも狙いがないシュートばっかりやっても奇跡を待つような考えっぽくてよろしくないと思います。こぼれ球を誘うようなシュートを狙うのはあり。

posted by マレスカ | 2008-05-28 01:40

哀しい2連覇 日本vsパラグアイ(キリンカップ)

ここは凡人が語り合うところです(笑)

posted by UNNKO | 2008-05-28 01:41

Re:

書き込み有難う御座います。

yutaさん<
>真剣に勝ち狙いにいくわけないでしょ。
>メンバー見て分かるとおり練習試合ですよ。
<勝ちパターン、得点パターンも確立できぬまま、テストを繰り返してそれこそ「チームづくりの実戦は大学生相手にやる」ようなことをしていたら、本番には間に合わない気がしますけどね。

マレスカさん<
同意です。

UNNKO<
このスポナビプラスは承認制になったというのに、下らないコメをわざわざ残していく貴方の労力に驚きます(笑)

posted by 管理人 | 2008-05-28 02:07

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