2008年05月22日
歓迎の色 マンUvsチェルシー(CL決勝)
チャンピオンズリーグ決勝戦、マンチェスター・ユナイテッドvsチェルシーの試合が、モスクワのルジニキ・スタジアムで行われた。 様子をうかがううような静かな立ち上がり、均衡を破ったのはマンU。25分、ブラウンのクロスに頭で合わせたC・ロナウドが先制点を挙げる。しかし前半終了間際、エッシェンのシュートがDFに当たったところを、ランパードが押し込んで同点にする。 後半はチェルシーペースで試合は進んだが得点は動かず。延長に入り、動きの激しい両チームの疲労はピークに達し、足を吊る選手が続出する死闘になった。 結局勝負はつかずにPK戦に突入。C・ロナウドが止められ、チェルシーの優勝かと思われたがテリーがポストに当ててしまう。両チーム14人目のキッカーのアネルカのシュートを完全に読んだGKファン・デル・サールがストップし、マンUが98-99シーズン以来の3度目のチャンピオンズリーグ優勝を果たした。 ■プレビュー マンUは、ヴィディッチが前日練習で別メニュー調整を行い、心配されたがスタメンで出場。 GK エドウィン・ファン・デル・サール DF パトリス・エヴラ ネマニャ・ヴィディッチ リオ・ファーディナンド ウェズ・ブラウン MF オーウェン・ハーグリーヴス ポール・スコールズ マイケル・キャリック クリスチアーノ・ロナウド FW カルロス・テベス ウェイン・ルーニー チェルシーも、A・コールが前日練習で負傷の話があったがスタメン。 GK ペトル・ツェフ DF アシュリー・コール リカルド・カルバーリョ ジョン・テリー ミカエル・エッシェン MF クロード・マケレレ フランク・ランパード ミヒャエル・バラック FW ジョー・コール ディディエ・ドログバ フロラン・マルダ 両チームとも、プレミアリーグを終えてからリフレッシュし、今シーズン最後の公式戦へ向けて調整。正にベストな布陣が出揃った。 ■ルジニキ・スタジアムとそのピッチ ヴィディッチがかつて所属していた、ロシアサッカー・プレミアリーグのスパルルタク・モスクワのホームスタジアムである。 昨年10月に行われたEURO2008予選のロシアvsイングランド戦後に、人工芝から天然芝に張り替えられたが、状態が良くなかったため、スロヴァキアから取り寄せた芝に再度、張り替えられている。 「芝の状態が良くないのでは」と欧州メディアで取り沙汰され、管理責任者やUEFA関係者のコメントが飛び交う事態となっていた。リオ・ファーディナンドなどは「(ピッチの質が)プレミアなどの基準に達していない場合は、対応せざるをえない」と戦前にコメント。 遠目では分かりづらかったが、近くで映されると一部荒れているところもあった。 ■CL優勝者・決勝参加(敗退含む)経験メンバー 数えてみるとかなり多い。漏れ・間違い覚悟で書いてみますので、間違い探しでもしてみて下さい。 マンU: ファン・デル・サール … アヤックスで優勝、翌年ユベントスにPK負け ブラウン … 98-99優勝時、在籍していたがほとんどベンチ。今回はCL予選からほとんどの試合に出ており、貢献した上での決勝に感慨深げだった。 ハーグリーヴス … 00-01バイエルンで優勝。マンUに逆転優勝された時はユース。 エヴラ … モナコ在籍時にポルトとの決勝で敗退 スコールズ … 98-99は累積警告のため決勝不参加だった。 ギグス … 説明不要か。 ファーガソン … 同上。 G・ネヴィル … 残念ながらケガのため、今日はスーツ姿で観戦。 カルロス・ケイロスアシスタントコーチは、レアル・マンUともにCL優勝した後にスタッフ入りしているようだ。 チェルシー: カルバーリョ&P・フェレイラ … モウリーニョ・ポルトで優勝 マケレレ … レアルにて優勝 バラック … レヴァークーゼンで、マケレレがいたレアルに決勝敗退。 ベレッチ … バルセロナで決勝弾を決め優勝に貢献 テン・カーテアシスタントコーチもその時のスタッフ。 A・コール … バルセロナに敗れる。 シェフチェンコ … ミランで優勝、イスタンブールの悲劇も アネルカ … レアル在籍時 ■セレモニー 旧ソ連の赤の国旗、赤の広場(本来は「赤」ではなく、「美しい」の意味があるらしいが…)などから、イメージカラーは赤と言えるモスクワの地。 選手入場の際に、ピッチ上でのパフォーマンスは赤と黄色を基調としていた。ほとんどの人がマンUの赤を連想したのではないだろうか。 もちろんモスクワが決勝の地に決まったのはかなり前のことで、決勝の組合せを予見しているわけではない、というのは百も承知だが。 対するチェルシーのロマン・アブラモヴィッチはロシアのサラトフ州生まれ。故郷に錦を飾ることができるか。 ■前半 開始15分は様子の探りあい、といった趣になった。ホーム&アウェイではない一発勝負。攻撃時にリスクを犯さないように、慎重に攻める。 そして輝きを見せ始めたのはやはりC・ロナウド。15分にエッシェンをかわしてクロス、これはファーサイドのハーグリーヴスに合わなかった。1分後には追い越していったエヴラにスルーパス。C・ロナウドが観客を魅了しつつ、チャンスを作り出していく。 試合が動く。右サイドのスローインから、ブラウンがスコールズとワンツー、抜け出したブラウンがクロスを送るとテベスが囮になり、C・ロナウドがヘディングで叩き込んだ。ツェフは見送るばかり。1-0、マンUが先制する! 11試合出場で8得点目の脅威の得点率。CL得点王を決定的にした一発だった。 22分にはランパードのフワリとしたパスが前線のドログバへ向かうがヴィディッチがクリア。33分にも同様にランパードからドログバ、頭で落としたところにバラックがヘディングで押し込むもGKファン・デル・サールがバレーボールのアタックのようなクリアを見せるシーンがあった。 ファン・デル・サールに負けられないツェフ。 33分、チェルシーCKのセカンドボールをルーニーが奪うと、ピッチの真逆となる左前方へロングフィード。追いついたC・ロナウドがクロスを送ると、テベスがダイビングヘッド。しかしツェフがこれに反応する! こぼれ球をテリーがクリアしたが、それが飛び込んできたキャリックへのお膳立てになってしまう。キャリック砲が放たれ万事休すかと思われたが、右手でワンハンドセービング! 世界最高の舞台で、世界最高のGK二人が火花を散らした。 このまま前半が終了かと思われた45分。 C・ロナウドに手を焼いていた右サイドバックのミカエル・エシアンが上がり、遠目から強烈なシュートを放っていった。するとヴィディッチ→リオとピンボールのように当たっていく。シュートコースに反応したGKファン・デル・サールの体勢が崩れたのを見逃さずに、エリア内に侵入したのはランパード。 勝負どころで力むことは全くなく、横向きに倒れているGKの上を、左足で軽く浮かせてゴールに押し込んだ。勘所での飛び出し、冷静な判断力が見えた見事なゴールだった。そしてゴール後は天の母に捧げる仕草を見せる(パフォーマンスと書いては語弊があるか)。 ■後半 チェルシーの不運 前半終了間際のゴールが効いたか、後半開始後はまた慎重な立ち上がりになった。しかしチェルシー優勢になったと言える。チェルシーが何度もクロスを上げ、マンU守備陣を脅かすシーンが多かった。77分のドログバのミドルシュートの場面。ペナルティエリアの外から、コンパクトな振り足で強烈なシュートを放ち、GKファン・デル・サールの届かないコース・速さであったが不運にもポストを叩いてしまった。 しかし不運というのはシュートが決まらなかったことではなく、ジャッジだった。 先に言っておくと、私はマンUファンでもチェルシーファンでもない。しかし後半に目立ったのは、右サイドにいた線審と主審のジャッジが不可解なものが多かった。 C・ロナウドがライン際のドリブルで、チェルシープレイヤー2人に囲まれてC・ロナウドの足に出たがマンUボール。 J・コールとエブラがゴールライン近くで競り合い、エブラの足に当たるもゴールキック。 テベスがマケレレの顔をかきむしり、C・ロナウドのシュートがサイドネットに行きゴールキックかと思えばJ・コールのワンタッチとみなされコーナーキック。 89分、マンUエリアへのボールの競り合いで、リオ・ファーディナンドがJ・コールの顔面近くまで足を振り上げローリング・ソバットのような体勢。ファーディナンドがワンタッチで出したようにも見えたがこれもゴールキック。 75分時点で最も走っていたJ・コール。激しく闘っていた彼の周りで、微妙なジャッジが多かったのは悲しいところだった。誤審とまで強硬に言うつもりはないが、何か釈然としないものがあった。 ■延長 おそらく両監督は、延長戦になることを予想していたのだろう。 最も早い交代で87分のスコールズout、ギグスin。ギグスは、ボビー・チャールトンの通算クラブ出場記録を塗り替えた。決勝トーナメント1回戦のリヨンでもCL出場100試合を達成していたギグス、今年は良い年になったようだ。 さて延長になり、チェルシーはマルダに代えてサロモン・カルー、J・コールに代えてニコラ・アネルカを投入。マンUもルーニーに代えてナニを入れる。 ランパードとギグスが好機を得るが、ゴールならず。 雨も強くなり、お互いの体力を奪っていく。調整期間があったとはいえ、もちろんシーズンで蓄積した疲労は簡単に取れるものではない。それにモダン・フットボールの集大成とも言えるこの決勝で、常人には計り知れない運動量。足を吊る選手が続出し、これが死闘であることを再確認させる。 精神的にもピークに達したか、延長後半の終わり際に小競り合いに発展。カードが乱れ飛ぶ事態となり、ドログバがヴィデッチを平手打ちしレッドカード。エースストライカーが退場することとなった。その後試合の時間は短く影響は無かったように見えるが、もちろんPK戦には影響しただろう。 最後にマケレレに代えてベレッチ、ブラウンに代えてアンデルソンと、両チームが交代のカードを使いきって終了。PK戦に移る。 ■PK戦 クライベイビー 名選手ほど外すのではない。外すと目立つのが、有名選手の宿命である。 PK失敗で有名なのは94年ワールドカップアメリカ大会のロベルト・バッジョであるが、一番手で外していたのはバレージだった。 成功したことは記憶が曖昧になるが、失敗はやはり強く印象に残る。 このPK戦で最初に失敗したのはC・ロナウドだった。プレミアで31ゴール、試合が終わった今、ドログバのゴールがなくなり8得点で得点王。しかしバルセロナとの準決勝でPKを外し、そしてここでも外した。 ニックネームはよく涙を流すことから「クライベイビー」。ドイツワールドカップ準決勝でフランスに敗れ涙し、今季ここまで得点を積み上げながら、最後のPK失敗で涙に暮れることになるのか。 しかし両チーム10人目のキッカー、ジョン・テリーが泣くことになった。 強くなった雨でシュートの際滑ってしまい、右のポストを直撃。そして14人目のキッカーはアネルカ。GKファン・デル・サールが完全に読みきりストップ。心地よい衝突音を鳴らして、コースから弾き出した。ドイツワールドカップでもPK戦で敗退したイングランド代表のテリー、あの時と同じ悔しい泣き顔がそこにあった。 ■悲しみ、そして歓喜 ビッグイヤー獲得次第では、アブラム・グラント監督来季続投も考えられたが、これでかなりの可能性でなくなっただろう。優勝セレモニーの前、円陣を組むチェルシーの一団。おそらくグラント監督が感謝と、そして惜別をしたに違いない。 イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストの「ジュピター」が流れる中を、マンUの選手たちが壇上へ。そして主将のリオ・ファーディナンドとライアン・ギグスがビッグイヤーを掲げるとベートーベンの第九がスタジアムを包む。 ジュピターは快楽をもたらす者、第九は歓喜の歌だ。残酷なPK戦により敗者となってしまったチェルシーだが、素晴らしい試合をしてスタジアムの観客とテレビの前の観客に快楽をもたらしたのではないだろうか。 そして最後はお決まりのピッチ上の優勝記念看板の前で歓喜。そして紙吹雪 というより帯状のようなものが大量に舞う。その色は黄金。 やはり赤と黄金というマンチェスター・ユナイテッドのチームカラーが歓迎の色となっていた。
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posted by batistuta |11:24 |
UCL・UEFA CUP |
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歓迎の色 マンUvsチェルシー(CL決勝)
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ユベントス時代はCLファイナルの経験はないですね>ファンデルサール
多分アヤックス時代、ミランに勝って優勝した翌年、
決勝でユーベにPKで負けたのと混同されているのかと思います
posted by 川岡 | 2008-05-22 14:19
歓迎の色 マンUvsチェルシー(CL決勝)
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チェルシーだと、アネルカもレアル時代に優勝してますよね☆
posted by 009 | 2008-05-22 14:46
歓迎の色 マンUvsチェルシー(CL決勝)
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バラックはハーグーリブスといっしょにビッグイヤー掲げたでしょ?
判定は確かにManUによっていたきがする。というよりジョーコールがあの審判とは合わなかった。
テリーは責められないでしょ。延長後半にギグスのシュート止めたし。彼がいなきゃここまでチェルシーは勝ち上げってきていない。
posted by 通りすがり | 2008-05-22 14:54
歓迎の色 マンUvsチェルシー(CL決勝)
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バラックはバイエルンがCL優勝した当時、レーファークーゼンにいましたよね。
posted by 水島 | 2008-05-22 16:26
歓迎の色 マンUvsチェルシー(CL決勝)
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おれは優勝したことないよん。
posted by バラック | 2008-05-22 17:10
Re:
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皆様、書き込み有難う御座います。
予想通り、間違い探しコメントが多いです(苦笑)
川岡さん<
ユーヴェ「に」負けたが事実ですね、修正させていただきました。
009さん<
アネルカ、普通にスルーしてしまいました(苦笑)
通りすがりさん<
バラックはレヴァークーゼンでの決勝経験者であり、優勝はしていません。
しかし書き方が紛らわしいので、
「決勝参加(敗退含む)経験メンバー」に修正させていただきました。
本文ではテリーを全く責めてませんよ。これまでの道のりの貢献は素晴らしいですし、この試合でも最高でした。最後にほんの少し運が足りなかっただけの気がします。
水島さん&バラックさん<
上記の通りです。
posted by 管理人 | 2008-05-22 21:55
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