2008年05月05日

第267回 Derby di Milano

   
 セリエA第36節、ACミランvsインテルの試合がジュゼッペメアッツァにて行われた。
 試合は終始ミランペース。現在の順位に関係なく白熱した戦いになるダービー。来季のCL出場権を勝ち取るミランの心意気が、インテルの「今日逃しても優勝できる」という油断に近い気持ちを上回ったか、ミランが幾度もインテルゴールへ攻め入った。
 前半はスコアレスに終わったものの、51分にカカからインザーギが決め、56分にはルーズボールを奪ったカカーが持ち込んで自ら決め2-0。76分にクルスが見事な直接FKを決めるが、その後続かず2-1で終了。
 インテルの優勝は、2位ローマが勝ったため次節以降に持ち越し。一方のミランは、フィオレンティーナが負けたために4位に浮上した。


 ■プレビュー
 ホームのミラン、パオロ・マルディーニやエメルソンがスタンド観戦。マレク・ヤンクロフスキがベンチスタートとコンディションが整わない。
 しかしここ4試合で3勝1敗、合計14得点を挙げている。敗れたユヴェントス戦もアウェーでの3-2であり、決して後ろ向きなものでもない。
 そしてフィリッポ・インザーギが正に”スーペル”な活躍。5日のカリアリ戦と12日のユヴェントス戦ではドッピエッタ(2得点)、27日リボルノ戦ではトリプレッタ(3得点、ハットトリック)を含む、ここ4試合で8得点の「固め取り」。悔やまれるは、この調子をシーズン序盤から出せていたら…。

 GK ジェリコ・カラチ
 DF カハ・カラゼ 
    アレッサンドロ・ネスタ 
    ジュゼッペ・ファヴァッリ 
    ダニエレ・ボネーラ
 MF ジェナロ・ガットゥーゾ
    アンドレア・ピルロ 
    マッシモ・アンブロジーニ
    クラレンス・セードルフ 
    カカー
 FW フィリッポ・インザーギ

 アウェーのインテルは、ケガのイブラヒモビッチを長く欠いているが、特に問題を感じさせない選手層の厚さ。優勝が決まる一戦だっただけに、スタンドにはフィーゴ、セーザル、サムエル、ダクール、ソラーリが駆けつけていた。

 GK ジュリオ・セザル
 DF マイコン 
    マルコ・マテラッツィ 
    ネルソン・リバス 
    クリスティアン・キヴ
 MF ハビエル・サネッティ 
    パトリック・ヴィエラ 
    エステバン・カンビアッソ 
    マニシェ
 FW フリオ・クルス 
    エルナン・クレスポ

 ミラノ・デルビーは今日で267回目。通算成績はミランの103勝91敗72分。
 ロゼッティ主審は、チャンピオンズリーグのチェルシーvsリヴァプールの第2戦に続いて、この重要なゲームを裁く。


 ■前半 ミランペース
 序盤は激しいボディコンタクトが続いた。カカーは特にハードマークされ、競り合いで顔にヒジが入っているような場面もあった。
 前半はほとんどの時間をミランが圧倒。左SBのファヴァッリが積極的に上がり、クロスを供給し続ける。しかしインテルの守備陣は集中しており、クロスボールをことごとく弾き返していく。
 
 19分、中央でボールを持ち、「ためにためた」カカーがライン裏のインザーギに決定的なパス。インザーギがシュートを放ったが、これはGKセーザルがストップ。頭を抱えるインザーギ。しかし今日も得点の薫りを発散させている。
 36分、今度は右SBのボネーラがオーバーラップ。中央のインザーギにクロスと見せかけて、ニアのカカーへ。これは呼吸が合わず足につかなかった。
 41分、ファヴァッリは、22分にリバスから受けたタックルの痛みが引かず、マレク・ヤンクロフスキと交代。

 ミランは攻め続ける。

 45分、インテルプレイヤーが7人戻っている状態。セードルフは中央でボールを持ちつつ様子を窺うと、右サイドに走りこんだカカーへ。カカーはワンタッチで中央へ折り返すと、インザーギがダイビングヘッドで合わせた!…しかし無情にもゴール左へと逸れていった。

 
 ■後半 インテルが逆襲も…
 後半になっても流れは変わらなかった。そして試合が動き出す。
 50分、センターサ-クルあたりでヴィエラがアンブロジーニを倒すと、ミランが早いリスタート。中央をセードルフがドリブルで持ち上がると、右サイドを上がっていたボネーラへと展開。ボネーラは、中央から前方に流れてきたカカーにボールを預ける。カカーはゴールライン近くまでドリブルで深くえぐりクロス、ニアへ飛び込んできたインザーギが頭で流し込み、そのままカカーに飛びついた。
 1-0、ミラン先制!インザーギはこれで5試合連続ゴール!

 この後、セードルフがミドルシュートを狙い、追加点の雰囲気を漂わせる。
 そして55分、ヴィエラのボールキープをアンブロジーニが激しくチェイシング。ルーズボールをカカーが拾い、一気にゴール前に持ち込む。インザーギがゴール前で存在をアピールしたが、カカーが落ち着いて流し込んだ。
 2-0、ミランが突き放す。このゴール後、ガットゥーゾがアンチェロッティの元へ行き指示を仰ぐ。その表情に浮かれたものはない。

 良いところがないインテル。しかし流れを寄せつつある。
 61分、縦パスのロビングボール(浮き球)に競り合った2人、カンビアッソの後頭部とネスタの顔面が接触。その後インテルのチャンスとなったので、演技か意識が飛んだかは分からないが、後ろに倒れこむネスタ。
 しかしノーホイッスルでプレイは続き、ヴィエラがパスを送るとクレスポがGKカラッチと1対1の状況に。しかしここはカラッチがコースを消して難を逃れた。

 63分、右サイドのマイコンのクロスに、クレスポとカンビアッソが飛び込むが、それぞれボネーラとガットゥーゾのファウルを主張。この後のCKでは、セカンドボールをマイコンがシュートに持ち込むがGKカラッチの好セーブに阻まれる。

 なかなかゴールを奪えないインテル、マニシェに代えてマリオ・バロテッリ、クレスポに代えてダヴィド・スアソと攻撃のカードを切る。
 そして75分、クルスがペナルティエリア手前の位置でアンブロジーニに倒されFKを獲得。ここ最近のインテルのプレースキッカーはキヴかバロテッリだが、キヴがスルーすると蹴ったのはクルス!吸い込まれるような弾道が、ミランゴールゴール右に。2-1、インテルが1点差に詰め寄る。

 83分、75分に得たところから少し遠い位置のFKをインテルが獲得。今度はキヴが蹴り、ゴール左上の枠内をギリギリ捉えたがGKカラッチがファインセーブ。先ほどのシュートでは逆を突かれただけに守りたかったFKだろう。

 87分、カウンターでスアソが左サイドをドリブルで駆け上がるが、ネスタが「完全なる」スライディングでストップ。

 時間が過ぎてゆく。インテルには短く、ミランには長く。 
 ロスタイムは4分。何が起こるか分からない長さだ。しかしミランは守備で集中しており、攻撃ではカカーが無理に持ち込まず、冷静にゲームをコントロールしようとする。

 そして残り数十秒、というところでインテルが右寄り25mの地点でFKを獲得した。
 同点弾を挙げれば、引分けでもスクデット(優勝)が決まる。
 ジュゼッペ・メアッツァに緊張が走った。しかし最も緊張していたのは、当然だがキヴだった。大きく上にフカしてゲームオーバー。
 2-1でミランが勝利した。


 ■総括
 ミランが調子を取り戻しているとはいえ、インテルに気迫が感じられないゲームだった。前半のハイライトはほとんどミラン、インテルは後半になってようやくエンジンがかかったかという戦い方だった。欧州カップ戦もさっさと敗退し、コンディションは悪くないはずだが。次節はホームでシエナを、最終節はアウェーでパルマ戦だ。ホームで文句なしの優勝を決めたいというところと、今節引分け以上で優勝という油断もあったかもしれない。しかし最後まで何が起こるか分からない。
 12位のシエナは今節、ユヴェントスを破る金星。インテル戦でも「何か」やってくれるか。

 ミランは見事ダービーに勝利し、このままCL出場権の4位を固めたいところ。今節、フィオレンティーナがカリアリに敗退。フィオレンティーナはUEFAカップレンジャーズ戦からのコンディション不良、精神的ショックを引きずってしまっているかもしれない。
 CL出場如何によって、来季の予算編成・今夏の移籍市場の動き方が大きく変わってしまう。残るアウェーのナポリ戦、最終節のホーム・ウディネーゼ戦は絶対に落とせないところだ。
 
 スペインではレアル・マドリー、ドイツではバイエルンが2位に10ポイント差をつけてのリーグ優勝を決めた。7日のバルサ対レアルの「エル・クラシコ」が消化試合になる懸念もある。セリエAは最終節まで優勝争いをもつれこませて面白くしてほしい。
 トッティ不在の中、ここ2試合で4・3と7得点を挙げるローマ。まだスクデットを諦めてはいないはずだ。
 首位争い、4位争いにまだまだ目が離せない。

posted by batistuta |19:20 | セリエA | コメント(2) | トラックバック(0)
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第267回 Derby di Milano

いや本当にローマの逆転優勝あるかもですね
プレッシャーを前向きな力に変えられるミランは
欧州王者の名に恥じない風格がありますよ
4位もがっちり確保するでしょう
イブラヒモビッチ抜きのインテルはとにかく攻め手が少ない
マイコンがたまにクロスを上げるくらいで、あとは殆ど前線の選手任せ
カンビアッソやビエラも攻撃に絡めませんでしたね
スアソも結局スーパーサブ以上の使い方を見出せぬまま
1年が過ぎてしまいました
マンチーニの手堅い采配は財政難と選手流出に苦しんでいた
ラツィオやフィオレンティーナでは機能しましたが
インテルのようなビッグクラブでは限界があることを露呈したと思います

posted by リゴーレ | 2008-05-05 22:22

Re:

リゴーレさん<
書き込み有難う御座います。

自分はローマ寄りなんで逆転優勝を信じたいところですが…。マンUとチェルシーの争いに比べれば、まだ逆転の芽はあるのかなという気もします。

仰る通り、ミランの4位は堅そうですね。ミランに勢いがありますし、逆にヴィオラが危ないです。

>イブラヒモビッチ抜きのインテルは~
<「イブラがいても」、という気もしますね(苦笑)とにかく個人技頼みという印象が強いです。
CLであの調子じゃ、キツく言えばマンチーニ監督ではCLベスト16or8の壁を破れない気がしますね。
でも国内ではミラン戦の前の5戦で4勝1分、よっぽどのことがない限りインテルが優勝するだろう、というのが本音ですね。(本文記事では分からない、とはしておきましたが)

posted by 管理人 | 2008-05-06 14:14

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