2008年04月23日
予想外の結末 リヴァプールvsチェルシー(CL Semi Final 1st leg)
チャンピオンズリーグ準決勝第1戦、リヴァプールvsチェルシーの試合がアンフィールドで行われた。 戦前にチェルシーのグラント監督が「1点を争う試合になるだろう」と予想した通り、拮抗した試合展開が続いた。均衡を破ったのはホームのリヴァプール。早いリスタートから右サイドへ展開、クロスを弾かれたがマスチェラーノが前線へ送り、詰めたカイトがゴールを決めた。 その後も両チームが好機を作り出すも堅い守りで防ぎ、1-0で終了と誰もが思った95分、左サイドからS・カルーが上げたクロスをクリアしようとしたリーセがオウンゴール。 あっけない結末、1-1で終了。予想外のアウェーゴールを手土産に、チェルシーは30日の第2戦を「リーグ戦80試合無敗」のスタンフォード・ブリッジで迎え撃つ。 ■プレビュー リヴァプール(以下、レッズ)は、リーグ戦でヒーピアが頭を打ち負傷交代。今日はベンチスタート。 ジェラードも首のケガで欠場していた。「首が右にしか曲がらないなら、左WGで起用しようか」というベニーテス監督が冗談を飛ばせる位、状態は悪くないようだ。ジェラードはスタメンで出場。 今日はアルベロア出場でスペイン総動員の巻。 GK ペペ・レイナ DF アルバロ・アルベロア ジェイミー・カラガー マルティン・スクルテル ファビオ・アウレリオ MF シャビ・アロンソ ハビエル・マスチェラーノ ディルク・カイト スティーヴン・ジェラード ライアン・バベル FW フェルナンド・トーレス アウェーのチェルシー。 GKツェフは、14日のウィガン戦から戦列に復帰している。練習中にベン・ハイムと衝突し、唇とアゴに負った50針の裂傷も、新たなプロテクターでしっかり保護。代わりに第2GKクディチーニがCLフェネルバフチェ戦で負傷しベンチ外。 ランパードは、母親が肺炎で入院し、看病のためリーグ2試合を欠場。容態が安定したため、戦列に戻ってきた。 マイケル・エッシェンはカード累積で出場停止。 GK ペトル・ツェフ DF パウロ・フェレイラ リカルド・カルバーリョ ジョン・テリー アシュリー・コール MF クロード・マケレレ ミヒャエル・バラック フランク・ランパード FW フロラン・マルダ ディディエ・ドログバ ジョー・コール ■光る堅守、CBコンビの貢献 8月19日のレッズホームは1-1。イエローカード合計10枚。 2月10日のチェルシーホームでは0-0。イエローカード合計5枚。 開始早々、ロングボールを受けようとしたドログバに対してのチャージに笛が吹かれ、チェルシーがFKを得た。この時、「今日の主審のジャッジは厳しいか?」と予想された。しかしファウル数合わせて36、イエローカードは1枚であった。 今日光ったのは、両チームのCBコンビだった。 レッズのスクルテルは今冬ロシアのゼニトからやってきたスロバキア代表CB。ダニエル・アッゲルの離脱、サミ・ヒューピアの衰えをしっかりと埋めている。カラガーと協力し、(ケガで不調だったとはいえ)ドログバをハードマークで封じることに成功した。 カルバーリョはチェルシーに加入して4年、テリーとコンビを組んでいると思われるが、フォアチェックとカヴァーリングの補完性はかなり高い。トーレスにほとんど仕事をさせず、存在を消した。 ■MOM ディルク・カイト そしてMan Of The Matchと言うべき活躍をしたのはディルク・カイト。EURO2008でメンバー選考から漏れているのが不思議だが、今日もレッズで豊富な運動量と献身性を見せた。自陣のゴールライン近くまで戻って守備をし、SBの逆の動きをしているのではないかと思わせる。 42分にレッズに先制点をもたらしたのもカイトの献身だった。 センターサークル近くでバベルがファウルをもらうと早いリスタート。右サイドのスペースに蹴り出し、抜け出したのはやはりカイト。クロスは弾かれたものの、こぼれ球を拾ったランパードをX・アロンソと協力してカイトが挟みこんでカット。そのこぼれ球をマスチェラーノがGKツェフとDFラインの間に「落とすような」パス。マケレレのカヴァーリングの動きを制して、カイトがシュート、ツェフの堅守を破った。 カイトはCLで5点目。インテル戦、アーセナル戦とも第1戦で決めているのが興味深いところだ。 ■ドログバの不調、ツェフの躍動 不調のドログバはいつもの迫力がない。試合中の接触でさらに痛めたようで、動きに精彩を欠く。しかしグラント監督はドログバを下げることなく、J・コールに代えてサロモン・カルー、バラックに代えてニコラ・アネルカをピッチに送り出す。 レッズは左SBに入っていたアウレリオが、接触のない状態で左の鼠径部(そけいぶ、内ももに近いところ)を痛めて、ヨン・アルネ・リーセと交代するトラブルが。そしてこの交代が運命を決めた。 ドログバが不調にあえぐ一方でGKツェフはキレていた。30分にライン裏を突いて抜け出したトーレス、お得意の左サイド45℃のGKとの1対1の場面だったが、「絶妙の間合い」に詰めたツェフの勝利。 84分には右サイドでカイトからボールをもらったジェラードが、ペナルティエリアに入ったところから強烈なミドルシュートを右上隅に狙うが、ツェフは左手一本でワンハンドセーブ! 追加点だけは許せないロスタイムの93分、左サイドからレッズのCK。ファーサイドにボールが流れ、フリーのトーレスにボールが渡り万事休すかと思われたが、ここにも立ち塞がるのはツェフ!コースをしっかり消した絶妙のポジショニングで失点を許さない。 ■「アンフィールド」×「準決勝」 = 「1-0」 04-05シーズンの準決勝、そして06-07シーズンの準決勝でもアンフィールドでは1-0というスコアだったこの対戦。その計算式は今日もその結果に終わるのか…。観客も、ベンチも、そしてピッチ上の選手もそう思っていたに違いない。 ロスタイムは4分。アネルカ投入後もさほどチャンスを作れない。得点の薫りがしないまま、1分、2分と時は刻まれる。 4分がすぎた。チェルシー、左サイドからのスローイン。「これが最後の攻撃…!」という必死さが見えていたわけでもなかった。レッズプレイヤーに囲まれたカルーがクロスを上げる。ドログバが詰める…といえるほどの距離も気持ちも近くなかった。 しかしアネルカにマンマークでついていたリーセが、ワンバウンドするくらい低いボールを足ではなく、ダイビングヘッドで処理した。微動だにできないGKレイナの横を突き刺したゴール。チェルシーゴールに向けられたかと見紛うほどのオウンゴールだった。 「何が起こったんだ?」混沌がアンフィールドを包んだ。狐につままれたような納得の行かない結末だった。1-1。思わぬ「プレゼントゴール」を得たチェルシー。 モウリーニョ政権から続く、リーグ戦80試合無敗という圧倒的な戦績のホーム、スタンフォード・ブリッジへアウェーゴールを持って戻れることになった。 ■週末の展望 一気に形成が有利になったように見えるチェルシーだが、週末のことを考えると頭が痛いだろう。35節終了時点で勝ち点3差の首位、マンチェスター・ユナイテッドとの天王山決戦を迎えるのだ。リーグ戦残るは3試合。この試合の負けはリーグ優勝からの負けも意味する。 「二兎を追うもの、一兎をも得ず」か。グラント監督は昨年のプレミア王者に、そして昨年のCLファイナリストに頭を悩ませ続けられる日々が続く。 その後は「解放という辞任」か、「栄光という続投」か。
posted by batistuta |06:49 |
UCL・UEFA CUP |
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