2008年03月23日

白昼夢の戦い ローマ、エンポリに辛勝

 セリエA第30節、スタディオ・オリンピコにてローマ対エンポリの試合が行われた。19位エンポリ相手にローマは苦戦。エンポリの若きスター、ジョヴィンコに脅かされ、ペロッタの退場と苦境に立たされたが、最後は2-1で何とか勝利。数時間後にイタリアダービーを迎える首位インテルを猛追する。

 ■プレビュー
 ホームのローマ。ミッドウィークのラツィオには逆転負けし、スクデットから一歩遠のいたがまだ諦めるには早い。
 フアンが怪我、メクセスとアクイラーニがカード累積で欠場。

 GK ドニ
 DF マルコ・カッセッティ
    クリスティアン・パヌッチ
    マッテオ・フェラーリ
    マックス・トネット
 MF ダニエレ・デ・ロッシ
    ダビド・ピサーロ
    マンシーニ
    シモーネ・ペロッタ
    リュドヴィク・ジュリ
 FW フランチェスコ・トッティ

 アウェーのエンポリは下から2番目の19位。セリエ下位はダンゴ状態のため、残留に向けてはまだ望みはある。勝ち点を少しでも欲しいところ。
 昨季2ケタ得点を挙げているエースFW、ルーカ・サウダーティが悪質ファウルのため出場停止中、FWニコーラ・ポッツィが怪我。ローマとは異なる、事実上の「ゼロトップ」となってしまった。
 注目はユヴェントスからのレンタル組、ジョヴィンコ、マルキージオ、ピッコロ。中でも注目はジョヴィンコ。イタリアU-21代表で、似たタイプにアレッサンドロ・デル・ピエロともジャンフランコ・ゾラとも例えられているらしい。

 GK ダヴィデ・バッシ
 DF フェリーチェ・ピッコロ
    リーノ・マルゾラッティ
    アンドレア・ラッジ
    ルーカ・アントニーニ
 MF イニャツィオ・アバーテ
    アントニオ・ブッシェ
    クラウディオ・マルキージオ
    アレッサンドロ・ブデル
    イグリ・ヴァンヌッキ
 FW セバスティアン・ジョヴィンコ 


 ■白昼夢の中にいたようなローマ
 15日にミラン戦、19日にラツィオとのローマダービーを戦い、疲れ果てていたようだ。強豪と死闘を繰り広げたことで、ローマはまるで夢の中で戦っているかのようだった。しかも雨。ベッドからも出たくなくなる。目覚まし時計になったのは、エンポリのファンタジスタ、ジョヴィンコだった。32分、寄せが甘いローマDFを無視して右足でシュートを放つと、次の瞬間にはローマゴールの右ポストを直撃していた。GKドニもただ見送るのみ。
 
 ローマもさすがに目が覚めたか逆襲。相手陣内を一気に攻め込むと、弾き返されてルーズボールをトネットがキープ。ペナルティエリア内にいるトッティに鋭い縦パスを送る。並みの選手なら弾いてしまいそうな速く強いパスだったが、しっかりと懐に収めたトッティ。トネットはパスを出してすぐにそのトッティの左へ走りこむ。トッティはDFを引きつけたままヒールパス。あっという間にトネットとGKとの1対1の状況になり、トネットは落ち着いてニアに蹴りこんだ。1-0!正に電光石火の早業だった。

 先制したものの、ローマはしっかりとは目が覚めていなかったようだ。49分にローマが攻め込んでいたところを逆襲、一気にカウンターに持ち込まれる。エンポリのアバーテが、右サイドを一気に駆け上がり中央へクロス。ジョヴィンコが難なく決めてみせた。1-1!ローマDFは完全に振り回されていた。

 雨のためにローマ自慢のパスサッカーができないのもあろうが、下位相手に対してやはりモチベーションが低かった。長いシーズン、全ての試合で同じモチベーションを保つのはやはり難しい。後半になってさらに雨が強くなる。同点にされても一向に調子が上がらないローマ。まるで目覚まし時計を止めて、再び眠りについたようだ。

 しかし56分に転換点が訪れた。ローマのCKを防ぎ、ボールを奪ったエンポリが一気呵成にカウンターを仕掛ける。起点のプレイヤーを潰そうとしたペロッタが足を引っ掛けてしまう。得点機にファウルを犯せばカードが出やすい…と覚悟はしていただろうが、主審が出したカードは赤かった。一発退場だった。そしてこのカードの色のように、ローマサポーターにも火がついた。サポーターも寝ていたかのように静かだったが、この退場をきっかけにブーイングが強く発せられるようになった。

 そしてこの審判へのプレッシャーがうまく作用した。左サイド深くへ突破したトネット。浅いタックルだったが、トネットが倒された瞬間にサポーターのブーイングがピッチを包む。FKを手に入れたローマ。FKキッカーはピサーロ、パヌッチが見事に頭で流し込んだ。2-1。頼れるベテラン、EURO2008予選のスコットランド戦での決勝弾を彷彿させるものだった。

 この得点を大事に守り、2-1でローマが逃げ切った。


 ■総括 血気盛ん、カードが多すぎるローマ

 ペロッタが退場し、10人になってからの方が動きが良くなったローマ。しかし集中力は取り戻せなかった。ルーズボールの時に、DFの「お見合い」でエンポリに突破を許すシーンがあったりもした。しかし運に助けられる場面もあり、何とか2-1で逃げ切ったのだった。

 今回はカードをよく出す審判というのもあったようだがデ・ロッシ、ヴュチニッチがカードをもらい、次節停止となってしまった。次節は最下位カリアリ戦、「どうせローテーションするから…」という考え方もできるが、カードの多さは不安材料である。

 あと感嘆させられたのはトッティ。強い雨で最悪のピッチコンディションながら、ボールコントロールの巧みさはフィールド上で輝きを放っていた。どんなパスが来ようとも足下でスッと止めて次のプレイに入れる。ヒールパスも冴え渡り、やはりトッティありきの攻撃を感じさせた。それだけに前半終了前に、痛めていた右膝を気にしていたのは少し気になる。

 エンポリに関してはやはりジョヴィンコが目立った。ユベントスからレンタルで修行中。高いセンスを感じさせる動きだった。何度もローマゴールに襲い掛かり得点も挙げた。レンタルバックで戻るにはユーベの選手層は厚すぎる。このままエンポリでの活躍を期待したい。それにはまず残留を目指さなければならない。


 同じ時間帯に行われたトリノvsミランは66分にパトが決めて0-1でミランが勝利。フィオレンティーナはラツィオを迎えて、76分にパッツィーニが決めて勝利した。GKはフレイが欠場したが、ヴラダ・アヴラモフがファインセーブを見せ完封した。4位争いが益々熾烈になりそうだ。

posted by batistuta |01:13 | セリエA | コメント(2) | トラックバック(0)
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白昼夢の戦い ローマ、エンポリに辛勝

初コメです。

細かく解説されててわかりやすいです。ローマファンなんですけど、カードの多さはCLも含めずっと気になってました…。インテルがこけたんでスクデット争いも熱くなってきましたね!!いよいよ背中見えてきました、頑張って欲しい

posted by フィリップ | 2008-03-23 19:33

Re:

フィリップさん、初書き込みありがとうございます。

細かく書きすぎて、長いという批評も頂きます。今後より良く書けるよう精進しますm(_ _)m

確かにローマはカード多いですね。不要なところでももらっている気がしますので、もう少し落ち着いてほしいとは思います。

インテルと4点差になりましたね。射程圏内ですので、気を抜かずやっていってほしいです。

posted by 管理人 | 2008-03-23 21:02

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