2008年06月12日

大航海時代 チェコvsポルトガル

 
 EURO2008の第2戦、グループA・チェコvsポルトガルの試合がスタッド・ドゥ・ジュネーブにて行われた。
 8分にC・ロナウドがN・ゴメスとワンツーで抜け出し、GKツェフが飛び出すがルーズボールをデコが押し込んでポルトガル先制。しかし17分に右CKから、シオンコがヘディングでゴールに突き刺しチェコが同点に持込む。前半は激しい競り合い、グループリーグ首位通過を向けて両チームが鎬をけずる。
 62分、チェコの壁がポルトガルの行く手を阻むが、右サイドで完全にフリーになっていたデコへ。デコのクロスに完璧なシュートを決めたのはC・ロナウド!今大会の主役と目される男が大会初ゴール。
 その後のチェコはヴルチェク、コレル、ヤロリムと攻撃のカードを切り続けるが、得点には結び付られない。そしてロスタイムでポルトガルは、同点を狙い前がかりになるチェコのスペースをついた早いリスタート。GKと2vs1の状況をC・ロナウドからクアレスマ、簡単に決めてジ・エンド。
 3-1でポルトガルが快勝した。
 
 
 ■プレビュー
 チェコは第1戦のヤロリム、コレルからマテヨフスキ、バロシュに変えたスターティングで臨む。ホーム扱いで真紅のユニフォームを身に纏う。

 GK ペトル・ツェフ
 DF マレク・ヤンクロフスキ
    ダヴィド・ロゼフナル
    トマーシュ・ウィファルシ
    ズデネク・グリゲラ
 MF トマーシュ・ガラセク
    ヤロスラフ・プラシール
    マレク・マテヨフスキ
    ヤン・ポラク
    リボール・シオンコ
 FW ミラン・バロシュ

 ポルトガルは第1戦と同じメンバー。

 GK リカルド
 DF パウロ・フェレイラ
    リカルド・カルバーリョ
    ペペ
    ジョゼ・ボシングワ
 MF ジョアン・モウチーニョ
    プティ
    シモン・サブローサ
    デコ
    クリスチアーノ・ロナウド
 FW ヌーノ・ゴメス


 ■前半の得点シーン
 先に前半の得点を振り返る。
 チェコの堅いディフェンスに時間がかかるだろうと思われたが8分にいきなり試合が動いた。
 デコがドリブルでつっかけてあっさりと一人かわす(かわした相手は確認できず)。そしてC・ロナウドに渡す。C・ロナウドは様子を見ながらドリブル、そして前線のN・ゴメスを使ってワンツーパスで前へ抜け出す。GKツェフが弾いたか、C・ロナウドがヒールで渡したか――それも分かりづらかったが、デコがしっかりと詰めてゴール。

 17分、チェコが逆襲に出る。
 右サイドへ出たボールをシオンコが追いつき、エリア内で巧みにペペをかわしてクロス。しかしこれはバロシュに合わず、CKに。
 しかしこのシオンコのランニングがムダにならず、ご褒美が出た。プラシルの右CKに頭から飛び込んでいったシオンコのヘディングシュートが、ポルトガルゴールを突き刺した。


 ■センターフォワード
 チェコのCFはミラン・バロシュ。EURO2004の得点王、リヴァプールで04-05シーズンのチャンピオンズリーグ優勝に貢献するも放出されてしまう。その後鳴かず飛ばず、愛車のフェラーリで271kmを出したことくらいしか話題にならなかった。
 バロシュはコレルとの2トップで持ち味が出るようだが、システムはワントップ優先のよう。後半、交代でコレルが入ってはきたが、バロシュはこの日もゴールに恵まれず。何度かクロスをもらったが、苦しい体勢でのヘディングという場面が多かった。
 しかしバロシュはファーストディフェンダーとしての役割をしっかりとこなせていた。ただ、周りの押上げが少なく苦戦していたようだ。

 一方のポルトガルのCF、ヌーノ・ゴメス。
 footballista6/18号のインタビューにて、
Q.パウレタがいなくなって、ポルトガルはストライカー不在と言われるけど?
A.パウレタがプレーしていた時も、常にそのことは言われていたと思うけど(笑)
 という受け答えがあった。
 しかし現在の代表には、プレミアリーグ&チャンピオンズリーグのダブルで得点王になったC・ロナウドがいる。彼を生かすことをやった方が勝利に結びつく。予選終盤で、C・ロナウドのワントップ、1.5列目配置など試したらしいがうまくいかなかった。
 第1戦、第2戦で見る限り、流動的でありつつ「CF、N・ゴメス」がハードワークをこなす方が勝利に結びつくように思える。第1戦のペペのゴールへのワンツー、第2戦のゴール直前のC・ロナウドのワンツーパスのポストは、N・ゴメスだったのだから。
 ただ、消える時間が多かったのも事実。バロシュよりもディフェンスしていないか…と思いつつ見ていると、67分のチェコのCKのセカンドボール、グリゲラのシュートをしっかり切ってカウンターに持込んだのはN・ゴメスだった。


 ■赤壁
 GKツェフの前にはセリエAで戦う4人の赤きDF。守備力は本大会参加国中で随一だろう。ただSBのグリゲラ、ヤンクロフスキの押し上げは少ない。右サイドハーフのシオンコが積極的に攻撃に絡むが、さらにもう1枚がいない。バロシュが下がってポストプレーも追い越すプレーヤーは誰もいない。グリゲラはスローインで、ヤンクロフスキはFKを蹴りに相手陣内に入ってくるだけ、という印象が強かった。
 まず失点しないこと。堅実に、堅実に。リスクは犯さない。それが堅守速攻のチェコの戦術ではあるが8分に早くも崩れた。

 62分、守備ラインに大きな穴があった。
 C・ロナウドがポストプレーをこなし後ろに戻した時、チェコディフェンスの神経は「極端に」中央へ集中していた。すると真ん中でプレーすることが多かったデコは「勝負の勘所」を分かっていたのか、右サイドの外れで待っていた。フリーで受けたデコ、慌てて下がるチェコ最終ライン。N・ゴメスが左サイドからゴール前のニアサイドへ斜めに切れ込むと、チェコDF陣が3人ゾロゾロと同行。するとポッカリと――いや大きくはないがスペースが出来た。デコはそこを見逃さずパス、そしてマンUで何度も見たようなC・ロナウドの飛び込み。まるで「いつもの練習でのフィニッシュ」のようにシュート。安定した守備をこなしていたツェフも、さすがに止めることはできず。
 ポルトガルが追加点を挙げる。


 ■両チームの交代策
 FWコレルをアップさせていたブリュックネル。おそらくは同点のままの場合、バロシュと代えて今の陣形を保ちつつ、セットプレーでの逆転ゴールを狙っていたかもしれない。まずマチェコフスキに代えてスタニスラフ・ヴルチェクを投入。スラビア・プラハの主将、機動力も備えるFWだ。そして前半、C・ロナウドを抑えるなど的確な守備を見せていた中盤の守護人、トマーシュ・ガラセクを下げてヤン・コレルを投入。

 するとポルトガルのスコラーリ監督はモウチーニョ(170cm)とフェルナンド・メイラ(190cm)を交代、そしてN・ゴメスを下げてウーゴ・アウメイダに代える。高さのあるプレーヤーに代えて、セットプレーでの警戒感を強める。
 さらに前線からハードワークをこなしていたシモンを下げて、リカルド・クアレスマを投入。

 案の定、チェコの猛攻。
 プラシルのクロスにバロシュが頭で合わせるも、枠を捉えきれず。
 ヴルチェクのクロスにシオンコがヘディングでゴールを狙うが、GKリカルドがワンハンドで上方へ掻き出す。
 ヤンクロフスキのFKを再びバロシュもダメ。
 バロシュの放り込みをコレルが落として、シオンコがシュートを放つが大きく外れる。

 同点弾を狙い、パワープレーに出ているチェコの最終ラインはほとんどハーフラインの近く。ロスタイム、焦るチェコがファウル。すると(おそらく)デコが早いリスタート。オフサイドラインギリギリで抜け出した2人。

 優勝へ向けての大航海。目の前に広がる緑の海、赤い障害物はない。スポルティング・ユースアカデミーが輩出した2人の傑物が疾走する。
 チェコの大巨人もなす術なく――C・ロナウドがひきつけて横パスを出すと、クアレスマがイージーショット。
 
 第1戦のトルコ戦同様、前がかりになった相手の息の根をしっかりと止める追加点を挙げたポルトガル。3-1でチェコを下し、グループリーグA首位通過を大きく手繰り寄せた。


 ■総括
 先述した通り、チェコは攻撃に消極的な印象があった。シオンコが多く攻撃に絡んだが、前半は後ろからの押し上げはなくポルトガルディフェンスを崩すまでに至らず。終盤でパワープレーを挑むも実らなかった。

 ポルトガルは逆に全員サッカー。両SBのボシングワとP・フェレイラ、特にボシングワが積極的に攻撃参加、攻守のバランスが良かった。第1戦でゴールを決めたペペが一度オーバーラップを見せて攻撃にアクセント。カルバーリョとのコンビで、チェコのクロスボールにしっかり対処、守備もしっかりしていた。
 C・ロナウドは嬉しい本大会初ゴール、調子を上げていくだろう。
 最後のリスタートを蹴ったのは画面で確認しづらかったが、おそらくデコ。3得点全てに絡む大活躍、正に勝負所を把握したベテランらしい動きで勝利に大きく貢献した。

 チェコは敗れたものの、第3戦のトルコを破って決勝トーナメントに進出すれば準決勝でポルトガルに当たる可能性もある。リヴェンジを狙いたいところだ。

 ポルトガルの第3戦の相手は共催国スイス。美しい守備戦術を誇るチームだ。2戦合計で5点を挙げたポルトガルの矛と、スイスの盾。面白い「矛盾」が期待できる。


posted by batistuta |04:48 | EURO2008 | コメント(3) | トラックバック(0)
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大航海時代 チェコvsポルトガル

ポルトガルが快勝したとは全く思えない。チェコにはかなりの決定機があり、ポルトガルはセットプレーやロングボールに対する対応も不十分。失点しなかったのはツキがあったからだろう。

posted by yuma | 2008-06-12 08:43

大航海時代 チェコvsポルトガル

ポルトガルの首位通過は、直接対決の成績の関係でもう決まってますよ。

posted by d | 2008-06-12 16:32

Re:

yumaさん<
このゲームの決定機としては「質と量の差」だったと思います。

dさん<
少し分かりづらいご指摘ですが、修正しました。
チェコvsポルトガル戦を終了してすぐに上げたレポなので、その時点で首位通過は決まっていたかは分かりかねますが…

posted by 管理人 | 2008-06-13 04:47

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