2008年04月30日
12vs11 マンUvsバルセロナ(CL Semi Final 2nd leg)
チャンピオンズリーグ準決勝第2戦、マンチェスター・ユナイテッドvsバルセロナの試合がオールド・トラッフォードで行われた。 第1戦を0-0、アウェーゴールを奪えば圧倒的に有利になるバルサ。しかしマンチェスター・Uは第1戦のように守備を固めずとも、堅守を誇った。 14分、ザンブロッタのパスミスを見逃さなかったベテラン、スコールズがインターセプトしそのままシュート、ゴール隅に突き刺した。 その後もバルサはチャンスを作るが、決定的なものはなくマンチェスター・Uが落ち着いて守りきり勝利、決勝へと駒を進めることとなった。これでプレミアリーグ同士の決勝戦が確定、チェルシーvsリヴァプールの勝者を待つ。 ■プレビュー マンチェスター・Uは、FWウェイン・ルーニーとDFネマニャ・ヴィディッチが26日のチェルシー戦で負傷しメンバー登録外。ルーニーは腰を、ヴィディッチはドログバの膝が顔を打つアクシデント。回復が間に合わなかった。 GK エドウィン・ファン・デル・サール DF パトリス・エヴラ オーウェン・ハーグリーヴス リオ・ファーディナンド ウェズ・ブラウン MF パク・チソン マイケル・キャリック ナニ ポール・スコールズ FW クリスティアーノ・ロナウド カルロス・テベス アウェーのバルセロナは、リーガで主力を温存しデポルティーボに2-0で敗戦。なりふり構わずCLに全てをかけてきた。 GK ビクトル・バルデス DF ガブリエル・ミリート カルレス・プジョル ジャンルカ・ザンブロッタ エリック・アビダル MF シャビ デコ ヤヤ・トゥレ FW アンドレス・イニエスタ サミュエル・エトー リオネル・メッシ ■マンチェスター・Uの苦手な審判 「データ魔」と言っても過言ではない、実況の倉敷保雄氏。スカパー!を見ていると、次々と過去のデータを出してきて面白い。全てを記載していってはキリがない。 今日のヘルベルト・ファンデル主審。国際舞台でよく見る顔である。倉敷氏によると、この主審が裁いたマンチェスター・U戦は2勝4敗。昨年のCL、ローマvsマンチェスター・Uでポール・スコールズを退場に追いやった審判だとか。ドイツ人らしく、厳格なジャッジでイエローカードも厭わない。この試合で次節停止を食らうと、決勝に出られなくなる。 早速それを利用する腹づもりがあったかは分からないが、メッシが右サイドからドリブルでつっかける。スコールズと接触し、ホイッスル。これはエリアの外だった。 その後も試合の流れを切るかのように細かく笛を吹いていくファンデル氏。 ■雰囲気、そしてミスからの失点 オールド・トラッフォードは立錐の余地もなさそうだ。超満員の観客がつめかけ、つんざくような歓声と歌声でマンチェスター・Uを後押しする。これが逆にプレッシャーになったか、試合の入りはマンチェスター・Uもカタく見えた。 そんな雰囲気に慣れたバルサは、落ち着いてパス回しを始める。 14分にはC・ロナウドを挟み込みボールを奪う。そしてカウンターで一気呵成に持ち込む算段だった…しかしザンブロッタがパスを送った先に待ち受けていたのはスコールズ。ヴァイタルエリアにぽっかりと空いたスペースへ、スコールズはドリブルで持ち込むと何の迷いもなく右足を振り抜いた。 アウト回転をかけたボール――GKバルデスから逃げるように曲がったボールはゴール右上に突き刺さった。1-0、マンチェスター・Uが先制点を挙げた! ■12vs11 点を奪って落ち着きを得たマンチェスター・Uは、高い位置からプレスをかけていく。 ここで活躍したのは、マンチェスター・Uで1、2を争う運動量のテベスとパク・チソンだった。1.5人分ずつ動く2人のおかげで、まるで「12vs11」の戦いであるかのように見えた。 バルサのトライアングルを作ってのパス回しでも執拗にボールを追い続けるテベス。今日はゴールに絡むことが少なかったが、守備で大いに貢献した。 一方のパク・チソンは、マンチェスター・UがCLで勝ち進むにしたがって存在感を増しつつある。今日は攻撃面で見せた。20分、C・ロナウドが左サイドで2人のDFを引きつけたところにパク・チソンが飛び込み、シュートへ。これはゴール右へ外れた。 40分にはパク・チソンが左サイドでキープし、ワンドリブルでザンブロッタをかわすと、ゴール前のナニへ絶妙なクロスを送った。これもゴール右へ外れた。 ■何かが足りないバルサの攻撃 個人の能力は高いが、何かが足りない。優勝した05-06シーズンと比べると、得点への期待感がやはり少ない。例のブラジリアン・ファンタジスタがいないのも一抹の寂しさを覚える。 イニエスタが成長を見せたものの、デコのコンディションは全盛期を感じさせるものではない。エトーもシャビもそうだ。 ミリート、ザンブロッタ、アビダルは間違いなく世界トップクラスの選手だろうが、フィットしているとは言いがたい。アンリはその最たる例だろう。 第1戦でマンチェスター・Uにゴール前を固められて、スペースがなかったがそれでもボールを回していたバルサ。しかし得点には結びつけられなかった。そしてマンチェスター・Uが攻撃的になり、スペースがあるはずの今日も得点を挙げられない。 ■それぞれの攻撃の形 マンチェスター・Uが面白い攻撃の形を見せる。 左サイドのパク・チソンから、中央のテベスへ。そして前方にいるC・ロナウドをポストにする。パクが中央へ切れ込み、DFを引きつける。パクと入れ替わるように左のオープンスペースへテベスは動き、C・ロナウドからパスを受けて、半ばフリーの状態でシュートを放った。ここはGKバルテスに弾かれたが、3人で作った良い攻撃の形だった。 一方のバルサは、アビダルが度々、左サイドを突破するもののクロスの精度に欠け、ことごとく弾き返されてしまう。しかし考えると、サイドからの放り込みに慣れているであろうプレミア勢、しかもそのプレミアで失点が最も少ないチームに真っ向から立ち向かうのは無謀ではなかったか。 72分、メッシのスルーパスにシャビが反応するも追いつかずゴールラインを割る。「空中戦」ではなく、こういう「地上戦」を多く展開できれば良かったがマンチェスター・Uのディフェンスが堅すぎた。戻りも早く、チェックも早い。プレッシングも試合のほとんどの場面で効いていて、バルサのプジョル・ミリートのCBコンビのフィードの成功率は低かったように思える。 元アーセナルのティエリ・アンリが60分に、88分には元チェルシーのグジョンセンが入ったが、如何せん遅すぎたか。しかもこの2人がボールに触る機会が少なく、結果を出せというのが酷な話であった。 71分にボージャンが入り、88分シャビのロングパスにエリア内で受け、決定的なチャンスかと思われたが、ボールが足につかないのかトラップで手間取り、ブラウンのクリアに遭う。若さといっても仕方がない。 肝心のC・ロナウドはというと、ザンブロッタとファンデル主審のハードマークにあっていた。前向きに捉えれば、C・ロナウドが封じられても勝てるほど今のマンチェスター・Uが強かったとも言える。 マンチェスター・Uが虎の子の1点を守りきり、モスクワへの切符を手にした。 ■総括 バルサはこれで今シーズン無冠が決定した。ロナウジーニョやライカールト、デコなどが去る可能性が高く、ミラン同様に今夏チーム・監督に大ナタが振るわれることだろう。リーグ戦で何とかビジャレアルを抑えて2位を確保したいところだ。 マンチェスター・Uはプレミアリーグでチェルシー戦に敗北し、勝ち点で並ばれたが得失点差で優位に立っている。まだ余裕を持って戦えるはずだ。 チャンピオンズリーグ決勝では、リーグ戦の戦績を参考にすると対リヴァプールは2勝、対チェルシー戦は1勝1敗。しかしリヴァプールは欧州戦で「違う強さ」を見せるし実力通りには行かないだろう。チェルシーでの「1敗」は、今日を考えての戦力温存があった。今度は全力を挙げて勝負に挑むはずだ。 ルーニーとヴィディッチの欠場を忘れさせたマンチェスター・Uの強さと選手層。アンデルソンすら使わなかった。文句なしの2冠に向けてマンチェスター・Uが突き進む。
posted by batistuta |06:26 |
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