2008年06月19日

皇帝出現? ロシアvsスウェーデン

 
 EURO2008の第3戦、グループD・ロシアvsスウェーデンの試合がシュタディオン・ティヴォリ・ノイにて行われた。
 ロシアはアルシャヴィンが帰ってきたことで、見違える動きになった。ベテラン揃いのスウェーデン相手に終始ゲームを支配。24分に右サイドからの崩しでパフリュチェンコがゴール。
 後半50分にはアルシャヴィンがゴールを決めた。その後は自陣に引きこもることなく、バランスを保ち続けスウェーデンにつけいるスキを与えない上に、鋭いカウンターで何度もスウェーデンゴールを脅かした。
 ロシアが2-0で快勝し決勝トーナメント進出を決めた。


 ■プレビュー
 ロシアは、出場停止となっていた司令塔アルシャヴィンが、3試合目にしてようやく帰ってきた。

 GK イゴール・アキンフェーエフ
 DF ユーリ・ジルコフ
    セルゲイ・イグナシェヴィッチ
    デニス・コロディン
    アレクサンダー・アニュコフ
 MF セルゲイ・セマク
    ディニヤル・ビリャレトディノフ
    イゴール・セムショフ
    コンスタンティン・ジリアノフ
    アンドレイ・アルシャヴィン
 FW ロマン・パフリュチェンコ

 スウェーデンは第2戦と全く同じ布陣・システムで臨む。
 GK アンドレアス・イサクソン
 DF ミカエル・ニルソン
    ペテル・ハンソン
    オロフ・メルベリ
    フレデリック・ストール
 MF フレデリック・リュングベリ
    アンデシュ・スベンション
    ダニエル・アンデション
    ヨハン・エルマンデル
 FW ヘンリク・ラーション
    ズラタン・イブラヒモヴィッチ

 ■前半
 開始早々、イブラヒモヴィッチが魅せる。
 右サイドからストールがロングスロー。競ったイブラヒモヴィッチが、獣神サンダーライガーばりの浴びせ蹴り。テコンドー有段者の足が、イグナシェヴィッチの側頭部を襲った。審判によってはカードが出そうな危険なプレーだったが、お咎めなし。おそらく新日派なのだろう(最後に注意書きがあります)


 勝利しか許されないロシアが、引き分け以上でOKのスウェーデンを相手に攻め立てる。中でも出場停止となっていたアルシャヴィンが今大会初登場。一人いるだけでここまで変わるのかというくらい、チームの勢いが変わっていた。
 15分前後にも鮮やかなパス交換を見せていたロシア、24分の得点シーンも素晴らしい崩しだった。右に張っていたジリアノフが後ろのイグナシェヴィッチへ戻し、イグナシェヴィッチは右前方のスペースへ。オーバーラップしていたアニュコフから、ニアへ飛び込んだジリアノフへショートパス。メルベリがカヴァーに来たところをすかさず横パス、フリーになったパフリュチェンコが決めた!
 この後にもパフリュチェンコのシュートがクロスバーに当てるなど、前半で14本のシュート、枠内5本とロシアが試合の主導権を握った。

 スウェーデンは失点直後に、ニルソンのクロスボールを頭で流してクロスバーに当てたラーションのシュート、前半残り10分で2度ほど、パスで大きな崩しを見せたスウェーデンが後半の巻き返しに期待をつなげる。


 ■後半
 スカパー!実況によると、ロシアの目の前には人参がブラ下がっているらしい。決勝トーナメントに勝ち上がるとチーム700万ユーロ(11億7000万円)、一人あたり5000万円支給されるとのこと。ゼニトスポンサーにもなっているガスプロムあたりが出すのだろうか。

 スウェーデンの反撃が始まるかと思われたが、後半になっても依然としてロシアペースだった。そうこうしているうちに、ロシアはジルコフとアルシャヴィンの2人がスルーパスに抜け出し、最後はアルシャヴィンがシュート。ロシアに追加点をもたらした。

 D・アンデションに代えてキム・シェルストレム、左SBニルソンに代えてFWマルクスアルベックと、攻撃のカードを切るスウェーデン。しかしロシアは自陣に引きこもることなく、パフリュチェンコとアルシャヴィンを前線に残しつつ、丁寧にスペースを消し、クロスボールを処理していく。

 ロシアは、スウェーデンのニルソンが抜けた穴、ロシアから見た前方右サイドのスペースをきっちりと突いてカウンターに持ち込む。
 幾度となくパフリュチェンコとアルシャヴィンが外して、スウェーデンにも望みは繋がっていたが、光陰矢の如し。スウェーデンが反撃の狼煙を上げることすらできず、2-0でロシアが快勝した。


 ■総括
 スウェーデンの敗退のポイントは、やはり右サイド。
 大会中に、サイドハーフのクリスティアン・ヴィルヘルムソン、サイドハーフとサイドバックを高いレベルでこなせるベテランのニクラス・アレクサンデションが離脱、大きな痛手となってしまった。代わりに右SHに入ったヨハン・エルマンデルは、188cmのポストプレーヤーでありストライカー。右SHが本職のセバスティアン・ラーションは、今の実力では無理とラガーベック監督が判断したのかもしれない。

 地味だが、中盤の底で豊富な運動量でスウェーデンの堅守を支えるトビアス・リンデロースも、結局復帰できずじまい。
 開幕の2戦でゴールを決めたイブラヒモヴィッチも、膝に爆弾を抱えたままでの1試合フル出場はキツそうであった。

 スウェーデンは日韓W杯、EURO04、ドイツW杯と手堅くグループリーグを勝ち抜いてきたが、ここでストップしてしまった。
 高齢化が進んでしまっているチーム、2010年W杯予選に向けて課題は多いようだ。


 さてロシア。どちらかというとスウェーデンファンの自分だが、UEFAカップのゼニトの快進撃を目撃しただけに注目していた。
 そのゼニトを支えたアルシャヴィン、ジリアノフ、アニュコフ。UEFAカップ得点王のパヴェル・ポグレブニャクもここに加わる予定だったが、大会前に左ひざ半月板を損傷し絶望に。アルシャヴィンとパフリュチェンコの相性の良さに加えて、2トップの「もう一人」にポグレブニャクがいたら…と思うと恐ろしい。

 短期間でチームを強くするヒディンク・マジックは、開幕の2戦では効能はあまり見えなかった。しかしこの試合でパス交換による鮮やかな崩しで、何度も好機を作り出しスウェーデンゴールを脅かした。堅守を誇るスウェーデンを相手に、だ。
 そのヒディンクのキープレーヤーは、アルシャヴィンだった。
 「素早い判断でチャンスをつくる選手だ。左右を見た瞬間、どこに相手選手がいるのかを察知する。実戦での体力が足りなかったが、決定的な役割を果たす可能性があるので代表に招集した。最初から、(グループD)最終戦での活躍を期待していた」
 と試合後にコメントしている。

 そして「スウェーデンは、2トップが背中をDFに向けた形でプレーするチームを得意にするが、最終ラインのすこし下を攻撃されるのは苦手にしている」としっかり相手の弱点を突いての、戦略的な勝利でもあった。

 そんなフース・ヒディンクの決勝トーナメントの最初の相手は、今大会最多の9得点・1失点でグループリーグ最高の成績を残している絶好調のオランダだ。周知の通り、ヒディンクはオランダ出身。国歌斉唱の時にどのような思いが去来するのか。
 (余談だが、アーセナルのアルセーヌ・ヴェンゲル監督が代表監督をやらないのは、自国と当たることを想像するととてもじゃないができやしない、ということらしい。フランス代表はやらないのだろうか)

 母国の戦力を知り尽くしているであろうヒディンクが、どのような手を打ってくるか?


 (※注意書き)
 冒頭のイブラヒモヴィッチのプレーにつきまして。

1.テコンドーは韓国の格闘技。イブラはテコンドーの有段者です。
2.イブラはボスニア人の父、クロアチア人の母のハーフです。 
3.獣神サンダーライガーは、新日本プロレスの覆面レスラーです。
4.ちなみに正確には「浴びせ蹴り」は骨法の技です。
5.猪木の新日本プロレス、馬場の全日本プロレスと2大人気プロレス団体があり、支持層が「新日派」「全日派」と分かれたりしました。「親日」とは意味合いが異なります。
6.もちろん審判は新日本プロレスを知らないでしょう。
7.でもアレッサンドロ・デル・ピエロは新日派だったりします(Wikipediaのアレックスの項を参照)

 軽い気持ちで書いたジョークを「こういう意味なんだよ」と説明するのは恥ずかしいです…。いかにプロレスが廃れたかが分かりますね。


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posted by batistuta |09:21 | EURO2008 | コメント(10) | トラックバック(0)
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皇帝出現? ロシアvsスウェーデン

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イブラヒモビッチが日本人だなんて信じられません。

posted by ロロロ | 2008-06-19 10:57

皇帝出現? ロシアvsスウェーデン

コメント投稿者ID :

それとも、テコンドーが日本のスポーツとでも思っているのでは?

posted by リリリ | 2008-06-19 11:26

皇帝出現? ロシアvsスウェーデン

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サンダーライガーが新日本プロレスだからだよ!!

posted by ハハハ | 2008-06-19 11:41

皇帝出現? ロシアvsスウェーデン

コメント投稿者ID :

親しいでなく新しい日本

posted by るー | 2008-06-19 12:49

皇帝出現? ロシアvsスウェーデン

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アルシャービン!アルシャービン(><)ノ

本当のロシアの怖さを見せるのはオランダ戦とスペイン戦だ。

スペインはイタリアに勝てるか・・・?

posted by マスカウ | 2008-06-19 13:10

皇帝出現? ロシアvsスウェーデン

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最初は「親日派」だったよ。」

posted by ルルル | 2008-06-19 13:51

Re:

コメント投稿者ID :

皆様、書き込み有難う御座います。

本文最後に(※注意書き)として、説明を載せました。
宜しくお願いします。

posted by 管理人 | 2008-06-19 20:08

皇帝出現? ロシアvsスウェーデン

コメント投稿者ID :

この試合のロシアと対フランス戦のオランダを、1953年のハンガリーと比較する。そんな切り口でのご講評はいかがでしょうか?

posted by コリバノフ | 2008-06-20 06:19

Re:

コメント投稿者ID :

コリバノフさん<
書き込み有難う御座います。

非常に興味深いご提案ではありますが、現在は時間的にイッパイイッパイです。また付け焼刃で1953年のハンガリー状況を知ったところで、内容の薄いものになってしまうという危惧があります。

旧共産主義権サッカーと現在のロシアとの比較は面白そうですね。コリバノフさんのオランダvsロシア戦の記事を楽しみにしております。

posted by 管理人 | 2008-06-20 13:10

皇帝出現? ロシアvsスウェーデン

コメント投稿者ID :

ありがとうございます。
ご回答いただけたのはこちらとsameさんのみで、ほかは梨のつぶてです・・・

では、杉山茂樹氏の新書「4-2-3-1」を論じる、なんていう企画をお願いできませんか。まったく読んでないので楽しみです。
なんとなく想像するのは人並べ論ですが、わたしはそれを昨今の特徴的流行にすぎないと感じています。しかし、あまりにもてはやされたために、サッカーの方が近寄ってしまったな、と。

イングランド対ハンガリーもそうした切り口で考察されもしますよ。
休憩期間中に、あの試合をフォーメーション観点で楽しむのもいいかもしれません。

一番、おめでとうございました。

posted by コリバノフ | 2008-06-21 08:24

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