2008年05月17日

原点回帰 京都vs横浜FM

 
 Jリ-グ第13節、京都サンガvs横浜Fマリノスの試合が、鹿児島鴨池陸上競技場にて行われた。
 前節で未勝利千葉に勝ち星を与えた京都、3試合勝利がない横浜という不振にあえぐチーム同士の対決。中断前の大事な試合は、京都がシーズン序盤戦のような勢いを取り戻した。僅差ではあるが押し気味に試合を進め、61分に横浜のオウンゴールを誘って先制。その後もロニー・山瀬・大島の横浜攻撃陣3人を封じ込んで京都が勝利。
 京都は気持ち良く中断期間を迎え、ナビスコに挑むことになる。


 ■プレビュー
 鹿児島県立鴨池運動公園陸上競技場――かつて横浜フリューゲルスが特別活動地域、つまりは「準ホーム」として試合を行ったこともある。現在は京都のスポンサーの京セラ絡みということで、今季唯一のホームゲームがこの日行われた形だ。
 またこの試合は九州に縁(ゆかり)が多い選手が多かった。 

 京都:
 田原・徳重・中山が鹿児島出身。田原は2001年に横浜FMでデビュー、中山はJリーグデビューが鴨池だとか。手島は福岡出身で横浜「フリューゲルス」でのデビュー、G大阪の在籍を挟むが京都に長く在籍するベテランだ。
 柳沢敦が扁桃腺の腫れのために鹿児島遠征に帯同せず。何と大剛が3トップの右に入るサプライズ起用。攻撃力を生かせるか。そしてシジクレイが中盤の底に入る。シーズン序盤を思わせるフォーメーションで期待が膨らむ。

 GK 水谷 雄一
 DF 平島 崇
    増嶋 竜也
    手島 和希
    中谷 勇介
 MF シジクレイ
    佐藤 勇人
    アタリバ
 FW 渡邉 大剛
    田原 豊
    徳重 隆明

 横浜FM:
 FW大島は横浜フリューゲルス吸収合併時に京都へ移籍。しかし2年在籍して戦力外通告。その後、紆余曲折を経て横浜FMのスターティングに名を連ねるようにまでなった。
 ロペス・狩野・高桑が負傷欠場。

 GK 榎本 哲也
 DF 田中 隼磨
    栗原 勇蔵
    中澤 佑二
    田中 裕介
 MF 兵藤 慎剛
    山瀬 功治
    松田 直樹 
    小宮山尊信
 FW ロニー
    大島 秀夫


 ■前半 思い出した京都
 京都の対横浜戦成績は2勝12敗2分。圧倒的に分が悪い。しかしここ3戦勝ちがない横浜につけいるスキはあるはずだ。この日の鹿児島は27℃。どちらが走り勝つか。
 前節の千葉戦で不甲斐ない試合を見せた京都。サポーターの失望を買い、むざむざと千葉に初勝利をプレゼントしてしまった。

 サポーターの檄が届いたか、加藤監督のカミナリが落ちたか。この日のサンガはかつての「調子が良い時」の姿を取り戻していた。そして「4バック+ボランチ・シジクレイ」のシステムに戻した。
 3分に山瀬にアッサリと抜かれたシジクレイだが、高いポジションではあったし後ろのカヴァーリングがあった。こういうマイナスポイントよりも、やはり中盤から相手のキーマンを潰す守備が活きていた。シジクレイは、プレーの見た目不器用ながらも左右に散らす展開のパスも良かった。19分の田原へのスルーパスも見事。

 古巣相手に力が入っていたようだった京都・田原と横浜・大島。両者決定的な場面でボールを受けていたが、決めきることができなかった。

 22分、左サイドのゴールライン際で増嶋と1対1を敢行した山瀬。狭い方にボールを出してクロス。ゴールこそならなかったが、何か見覚えのあるシーンだと思ったら2/9の日本vsタイの代表戦だった。54分に全く同じ状況で突破し、大久保ゴールに結びつけた場面だ。

 32分にアクシデント。シジクレイが右サイドオープンスペースにパスを出し、追いついた大剛がクロス。中澤の競り合いに怯むことなく、頭から突っ込んでいった勇人。頭同士がぶつかり合い、勇人は流血してしまった。3日の札幌戦で勇敢に飛び込み、GKとの交錯を恐れなかった柳沢の姿と重なる。勇人は止血をしてピッチに戻った。

 36分にはゴールキックをシジクレイが弾き返し、田原が裏へ一気に抜け出す場面が。胸トラップはうまくいったが、足トラップがおぼつかず大きく前に出してしまいGKキャッチ、得点には至らない。
 46分、松田がFKからエリア内に向かってロングフィード。大島が落としたところにロニーがシュートまで持ち込んだが、GK水谷が見事にコースを切り難を逃れた。
 
 かつてのプレーを「思い出した」京都。失点も防ぎ、後半に期待を持たせた。


 ■後半 攻撃のキーマンを封じる守備
 後半早々、京都は田原が2度「小さな」チャンスを得るがモノにはできない。守備では横浜攻撃のキーマン・山瀬を2~3人で囲みボールを奪う。
 左SBの中谷のオーバーラップなどで攻撃のアクセントを作る。右SB平島もよく動けており、このあたりも「シーズン序盤の好調京都」を思い起こさせる。

 これなら行けるはず――そう思っていた61分。ハーフラインでボールを受けた大剛が
ゆっくりと持ち上がり、エリア内にゆっくりとしたパスを送ると勇人がスルー。田原が潰されて徳重が右足を振り抜く!…がGKがファインセーブ。ゴールならずか、と思った矢先に田中 隼磨のスライディングしてのクリアボールが横浜のゴールを鋭く突き刺す。 茫然とするGK、倒れたまま頭を抱える田中 隼磨。オウンゴールだ。2秒ほど時が止まったスタジアムに歓声が起こる。オウンゴールではあったが、京都の綺麗な崩しが見られた場面。ここ数試合でなかったものだった。1-0、京都が先制する。

 65分、交代で入ってきた清水が大島と鮮やかなパス交換。そこからのスルーパスに反応したロニーが、エリア内でヒールでお膳立て。田中 隼磨が汚名返上とばかりに右足を振り抜くが、無情にもポスト直撃。
 その後は中谷のウラを何度もついた清水がクロスを供給し続けるも、京都DF陣も集中しており得点には結びつかない。
 
 73分には大島がエリア内から強烈なシュートを放つも、至近距離ながらGK水谷が反応してファインセーブ!
 この後も、京都は横浜攻撃トリオのロニー・大島・山瀬を封じきった京都。虎の子の1点を守りきった京都が1-0で勝利を挙げたのだった。

 
 ■MOM 佐藤 勇人
 中盤のダイナモは、最終ラインも積極的にカバー。32分の出血アクシデントにも気持ちは全くブレることなく、京都に闘志を植え続けた。そしてオウンゴールを誘ったオール前での「スルー」の動き。前節の古巣対決では苦杯を舐めさせられたが、この日勝利に大きく貢献した。

 次点として中谷を挙げたい。後半少し守備で穴を開けてしまってはいたが、リスクチャレンジの代償とも言える。左サイドにスペースが空いたと見るや、ドリブルでもオフ・ザ・ボールの時でも積極的に上がり、京都に攻撃意識を植え付けた。

 そして田原。少々甘いかもしれないが、前線で孤立していたここ数試合を考えると、シュートまで持ってこれているのは好印象。FWはシュート打ってなんぼ。もっともっと得点機に絡んでいって、得点感覚を出していってほしい。この日がその前段階になってくれれば。

 
 ■総括
 横浜の調子が今ひとつ上がってないところにも助けられた感はあるが、京都は全体的に動きが良かった。試合後の監督インタビューの時にも言われていたが、前節千葉戦とは大違い。観戦中、「今日は引分けはあっても負けることはないな」と妙な安心感も出てしまったくらいだった。課題は、これを安定感を持って相手レベルに関係なく出せるかだろう。

 相手の良さを消し(攻撃トリオを封じ)、セカンドボールを粘り強く奪い続けることができた。両SBが激しい上下動を見せ、「4バック+ボランチ・シジクレイ」が完全に機能したように思う。アタリバや勇人が良きリンクマンとなっており、前線が孤立することが少なかったのも良かった。
 徳重はプレースキックで相手の嫌がるポイントへ蹴れていた。得点こそ絡めなかったが、チームの勝利に陰ながら貢献できただろう。

 GK水谷は日に日に調子が上がっているようだ。おそらくナビスコでは平井が再起用されることが出てくると思うので、正GK争いの激化にも注目したい。

 来週は5.25(日)、ホーム西京極でのヴィッセル神戸戦。4/13のリーグ戦では大久保が累積警告のため出場停止だった。リヴェンジを果たすつもりで来るはず…と言いたいが、京都・神戸ともに戦力を落として臨むだろうか?
 中断期間のナビスコカップを、2位京都、3位神戸がどのような形で挑んでくるのか、注目だ。


 ■京都の補強は
 そして噂される京都の「パウリーニョ代理問題」。
 開幕前に大量補強をしたために、金銭的にはキツいはず。
 ①FWであること 
 ②他の外国人と同じくブラジル人 
 ③Jリーグ経験も考慮
 という条件が噂されるが、最も有力視されているのはミドルスブラで契約を終えたFW李東国(イ・ドングク)。前清水の韓国代表FWチョ・ジェジン(26=全北現代)もリストアップされているとか。

 ここ数試合、京都の得点力が極端に落ちているため即戦力・得点力のあるFW獲得は急務かもしれない。

posted by batistuta |17:11 | 京都サンガ | コメント(8) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL: (表示は許可制となっています)
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/batistuta/tb_ping/77
この記事に対するコメント一覧
原点回帰 京都vs横浜FM

MOMはいろんな意味で田中隼でしょう。VTRしか見てませんが、ナイスゴールでした。

posted by forever | 2008-05-17 21:54

原点回帰 京都vs横浜FM

やりましたね!!今日は、本当に息を吹き返す内容とも言える試合でした!管理人さんのおっしゃるようにシーズン序盤のサンガの形がみられましたね!相手に攻撃の形を研究されていても、それを押し返す気持ち、運動量、まさに「らしさ」をみせた試合ではなかったでしょうか。もちろん、まだまだ、前半の気持ちの入った攻撃&守備→決定力不足→後半途中からの体力面ダウン・・・といった面がやはりみられ課題はたくさん残ります。決めるべき場面を泥臭くとも決める!といった事ができれば、もっと安定した試合運びが可能になりますよね。しかし、今日は、点は入らなくとも、90分間期待がもてる試合をみせてくれました!序盤に感じた期待感を復活させてくれました!今後、強敵も残っていますが、勝ち負け以上に、この気持ちを忘れないサッカーをみせてほしいです!もちろん勝ってほしいけど(笑)

posted by R.man | 2008-05-17 23:33

原点回帰 京都vs横浜FM

横浜戦スカパー観戦でしたが、先週と全く違い選手から気迫の篭ったプレーがこちらまで伝わってきました。
勇人君の流血しても90分集中を切らさずプレーした姿は流石だと思いました。

大剛君がやはりシュートや前線に顔を出すと相手には脅威になると思いました。
チーム戦術もあると思いますが、大剛君はやはり前目でプレーするのが彼の良さが活かされるのではないかと感じました。

補強の件ですが個人的意見を言えばチェジンがいいと思います。
彼はポストも出来るし、決定力もピカイチです。
なんといっても昨年まで清水に在籍していたので、Jリーグの事はよく知っていると思いますから!

posted by 竜ちゃんサポ | 2008-05-18 00:49

原点回帰 京都vs横浜FM

FW補強の話が出ているみたいだけど、絶対必要と僕は思いませんよ。
今いるFWだけでも十分に戦える。
そのことを昨日の試合で証明してくれました。
いい攻撃の形が何度も見られたと思います。
あとは、フィニッシュするだけです。

ま、でも今のFWに更なる競争を持ち込むという意味で補強はした方がいいんでしょうね。
補強するとしたら、未知数のイドンゴクより、Jを知ってるチョジェジンがいいと思います。
でも、向こうのリーグを途中で抜け出してくるような選手を歓迎していいのかなとも思いますね。

次は柳沢も帰ってきます。
補強は絶対必要かと言われれば、どうなのかなと・・・。

それよりも僕はアンカータイプのボランチを補強すべきだと思います。
確かにシジクレイは高さ強さがあってボールの配給力もあり、ボランチでも十分機能します。
でも昨日の試合を見る限りやはりスピードに弱いかなと。
ここに鈴木啓太とかキムナミルみたいな守備の嗅覚の強い選手が欲しいですね。
そして、勇人や中山などにもっと流動的な役割を与えて、相手をかく乱するような形が欲しいです。

シジはストッパー起用がいいです。
足元もあってフィードの精度もいいから、最終ラインからの組み立てにバリエーションが増えると思います。
手島か増嶋がはずれることになりますが。

ま、でも現状そういったアンカー系の人材もいなさそうだから、昨日みたいな形が一番ですね。

昨日は本当にうれしい勝利でした。
最近のうれしい勝利の中でも上位に入ります。
選手監督にありがとうと言いたい。

後最後に、「田原決めるところは決めろ!!」

またエントリーされましたら寄せていただきます。
よろしくどうぞ。

posted by ンガさぽ | 2008-05-18 10:46

原点回帰 京都vs横浜FM

鴨池で、「少し」復活しましたね。
いい雰囲気で、中断そしてナビスコに行けます。

鴨池の雰囲気も、京セラ工場従業員が揃いの
紫のTシャツ胸に工場名つけて、大挙して応援。
と、何か J発足前の天皇杯みたいで、良くも悪くも
京都らしい と思い、KBS京都で録画チェックしてました。

15年ぶりに京都に戻ってくると、維新時代の薩摩蕃との付き合いからか、企業・政治等で鹿児島県との付き合いの深さを強く感じます。

京都の選手も、鹿児島出身の選手も多いですし、
松井大輔のように、サッカー留学で鹿児島に行って、京都に戻って活躍する例もありましたね。
いい意味でのトレセン選手情報交流が進んでいるのですかね。詳しくは知りませんが。
今に思えば、鹿児島出身出世頭 ガンバ遠藤を手放したのは痛かったかも。

さて補強。管理人さんの、二人の助っ人、どちらかでも来てくれれば話題性も含め、かなり魅力に感じます。
フロントには、高鍾秀 の例もあり慎重にしてほしいです。

で、私の予想は、元ガンバ大黒。
現チームとの契約内容はよく知りませんが、そろそろ帰ってきてもいい頃かな。

やっぱり勝った試合後のコメントは楽しいですね。

posted by みやじゅん | 2008-05-18 11:27

原点回帰 京都vs横浜FM

よっしゃああっ!!ほらみぃ、やりゃあできるやんけぇ!!って感じですね。
うれしいです。
よくあの気温の中でファイトしてくれました。
やはり勝ってくれると御機嫌です。

やっぱり運動量が決めてですね。
良く走り勝ってくれたと思います。
こういうサッカーをずっと見たいです。

ナビスコもこの調子でいって欲しい。

posted by 次はナビスコ | 2008-05-18 11:58

原点回帰 京都vs横浜FM

あ、追記です。
MOMですけど私は敢えて、平島と中谷を挙げたいと思います。
この二人は献身的に守備をしながら、さらに運動量豊富に攻撃参加をしてました。
攻撃参加をした結果、その裏のスペースを狙われるシーンもありましたが、今後も恐れずに積極的攻撃参加して欲しい。
こういう選手たちこそ、私はしっかり見て大事にしたい。
私の中でのMOMです。

posted by 次はナビスコ | 2008-05-18 12:28

Re:

皆様、アツイ書き込み有難う御座います。

ちょうどリーグ戦はキリがいいところに来たので、色々と振り返る記事を書いてみました。
皆さんの意見も参考にしつつ、私の個人的な意見をまとめたつもりです。
ここでの短い返信では足りない気がしましたので、次記事を持って返事に代えさせていただきます。
またのコメントをお待ちしております。

posted by 管理人 | 2008-05-18 14:25

コメントする