2008年05月15日
UEFAカップ決勝、ゼニト・サンクトペテルブルグvsグラスゴー・レンジャーズが、シティー・オブ・マンチェスターで行われた。
レンジャーズが今まで通りの守備戦術を用いて、ゼニトがそれに立ち向かうという戦前に予想された構図が展開された。
しかし72分にデニソフ、ロスタイムにズリアノフが見事なゴールを挙げて、ゼニトが2-0で勝利。ゼニトが欧州カップ戦初戴冠の栄誉を勝ち取った。
■プレビュー
ゼニト:
FWパベル・ポグレブニアクが警告累積のため欠場。ルカ・トーニと並んでUEFAカップ得点王は獲得したものの、決勝戦に出られない悔しさの方がやはり大きいようだ。
かつてレンジャーズで指揮を執っていたゼニトのディック・アドフォカート監督は、代表・クラブと様々なところで監督業を務めてきた。印象深いのはEURO2004でオランダ代表を準決勝に導いたことだが、敗退した要因がアドフォカート采配とも言われている。
この試合にかける思いが強いアドフォカート。昨年のロシア・プレミアリーグでゼニトを優勝に導き、クラブの欧州カップ戦初戴冠に挑む。またアドフォカートは英プレミアリーグで指揮を執ることに興味があるようで、このマンチェスター・シティの本拠地での決勝は大きなアピールになるに違いない。
GK ビアチェスラフ・マラフェエフ
DF アレクサンドル・アニュコフ
イビツァ・クリジャナツ
ロマン・シロコフ
ラデク・シールル
MF コンスタンチン・ズリアノフ
アナトリー・ティモシュク(CAP)
イーゴリ・デニソフ
FW ファティ・テッケ
アンドレイ・アルシャフィン
ビクトル・ファイズリン
レンジャーズ:
FCディナモ・モスクワを決勝で破って優勝した36年前のUEFAカップウィナーズカップ以来となる欧州での栄冠を狙う。再びロシア(当時はソビエト連邦だが)勢との対戦とは縁起が良いだろう。
守備的戦術は、ウォルター・スミス監督がDFあがりだからであろうか。
チャンピオンズリーググループリーグで対戦したバルセロナのメッシが「アンチ・フットボールだ」と吐き捨てるように語ったが、UEFAカップに回った後も8試合で得失点が7と手堅い試合をこなしてきた。
準決勝でのフィオレンティーナ戦では、第1試合の90分、そして第2試合の延長を含んだ120分を完封――しかしレンジャーズも点を獲ることなくPK戦で勝利を得た。
極端な守備戦術への批判について「その批判が木曜、金曜と続けばいいんだが」とスミス監督は語り、あくまで結果を重視した戦術を貫くことを示唆していた。
GK ニール・アレクサンダー
DF カーク・ブロードフット
カルロス・クエジャール
デイヴィッド・ウィア
サシャ・パパツ
MF スティーヴン・ウィテカー
バリー・ファ-ガソン(CAP)
ブライム・ヘムダニ
スティーヴン・デイヴィス
ケヴィン・トムソン
FW ジャン・クロード・ダルシュヴィル
■矛盾
「矛盾」とは辻褄が合わないことを意味するが、武器をとって戦うことという意味もある。
「韓非子」にある故事成語であり、「どんな盾も突き抜く矛」と「どんな矛も防ぐ盾」を売っていた楚の男が、客に「その矛でその盾を突いたらどうなる」と問われ答えられなかったという話からだ。
決勝トーナメントで合計14得点を挙げてきたゼニトと、8試合で失点が2という堅守を誇ったレンジャーズのぶつかり合い。軍配はどちらに上がるのか。
■前半 予想通りの展開
観客席にはためく多くのユニオンジャック――まるでレンジャーズのホームのようだ。マンチェスターでの決勝、、地の利を考えればそうなるだろう。
しかしビジャレアル、マルセイユ、レヴァークーゼン、そしてバイエルンを降したゼニトに恐れるものは何もないはずだ。アドフォカート監督は「UEFAカップを獲得するチャンスは今しかない。これまでに見せてきたプレーができれば、どんなチームが相手でも戦える」とチームを鼓舞し、「歴史を作るまで、あと1試合」と意気込む。
キックオフ。戦前の発表ではレンジャーズの予想フォーメーションは4-1-4-1と出てはいたが、予想通りFWダルシュヴィルを残した「1トップ9バック」に近い。
チェス界のチャンピオン、ガルリ・カスパロフを輩出したロシアらしく、ゼニトは一手一手探りながら、盤上の蒼い駒たちをどう攻略するか熟考しながらプレーする。
ゼニトは左サイドのアルシャフィンが、ルークのような縦突破。クロスからの得点を試みるが、ゴール前のレンジャーズの”駒”たちが猛攻を防ぐ。
予想通りとはいえ、消極的な姿勢のレンジャーズがバックパスをする度にブーイング。それはゼニトサポだけか、それとも決勝を観に来た「一応はどちら側でもない観客」も含まれているか。それは歓声だけでは判別がつかないところだ。
前半は特筆すべき攻防が少ない。ゼニトはクロスからヘディングで合わせるも枠を捉えられなかったり、ミドルシュートで局面打開を図るもGK正面だったり。レンジャーズの攻撃も、直接FKをパパツが狙ったが明後日の方向へと飛んでいった。
前半終了間際にゼニトが左からクロスを上げようとした際に、レンジャーズDFの手に当たっていたように見えたがノーホイッスル。エリア内だったため、ハンドであればPKという場面だったが。
ボールポゼッションは、
ゼニト:レンジャーズ=56:41と思ったより差はなかった。
シュート数は、10(4):3(0)とこちらは予想通り(カッコは枠内)
■後半 主審のジャッジスタンダード
53分、レンジャーズが速攻で持ち込んだ。ダルシュヴィルがGKとの1vs1の状況になったが、角度のない難しいポジションでもあったためGKマラフェエフがセーブ。この後のクリアボールがゼニトDFの手に当たっていたように見えたが、ここも主審はノーホイッスル。
今日はスウェーデン人の主審団だった。少々厳しいチャージでも倒れなければ吹かない、しかしシミュレーション気味な倒れ方で吹いたりしていた。歪(いびつ)ではあるが、一定したジャッジではあったように思う。
それを生かしたのはゼニト。後半から、レンジャーズのボールプレイヤーに激しくチャージして体勢を崩させると、それを挟み込んでボールを奪うといったプレーが多く見られた。
逆に恩恵を得られなかったのは、レンジャーズのダルシュヴィル。ゼニトゴールエリア近くでボールを受け、ファウルを受けたことを何度もアピールしたがFKを得られることはほとんどなかった。
■その時、試合が動き出す
前半に続いてアルシャフィンが左サイドを執拗に突破を試みる。壁にノミを打ち続け、ヒビを入れて決壊させるように。
64分にゼニトが、レンジャーズのCKからカウンターを仕掛けると、GKアレクサンダーの飛び出しを抜き去りアルシャフィンがシュート。無人のゴールに吸い込まれたかと思いきや、DFパパツが戻っておりヘディングでクリアされた。
両監督とも動かない。やはり今までの戦い方から延長戦を気にしているのだろう。このままスコアレスで後半も終わってしまうのか、と思っていた矢先に一気にゲームが動いたのだった。
72分、左サイドのセンターライン付近からのレンジャーズのスローインを強引に奪い取ると、鮮やかなパス交換で一気に攻め上がったゼニト攻撃陣。アルシャフィンのスルーパスに反応したデニソフがゴール右に流し込んだ。1-0、ゼニト先制!
こういうカウンターチームが先制点を奪われることは死に等しい。点を奪われては、当然レンジャーズですら前がかりになり、スペースが生まれるからだ。
ゼニトに追加点のチャンスも、ジリアノフのシュートはポストに嫌われる。
■時よ去れ
パパツに代えてノボ、ヘムダニに代えてマクロック、ウィテカに代えてボイドと立て続けに攻撃的な選手を投入するレンジャーズ・スミス監督。しかし流れを変えることはできない。スコティッシュ・プレミアリーグでの連戦疲労もたたってか、どんどん選手の動きのキレが落ちる。交代選手ですらフレッシュさを感じないほどだ。
上半身裸になるゼニト応援団。勝利は目の前だ。ゼニトコールがスタジアムを包む。
ゼニトは自陣に閉じこもることもなく、冷静に時間を使い、かつゴールも狙っていく。全く選手交代を行わず、時間稼ぎに使っても良さそうだったが、アドフォカート監督は変に交代して流れを壊したくなかったのかもしれない。
迎えた90分、右サイドからのスローインを得たレンジャーズ。ロングスローでエリア内に放り込むも、フィニッシュの精度を欠きシュートを大きく上へ外してしまう。
逆にゼニトがオープンスペースへの巧みなパス回しで瞬く間に攻め上がると、レンジャーズゴールへチェックメイト――ズリアノフが決定的な2点目を挙げてそのままホイッスル。
2-0でゼニトがUEFAカップを制した。
■フィナーレ
興奮のあまりユニフォームを観客席に放り込むゼニトイレブン。セレモニーは大丈夫かと心配していたら、その後に黄金に輝くユニフォームへ着替えて歓喜の輪を作った。
いざ表彰台へ。選手の何人かは子供を連れて肩車。プラティニ会長が、子供の首に表彰メダルをかける姿が何とも微笑ましい。
表彰台のある観客席で、そしてピッチで高々と優勝トロフィーを掲げたゼニトイレブン。世間ではダークホースと見られていただろうが、数々の強豪を下して得たこの結果は紛れも無い本物だ。
8月にはチャンピオンズリーグ勝者とUEFAスーパーカップを戦う。そして昨季のロシア・プレミアリーグを制したので(ロシアは年またぎではない)、チャンピオンズリーグ本選から参戦することとなる。準決勝で破ったバイエルンと対戦することになれば、面白い因縁対決の一つとなるだろう。
そしてEURO2008本大会、ロシア代表に何人のゼニトプレイヤーが出てくるか、こちらも楽しみでもある。残念ながら決勝のピッチに立てなかったUEFAカップ得点王パベル・ポグレブニアクの爆発にも期待したい。
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05:53
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UCL・UEFA CUP |
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2008年05月14日
EURO2008本大会に向けて、スウェーデンのメンバーが発表された。
GK
Andreas Isaksson
Rami Shaaban
Johan Wiland
DF
Petter Hansson
Mikael Nilsson
Andreas Granqvist
Mikael Dorsin
Daniel Majstorovic
Olof Melberg
Fredrik Stoor
MF
Kim Kallstrom
Niclas Alexandersson
Sebastian Larsson
Daniel Andersson
Fredrik Ljungberg
Anders Svensson
Christian Wilhelmsson
Tobias Linderoth
FW
Zlatan Ibrahimovic
Henrik Larsson
Johan Elmander
Markus Rosenberg
Marcus Allback
W杯ドイツ大会の4試合全てに先発していたエリック・エドマンは、プレミアリーグのウィガンに所属。3/22の対ブラックバーン戦で負傷し、EUROは絶望となってしまった。
個人的に「バルセロナにいた時のラーションに衝撃を受けた」自分なため、ラーションの復帰、大舞台で見られることは大変嬉しい。しかし複雑でもある。
欧州戦線の代表チームはほとんど若返りというか、若手が台頭してきているのに、スウェーデンはいつまでラーションとアルバックに頼らざるをえない状況なのかと。
マンチェスター・シティ所属のGKイサクションは、ジョー・ハートやカスパー・シュマイケルの後塵を拝す結果となっており、実戦感覚が鈍っていないか心配だ。
もちろんマイナスポイントばかりでもない。
ヨハン・エルマンデルはトゥールーズのFWの柱になり、マルクス・ローゼンベリはブンデスリーガ2位につけたブレーメンで9番を背負い、今季も大いに貢献していた。
キム・シェルストレムも強豪リヨンにおいて、中盤のキープレイヤーになりつつある。ローマから流浪の旅といった印象のヴィルヘルムションだが、デポルティボで出場機会を得ているようだ。
メルベリは来季からユヴェントスでのプレーが決定しており、ヘタなところを見せられないだろう。
スウェーデンはギリシャ、スペイン、ロシアとのD組。”例の”死の組、C組の次に厳しいグループではないかと個人的に考えている。
前回覇者のギリシャ。
”無敵艦隊”スペインは「どうせ優勝は…」と思われているフシがあろうが、W杯ドイツ大会のように予選全勝はありえる話だ。
ロシアは”魔術師”フース・ヒディンクが率いており、イングランドを破った実力はフロックではないだろう。これから行われるUEFAカップ決勝のゼニトからも何人か選ばれるだろうし、「失うものはない」ロシアがこのグループのカギを握るだろう。
ギリシャなど大番狂わせを起こすチームは「組織的な守備」を持つ。スウェーデンはその守備の選手が負傷なりコンディションを落としているところが不安要素だ。リンデロートが間に合うかどうかも大きく左右するだろう。
本大会では是非ともスウェーデンを追いかけていきたい。
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21:48
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EURO2008 |
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2008年05月12日
セリエA第37節、インテルvsシエナ戦がジュゼッペ・メアッツァにて行われた。
前節でのミラノダービーを落とし優勝を持ち越していたインテル。昨季に優勝を決めた験の良い相手シエナ、そしてホームのインテリスタの目の前で歓喜を味わう予定であった。
インテルが殆ど試合の主導権を握っていたが、要所要所でマテラッツィが不用意なプレイを見せた。その結果2-2の引分けに終わり、優勝の行方が分からなくなった。
■プレビュー
ホームのインテル、前節のミラノダービーで勝っていればライバルの目の前で、アウェー扱いとはいえジュゼッペ・メアッツァで歓喜の瞬間を迎えるはずだった。しかし2-1で敗北。
ダービーに負けることを屈辱としか捉えないティフォージ(サポーター)に対して「コッパ・イタリアもあるし、ホームで優勝を決めれば良い」と言うマンチーニ。監督は、理想よりも2冠という現実路線を選んだ。
GK ジュリオ・セザル
DF マイコン
ニコラス・ブルディッソ
マルコ・マテラッツィ
マクスウェル
MF ハビエル・サネッティ
エステバン・カンビアッソ
パトリック・ヴィエラ
ルイス・ヒメネス
FW フリオ・クルース
マリオ・バロテッリ
そして今日は12位のシエナ。降格に関係のない中位におり、「降格したくない必死さ」はないだろう。しかも9回対戦中、インテルの6勝3分という抜群の相性の良さを見せる。ただ不気味なのは、シエナは前節に3位のユヴェントス相手に1-0で勝利したこと。そして昨季はシエナのホーム、スタディオ・アルテミオ・フランキにおいて、目の前でインテルの優勝の瞬間を目の当たりにしたのだ。あのような屈辱は受けたくない――そんな思いもあっただろう。
GK アレクサンダー・マニンガー
DF シモーネ・ロリア
アンドレア・ロッシ
ダニエレ・フィカーニャ
ダニエレ・ポルタノーヴァ
MF パウル・コドレア
フサイン・ハーリヤ
シモーネ・ヴェルガッソーラ
ダニエレ・ガッロッパ
トマス・ロカテッリ
FW マッシモ・マッカローネ
控えメンバーを見て2点驚いた。大ベテラン、エンリコ・キエーザの名前がない。そしてクリスティアン・リガノ。財政破綻したフィオレンティーナ(その当時は「フロレンティア・ヴィオラ」と名乗ったり)でセリエC~B~Aという昇格にリガノは大きく貢献した。そのリガノはリーガ・エスパニョーラのレバンテに行っていたが、セリエAに戻ってきていたのは知らなかった。レバンテが給料未払いで大揺れなのは耳に入っていたが…。
■目に見える差
豊富な資金力のビッグクラブのインテル。今の順位が過去最高になるかならないかのシエナ。スタジアムにいた観客、TVの前にいた観客の誰もがインテル優勝の瞬間はこの試合後、と思っていたはずだ。
開始1分、インテルが早くも2本シュートを放ち、シエナゴールを脅かす。個人能力、総合力、組織など全ての面でインテルが上回っているように見える。シエナはなかなかボールが繋がらない。インテルはたやすくボールを前線にボールを運び、何と得た試合合計CKは14。対してシエナは「ゼロ」だ。
インテル最初の決定的な場面は9分、左CKをマテラッツィが頭で合わせたが、クロスバーを直撃した。
そして得点は逆の右CKから。ヴィエラがドンピシャで合わせて先制点を挙げた。
その後もインテルが押し気味に試合を進めていたが、流れを変えたのはマテラッツィだった。29分、カウンターで攻め上がっていたロカテッリに対してスライディングタックルを敢行し、イエローカードをもらった。
その後、シエナは右サイド深い位置からのスローインで攻撃を展開。狭いところでボールを回し、最後はブルディッソのマークにつかれながらもマッカローネがライン裏を狙い、見逃さなかったハーリヤが絶妙なスルーパス。角度の少ないところで受けたマッカローネだが、GKセーザルの股を抜く見事なシュート、1-1の同点に追いついた!あまりにあっさりとしたゴールで、スタジアムは呆気に取られる。
31分、インテルの左サイドスローインからの攻撃。セカンドボールでヒメネスがライン裏でボールをもらいシュートを放ったがGKマニンガーがストップ。しかもオフサイドの判定だった。
ピンチの後はチャンス。40分、シエナがカウンター。自陣右サイドから左サイドのスペースに大きく蹴り出すと、ロッシが追いつきGKセーザルとの1対1に持ち込んだがここはセーブされた。
1-1で前半を終えるには苦しいインテル。44分、右サイドスローインをマイコンがロングスロー。ヴィエラが頭で後ろにすらしたところを、バロテッリがフリーでヘディングで叩き込んだ。2-1、インテルが突き放す!ここで前半が終了した。
■後半 バロテッリ+マテラッツィ
リードされたシエナのマリオ・ベレッタ監督は、ハーフタイムに2人を交代。
コドレアを下げてマヌエル・コッポラを投入。マテラッツィのタックルで負傷したと見られるロカテッリを下げて、アウベルトをピッチに送り出した。
シエナのキックオフで始まった後半、軽快なパス回しでインテルゴールに迫ったがボールを奪われる。逆にカウンターを食らい、バロテッリからクルスへ決定的なパス。DFフィカーニャをかわしてクルスがシュートを放ったが、ゴール左へ逸れた。
後半も押し気味に試合を進めるインテルはCKを得ると、キッカーがバロテッリ、そしてファーサイドのマテラッツィを狙う戦術をシンプルに推し進める。シエナのDF陣に高さが無いのは一目瞭然。この戦術は効果的だったように見えた。
■裏目に出たマンチーニの交代策
やがて得点が動かないまま62分。前線で激しく動き、プレースキック全般を任されていた17歳のバロテッリが足をつる事態に。準備していたダビド・スアーソと交代。しかしこの交代が転換点だったかもしれない。
対するシエナも最後の交代枠、ガロッパに代えてクリスティアン・リガノを送り出し、前線の枚数を増やす。
68分、シエナの攻撃。オーバーラップしていたフィカーニャが右サイドの浅いところから中央へクロス。リガノが飛び込んだが、ブルディッソが文字通り「一足先に」足を出してカット。しかしこのボールが中途半端なところに転がり、ハーリヤがそれを見逃さなかった。ペナルティエリアの少し外あたりから、豪快に右足を降りぬくとインテルゴール右隅に突き刺した。2-2、ここでシエナが同点に追いつく!
インテルプレイヤー、マンチーニ監督の耳に入っていたかは分からないがローマが勝っているとの途中経過。同点で終われば今節の優勝はない。
シエナは前節ユーヴェを完封したように、この試合、特に後半に高い集中を見せた。苦しい場面でもラインを上げてオフサイドトラップの網にかける。尤も、バロテッリがピッチを去ってから単調になったインテルの攻撃を守るのは、少し易しくなったかもしれない。
■主演男優賞 マルコ・マテラッツィ
この試合のハイライトと言っていいかもしれない。
75分、カウンターで攻撃を仕掛けたインテル。シエナのディフェンスがバラけてスペースは出来上がっている。縦パスを繋いで、最後はペナルティエリア内にドリブルで持ち込んだクルスがシュートを放つ。
そこには信じられない光景があった。クルスのシュートの先にあった「障害物」――それはマテラッツィだった。セットプレーの場面ではなかったが、おそらくパワープレーを考え、マテラッツィは前線へ一気に攻め上がっていた。クルスがボールを持った前を横切り、シュートコースに入ってしまうと感じたマテラッツィは四つん這いで伏せる。しかし完全にクルスのシュートコースを塞ぎ、しかもオフサイドポジションだった。
この直後、CKを得たインテル。おそらくはリガノを挑発したであろうマテラッツィは2人で揉みあいとなり共倒れ。主審はPKスポットを指差した。リガノは猛抗議をしてイエローカード。
キッカーはそのマテラッツィ。「違った」期待感が頭をよぎったが、マテラッツィは裏切らなかった。GKマニンガーがコースを完全に読みきりストップ。
その後も中央突破に固執してしまうインテル。マクスウェルに代えてクレスポ、負傷したカンビアッソに代えてペレを入れるが、試合は動かない。
むしろプレースキッカーのバロテッリを下げたことで、CKの精度が落ちたような気がした。ヒメネスも決して悪いキッカーではなかったが。
ロスタイムは4分あったが、インテルは攻めきれないまま試合終了のホイッスルを聞くこととなった。2-2の同点、優勝はならなかった。ピッチを大ブーイングが包む。
■総括
圧倒的なインテルの強さ、というか「圧力」を感じた試合だったが、ゴールシーンを振り返れば両方ともセットプレーから。脈々と続く「個人能力に任せた単調な攻め」が後半にまた出てしまった。逆にシエナには少ないチャンスをモノにされてしまった。40分のロッシのチャンスで決められていたら…。
そして不用意なプレイを続けて試合を壊してしまったマテラッツィ。インテルホームページのサポーター評価でも平均「4.55」とチーム最低。モラッティ会長は戦犯としてマテラッツィを名指しで批判していた。
この節の他の試合を見るとリボルノの降格が決定した模様。シーズン前にクリスティアーノ・ルカレッリを放出、その穴埋めがうまく行かなかったようだ。
そしてインテルの最終戦の相手となるパルマが降格圏の真っ只中。パルマのホームであり、死に物狂いで向かってくるはずだ。
インテルを追う2位ローマの最終戦の相手も、残留争いのカターニア。こちらもカターニアホームで行われ、一筋縄では行かないだろう。
5位フィオレンティーナがパルマに快勝、4位ミランがナポリに負けて順位が入れ替わる事態に。首位争い、4位のCL出場権争いとセリエAの最終節は目が離せない展開となった。
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15:33
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セリエA |
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2008年05月11日
Jリーグ第12節、ジェフユナイテッド千葉vs京都サンガの試合が、雨が降る中のフクダ電子アリーナにて行われた。
7連敗・今季未勝利の千葉に対して京都が不甲斐ない試合を見せ、68分に新居のパスに反応したレイナウドがシュート、ポストに当たったがこぼれ球を工藤が詰めてゴール。
その後も千葉がゲームを支配。終了を告げるホイッスルが鳴った瞬間、優勝したかのような歓喜に包まれたフクアリ。しかしその試合内容はJ1にふさわしくないものだった。
■プレビュー
ホームの千葉、オフシーズンに大量の離脱者が出て混乱したまま開幕。リーグ11節を終えて0勝2分9敗、未勝利で最下位。
ヨジップ・クゼ監督は解任され、澤入 重雄コーチがつなぎ登板。次節からはリヴァプールやスコットランド代表コーチなどを歴任した世界を知る猛者、アレックス・ミラー新監督が指揮を執ることとなっている。
今節、FW巻 誠一郎と苔口卓也がケガで欠場。
GK 立石 智紀
DF 坂本 將貴
池田 昇平
ボスナー
青木 良太
MF 工藤 浩平
斎藤 大輔
下村 東美
谷澤 達也
FW 新居 辰基
レイナウド
アウェーの京都、3連敗の後に前節の札幌戦でようやく不調から抜け出したかに見えたが、最近の得点力不足は深刻。
GK 水谷 雄一
DF 増嶋 竜也
シジクレイ
手島 和希
MF 平島 崇
佐藤 勇人
中山 博貴
渡邉 大剛
FW 林 丈統
柳沢 敦
田原 豊
■ジンクス
不安が的中した。京都ファンの間で、もしくはスカパー!でも言われていた最悪のジンクスがあった。
・フクアリで京都は5連敗中
・今季「相手の不調を止めます」
1.公式戦3試合得点のなかった浦和FWエジミウソンにハットトリックを献上(3/23)
2.公式戦10試合得点のなかった浦和FW高原に初得点、計2得点献上(4/26)
3.公式戦未勝利の新潟相手に初勝利を献上(4/19)
そして、
4.11試合未勝利の千葉に勝利を献上(5/10)
■日程と準備、戦力
GW最終日となった5月6日にJリーグ第11節が開催されたが、京都はG大阪と組まれており、ちょうどG大阪のアジアチャンピオンズリーグ戦と日程が重なっていたため、6/25(水)に回されている。
よって京都は一週間のコンディション調整と戦略を練る時間があった。千葉は監督が失脚しているといっても、そこまで大幅に戦術が変わることはなかったはず。選手の顔ぶれも変わったわけでもない。
千葉は、オフシーズンに代表級が5人も去った。京都の佐藤勇人もその一人、いや一人というには大きすぎる。何せ昨季のキャプテンを務めていた男だからだ。
先発し得点を挙げた工藤 浩平、第2GK岡本 昌弘はジェフのユースから。交代で入った松本 憲は千葉リザーブスから上がっている。彼らは主力を押し退けたからメンバー入りしたのではなく、ごっそり抜けたから上がるチャンスを得たかもしれない。現在の千葉の選手層はJ1というよりは1.5軍、最悪2軍レベルだ。今の成績も不思議ではない。
対して京都は今季加入が多く、昨季最多出場でありキャプテンを務めていた斉藤 大介、そして引退した秋田にかわってDFリーダーになると見られていた森岡 隆三がベンチに入れるか入れないか、という選手層になった。
しかし今日の京都の出来は何だったのか?
■モチベーション、勝ちへの執念
スカパー!の実況の倉敷保雄氏は「監督が変わって心機一転。そして新監督にアピールする意味でモチベーションは高いでしょうね」と言っていた。アレックス・ミラー新監督は今日の試合に来場し、メンバー選考をしていただろう。
京都にモチベーションは?無得点の3連敗を脱出したとはいえ、「下から2番目」に苦しむ同じ昇格組の札幌相手に、ホームで1点を取るのがやっと。開幕戦の調子を思えば、考えられないことだ。
千葉の得点シーンを振り返る。
68分、京都のDF陣の気の緩みを突いた新居がスルーパス。一気にウラへ抜け出したレイナウドがGK水谷の動きをしっかり見てゴール隅へ流し込んだ…しかしポストに当たる。そこを工藤が押し込んだ、という普通のゴールシーンだが、よく見るとDF手島の足が、レイナウドのシュート後、完全に止まっている。
手島はそれまでのところでは、しっかりとボールタックルに行っていて、集中してディフェンスできていたのだが、ここで集中が途切れてしまっていた。
■システム、戦術
「良い時は変えるべきではない」これはサッカーでよく言われることだが、開幕序盤を振り返ると、「シジクレイ→ボランチ策」「4バック」が当たっていたように思う。最近3バックにしてから、チームの調子がジワジワと落ちているように感じられるのだ。
この日の失点シーンも、前に出ていたシジクレイのウラを突かれたような格好ではある。以前は、スピードのないシジクレイをボランチにして後ろをカバー、攻め込まれた時は4バックの中に吸収されて、サイドからのハイボールに対処、という形が綺麗に収まっていたように思う。
運動量が増えてシンドイところもあろうが、渡邊 大剛と平島 崇はSH起用よりも、SBの時の方がバランスが良かった気がする。
そしてスカパー!の実況の倉敷氏と、解説の原 博美元FC東京監督の「京都の3トップは機能していない」には大いに賛同したいところ。
おそらくパウリーニョがその一角に入っていたら話は別だろうが、柳沢と林はウラを取る動きなど少々カブっているところがある。そしてこのブログでも常々言っているが、林の運動量を活かすのは、両チームとも疲れがたまっている「後半の後半」だと思う。
スタメンで見られる林の動きは正直物足りない。高さがないので、ロビングボールでは取られるし、オフサイドトラップによくかかる。この日は3トップの一角からトップ下に下がってボールを受けていたが、決定的なパスを出せるタイプでもない。
そうなると、京都自身調子が良かった時を考えると、スタメンのファーストチョイスは徳重じゃないかと思う(むろん、練習時の徳重のコンディションも考慮すべきだが)
■もはや分析済みか
あとは開幕して2ヶ月近く経ち、他のチームが京都の戦術を分析済みだということだろう。
・ゴールキックでは田原をターゲットマンとして狙う(今日の試合は8~9割そうだった)
・攻撃の流れで田原をポストマンとして当てる
→19分に興味深いシーンがあった。ハイボールを田原に当てて、田原はバックヘッドですらして後ろの柳沢を狙う場面があったが、千葉の4人のプレイヤーは全員読んでいて、全員下がっていた。そしてたやすくボール奪取。
・増嶋のロングスロー
→ここ数試合で得点に結びついた記憶がない
「分かっていても止められない」レベルなら良いが、残念ながら今の京都は「読まれて終了」という状態に陥っている。
そしてFKやCKのセットプレー(増嶋のロングスローも含む)で、京都にゴールがあったかというと無い。期待感も感じられない。
特に高さのある田原がCKに合わせてドンピシャ、というのが今季記憶にないのだ。シジクレイも同じ。セットプレーでのディフェンスでは、この2人が弾き出すところはよく見られるが…。
今日の京都が最も不甲斐ないと思わされたこと。
千葉GK立石 智紀を脅かすシュートが皆無で、おそらく彼のユニフォームは雨でしか汚れていないということだ。京都のGK水谷は何度も地に這い、泥にまみれたというのに。
■まるでJ1ではないような
はっきり言って、今日の京都の相手が千葉ではなかったら、浦和戦・磐田戦のように2点以上の差で負けていてもおかしくなかった。それぐらいひどかった、「千葉も」
得点シーンは、他のJ1チームなら決めているだろうと思われる場面が何度もあった。27分の谷澤 達也が左サイドを深くえぐり中央へクロス、「合わせるだけ」のところでGK正面にヘディングしてしまったレイナウド。
千葉がゴールを挙げた時も、レイナウドの一発で仕留めていてもおかしくないところだ。
■総括
もちろん負けに満足するわけではないが、今の京都は負けるにしても「内容の無い負け」が多すぎる。気合を見せ、集中し、全力を尽くしたが惜しくも敗れた、というものが感じられない。
5月17日(土)の鴨池での横浜Fマリノス戦は、田原のJ1デビューチーム――古巣相手だ。意地を見せてもらいたい。
そしてこの後は第11節の代替開催、6月25日(水)の万博でのガンバ大阪戦までしばらく空くことになる。
またJ2に行きたいのか?京都の選手には大いに発奮してもらいたい。ファンも応援は惜しまないはずだ。
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2008年05月08日
156回目となるレアル・マドリーとバルセロナのダービー、”エル・クラシコ”が行われた。
レアルは4日のオサスナ戦でリーガ2連覇を決めており、「消化試合」に近いものになる可能性もあると見られていた。しかしレアルの今季を振り返るようなゲーム、良いところばかりが目立つ展開となり、4-1とレアルが圧勝した。
ビジャレアルが勝利して勝ち点7差をつけたために、バルサの3位以下が確定。
■プレビュー
レアル・マドリーは31度目の優勝を達成。オサスナ戦で退場処分になってしまったDFファビオ・カンナヴァーロがこの日も出場停止。
右足首骨膜炎のために、2月24日のヘタフェ戦出場を最後に戦列を離れていたFWルート・ファン・ニステルローイがベンチに戻ったのは朗報だ。今季残り試合は少ないが、笑顔でシーズンを終わらせたいところ。
GK イケル・カシージャス
DF セルヒオ・ラモス
ペペ
ガブリエル・エインセ
マルセーロ
MF マアマドゥ・ディアラ
フェルナンド・ガーゴ
アルイェン・ロッベン
グティ
ウェスレイ・スネイデル
FW ラウール・ゴンザーレス
アウェーのバルサは、CBガブリエル・ミリートが右ひざの手術に入ったため今季は終了。サミュエル・エトオとデコがカード累積のため出場停止。イニエスタ、ロナジーニョがケガで戦列を離れている。
GK ビクトール・バルデス
DF ジャンルーカ・ザンブロッタ
ラファエル・マルケス
カルラス・プジョル
エリック・アビダル
MF トゥレ・ヤヤ
チャビ
エイドゥル・グジョンセン
FW ティエリ・アンリ
ボージャン・クルキック
リオネル・メッシ
■祝勝会
決してマドリーに近くはないオサスナで優勝を決めたレアルは、そのまま凱旋して祝勝パーティーをシベレス広場で行った。到着したのは午前2時50分。おそらく夜が明けるまで騒いだだろう。そのためこの日のコンディションであるとか、モチベーションが心配されていた。
■屈辱の始まり
「ヴィクトリーロード(勝者の花道)!?やりたくないけど、スポーツマンとしては、チャンピオンチームを認めなければいけない」
戦前の記者会見でこう語ったカピタン(キャプテン)、プジョル。永遠のライバルであるレアルに対して、レアルのホームのサンティアゴ・ベルナベウで優勝を祝う――しかもバルサは崖っぷち。日本人には想像もできないような屈辱が全身を流れていたに違いない。
しかしこの屈辱が90分以上続くとは、バルサイレブンは予想していなかっただろう。
試合の入りは大人しいものだったが、デコやイニエスタといった中盤のパス回しの要の選手を欠くバルサはポゼッションを保てない。そしていきなり試合は動いた。
12分、レアルは弾むようなパスでバルサ陣内をかき回す。グティから後ろのスネイデルに戻すと、再びグティへ。バルサDFが少し触ったかに見えたボールが中途半端なところに残った。ラウールがそれを見逃さず、後ずさりのような体勢ではあったが左足でしっかりとミートし、バルサゴールを破った。1-0、レアルが先制点を挙げた!
1位のダニエル・グイーサの25得点に遠く及ばないものの、18ゴール目を挙げて3位につけたラウール。この2人のスペイン人FWを、ルイス・アラゴネス代表監督はEURO2008本大会に向け追加招集することはありうるのか。
この後も左SBのマルセーロがカットインして、ザンブロッタがファウルでストップ。
そして19分には右SBのS・ラモスがアビダルに仕掛けてファウルをもらい、FKを獲得。リプレイを見ると、S・ラモスが自分から当たりに行っているようにしか見えないが…。抗議したトゥレにイエローカードが提示される。
右45℃の位置からのFK。一度ショートキックでのリスタートを狙ってロッベンが走りこむが、主審がまだ早いと笛。ズッコけるロッベン。笑いが起こるサンティアゴ・ベルナベウ、苦笑いするロッベンだが、勝者の余裕だろう。
しかしロッベンが集団に合流し、グティのFKに合わせてヘディングで叩き込んだ!2-0、レアルが突き放す!マークが外れており、完全にフリーとなっていた。
何の働きも見せることができなかったグジョンセンが、ここでジオバニ・ドス・サントスと交代した。
この後もバルサがGKカシージャスを脅かす場面はほとんどなかった。アンリが左WGのポジションで何度かパスを受け取ったが、利き足の右足でコントロールしている間に、DFに体勢を整えられているような印象があった。やはりセンターフォワードが本職というところか。イニエスタの方がそのウィングポジションに向いているようだ。
あと気になったのが今日の主審。レアル2点目もそうだったが、この後にボージャンがドリブルでつっかけた際に、自分でピッチを蹴ってしまい転んでいるのにレアルのファウルをとっている場面があった。
49分にもアンリとペペが競り合い、ペペが自分で足を捻っていたのにも関わらず、接触が少なかったアンリにイエローカードが出された。
2点のビハインドを背負ったバルサは、マルケスに代えてシウヴィーニョを投入。早速左サイドを駆け上がりゴール前へクロスを送るが、ボージャンがミートしきれずDFに当たってゴールラインを割った。しかし線審の判断はゴールキック。
少し不可解なジャッジが多い審判団だった。
■流れを変えられないバルサ
後半もレアルペース。56分、バルサ最終ライン上を斜めに併走したグティに向けて、左のマルセーロがスルーパス。ドリブルで左へ流れるグティの後ろを抜けて、中央へ走りこむマルセーロ。グティが折り返して追加点かと思われたが、シウヴィーニョの的確なボールタックルで難を逃れた。しかしその代償は高く、負傷退場へ追い込まれてしまった。後半スタートから入ったばかりのシウヴィーニョだったが、エジミウソンと交代。
60分、前節で優勝ゴールとなる2点目を決めたゴンサーロ・イグアインが入る。同じく前節で、同点弾を決めたロッベンと交代。暖かい拍手がスタジアムを包む。
するとその直後に歓喜が再び。ディアラが右サイドを深くえぐると、併走していたニアのイグアインへパス。巧みなトラップと冷静さでGKバルデスをかわすシュート。3-0、レアルがダメ押しゴール。
この後もグティに代えてロビーニョ、ラウールに代えてルート・ファン・ニステルローイをピッチ送り出すシュスター監督。3点差がついたからといって、手加減するわけでもない。何点でも取りに行く姿勢。そして今シーズンの功労者にピッチに立たせたい――そんな気持ちだろうか。
入ったロビーニョがペナルティエリア左のところからクロスを上げると、何とプジョルの顔のところに行き、プジョルは思わず手を出してしまった。ハンド。PKスポットを指す主審。
ラウールが去り、PKキッカーは当然ファン・ニステルローイ。思わぬ形で復帰祝いをもらえた形だ。ゴール右隅を突く素晴らしいシュートで4-0。
絶望の淵にあるバルサにあって、メッシは一人気を吐く。
81分、中央からドリブルで上がると、右のドス・サントスを使ってワンツー・リターン。ペナルティエリアライン上からシュートを放ったが、これはGKカシージャスが右手のワンハンドセーブ!この後もメッシが一人で持ち込むがシュートまで持っていけない。
この後、メッシの斜めのスルーパスに反応したアンリがゴールサイドネットを揺らす「アンリらしい」シュートで一矢を報いるが、当然バルサ陣営に笑顔はない。
シャビがイエロー2枚をもらい退場、バルサにとっては良いところが何一つない試合だった。
レアルが4-1で圧勝。12月の23日のクリスマス・クラシコに続き、今季の直接対決を2勝した。
■総括
レアルが文句のつけようがない勝利を果たしたエル・クラシコではあったが、ベストメンバーでもないバルサ相手だった。2位ビジャレアルに勝ち点10差をつけての優勝とはいえ、補強費の少ないビジャレアル、自滅したバルサ・アトレティコ・セビージャ・バレンシアに救われた感があり、最後まで優勝を競り合わなかったリーガ・エスパニョーラに盛り上がりが欠けるような雰囲気さえある。
それにレアルは、チャンピオンズリーグ4年連続ベスト16に終わっている事実から目を背けることはできない。国内の地盤は固めた。次はどのような手を打ってくるか。まずは今夏の移籍市場で明らかになる。
「ダービーでは現時点の成績と異なる戦いになる」――そんな定石もなく、惨敗したバルサ。主力があれほど欠けては当然かもしれない。
検査で異常がないとの噂もあるロナウジーニョは欠場を続けている。夏の移籍は既定路線との声もあるが、ミランやインテルが「高額なため」手を引くという話もある。今の状態でバルサに残留したところで、モチベーションやコミュニケーションを保てるのかというところもある。
リヴァプールのフェルナンド・トーレスが、プレミアの初年度であれほどの好成績を出してしまっただけに、「環境に適応できない」は今後言い訳にならないかもしれない。何せ数十億円の移籍金など大金を出資してのこと、結果が出なければ意味がない。
ティエリ・アンリには今後も激しいプレッシャーがのしかかるだろう。ユヴェントス時代にあった「左WGでの起用」は失敗に終わっているが、それを繰り返している感が強い。
ライカールトは4-3-3を頑なに崩さず、センターフォワードにはエトオやボージャンがいるため左になってしまうアンリ。ジュゼッペ・グァルディオラが新監督になるという噂だが、「選手ありきのシステム」か、「システムありきの選手」を用いるか。
また以前の全盛期のバルサだったら「パス回しでスペースを崩して得点、”あるいは”メッシのドリブルの崩し」というオプション的なものだった気がするが、最近はメッシが一人で突っかける攻撃ありき、が多い。
その意図が読まれ、囲まれて自滅するパターンが多い気がする。
そんな全盛期のバルサを彷彿させるパス回しを展開したのはレアルだった。スネイデル、グティもさることながら、中でもピボーテのガーゴの展開力は見事だった。
2位のビジャレアルが勝利したため、チャンピオンズリーグの予備予選からスタートになるバルサ。4位のアトレティコ・マドリー、セビージャとは勝ち点6差。得失点差でバルサが優位に立つも、アトレティコが今日試合を行うため、バルサが4位に転落する可能性も。おそらく4位以内は保持できそうだが。
チャンピオンズリーグをストレートインできず、EUROがあるにも関わらず予備予選を戦うことになりそうなバルサ。夏の補強策にも大きく影響が出そうだ。
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13:15
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2008年05月06日
1.ミラン アーセナルから移籍金なしでフラミニを獲得
やれユヴェントスだ、やれインテルだ、いやアーセナル残留だと大騒ぎした結果、ミランがかっさらっていきました。
アーセナルでヴィエラやジウベルトら代表級の守備的MFの後任と見られたフラミニ。守備力に加えて展開力・攻撃力、そして前者を上回る運動量を持ち合わせたフラミニなくして、今季のガナーズの躍進はなかったですね。
完全に全盛期を過ぎてしまった感のあるガットゥーゾを押し退けるか、アンブロジーニが再びベンチに行くことになるのか。 ガットゥーゾはプレミアに興味があり、またかつて在籍したグラスゴー・レンジャーズでキャリアを終えたい、とも言っていましたので、今後どうなるか注目です。
そしてミランのロナウジーニョ獲得熱が醒めてしまっているよう。確かに(MFですが)フラミニ獲得の方が数十倍良い補強ですし、他にも若くて安い、将来性のあるFWは探せば沢山います。
バルサのラポルタ会長が「ロナウジーニョには4000万ユーロ(約65億円)以上の価値がある」と語り、インテルのモラッティ会長は「高すぎる」と手を引いた模様。モラッティ会長は2000年代前後は「とりあえず獲る」みたいな姿勢がありましたが、やっと賢明になったようです。99-00シーズンは、ロベルト・バッジョ、クリスティアン・ヴィエリ、ロナウド、イヴァン・サモラノ、アルヴァロ・レコバ、エイドリアン・ムトゥがいてFWが溢れてました(ムトゥは今みたいな活躍をしていないですが)
2.レアル・マドリード リーグ2連覇達成
「青と臙脂」のチームが絶不調だったため、何か盛り上がりに欠けた気がするリーガ・エスパニョーラ。エル・クラシコも消化試合になりそう、ということでどうなるか。
期待されたサラゴサや、UEFAカップで躍進したヘタフェ(躍進して試合数が増えたから?)、お家騒動のヴァレンシアがリーグ下位に沈み、降格もありえなくない状況。
再びのビジャレアルの台頭は良かったですが、「レアル1強(しかし欧州戦ではすぐに敗退)」になってしまったので、来季に期待です。
3.キーガンの警告「プレミアは世界一退屈」
http://news.livedoor.com/article/detail/3626766/
世間では「チャンピオンズリーグ決勝はイングランド対決だ!プレミア世界最強!!」という論調が強いですが、結局MとCとLの3チームがお金を持っていて強いだけですね。
その中でアーセナルは、やりくりというかヴェンゲル監督の手腕には本当に脱帽です。ヴェンゲル氏は選手獲得の方にも携わっていますので、若手の潜在能力を見抜く力、育成力など素晴らしいです。他の3強より応援したくなります。
4.ネドヴェド引退か?「数日の間に将来を決める」
かなり前にFC東京、少し前にジュビロ磐田とJリーグ入りの噂も絶えないネドヴェド。EURO2008ではロシツキーの出場が微妙なため、チェコ代表に復帰の噂もあります。最も可能性が高いのはユーヴェ残留でしょうが、大物外国人がめっきり減ってしまった現在のJリーグで、本気で引っ張ってくるべき選手ではないでしょうか?
中国に土下座して1億でパンダをレンタルするよりは、ネドヴェドを獲った方が経済効果はある気がします。
5.浦和の鈴木啓太、イングランド2部プリマスから獲得オファー
先ほどプレミアの4強とそれ以外、みたいな話をしました。プレミア2部のレベルはさらに落差があって低い、という話を聞いたことがあります。まぁ啓太が行く可能性は限りなくゼロに近いでしょうが。
6.京都「来年も欧州」松井獲り静観
http://www.daily.co.jp/soccer/2008/05/03/0001000538.shtml
現在のサンガに松井大輔が加われば上位進出が可能でしょうが、J1京都・梅本社長の意見同様、来季も欧州戦線で頑張ってほしいです。
もちろんサンガには強豪に「なっている」上で、松井を出迎えたいものです。
7.バルセロナ、グアルディオラが新監督就任へ
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20080506-00000016-spnavi-socc.html
1部での監督経験がないグァルディオラを監督に据えるのは結構な博打かと。地元ファンも「好ましい反応を示してはいない」よう。かつてバルサに在籍していたミカエル・ラウドルップが、今季ヘタフェでUEFAカップを勝ち抜いた実績で、バルサ入りかという噂もありました。
ヘタフェのお家芸(?)、躍進の翌季には強豪で指揮を執る。
キケ・サンチェス・フローレス →ヴァレンシア
ベルント・シュスター →レアル・マドリー
ミカエル・ラウドルップ →??
ライカールトが次にどこに行くのかも楽しみです。オランダに戻るのかそれとも…?
ヴァレンシアをクビになってしまったロナルド・クーマンですが、彼がバルセロナを率いてみても面白かったんじゃないかなと思っています。選手としての在籍経験もありますし、ヴァレンシアでの失敗は「4-4-2に慣れきっているチームを無理矢理4-3-3に当てはめようとした」「システムに合わない主力・ベテランを排除した」ことだと思います。
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14:21
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2008年05月05日
セリエA第36節、ACミランvsインテルの試合がジュゼッペメアッツァにて行われた。
試合は終始ミランペース。現在の順位に関係なく白熱した戦いになるダービー。来季のCL出場権を勝ち取るミランの心意気が、インテルの「今日逃しても優勝できる」という油断に近い気持ちを上回ったか、ミランが幾度もインテルゴールへ攻め入った。
前半はスコアレスに終わったものの、51分にカカからインザーギが決め、56分にはルーズボールを奪ったカカーが持ち込んで自ら決め2-0。76分にクルスが見事な直接FKを決めるが、その後続かず2-1で終了。
インテルの優勝は、2位ローマが勝ったため次節以降に持ち越し。一方のミランは、フィオレンティーナが負けたために4位に浮上した。
■プレビュー
ホームのミラン、パオロ・マルディーニやエメルソンがスタンド観戦。マレク・ヤンクロフスキがベンチスタートとコンディションが整わない。
しかしここ4試合で3勝1敗、合計14得点を挙げている。敗れたユヴェントス戦もアウェーでの3-2であり、決して後ろ向きなものでもない。
そしてフィリッポ・インザーギが正に”スーペル”な活躍。5日のカリアリ戦と12日のユヴェントス戦ではドッピエッタ(2得点)、27日リボルノ戦ではトリプレッタ(3得点、ハットトリック)を含む、ここ4試合で8得点の「固め取り」。悔やまれるは、この調子をシーズン序盤から出せていたら…。
GK ジェリコ・カラチ
DF カハ・カラゼ
アレッサンドロ・ネスタ
ジュゼッペ・ファヴァッリ
ダニエレ・ボネーラ
MF ジェナロ・ガットゥーゾ
アンドレア・ピルロ
マッシモ・アンブロジーニ
クラレンス・セードルフ
カカー
FW フィリッポ・インザーギ
アウェーのインテルは、ケガのイブラヒモビッチを長く欠いているが、特に問題を感じさせない選手層の厚さ。優勝が決まる一戦だっただけに、スタンドにはフィーゴ、セーザル、サムエル、ダクール、ソラーリが駆けつけていた。
GK ジュリオ・セザル
DF マイコン
マルコ・マテラッツィ
ネルソン・リバス
クリスティアン・キヴ
MF ハビエル・サネッティ
パトリック・ヴィエラ
エステバン・カンビアッソ
マニシェ
FW フリオ・クルス
エルナン・クレスポ
ミラノ・デルビーは今日で267回目。通算成績はミランの103勝91敗72分。
ロゼッティ主審は、チャンピオンズリーグのチェルシーvsリヴァプールの第2戦に続いて、この重要なゲームを裁く。
■前半 ミランペース
序盤は激しいボディコンタクトが続いた。カカーは特にハードマークされ、競り合いで顔にヒジが入っているような場面もあった。
前半はほとんどの時間をミランが圧倒。左SBのファヴァッリが積極的に上がり、クロスを供給し続ける。しかしインテルの守備陣は集中しており、クロスボールをことごとく弾き返していく。
19分、中央でボールを持ち、「ためにためた」カカーがライン裏のインザーギに決定的なパス。インザーギがシュートを放ったが、これはGKセーザルがストップ。頭を抱えるインザーギ。しかし今日も得点の薫りを発散させている。
36分、今度は右SBのボネーラがオーバーラップ。中央のインザーギにクロスと見せかけて、ニアのカカーへ。これは呼吸が合わず足につかなかった。
41分、ファヴァッリは、22分にリバスから受けたタックルの痛みが引かず、マレク・ヤンクロフスキと交代。
ミランは攻め続ける。
45分、インテルプレイヤーが7人戻っている状態。セードルフは中央でボールを持ちつつ様子を窺うと、右サイドに走りこんだカカーへ。カカーはワンタッチで中央へ折り返すと、インザーギがダイビングヘッドで合わせた!…しかし無情にもゴール左へと逸れていった。
■後半 インテルが逆襲も…
後半になっても流れは変わらなかった。そして試合が動き出す。
50分、センターサ-クルあたりでヴィエラがアンブロジーニを倒すと、ミランが早いリスタート。中央をセードルフがドリブルで持ち上がると、右サイドを上がっていたボネーラへと展開。ボネーラは、中央から前方に流れてきたカカーにボールを預ける。カカーはゴールライン近くまでドリブルで深くえぐりクロス、ニアへ飛び込んできたインザーギが頭で流し込み、そのままカカーに飛びついた。
1-0、ミラン先制!インザーギはこれで5試合連続ゴール!
この後、セードルフがミドルシュートを狙い、追加点の雰囲気を漂わせる。
そして55分、ヴィエラのボールキープをアンブロジーニが激しくチェイシング。ルーズボールをカカーが拾い、一気にゴール前に持ち込む。インザーギがゴール前で存在をアピールしたが、カカーが落ち着いて流し込んだ。
2-0、ミランが突き放す。このゴール後、ガットゥーゾがアンチェロッティの元へ行き指示を仰ぐ。その表情に浮かれたものはない。
良いところがないインテル。しかし流れを寄せつつある。
61分、縦パスのロビングボール(浮き球)に競り合った2人、カンビアッソの後頭部とネスタの顔面が接触。その後インテルのチャンスとなったので、演技か意識が飛んだかは分からないが、後ろに倒れこむネスタ。
しかしノーホイッスルでプレイは続き、ヴィエラがパスを送るとクレスポがGKカラッチと1対1の状況に。しかしここはカラッチがコースを消して難を逃れた。
63分、右サイドのマイコンのクロスに、クレスポとカンビアッソが飛び込むが、それぞれボネーラとガットゥーゾのファウルを主張。この後のCKでは、セカンドボールをマイコンがシュートに持ち込むがGKカラッチの好セーブに阻まれる。
なかなかゴールを奪えないインテル、マニシェに代えてマリオ・バロテッリ、クレスポに代えてダヴィド・スアソと攻撃のカードを切る。
そして75分、クルスがペナルティエリア手前の位置でアンブロジーニに倒されFKを獲得。ここ最近のインテルのプレースキッカーはキヴかバロテッリだが、キヴがスルーすると蹴ったのはクルス!吸い込まれるような弾道が、ミランゴールゴール右に。2-1、インテルが1点差に詰め寄る。
83分、75分に得たところから少し遠い位置のFKをインテルが獲得。今度はキヴが蹴り、ゴール左上の枠内をギリギリ捉えたがGKカラッチがファインセーブ。先ほどのシュートでは逆を突かれただけに守りたかったFKだろう。
87分、カウンターでスアソが左サイドをドリブルで駆け上がるが、ネスタが「完全なる」スライディングでストップ。
時間が過ぎてゆく。インテルには短く、ミランには長く。
ロスタイムは4分。何が起こるか分からない長さだ。しかしミランは守備で集中しており、攻撃ではカカーが無理に持ち込まず、冷静にゲームをコントロールしようとする。
そして残り数十秒、というところでインテルが右寄り25mの地点でFKを獲得した。
同点弾を挙げれば、引分けでもスクデット(優勝)が決まる。
ジュゼッペ・メアッツァに緊張が走った。しかし最も緊張していたのは、当然だがキヴだった。大きく上にフカしてゲームオーバー。
2-1でミランが勝利した。
■総括
ミランが調子を取り戻しているとはいえ、インテルに気迫が感じられないゲームだった。前半のハイライトはほとんどミラン、インテルは後半になってようやくエンジンがかかったかという戦い方だった。欧州カップ戦もさっさと敗退し、コンディションは悪くないはずだが。次節はホームでシエナを、最終節はアウェーでパルマ戦だ。ホームで文句なしの優勝を決めたいというところと、今節引分け以上で優勝という油断もあったかもしれない。しかし最後まで何が起こるか分からない。
12位のシエナは今節、ユヴェントスを破る金星。インテル戦でも「何か」やってくれるか。
ミランは見事ダービーに勝利し、このままCL出場権の4位を固めたいところ。今節、フィオレンティーナがカリアリに敗退。フィオレンティーナはUEFAカップレンジャーズ戦からのコンディション不良、精神的ショックを引きずってしまっているかもしれない。
CL出場如何によって、来季の予算編成・今夏の移籍市場の動き方が大きく変わってしまう。残るアウェーのナポリ戦、最終節のホーム・ウディネーゼ戦は絶対に落とせないところだ。
スペインではレアル・マドリー、ドイツではバイエルンが2位に10ポイント差をつけてのリーグ優勝を決めた。7日のバルサ対レアルの「エル・クラシコ」が消化試合になる懸念もある。セリエAは最終節まで優勝争いをもつれこませて面白くしてほしい。
トッティ不在の中、ここ2試合で4・3と7得点を挙げるローマ。まだスクデットを諦めてはいないはずだ。
首位争い、4位争いにまだまだ目が離せない。
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2008年05月03日
チャンピオンズリーグ準決勝第2戦、チェルシーvsリヴァプールの試合がスタンフォード・ブリッジで行われた。
第1戦において、終了間際のリーセのオウンゴールで貴重なアウェーゴールを得たチェルシー。この日も堂々たる戦いぶりで、33分にリーセのカヴァーリング不足をついたドログバがシュートをねじ込み先制。
リヴァプールは64分にトーレスがゴールを挙げ反撃するが、同点のまま終了し延長戦へ。
延長4分、エシアンのゴールが取り消されたが、直後にPKを獲得。ランパードがきっちり決めると、延長前半終了前にはドログバが2点目。3-1と突き放す。
延長27分にバベルがロングシュートを叩き込み、一気に緊張感が増すがチェルシーが守りきり勝利。
チェルシーは5月21日の決勝戦で、マンチェスター・ユナイテッドと戦うこととなった。プレミアリーグとの2冠を達成するのか、それとも1冠分け合うことになるか。
■プレビュー
ホームのチェルシーは、母親を亡くし傷心のランパードが戦列に復帰。心身ともにコンディションが心配される。
GK ペトル・ツェフ
DF マイケル・エッシェン
リカルド・カルヴァーリョ
ジョン・テリー
アシュリー・コール
MF クロード・マケレレ
フランク・ランパード
ミヒャエル・バラック
FW ジョー・コール
ディディエ・ドログバ
サロモン・カルー
アウェーのリヴァプール、目を引くのはヨッシ・ベナヨウンの起用。バベルがベンチスタートとなった。第1戦で負傷したファビオ・アウレリオは欠場、動揺が心配されるリーセがスタメン出場。汚名返上なるか。
GK ペペ・レイナ
DF アルバロ・アルベロア
ジェイミー・カラガー
マルティン・シュクルテル
ヨン・アルネ・リーセ
MF シャビ・アロンソ
ハビエル・マスチェラーノ
ディルク・カイト
スティーヴン・ジェラード
ヨッシ・ベナヨウン
FW フェルナンド・トーレス
■手の内を知り尽くした両者
試合の入り、というのは相手の様子を見るべく慎重な立ち上がりになりがちだ。しかしプレミアリーグで何度も手を合わせている両チーム、序盤から激しいトランジション・ゲームを展開する。
手数(というか足数か)をかけずにどんどん前線にボールを運んでいく。オウンゴールを得ているチェルシーはスコアレスドローでも勝ち進めるが、攻撃は最大の防御とばかりに攻める。
ドログバとシュクルテルのマッチアップは圧巻だった。シュクルテルは191cm・81kg の巨体。UEFAカップで決勝に進んだゼニトから1月にやってきたCBだ。この対決は正に「巨象と巨人」のよう。
5分にはドログバがポストプレーでボールをもらい、反転してミドルシュート。枠を捉える強烈なシュートで、GKレイナはラインに逃れるのが精一杯。
9分、今度はリヴァプールが攻め立てる。カウンターで左サイドからベナヨウンがドリブルで持ち上がり中央のジェラードへ。ベナヨウンと入れ替わるように、左サイドのスペースへ移動したトーレスへジェラードがパス。チャンスとなったが、GKツェフの絶妙な飛び出しでCKに逃れる。
18分、中央のマケレレからドログバへ。ランパードに預けて猛然と前線へ。ランパードがためてスルーパスを出し、ドログバがシュートに持ち込むがゴール右へ逸れてしまう。ランパードのコンディションに問題はないようだ。
この後、ドログバと接触して足を痛めていたシュクルテルが交代。サミ・ヒューピアが入る。
33分、試合が動いた。チェルシー、自陣の高い位置でカルヴァーリョがトーレスからボールを奪うとランパードへ預ける。ランパードはすかさずグラウンダーのロングスルーパス、これがカルーに通る。カルーは2人に囲まれながらもシュート、GKレイナがこれを弾く。近くにリーセがいたが反応が遅れる。リーセより遠い位置にいたドログバが、「巨象から黒豹」に変貌した。エリア外から、獲物を見つけた猛獣がボールに飛びつきゴールに叩き込んだ。1-0、チェルシーが先制点を挙げた!
40分、左サイドからカルーがスピードに乗ったドリブルで仕掛けるとX・アロンソがたまらずカニ挟み。イエローカードをもらう。
27m地点、26日のマンチェスター・ユナイテッド戦でバラックとドログバが言い争いをしたところに近い地点だ。ドログバが狙う雰囲気を醸し出すが、バラックが直接蹴った。GKレイナは動けなかったが、ボール2個分くらいのところで枠を外れた。
1-0のチェルシーリードで前半が終了。シュート数がチェルシーが10本放って枠内6、リヴァプールが3本中枠内1本と、チェルシーが圧倒。中でもミドルシュートの精度がかなり高いことに驚かされた。GKレイナには考えられないくらいの心理的・物理的なプレッシャーがのしかかったことだろう。
■後半
47分、マスチェラーノが山なりに前方へパス、ジェラードが頭で中央へ送るとカイトが右足のアウトサイドで合わせたが、これは弱くツェフが足で弾き出した。
63分、再び試合が動く。
右サイドに流れていたベナヨウンがボールをもらうと、その前をジェラードが横切り囮に。ベナヨウンは中央へドリブルで仕掛けドログバ・マケレレを振り切ると、カルヴァーリョ・テリーのCBコンビの集中も引きつけ、トーレスへ決定的なラストパス。このお膳立てを決めないわけにはいかないトーレス、ツェフの動きをきっちり読みきり、ゴール右隅へ流し込んだ。1-1、リヴァプールが追いつき、合計スコアもタイに!
リヴァプールはベニテス政権になってから、スタンフォード・ブリッジでは3分5敗。得点はゼロと苦手にしているスタジアムだった。試合前日の記者会見でそのことを問われたベニテス監督は「明日それを変えればいいだけの話」と楽観視していたが、見事に結果を出した。
その後は一進一退の攻防。チェルシーが相変わらず枠内にシュートを飛ばすので、チェルシーが優勢と見ても良いか。75分、エッシェンが右サイドをゴリ押しで突破し、シュートまで持っていく様は圧巻だった。
チャンピオンズリーグで3度目の準決勝対決となる両チーム、180分で決着がつくほど簡単ではなかった。
■延長
チェルシーは延長開始からJ・コールを下げてFWニコラ・アネルカをピッチに送り出す。
しかし先に仕掛けたのはリヴァプール。中央~右サイドで勝負すると、ジェラードから後ろのX・アロンソに戻す。すると左のオープンスペースへ展開、リーセが飛び出す。クロスを上げるが、トーレスとマスチェラーノがカブってしまいシュートまで持ち込めず。
延長4分、後半に入っていたマルダが縦パス。ドログバが巧みなトラップで処理し、カラガーをかわし突破する。しかしカラガーが追いつきラインに逃れCKに。
このCKで、こぼれ球をエッシェンがペナルティエリアライン上からシュート、チェルシー勝ち越し弾!…と喜びも束の間、線審がフラッグを掲げる――オフサイドだ。リヴァプールが最終ラインを上げ、チェルシープレイヤー4人が残っていた。プレイに関わらなければオフサイドにはならないが、GKレイナの視界を邪魔するようであればオフサイドと認められる。微妙なポジションだったが、ゴールは認められず。
しかしこの直後、再びリヴァプールエリア内に攻め入った際に、バラックがヒューピアのタックルを受けてPKに。最近はバラックが蹴っていたが(ランパード欠場だからかもしれないが)、ここはランパードがキッカーを務める。
プレッシャーがかかる場面だが、きっちりと決めたランパード。2-1、チェルシーが勝ち越し。ランパードは腕の喪章を外し、亡き母親に祈りを捧ぐ。
そして延長前半終了間際、右サイドで攻撃を展開するチェルシー。ポストプレーでマルダが懐に収め溜めた後、ライン裏へ抜け出したアネルカへパス。アネルカがクロスを送ると、ドログバが走りこみ、ニアで合わせてGKレイナの足下を射抜くシュート!3-1、試合を決定づける得点を挙げる。
リヴァプールはすかさずトーレスを下げバベルを投入。
延長後半27分、30~35mはあろうかというところから、バベルがロングシュート。これがGKツェフの手を弾き、チェルシーゴールを破る。3-2。緊張が走るスタンフォード・ブリッジ。何せ追いつかれたらアウェーゴールで敗北が決まる。
この得点シーンの前に時間稼ぎであろう、交代にシェフチェンコを用意していたグラント監督。守備の選手を入れるべきか迷ったのか交代が遅らされたようだが、結局29分にランパードを下げてシェフチェンコを投入。
しかし時間は少なくロスタイムも1分、そのまま3-2で試合が終了した。
■総括
チェルシーは、第1戦のオウンゴールによるアウェーゴールで余裕ができたかもしれない。しかしそれを抜きにしても、この試合は質の高いサッカーを披露した。前述の通り、まるで「スナイパー」のように精確に枠を捉えたミドルシュート。GKレイナを終始脅かした。
一時期不調に陥っていたドログバがコンディションを戻してきたようで、ゴール前で力強いパフォーマンスを見せ2得点の活躍。
心配されたランパードも、強いメンタルと存在感を見せつけた。
チェルシーはこれで2冠を狙う体勢が整った…と言いたいところだが、3日に行われたプレミアリーグ、マンチェスター・U対ウェストハム戦が終了し、4-1とマンチェスター・Uが圧勝。チェルシーが勝ち点でもし並んでも、得失点差で大差をつけられているために苦しい状況となった。ビッグイヤーは意地でも勝ち取りたいところだろう。
リヴァプールは悔やみきれない敗戦。もしアーセナル、チェルシー、マンチェスター・Uと倒していけば、現在リーグ4位のリヴァプールが他の4強を倒していくという面白いストーリーがあったのだが、ここで舞台を降りることとなってしまった。
クラブは現在借金を抱えており、シーズン終了後にトーレスを放出せざるをえなくなるのでは、という報道も出ている。名誉もそうだが、CL優勝で賞金を得ていれば、という思いもあるだろう。
CLの決勝は5月21日、モスクワにて行われる。
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22:25
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2008年05月03日
Jリーグ第10節、京都サンガvsコンサドーレ札幌の試合が、西京極で行われた。
田原とダヴィという両チームのFWの柱が不在。そんな中、京都の加藤監督が中山ではなくアタリバをトップ下起用。これが見事に当たり、20分にアタリバが先制ゴールを挙げる。
札幌も反撃を試みるが、京都が押し気味に試合を進め、1-0で京都が勝利。3連敗を脱出し、5月スタートを良い形で切れた。
■プレビュー
ホームの京都、FW田原が出場停止中、次の試合から復帰予定。アタリバをトップ下起用という策に出た加藤監督。吉と出るか凶と出るか。GKは前節の磐田戦に続き、水谷が起用された。
システムは3-5-2。大剛と中谷がサイドに張り、中山と勇人のダブルボランチ。
GK 水谷 雄一
DF 増嶋 竜也
シジクレイ
手島 和希
MF 渡邉 大剛
中山 博貴
佐藤 勇人
中谷 勇介
アタリバ
FW 林 丈統
柳沢 敦
アウェーの札幌はダヴィ出場停止のため不在。そして藤田、西嶋、中山を欠く苦しい台所事情。ボランチのクライトンを2トップの一角に。クライトンはブラジルのボタフォゴFRで、アタリバとダブルボランチを形成していたことが。
GK 高木 貴弘
DF 池内 友彦
柴田 慎吾
吉弘 充志
坪内 秀介
MF 砂川 誠
ディビッドソン純マーカス
芳賀 博信
西谷 正也
FW クライトン
西 大伍
今日の西京極は30℃の暑さ。はるばる札幌から来るのは大変だろう、アウェー席はやはり空席が目立った。
無得点3連敗中の京都と、2連敗中の札幌。イヤな流れを断ち切れるのはどちらか。
■「左サイド+アタリバ」
スタメン発表でFW登録のアタリバに注目が集まった。まさか3トップの一角を担うのかと思われたが、トップ下だった。今までの動きでは守備型のMFかと思われただけに「奇策」かと思われた。
しかし開始早々にそのアタリバが前線に柔らかくパス。抜け出した柳沢がチップインシュートを狙ったが、猛然と飛び出すGK高木と激しく交錯。頭を打ったようで意識があるか心配され、そのまま担架で外へ。どうやら額を出血したようで、テーピングを巻いてピッチに戻った。
西京極は今日も強風が吹いていた。前半は札幌の追い風だったが、攻撃に追い風は来ない。京都は左サイドの中谷と勇人が激しく動く。自陣の下がり目の位置からボールを持ってスルスルッと上がった勇人。バイタルエリアに入り込みDFの意識をひきつけた。そしてアタリバにパス!アタリバは落ち着いてワンドリブルでマークを外すと右足を振り抜き、ゴール左隅へ叩き込んだ。1-0、京都が先制した!
「左サイド+アタリバ」、この流れが続く。得点直後に勇人がインターセプト、30分には中谷がボールを奪い、横に流すとアタリバがワンタッチで前線へ。スペースに侵出した柳沢がワントラップでGKを交わそうとしたところを倒されてPKを獲得!
しかしこのPKをシジクレイが蹴り、右に外してしまう。このところ得点できていない柳沢に蹴らせて勢いづいてほしかったが…。
札幌は右サイドからのクロスにクライトンが押し込む場面があったが、ボールをもらう前の競り合いで倒してしまい、幻のゴールに終わった。
■中山のゲームメイク
前節出番がなかった中山。結果論にすぎないが、ミランのアンドレア・ピルロのように視野が広く、決定的なロングパスを出せる中山なら後方からゲーム展開の舵取りをするのも良いかもしれない。勇人という守備面の負担を減らす相棒もいるし、アタリバもいる。ピルロとガットゥーゾ&アンブロジーニのような関係だ。中山は守備もしっかりとやっている。
34分には柳沢がバックチャージを受けてファウルかと思われたがノーホイッスル。っ両軍の足が止まったが、中山はスキを見逃さず前線の林へ。これはGK高木がストップ。
82分の場面では、自陣でボールを奪った中山が即座に前線へ大きくフィード。柳沢が抜け出し、DF2人に囲まれながらもつま先でループシュートを狙ったが大きく上へ外れてしまった。
ライン裏への抜け出しが巧みな柳沢と林という2トップには、中山のパスセンスは合致する。これにアタリバの攻撃センスが絡めば、田原に当てるポストプレー戦術に加える攻撃バリエーションの一つとなるだろう。
■攻め手を欠く札幌
前半、シュートがゼロに終わった札幌。攻撃の核となる選手を欠いているのが痛いところ。クライトンは良い動きを見せているものの、後半から石井 謙伍を入れてワントップ気味にし、クライトンに下がり気味でゲームメイクを司ると、札幌はボールの回りが良くなりチャンスを作り始める。
しかしその攻撃もシュート空振りなどのミスや、京都の必死のディフェンスの前に得点できない。
逆に京都は後半もどんどん攻めていく。
55分、柳沢が自陣で積極的にディフェンスしてボールを奪うと、中谷が左サイドから持ち上がる。決定的なパスを出すも、前目でもらいたかったアタリバがトラップしきれず好機を逸する。
59分には京都が攻撃をしのいでカウンター、柳沢が持ち込みシュートもゴール左。
73分、京都は左サイドに意識を集中させてから一気に右サイドに展開。大剛がアーリークロスで放り込むと、途中交代で入った西野が倒されるもノーホイッスル。ゴールラインで、交代で入った徳重が粘りマイナス気味に戻すと、そこに柳沢が完全な形で札幌ゴールを破った!…かに見えたが、徳重の戻しの際にラインを割っていたためノーゴールに。
この後は札幌の攻撃をしのいで、1-0で京都が勝利を挙げた。
■MOM 柳沢 敦
ゴールへの意欲、交錯を恐れぬ勇敢さ、オフ・ザ・ボールの動き、献身的な守備。それに胸トラップ、足でとあらゆるところに落とし、自分の持っていきたい体勢に持ち込む身体使いの巧さ。
前節終了後に加藤監督に「そろそろ得点が欲しい」と名指しされて期待をされている柳沢。惜しい場面が何度かあり、決めたゴールも幻のゴールだったが動きは試合を通して良かった。
この試合の後のインタビューで加藤監督は「身体のキレは良いし、波に乗れれば固め取り(大量得点)も可能だ」と、ストライカーに全幅の信頼を置いている。
次節に大いに期待しよう。
■総括
終わってみればシュート数が20対4と京都が圧倒的に押した。札幌の三浦監督は、試合後に「怪我人が多いのはお互い様なので言い訳にはならない」と語ったが、選手層の厚さはないので頭を悩ませていることだろう。10代後半から20代前半の選手が多く、成長を待っていては降格圏内から脱出することは苦しくなる。
京都は途中から入った西野が何度か好機に絡めていた。いまだノーゴールだが、少ない出場機会を十分に生かして飛躍してほしい。
GK水谷は2試合目のスタメン、そして西京極初登場となった。安定したフィールディング、ライン際での落ち着いたセーブ、場面を見極めた飛び出し。浦和など強豪とやりあったGK平井と比べることは難しいが、水谷が安定していたのは事実。今後、激しい正GK争いが続くようだ。
中谷は動きは良かったものの、クロスの精度の低さが気になった。しかし中谷も出場機会は最近になって増えてきたので、フィットしてきたら貢献度は増すだろう。
今日は五輪代表の井原コーチが観戦。中山の視察を明言したらしい。中山は今日何度も良質のパスを繰り出していたので好印象ではないだろうか。増嶋は23歳になったばかり、滑り込みでの出場も期待される。
5月、良いスタートを切ることができた京都。次は千葉に乗り込んでの一戦。その後は横浜FM、G大阪、清水と強豪の3連戦が控えているため、2連勝で気持ちよく連戦に臨みたいところだ。
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16:03
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京都サンガ |
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2008年05月02日
UEFAカップ準決勝第2戦、フィオレンティーナ対レンジャーズの試合が、アルテミオ・フランキにて行われた。
グラスゴーのアイブロックスで行われた第1戦はスコアレスドロー。この第2戦もレンジャーズが守備的戦術に終始し、延長戦を経ても1点も入らずPK戦に。
フィオレンティーナ、リヴェラーニが止められ、ヴィエリが大きく外したことにより、PK戦を制したレンジャーズが勝利。5月14日の決勝戦へと駒を進め、優勝をかけてゼニト・サンクトペテルブルグと戦うことになった。
■プレビュー
ホームのフィオレンティーナ、セリエAで来季のチャンピオンズリーグ(以下CL)出場権をミラン・サンプドリアと争っている。27日にサンプドリアと直接対決があったが、残り数十秒というところで同点に追いつかれて、勝ち点を「2」失った形だ。
プランデッリ監督はあまりローテーションを用いない。選手の疲労はピークに達しているはずだ。
GK セバスティアン・フレイ
DF マルティン・ヨルゲンセン
アレッサンドロ・ガンベリーニ
トマーシュ・ウィファルシ
マッシモ・ゴッビ
MF マルコ・ドナデル
ファビオ・リヴェラーニ
リッカルド・モントリーヴォ
FW マリオ・サンターナ
ジャンパオロ・パッツィーニ
アドリアン・ムトゥ
アウェーのレンジャーズ、リーグ戦はセルティックとの”いつもの”2強争い。
GK ニール・アレクサンダー
DF カーク・ブロードフット
カルロス・クエジャール
デイヴィッド・ウィア
サシャ・パパツ
MF スティーヴン・ウィテカー
バリー・ファ-ガソン
ブライム・ヘムダニ
スティーヴン・デイヴィス
ケヴィン・トムソン
FW ジャン・クロード・ダルシュヴィル
■何をしに来たのか?
私の拙い文章によるゲームレポートは、つらつらとプレイを書き並べてしまうことが多い。しかしこの第2戦をそのような書き方にすれば、読んでいただいている方はすぐにこのページを閉じてしまうことだろう。普段と違う書き方で進めることにする。
「彼らはフィレンツェに何をしに来たんだろう。フットボールか?いや違う。守備をしに来たんだ。はるばるね」
これはフィオレンティーナの選手の試合後のインタビュー…ではない。想像、憶測だ。しかし遠からずだろうと思う。
■レンジャーズの欧州での戦術
レンジャーズはチャンピオンズリーグのグループリーグで敗退。3位だったのでUEFAカップに回ることができた。その前のグループリーグのお話。
07年10月23日のレンジャーズ対バルセロナ戦、レンジャーズはホームにも関わらず守備を固めてほとんど攻撃を放棄した。そして試合後、バルサのリオネル・メッシはこう語った。
「レンジャースには試合をしようという気がなかった。試合開始からアンチ・フットボールともいえるプレーをしていた。こんなサッカーをするチームに勝てなかったのは本当に悔しい」
実力差があるなら、現実的に勝ちに行くなら、こういう戦術も批判はできないだろう。しかしこの試合「も」酷かった。フィオレンティーナをF、レンジャーズをRとすると、
総シュート数 F:29 R:7
ファウル F:16 R:31
支配率 F:61% R:39%
であった。レンジャーズのシステムは4-4-1-1か。FWダルシュヴィルを前線に残して、4×2枚の白い壁を自陣に築いてひたすら耐えるのみ。
実況もフィオレンティーナの一方的な攻撃の試合展開に「knockin' on the Door!!」と呆れて(?)いた。
■原因はフィオレンティーナにもあり
フィオレンティーナの、コンディション不良による攻撃の精度の低さもレンジャーズには味方したのだろう。いつもなら決めているようなシュートも、力なかったりCBに楽々クリアされていた。4月13日のセリエA、インテル戦も似た状況だった。PSV戦を戦い、プレーにキレがなく、あえなくインテルに敗れた。
レンジャーズは、途中交代のダニエル・クザンが退場した時も、4-4-1-1の「1」が減っただけの話であって、結果に大きな影響があったとは言えない。
そしてヴィエリの絶不調が響いた。途中交代で入ってから、幾度となくチャンスに絡んだが、身体の重たさが明らかだった。
レンジャーズは前半には、2列目が飛び出したり攻撃意欲を多少見せていたが、時計の針が進むに従って、自陣から動かなくなった。
■延長を終えて
120分、攻め疲れ、走り疲れたのはもちろんフィオレンティーナだ。レンジャーズは、ゴール前で集中して弾き返すことしかやってない。スタミナの浪費もさほどないだろう。実際、レンジャーズは延長戦にも関わらず交代を2枚しか切らなかった。選手を代えて得点することは考えず、守備の流れを壊すことを嫌がったのだろう。
そしてPK。フィオレンティーナのGKフレイに期待がかかり、それに応えて1本止めたがそれまで。フィオレンティーナ側は、助走短く蹴ったリヴェラーニがGKに読まれ、絶不調のヴィエリは大きく枠を外した。何故ヴィエリに蹴らせたのか?今季終了後の放出は免れない気がする。何よりティフォージ(ファン)が黙っていないだろう。
そしてムトゥは蹴らなかった。誰よりも前線で精力的に動いていたため、足が限界に来ていたのかもしれない。
■最低の試合
反感を招くかもしれないが、これは「最低の試合」だった。昔のイタリア代表やセリエAクラブの所謂「カテナチオ的戦術」をしっかりと観ていないので、正しい比較はできないが、レンジャーズは「攻める気がゼロ」であり、「守備能力の高さというより、人を多く並べただけ」だった気がする。
2002-2003シーズンのチャンピオンズリーグ決勝は、ミランvsユヴェントスのイタリア対決。こちらもスコアレスドローの末、PK決着だった。「点を取らない守備的なサッカーなんぞイタリア国内でやってろ」と他国から批判続出の1戦だったようだ。しかしこちらは「正に堅守」のぶつかり合いだったようだ。この時の試合もしっかりとは観ていないので、確認したい。
そういえば今年のCLは02-03以来の同国対決であり、UEFAカップの決勝の地は「そのCL決勝があった」マンチェスターだ(ただしオールド・トラッフォードではなく、マンCのシティー・オブ・マンチェスター)。まさか決勝もPK決着か。それともバイエルンから4得点を奪ったゼニトが勢いそのままに大量点か?
決勝は5月14日。uefa.comでオンライン生中継される。
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07:46
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