2008年02月14日

パ・リーグの外野手のアウト獲得率

前回は「セ・リーグNo.1外野手は意外な人物」と題して記事を書きましたが、このタイトルが気に入らないという人が何人かいたようですので、面白くも何ともないタイトルになりました。その意外な人物は間違いなく「アウト獲得率No.1」なのですが…やっぱりダメですかね?いかに面白い、人を引きつけるタイトルをつけられるかどうかも、我々ブログを書く人間の技術だと思うのですが。

さて本題です。前回同様、守備率から観てみましょう。

順位  選手名     守備率
 1  G.G.佐藤  1.000
 2  大村直之    1.000 
 3  下山真二    1.000 
 4  森本稀哲     .994
 5  稲葉篤紀     .992
 6  多村 仁     .991
 7  柴原 洋     .991
 8  礒部公一     .990
 9  鉄平       .989
10  福地寿樹     .989
11  和田一浩     .985
12  サブロー     .983
13  村松有人     .979
14  早川大輔     .969

守備率の計算式は(刺殺+補殺)÷(刺殺+補殺+失策)です。
しかしエラーというのは公式記録員の主観で決められているので「純粋な比較」というのは少し無理がある数値である。難しい打球を積極的に追いかけた結果、その打球を捕球できずに「エラー」と判定された場合もあれば、追いつきそうな打球を追いかけないで「ヒット」と判定された場合もあるだろう。なので数値が高いほど自分が追いかけた打球は確実に捕球できるということになる。もちろん高い方がいい。ただ積極的な守備をしていた人が報われない感じが少し嫌なのだ。

ということで「アウト獲得率」の出番である。どれだけアウトをたくさん取れているか?という数値です。前回のセ・リーグ編はガイエル選手が1位という意外な結果でしたが、今回のパ・リーグ編ではどうでしょうか?

計算式(刺殺+補殺)÷試合数

順位  選手名    試合数  刺殺  補殺   アウト獲得率
 1  森本稀哲   143    342    15    2.49
 2  サブロー   130    278     8    2.20
 3  鉄平     132    270    10    2.12
 4  稲葉篤紀   123    225     4    2.10
 5  G.G.佐藤 131    267     7    2.09
 6  和田一浩   102    195     8    1.99
 7  早川大輔   128    246     6    1.97
 8  大村直之   110    203     3    1.87
 9  福地寿樹    99    177     5    1.84
10  下山真二   106    185     5    1.79
11  多村 仁   126    223     6    1.78
12  柴原 洋   123    210     8    1.77
13  礒部公一   117    198     6    1.74
14  村松有人   118    181     5    1.57

心のどこかでセ・リーグのガイエル選手のような意外な選手を期待していたが、トップはやはり日本ハムの森本選手です。ゴールデングラブも141票を集めてトップ当選している。有効投票総数は148なのだが、逆に森本選手に投票しなかった7人にその理由を聞きたいくらいである。

ワーストは村松選手。村松選手の守備率はワースト2位でした。大変申し上げにくいが、積極的に打球を取りに行くわけではない上に、取りに行った打球を正確に捕球できているわけでもない。ゴールデングラブの記者投票では2票入っている。この2人にその理由を聞きたいくらいである。
どうでもいい話かもしれないがパワプロでは村松選手が走力B12、守備力C10で森本選手が走力B12、守備力C11でした。何を基準に決めるんだろうか?少し気になる。

何度も言うようだが前回はガイエル選手が1位という意外な結果が出た。僕のような人間は「だからデータを出すのは面白い!」と思いました。しかし「ガイエルはどう見ても下手だからこんな数値は信用できない」という意見もあった。要するに「自分の印象と大きく食い違うから信用できない」ということでしょう。しかし今回のパ・リーグのデータはほとんどイメージ通りではないだろうか?セ・リーグの2位以降もある程度イメージ通りの顔ぶれだった(強いて挙げるなら中日の李選手も以外といえば以外)。「たまたま」に大きく左右される数値であればたくさん意外な選手が多く上位に食い込んでくるはずですし、名手といわれる選手が下位にいることだってあるはずです。しかしそんな例はあまり無かった。多少はそういった「たまたま」の要素はあるだろうけれど、それが大部分を占める数値ではないといえると思う。そういった点もカバーできれば完璧ですが。
話をまとめると
「この数値は改善の余地はあるが、ある程度は信用できる数値である」

前回のコメント欄はほとんど「ガイエル選手はうまいかどうか」で盛り上がっていた。ガイエル選手がうまいかどうかは人それぞれの意見があっていいと思うが、それを押しつけるような人がいたのは残念です。

「たまたまガイエル選手のところに打球が飛んだだけ」という意見もあった。確かにそうかもしれないが、そうではないかもしれない。どうしてもそうだと言いたいのであれば、自分で調べればいいし、別に調べたからといっても教えてくれなくても結構です。正直あまり興味が無い。
僕は単純にこの「ある程度信用できる数値」で意外な選手が出てきたことが素直にうれしいというか、楽しい。それだけで十分満足している。満足できない人は自分で調べてもっと調べて、僕のようにブログ等で発表すればいいと思いますよ。
いずれにしても僕程度の人間のブログはもう少し肩の力を抜いて読んだ方が楽しめると思います。

今回は次回予告もしておきましょう。
グライシンガー投手の記事はご覧になったでしょうか?次回はその続編とでも言いましょうか、同じく巨人に移籍したセ・リーグ最多安打男アレックス・ラミレス選手の検証をしてするつもりです!

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posted by なお |18:00 | 野球(守備) | コメント(22) | トラックバック(2)
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2008年02月10日

セ・リーグNo.1外野手は意外な人物

ラミレス選手の巨人移籍に対する反応はこんなものが多い。
「打つだけで守備は全然ダメ。」
確かに僕もそんなイメージを持っている。ただそれはイメージであって実際に調べてみたことはない。打撃成績は新聞にも載っているのでよく目にするが、守備の成績はあまり見かけない。しかし、全試合の3分の2以上出場した選手の守備成績は公式記録に残っている。今回はそれを使って検証していきましょう。

NPBの守備に関する公式記録は
・守備についた試合数 ・守備率 ・失策 ・刺殺 ・補殺 ・併殺
です。注意しなくてはならないのは「刺殺」「補殺」です。
「イチロー、フライを捕球して、ランナーをレーザービームで刺しました。」
この場合フライを捕球したときに「刺殺」が、送球でランナーを刺したときに「補殺」が記録される。
ややこしいですね…。ただよく見ると「補殺」の「補」は捕球の「捕」ではなく、補助の「補」です。僕は「アウトが成立したときにボールを持っていた選手に「刺殺」が記録されて、それを補助した選手に「補殺」が記録される。」と解釈しました。「それくらい知ってるよ!」という人が多いかもしれませんが、知らない人のために一応解説しました。

さて本題です。まずは守備成績でよく目にする「守備率」のランキングです。

順位  選手名    守備率
 1  青木宣親   .996
 2  高橋由伸   .995
 3  金本知憲   .995
 4  谷 佳知   .994
 5  森野将彦   .994
 6  ラミレス   .989
 7  ホリンズ   .988
 8  前田智徳   .987
 9  李 炳圭   .987
10  赤星憲広   .986
11  金城龍彦   .985
12  ガイエル   .979

計算式は(刺殺+補殺)÷(刺殺+補殺+失策)です。要するにエラーしない確率です。
この数値はよく見かけるのだが、重大な欠陥がある。「積極的に打球を追った選手の数値が下がり、難しい打球を追いかけなかった選手の数値が上がってしまう。」簡単に言えば「頑張った人は損をして、手を抜いた人が得をする。」

しかしエラーは少ない方がいいに決まっている。問題はこれだけを観て判断することです。

では守備の積極性を調べてみましょう。メジャーでは「レンジファクター」を使う。
計算式は(刺殺+補殺)÷守備についたイニング数×9です。
しかし残念なことに守備についたイニング数は日本では公式記録にない。ということで再び田端到さんの著書「ワニとライオンの野球理論」を参考にさせて頂きます。
(刺殺+補殺)÷守備についた試合数、という簡易版レンジファクター、「アウト獲得率」を計算してみましょう。

順位  選手名  出場試合  刺殺   補殺   アウト獲得率
 1  ガイエル  142    274     6     1.97
 2  金城龍彦  137    257    10     1.95
 3  青木宣親  143    265     6     1.90
 4  赤星憲広  118    209     3     1.80
 5  李 炳圭   127    222     0      1.75
 6  高橋由伸  128    210     7     1.70
 7  森野将彦   99    156     4     1.62
 8  前田智徳   96    147     3     1.56
 9  ホリンズ  112    167     2     1.50
10  ラミレス  132    184     4     1.42
11  金本知憲  144    186     9     1.35
12  谷 佳知  139    171     2     1.24

1位がガイエル選手と予想した人はほとんどいないだろう。守備率はリーグワーストだったガイエル選手ですが、積極的に打球を追いかけていたからエラーが増えたということでしょう。青木選手を除くと上位の選手は皆、守備率が低いことからも守備範囲が広い選手ほどエラーが多くなる傾向があるようです。これらの選手は皆、上記の「頑張った人が損をする」のパターンです。もう一つあることに気付いた。

2位の金城選手、3位の青木選手、4位の赤星選手、この3人の共通点は?
「名前に色が入っている!」と思った人もいるだろうがそうではない。(ちなみに金色は金属の光沢であって、厳密に言うと色ではないらしい)
守備位置が皆「センター」です。単純に考えればセンターはレフトやライトよりも守備機会が多くなりそうなものですが(現に彼らは上位にいる)、ライトを守っていたガイエル選手が彼らを押さえてリーグ1位なのです。守備機会の多さといい、死球の多さといい彼にはボールを引き寄せる魔力でもあるのだろうか?…さすがにそれはないか。

下位の選手を観ていきましょう。
ワーストは谷選手、ワースト2位は金本選手です。守備率は谷選手が4位、金本選手が3位です。上記の「手を抜いた人が得をする」のパターンになっている。しかし、2人とも足に故障を抱えていたので「手を抜いていた」というのは失礼かもしれない。
注目のラミレス選手ですが、ワースト3位でした。去年のヤクルトの場合はラミレス選手の数値が低い分、ガイエル選手と青木選手の2人が高い数値を残しています。あくまで僕の想像ですが、左中間を青木選手がフォローして、その分広くなる右中間をガイエル選手がフォローしていたのではないでしょうか。
今年の巨人はどうでしょう?高橋選手はそこそこ高い数値を残していますが、上記の通り谷選手はリーグで最も守備範囲が狭い外野手です。この2人にラミレス選手のフォローを期待するのは難しいです。というか谷選手はフォローしてもらわなくてはならないレベルです。

他のチームの外野陣なら追いつきそうな飛球が簡単に左中間を抜けるシーンが今から目に浮かぶ。     

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posted by なお |21:00 | 野球(守備) | コメント(37) | トラックバック(1)
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