2008年06月18日

贅沢な控え オランダvsルーマニア

 
 EURO2008の第3戦、グループC・オランダvsルーマニアの試合が、スタッド・ドゥ・スイス・ヴァンクドルフにて行われた。
 首位通過を決めているオランダは主力温存、ルーマニアは勝てば文句なしで決勝トーナメント進出。
 ルーマニアは多くのチャンスを得るも決めきれず。先制点を得るためにもがいていたが、他会場から飛び込んで来るのは「イタリア先制+フランスのアビダル退場」の報。ルーマニアは引き分けても、イタリアが勝てば決勝トーナメント進出はならない。
 結局54分にフンテラールが決めてオランダ先制。交代でも流れは変わらず、87分にファン・ペルシーに追加点を決められてしまった。
 オランダが3戦全勝、総得点9と爆発的な攻撃力を見せつけた。


 ■プレビュー
 オランダは当然、主力の温存。しかしケガ明けのロッベンとファン・ペルシー、クラブであまり出番のなかったブラルーズは実戦で慣らすようだ。
 オランダ年間最優秀選手に選ばれつつも、戦術上の理由で出番の少なかったハイティンハがキャプテンマークを巻いてスタメン入り。
 そして今シーズン、アヤックスで34試合33得点という驚異の得点率でオランダリーグ得点王に輝いたFW、クラース・ヤン・フンテラールが1トップ起用。

 GK マールテン・ステケレンブルク
 DF ティム・デ・クレル
    ヴィルフレド・ボウマ
    ヨニー・ハイティンハ
    ハリド・ブラルーズ
 MF オルランド・エンヘラール
    デミ・デ・ゼーウ
    アルイェン・ロッベン
    ロビン・ファン・ペルシー
    イブラヒム・アフェライ
 FW クラース・ヤン・フンテラール

 ルーマニアはオランダとのEURO予選で、ホームで得点を挙げたCBドリン・ゴイアンが警告累積のため出場停止。
 予選でチーム2位の得点を決めたチプリアン・マリカの出番がなかったのは、コンディション不良か?

 GK ボグダン・ロボンツ
 DF ラスヴァン・ラツ
    ソリン・ギオネア
    ガブリエル・タマシュ
    コズミン・コントラ
 MF クリスティアン・キヴ
    パウル・コドレア
    ラズヴァン・コチシュ
 FW アドリアン・ムトゥ
    マリウス・ニクラエ
    バネル・ニコリタ


 ■前半
 メンバーを落としたといっても、さすがの選手層のオランダ。前半はほぼ互角といっていい内容だった。
 ルーマニアはムトゥが、エリア内でターンしてシュート。これは難しい体勢と角度だった。前半終了間際、ムトゥがタメている左をラツがオーバーラップ、ラツがボールを受けゴールライン近くからマイナスのクロス。飛び込んだコドレアのシュートは、抑えが利いていなかった。

 オランダはフンテラールが攻撃によく絡む。
 中央のアフェライから右スペースに上がったブラルーズ、マイナスのクロスにフンテラールがワンタッチで合わすもフカしてしまう。
 35分には左45度からデ・ゼーウがポストのフンテラールに預けると、左からロッベンが動き出しボールをもらう。GKロボンツの横を軽く抜くシュートを放ったが、ほんの少し左に外れてしまった。

 同時刻開催の他会場のフランスvsイタリアは、25分に「イタリア先制+フランスのアビダル退場」という展開。スタジアムのヴィジョンにも出ていただろうし、電話をしている観客は途中経過を確認してざわつく。
 
 
 ■後半
 イタリアが勝てば、ルーマニアは引き分けではアウト。決めきれない前半。
 後半は、いきなりオランダが仕掛けた。
 48分、最終ラインのハイティンハがロングフィード。これがエリア、GKロボンツが飛び出せない絶妙なところへ送られ、ファン・ペルシーがコントロールした。DFがカヴァーに来たが巧みにかわしシュート、しかしGKロボンツが近距離ながらしっかり反応して、ゴールを割らせない。

 GKロボンツはディナモ・ブカレスト在籍の29歳。以前、アヤックスやフィオレンティーナで活躍したが、このグループCの3戦でのセービングを見たビッグクラブのスカウトたちが動き出すかもしれない。

 試合に戻る。
 54分、試合が動いた。ロッベンがハーフラインから左サイドをドリブル、まるで将棋の香車のように大胆に縦を突破する。あっという間にゴール近くに迫ってクロス、これは誰もさわれず右サイドに流れる。これを拾ったアフェライがクロス、エンヘラールがスルーした難しいボールを、エール・ディヴィジの得点王がゴール。フンテラールは軽く左足で合わせて、横からのクロスボールの進行方向を90度変えた。

 先制したオランダ、ベテランのブラルーズを下げて今大会初登場のマリオ・メルヒオットを右SBに投入。さらにロッベンとディルク・カイトを交代。このメルヒオットとカイトの縦の関係が良く、右サイドの攻撃の起点となっていた。

 今のオランダに追いついても勝ち越せない――そんな諦めの気持ちがあったか、ルーマニアに元気がない。観客席から「マリカコール」が起こっても登場することはなかった。

 そして87分、デ・ゼーウのダイアゴナルフィードが、前線のファン・ペルシーへ。胸トラップから体勢を整えて、豪快に左足を振り抜いた。オランダ追加点、ルーマニアに止めを刺す。グループリーグ9得点目、圧倒的な攻撃力は最後まで健在だった。

 しかしこの試合で最も印象的だったのは、80分の主審のマッシモ・ブサッカさんの柔らかいトラップだったりする。


 ■総括
 死のグループC、ルーマニアがかき回すとは思っていたが、初戦でスコアレスドローに持ち込まれたフランスが見事に泥沼化した(ルーマニアでなくとも泥沼化する気がしないでもないが)。
 ルーマニアは健闘したが、得点はイタリア戦のザンブロッタのパスミスを奪った1点のみ。ムトゥ頼みの得点力不足は解消できず、元世界王者2国と引き分けながらも涙をのむことになった。

 オランダは前評判はイタリア、フランスに比べて高くなかったが、内容・結果ともに全チームで最高のものを見せたと思う。準々決勝の相手は、ロシアとスウェーデンの勝者。相手に合わせた戦術的な先発を組むか、調子の良い選手で組むか。この第3戦の控え組の奮闘を観る限り、贅沢な悩みだろう。

 しかし「必ずしも良いサッカーが勝つとは限らない」という某監督の言葉にあるように、オランダやスペイン、クロアチアが良いサッカーを見せている=優勝とは限らない。ましてやイタリアが残ってしまった。準決勝で再び当たった時は…
 

posted by batistuta |11:10 | EURO2008 | コメント(5) | トラックバック(0)
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贅沢な控え オランダvsルーマニア

オランダは「決めるべき人」がきめてますね。特に両ウィング!!!個人的にはロッベンの方が活躍していると思います。試合見てると、ファン・ぺルシーはやや大胆さに欠けると思ったので。
皆さんはどう思いますか?

posted by るーにー | 2008-06-18 15:36

贅沢な控え オランダvsルーマニア

いやぁ、ファン・ペルシー・・・いいですよw
長い距離を走ってフィニッシュの場面に現れる素晴らしいストライカーだと思います。

しかしオランダの前線の決定率は脅威ですね。

posted by ワロスw | 2008-06-18 16:26

贅沢な控え オランダvsルーマニア

ステレケンブルクもアヤックスの正GKですね.......着実に後釜も育ってますね。

 フンテラールも名を上げて少しでも良いクラブに行きたいところです。

posted by Gタタキ | 2008-06-18 19:01

贅沢な控え オランダvsルーマニア

ターンオーバーしても落ちない戦力、3試合で9得点!この勢いならベスト4は間違いないと…ただ、おいらも心配してしまうのがイタリアが残ってしまったこと!

posted by たけやん | 2008-06-18 22:02

Re:

皆様、書き込み有難う御座います。

るーにーさん<
ファン・ペルシー、ロッベンは病み上がりとは思えませんね。

ワロスwさん<
>オランダの前線の決定率
<イタリアと比べると泣けてきます。

Gタタキさん<
フンテラールを控えにできるところが凄いですよね。WGにしても余ってるくらいの印象を受けますし。
DFも開幕前に言われているほど悪くないようですし。

たけやんさん<
イタリアがスペインに勝つようだと、さらに不気味さが増しそうですね。

posted by 管理人 | 2008-06-19 10:11

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