2008年06月26日

収穫 G大阪vs京都

 
 ガンバ大阪のACL出場のため延期されていたJリ-グ第11節、G大阪(8位)vs京都サンガ(12位)の試合が、万博記念競技場にて行われた。
 地力の差か、G大阪のペースで試合が進む。バレーが決めきれない時間が続いたが、54分に遠藤が決めてこれが決勝点に。
 0-1で敗れた京都だが、久し振りに次の試合が楽しみになる「収穫」の多い試合だった。


 ■プレビュー
 平島崇に関して情報不足のため分からないが、手島和希は負傷のためベンチ外に。大久保裕樹が今季初の出場にしてスタメン。
 注目の新加入選手、清水から来たフェルナンジーニョはベンチスタート。G大阪から移籍した水本裕貴は今週末の清水戦から出場可能、「昨日の友は今日の敵」とならなかった。

 GK 水谷 雄一
 DF 角田 誠
    増嶋 竜也
    大久保裕樹
    渡邉 大剛
 MF シジクレイ
    中山 博貴
    佐藤 勇人
 FW 柳沢 敦
    田原 豊
    徳重 隆明

 G大阪は、播戸が足首の捻挫により欠場。安田 理大はベンチスタート。

 GK 藤ヶ谷陽介 
 DF 加地 亮 
    中澤 聡太 
    山口 智 
    下平 匠 
 MF 橋本 英郎 
    明神 智和 
    遠藤 保仁 
    二川 孝広 
    ルーカス 
 FW バレー 


 ■襲い来る"縦"の脅威
 昨年のナビスコ王者であり、リーグでも最後まで優勝戦線に絡んでの3位であったG大阪。今季は厳しいACLの日程に苦しめられているため現在8位と奮わない。
 しかし、やはりこのG大阪のプレースタイルは観ていて面白い。今季の京都の試合を(TV放映がなかったナビスコを除いて)全て観てきたが、今のところ最も面白い対戦相手だった。

 前線のバレーは、ありきたりな言い方を承知で言えば、正に重戦車。何本も送られる後方からのパスに対して、寄せてくるDFにビクともせず前を向けるボディバランスはやはり魅力だ。そんなバレーに絡むのはFC東京から来たルーカス。自らもシュートを狙いつつ、スペースメイキングや繋ぎのために下がるなど献身的な動きには頭が下がる。
 この2人に二川と遠藤が、常にパスを狙う。G大阪サポには「ワクワク」、対戦相手サポには「ハラハラ」である。これは決められても仕方がない、むしろ嬉しいかも、という複雑な境地にまで至った。

 最高のお膳立てをしてもらっているにも関わらず、決め切れなかったのがバレーだ。全て決められたら0-3とか0-5で京都が負けているんじゃないだろうか、と思ったほどだ。EUROでのルーカ・トーニを彷彿させる位に、決定機を外す。
 もちろん京都のDFも奮起していた。中でも今季初出場で、バレーのマンマークについていた大久保のプレッシャーやいかに。GK水谷と1vs1になりかけたところを、スライディングでクリアしたり、身体を寄せたりしていた。初出場という点で言えば、及第点だろう。

 G大阪ユース上がりで安田の一つ下の左サイドバック、下平。下平の攻め上がりも見事で、39分には角田を振り切りクロスを上げ、バレーにチャンスを与えた。8つ年上の加地も巧みなアーリークロスを見せ、両サイドから京都ゴールを脅かす。

 終始、試合の主導権を握ったのはG大阪。
 54分に二川が、京都の選手に囲まれながらも粘り、ペナルティーアークにいるルーカスへ。その様子を窺いながら、前線へスルスルッと上がっていた遠藤。ルーカスはそれを見逃さず、二川のパスをつま先で背面方向にダイレクトパス。遠藤はGKの動きをしっかりと読み、コースへ流し込んだ。
 この1点が決勝点となった。
 

 ■悪くなかった京都
 ……とここまで書くと、京都がボロボロだったかのように見えるがそうでもない。中断前にはなかった「期待感」があったのだ。
 
 開始して5分までに2つほどG大阪ゴールに迫る場面があった。その後、押し込まれる時間帯だったが14分、G大阪のCKをクリアするとそのままカウンターに持ち込む京都。前線から自陣まで戻った柳沢が右サイドに張りポストプレー、角田が柳沢を使ってワンツーで抜け出し、さらに前で右サイドに張っていた中山ともワンツーを使って、ゴールエリアでGKと1vs1になる。隅を狙ったが、ゴール左へ惜しくも外れた。これを決め切れない辺りが遠藤との差か。
 出番の少ない角田だが、元はセンターバックにも関わらず、右サイドハーフや右サイドバックで面白いプレーを見せる。個人的に好きな選手である。

 そしてそのすぐ後、自陣の左サイドから大剛が勇人を使ってワンツーで抜け出したり、柳沢や中山がサイドへ張り出したりと、前半は京都がサイドを上手く使う場面が多かった。預けてタッチ&ゴーを繰り返せば、大剛もゴール前でシュートを放ったりする。途中で中谷を入れたにも関わらず、大剛を左SHに上げずにそのまま左サイドバックに残したのも、その方が攻撃に厚みが出ると、加藤監督は考えたのではないか(実際には、後半の大剛の攻め上がりが少なかったが)
 
 フェルナンジーニョの加入でポジションを脅かされるであろう徳重は、今日は何度もウラを突くプレーを見せた。残念ながらそのほとんど(全て?)がオフサイドではあったが、パサーと呼吸が合えば面白くなる。3トップの柳沢が右に張り、田原が少し右に流れれば左から中央にかけてスペースが出来る。そういう突き方をすれば、また面白そうだ。

 さて58分に入ったフェルナンジーニョ。185cm田原と交代。161cmというJリーグ登録選手最小だが…本当に小さい。
 しかしこのフェルナンジーニョ、やはり凄かった。コーナーキックやフリーキックのプレースキックに関して「上手い」とか「定評がある」とか言われている徳重や林と比べて、レベルの違いを感じさせる(両選手を貶める意図はありません、あしからず)。
 京都にセットプレーでの得点が少ないということは、中断中の「まとめ」で記したが、これは今後の大きな武器になるかもしれない。増嶋のロングスローをGK藤ヶ谷が処理をミスしてCKになった場面があったが、こういう合わせ技も期待できる。
 その後は遠目のFKで、ゴール前の増嶋に放り込む場面があった。通常の流れているプレーでは連携が必要だが、セットプレーでの連携プレーは比較的早く構築できるのではないだろうか。
 高さのあるシジクレイや田原がいるのだから、CKで直接合わせて…という場面に期待したい。

 こういう精度の高いパスを目の当たりにした後では、アタリバのパスの稚拙さが浮き彫りになってしまう。調子が良い時は面白いパスを出したりするが、如何せん不安定である。ガンバレ、アタリバ。


 ■総括 と言うより次戦に向けて
 おそらく連携面を考えてフェルナンジーニョを途中交代で入れた加藤監督。試合後のコメント:

>中盤前めの選手をサイドに開いてプレーさせていたので、相手に中盤でパスを繋がれてしまいました。後半にポジションを修正して、相手の中盤の厚みに対して抵抗できるような形に変えました。
 
 とある。しかし流れの中でチャンスを作れていたのは前半だと感じた。それはやはり「得点を狙いに行く上でリスクを犯しているから」であり、サイドを起点にすることでピッチを広く使い攻撃できていたと思う。大剛と角田の両サイドバックの上がりで厚みをもたらすこともできていた。
 徳重を中谷に変えたことで逆にバランスが崩れてしまい、後半はフェルナンジーニョのプレースキックでしかチャンスを作れなかった印象がある。そしてそのセットプレーのクロスボールの先には田原と交代してしまい、そこにはいない…と。

 守備に関しては、再び手前味噌で申し訳ないが、「ボランチ・シジクレイ」が当たっていると思われる。ただでさえ、縦を何度も通されたG大阪の攻撃に、シジクレイをCBに起用していたら悲惨な結果だったかもしれない。大久保起用はリスキーではなかった(もちろん健康ならば手島がベストだろうが)。
 時に4バックの前での壁に、横から崩された時は空中戦で守るシジクレイ。奪い返してからの散らし・展開も悪くない。巨漢だが、懐深いボールキープを見せてくれる。

 後半はフェルナンジーニョと交代で田原を下げた後に、柳沢が負傷退場するというアクシデントに見舞われてしまった。1点を取って引いて守ってしまっているG大阪を、加入したてで小柄なフェルナンジーニョのワントップで崩すのは容易ではない。
 サイドを崩したところで、クロスに合わせられる選手が少ない。失点後のあの流れでは、負けも仕方ないと言える。

 ただ、光があった。


 ◆水本加入
 さて世間で(特に古巣の千葉、G大阪)とやかく言われている水本。京都も今冬の大量補強に加えて、ここでフェルナンジーニョ・水本を補強と「今季の京都は、読売ジャイアンツみたい」との声もあるようで…
 また水本のG大阪退団が「北京五輪のために出場機会を求めての退団」(新聞報道であり、事実かは分からないが…)とあるが考えれば柳沢も同じ理由(出場機会)であり、水本はただただ時期が悪かった。実際は京都が開幕前から狙っていたというが…

 しかし、水本がこれまでの補強選手と比べて明らかに異なるのが「若さ」だ。梅本社長も、そして加藤監督も、水本の将来性を含めて大きな期待を寄せているだろう。京都ではスタメンを死守するくらいに活躍してほしいし、ずっと京都でやっていってほしいもの。
 あまり穏やかではない移籍だったため、他のクラブだけではなく「いきなり背番号8をつけた水本」に対して、懐疑的な目を向ける京都サポーターもいるのも事実。認めさせるには水本自身がピッチで証明するしかない。サンガの一員に相応しく、北京でもDFの要として活躍できるということを。
 厳しいが、プロは結果が全て。サンガの当面の目標は、結局J1残留になりそうだ(開幕してしばらくは「上位進出」という夢を見れたが…)。その目標達成にフェルナンジーニョと水本が大きな力となってくれることに期待である。

posted by batistuta |00:12 | 京都サンガ | コメント(7) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
収穫 G大阪vs京都

一昔前の中古車買い取りセンター的な補強とうって変わって、今年の補強は的確かつ効率的な補強になってますよね。シジの使い方もはまってるし!

ヤットがOA枠でオリンピック代表に選ばれるらしいので、
…水本君!しっかりやんなはれ!(そりゃガンバ戦でのブーイングは避けられないでしょうが)

posted by ガンバサポの京都人 | 2008-06-26 03:02

収穫 G大阪vs京都

スタメンの欄で大久保じゃなくて手島になってます
ちょっと混乱した

posted by サポ | 2008-06-26 10:58

Re:

書き込み有難う御座います。

ガンバサポの京都人さん<
かつては「読売パープルサンガ」とか呼ばれてましたしね…(ご存知の通り、ラモスとかカズとか藤吉とか…)
適材適所の補強が出来ていると思います。

遠藤の五輪選抜は少し酷に感じます…リーグ、ナビスコ、ACL、五輪、A代表…もう少し大事にしてほしいですね。
あの懐の深いボールキープは観ていて楽しいです。京都に戻ってきてほしいくらいで(苦笑)
水本も頑張るしかないですね。

サポさん<
ご指摘有難う御座います。以前の試合のメンバー表を流用して使ったものです。修正させていただきます、有難う御座いました。

posted by 管理人 | 2008-06-26 12:45

収穫 G大阪vs京都

負けてしまいましたね。
残念無念です。

やっぱり相手は一枚上手でしたね。
もしかしたら、中断期間中に劇的な改善がされてるとか期待したのですが、淡い期待でした。

でも、ガンバ相手に勇敢に戦ってましたね。
そういう姿が見れただけで私は十分かなとか思いました。

以前にコメントさせてもらったときに、シジはCBがいいみたいな事を書きましたけど、管理人さんの言うとおり、やっぱり今のサンガにはボランチ起用がはまってますね。
相手のチャンスの芽を摘み取りまくってました。

水本加入でCBもさらに激戦区になりますね。
楽しみが増えました。
誰が定着するでしょうね。常に競争でしょうか。

さて次は、順位で下にいるエスパルスです。
何が何でも、勝ち点をとって帰ってきて欲しいですね。
相手も下位にいるから必死でくるでしょうね。
大事な一戦ですね。

posted by ンガさぽ | 2008-06-26 14:29

収穫 G大阪vs京都

プレスが弱い。
もっとチーム全体で連動して相手にサッカーをさせない積極的な守備はできないのか。
ガンバの選手たちは相手のプレーの選択肢を少なくする守備が上手かった。
あれを見習いたいもの。

攻撃の形も乏しい。
サイドの崩しも、FWにあててからの攻撃も全然つながらない。
サポートへの動きが少ない。
もう一人の動き出しがあれば、もっと崩せるシーンがあったと思う。
出し手と受け手の関係で手詰まりになるシーンが多かった。

中盤で勇人とか中山がルックアップして危険なパスを出すシーンはほとんどなかった。
もっと前線の選手を含めて動き回れって言いたい。
そういう戦術かもしれないけど、自分の小さな持ち場だけでプレーしているようにしか見えない。

ガンバ位のチームを相手にしたら、単調な攻撃は通用しない。
カウンター一発とセットプレーぐらいしか光がないのは寂しい。

今年は残留が目標かもしれない。
では、来年は?
上を目指すサッカーを追及して欲しい。
今年から上を狙おう。

補強だけじゃなくて、今いるメンバーのレベルアップが大事だと思う。

それと、相変わらずスローインで停滞してる。
もっと判断を速くして動いて欲しい。

一朝一夕には無理だってことはよくわかってる。
でもよりいいサッカーを求めていきたい。
バモス!サンガ!!

posted by 上を狙おう | 2008-06-26 18:25

収穫 G大阪vs京都

いや 前半 見事なカウンターにおける角田の抜け出しには、びっくり。かつ、してやったりと思ったけどね。
あそこで 点決められるかどうかで、上位から勝ち点とれるかどうかの境目のような気がします。

管理人さん、昨年まで吹田で仕事していた関係で、万博にはよく足運びました。最近になって、ガンバの遠藤と代表の遠藤の役割がかぶるようになってきましたね。
ガンバ4人の中盤は、西野監督の芸術作品ていっていいほど美しい。バランス良いし、見てて「そこに居たか」「そのパス通すか」て驚きの連続です。
五輪代表でそのパスワーク期待しているのは反町監督かもしれませんが、五輪選手のなかで、二川の技術、橋本のバランス、明神の守備力、この辺の担保がないと遠藤は五輪では輝けないような気がします。(因みに代表では、松井の技術、俊輔のバランス、啓太の守備力が遠藤シフトと勝手に思っています)

で、サンガですが。
昨日はFW陣にもう少し頑張って欲しかったですね。
攻撃的がガンバに、加藤監督望む「堅守速攻」がハマる相手であったし、管理人さんと同様、守備陣が粘り強く対応していたので、尚更、田原には全線でガムシャラにキープする姿が見たかったな。

いずれにしても 清水戦でアウェーといえども結果を持ち帰ってきて欲しい。と願うこの頃。
いつも 〆コメントはこんな感じで申し訳ございません。

posted by みやじゅん | 2008-06-26 22:56

Re:

ンガさぽさん、上を狙おうさん、みやじゅんさん<
アツい書き込み有難う御座います!

掲示板によっては「ガンバ戦のサンガは全然ダメだった」というところもありましたが、角田の突破や、サイドを使ったワンツーなど少ないながらも見せ場はありました。

G大阪の素晴らしさを思い知らされたと同時に、京都サンガも早く強くなってほしい…そんな気持ちになりますね。時に厳しく批判も必要でしょう!

次の清水戦は水本が参戦。フェルみたいにベンチスタートか?そして古巣相手に森岡の出場なるか?フェルはハナから出るのか?興味がつきないですね、もう明日になりますけど。

そして皆さんの書き込みを見て、少し面白い記事を考えました。それはまたEURO終了後にアップします。

posted by 管理人 | 2008-06-27 22:11

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