2007年05月29日
こんにちは、PR担当です。
当ブログでも宣伝させていただいたfootballista night!
おかげさまで立見も出る程の盛況でした。
当日ご参加いただいたみなさん、どうもありがとうございます。
では、今週号の表紙解説です。
SUPER!:計れない何か
忘れていた。インザーギのことを。
華々しい変貌を遂げたブラジル人MFにばかり目を奪われ、
この生来のストライカーがファイナルの舞台に立つことの意味を忘れていた。
彼にとって見方のシュートは、ゴールに向かってスタートを切る合図に過ぎない。
チームメイトのミドルを背中にぶつけるインザーギを何度見たことだろう。繰り返す本能。
千載一遇を引き寄せる傲慢なまでの欲深さ。
いずれにせよ、計算の成り立たない領域で
彼にチップを積んだアンチェロッティは正しかった。
posted by PR担当 |14:38 |
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2007年05月28日
「次回のブログで、サカつくについて書いてくれ」
こう言われた当初、「プレー日記でも書こうかな」とぼんやり考えていたが、実際書き始めたら、それはヤバイことに気がついた。“顔バレ”してしまう危険があるからである。最新版の「サカつく」は、シリーズ初のオンラインゲームだ。僕のチームもオンライン上にちゃんと存在しており、のん気にプレー日記なんか書いた日には我がチームが特定されてしまって恥ずかしい。そこで今回は、このゲームで僕が興味を持った2つのキーワードについて書こうと思う。
※このゲームのあらましに関しては以下の公式サイトを参照
http://www.sakatsuku-online.com/
■ゲーム離れ
僕はRPGゲームが好きだ。正確に言えば、その世界観が好きなのかもしれない。だが、最後まで続けられたゲームは数えるほど。難易度が上がる中盤以降はやるのが苦痛になってしまうからだ。かといって、パズルやアクションのような積み上げのない刹那的なジャンルは好きになれない。自ずと選択はシミュレーション系になるのだが、学生時代と違って今は長時間ゲームをやる時間はないので、最近はすっかりゲームから離れてしまった。
次号から本誌で「サカつくONLINE」の連載が始まるにあたって、その前準備も兼ねてこのゲームをプレーすることになった。「サカつく」のプレー経験はもともとあったし、シミュレーションゲーム好きということもあるが、自他ともに認めるめんどくさがり屋の僕が、久々にまったく苦痛を感じずに遊べている。何より、何もしなくても勝手にゲームが進んで行くのがいい。
具体的には、会社に来る前にゲームを開けて、中断中の試合結果をチェックし、スカウトが新戦力を見つけてきたか、選手の成長具合はどうかなどを見てから、カップ戦に登録して終了。これで大体10分くらいである。会社から帰った後も同様。シーズンの切り替わり時期は30分くらいまとまった時間が欲しいところだが、普段のプレーはこれで十分だ。今までと違うゲームスタイルは、かつて“ゲーマーもどき”だった僕に、新鮮な驚きを与えてくれる。
■戦術じゃんけん
サッカー監督には、積極的に動くタイプと、その反対の動かないタイプがいる。今回のCL決勝ミラン対リバプール戦は、その象徴的なカードだった。動くのがベニテス、動かないのがアンチェロッティ。負けたら非難の集中砲火を浴びるのは、もはやサッカー監督の宿命だが、動かないアンチェロッティが負けた時は、スケープゴートとして格好の標的となり、悲惨の一言だ(2年前の決勝もそうだった)。彼のような動かないタイプは不当に低い評価を受ける傾向があるように思う。
だが、監督の仕事は試合中の采配だけではない。むしろ、普段の練習でどれだけチーム力を伸ばせるかの方が重要だ。アンチェロッティは、最強の先発チームを作るエキスパートで、それゆえにそこから動くのが遅くなる。
今回の「サカつく」では戦術の相性が重要なファクターになっている。通称「戦術じゃんけん」。それぞれの戦術に強い、弱いがあり、それを乗り越えて勝つのは至難の技だ。「サカつく」ユーザーにも複数の戦術を使い分けるタイプと、1つの戦術を極めるタイプがいる。僕は後者のタイプ。どんな相手にも同じ戦術で挑み、それで負けたら諦める。ところが、昇格を争うシーズン大詰めのどうしても勝ちたい時期、1度だけ残り数試合を戦術の相性を考慮した個別設定で臨んだことがある。見事、裏目に出た。やはり動かないアンチェロッティは正しかった。
posted by 『footballista』編集部・浅野賀一 |10:18 |
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2007年05月22日
こんにちは footballista PR担当です。
当ブログをご覧いただいている皆さま、
はなはだ食傷気味かとは思いますが最後にもう一度
イベント告知をさせてください。
■ footballista night!■
いよいよ明日、5月23日 23時30分~翌朝7時まで、
footballista night!にてUEFA CLの決勝ライブ放送と映画Goal!2の試写会が行われます。
平日オールナイトイベントにもかかわらず、チケット販売も好調で
400人以上のサッカーファンがクラブチッタに集結。
スタジアムさながらに両サポーター席は区切られ、応援合戦も白熱するでしょう。
ここで見ずしてどこでCL決勝を見る!
当日券も販売しますので、ぜひみなさんもfootballista night!へいらしてください。
尚、今週号のfootballistaを持参した方は、
当日券2300円のところ2000円にてお求めいただけます。
詳細は http://www.footballista.jp/night/
それでは今週号の表紙解説です。
L'icona : アイコン
才能とは確信の能力である。
困難な状況から自らを引き上げるための確かな想像力―。
ビッグクラブの命運を一身に背負わされる重圧は、
我われの想像の範囲をはるかに超えている。
そこから逃れるには、自分の力を信じる以外に道はない。
今シーズンのCLでカカーが証明したものは何か。
それは、25歳の青年が手にするにはあまりに大きな力ではないのか。
一つの確信があるとすれば、あの豪雨の夜のサンシーロで、
ミランの新たなアイコンが誕生したということだ。
footballista今週号は5月23日(水)発売です。
posted by PR担当 |15:15 |
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2007年05月21日
サッカーファンなら、それぞれの観戦スタイルを持っている。
僕にとってのそれとはつまり、「重要な試合は一人で観る」というものだ。
そんな習慣がついたのはいつのことだろうか。CL決勝戦に向けた誌面の企画をあれこれ考えながら、ふと思い出したのは、去年の6月、W杯のことだ。
そのころ僕は、ピンク色の紙面でおなじみのサッカー新聞『エル・ゴラッソ』の編集部で、夜な夜なW杯の対応をしていた。現地のライターさんとコンタクトを取りながら、新聞が売店に並ぶ2日後に向けて、試合のプレビューをこしらえるというタスクだ。
当然のこと、W杯開催中の生活は日本にいながらヨーロッパスタイル。言葉にすると聞こえはいいが、ドイツ時間に合わせて夜中に仕事をする。ただそれだけのことだ。
まあ、それはいい。
夜中に仕事をするからには、編集部に出るのは夜になる。ある日のこと。駅に向かって歩いていると、青いTシャツを着た集団を確認。平均年齢は20歳そこそこ。なるほど、僕の体内時計は2日進んでしまっているので、つい日本戦のスケジュールを忘れてしまうのだった。スポーツバーかなにかで、熱狂の一夜に備えてボルテージを上げる彼らとすれ違いながら、帰宅ラッシュを迎えた駅の階段を上る。
ビッグマッチを一人で観るのは、ひどく緊張してしまうからだ。いつゴールを割られるかと、ビクビクとドキドキで同時に締め上げられた状況で、「えっ、何? 今のオフサイド? 良かったぁ」的発言に、「ほら見てごらん。オフサイドラインより向こうにいる選手にパスが出ただろう? これは間違いなくオフサイドだよ」と、肩に手を置いて説明できるほど、大人ではないということに尽きる。こういうところを直さなければ。
今となっては今さらではあるが、サッカー好きの方なら、あの日本代表が何だったのか、それぞれ何かを思ったことだろう。ドイツで日本が惨めな負け方をした時、僕があれこれ考えて思い至ったのは、むやみに不特定多数を取り込めば、それだけ「魂みたいなもの」を投影するのが難しくなるということだった。メディアに関わる者として、反省すべきことだと今あらためて思う。
個人的なことを書いてしまったが、CL決勝ミランvsリバプール戦の夜に、川崎のクラブチッタでイベントをやることになりました。映画『GOAL 2』の特別試写会と、400インチ大型スクリーンでのCL決勝上映会を組み合わせた、他に例を見ない(?)ユニークなイベントです。
平日の夜中にいったいどんな人が来るんだ? と自分で自分につっこんでみたが、なかなかどうして、人が集まりそうな気配がしている。サッカー好き恐るべし……。
posted by 『footballista』編集部・池田孝 |10:52 |
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2007年05月18日
多くのリーグにおいて監督の解任劇は珍しいことではありませんが、1、2週間前にプレミアシップを代表する2人の監督がその職を辞しました。
4月30日「Allardyce resigns as Trotters boss(アラーダイスがボルトンの監督を辞任)」
サム・アラーダイス監督は、本誌1月10日発売号の企画「猪的ベストイレブン」の監督部門で選出された大男。中田英寿移籍の際には日本でも露出が多かったので、ご存知の方も多いはず。イングランド代表監督有力候補として取り上げられたり、報道番組によって収賄疑惑を告発されたりと、なにかと注目度の高かった監督です。
そんなアラーダイス監督は、近年最も評価を上げた監督の一人。率いたクラブがクラブなだけにモウリーニョやベニテスのそれとは比較になりませんが、それでも中堅クラブのボルトンを、コンスタントに欧州を狙えるクラブにまで成長させました。
ボルトンで選手としてのキャリアをスタートさせた巨漢CBは、実に11年もの間ボルトンに在籍しました。その後はサンダーランド、ミルウォールなどのクラブを転々とし、最後は稲本も所属したウェストブロミッチで細々と(しかし体型はおそらく現在のまま)現役生活を終えています。選手キャリアの中で彼が得たタイトルは77-78の2部リーグ優勝。これだけです。
そんな彼がボルトンに監督として戻ってきたのが1999年10月のこと。その年、当時2部にいたボルトンは6位に入りプレーオフに進出(プレーオフでは敗退)、FAカップではベスト4に進出しました。すると翌シーズンにはプレミアに昇格。“難敵ボルトン”の風評と、“ビッグ・サム”の名声は瞬く間に広がっていきました。その後もカーリングカップ決勝進出(03-04)、クラブ史上初のUEFAカップ出場(04-05)を果たすなど、ボルトンに大きな功績を残すことに成功。しかし、現役時代と同じくタイトルには恵まれなかった……
「アラーダイスは辞任を発表する前に僕に電話をくれた。『キャプテンとして先に知っておいてほしいことがある』とね」とはケビン・ノーランのコメントです。後任監督は、アシスタントコーチを務めていた“スモール・サム”ことサミー・リー。ノーランは、ビッグ・サムの辞任に相当ショックを受けたそうですが、今はスモール・サム時代の到来を楽しみにしているようです。
そんな騒ぎも落ち着いてきた5月6日、シーズン終了直前という不可解なタイミングで、ニューカッスルでも電撃人事がありました。
5月7日「Geordies leaves out Roeder(ニューカッスルがローダーを解任)」
ローダーは昨季途中からニューカッスルの暫定監督に就任。当時15位と低迷し、チームの雰囲気も最低だった中でスーネス解任後の後始末を任されたローダーは、残り試合を10勝2分3敗という異常な勢い(それまでは7勝5分11敗)で乗り切り、最終的には順位を7位まで押し上げました。
そのローダーを持て囃していた一部のファンやシェパード会長は、手のひらを返したようにローダーに不振の責任を転嫁。今季ニューカッスルは13位と不調でしたが、ただでさえ選手層が薄い中で一時はトップチームの選手がケガで12人も離脱した緊急事態を考慮すれば、責任を押しつけられたローダーが少しかわいそう。クラブ規模で見ればプレミアのトップ6に入るニューカッスルが結果を残せないのは、こういうところに原因があるのかもしれません。
そしてつい先日、この2つの解任劇を結ぶ事実がニュースになりました。
5月12日「Allardyce holds Newcastle talks(アラーダイス、ニューカッスルと交渉)」
メディアがすっぱ抜く形で明るみに出たこのニュースですが、数日後、このニュースを補足するかのように公式発表がされました。当初は「休みが欲しい」と話し、多くをコメントしなかったビッグ・サムでしたが、正式発表後は「夢に見ていた」とニューカッスル監督就任を喜んでいます。
なにはともあれ、新天地でもスタンドの一番前に座って無線でベンチとやりとりをする、ちょっとかわいらしいビッグ・サムを再び見ることができそうです。
この2つの退任劇は、どうも以前からストーリーが立てられていたような気がしてなりません。ニューカッスル首脳陣にローダー解任の必要性はなかったが、アラーダイスの辞任のタイミングを見て半ば強引に非難し、解任に追い込んだ。そうは考えられないでしょうか。あるいは、アラーダイス退任の話が出てくる以前に、裏でアラーダイス就任の口約束があった可能性もあります。
以上はすべて憶測の世界なのですが、不可解な出来事には必ず裏に意図があると僕は思います。それは「隠し切れなかった尻尾」なのかも知れませんし、「隠れ蓑」なのかもしれません。サッカー界は広いようで意外に狭い。「なんでこのタイミングでこんなニュースが?」とか「なんでこの人がここに?」と思ったら、そこから起こり得る可能性をあれこれ考えてみるのも、サッカー(の周辺)を楽しむ方法の一つには違いありません。それが目論見どおりビッグニュースに発展すれば「あっ、やっぱり!」となる訳です。
シェフチェンコの移籍も、アンリの移籍も、モウリーニョの解任も、きっかけはほんの小さなニュースかもしれません。
最後に、5月23日深夜、川崎クラブチッタにて行われるイベント「フットボリスタナイト」について触れておきたいと思います。
http://www.footballista.jp/night/
『GOAL!2』の特別試写会とCL決勝のライブ中継という2本立てを大型ライブハウスで体感できるというこのイベントは、おそらく日本中どこを探しても見当たらない、唯一の催しでしょう。恋人と二人で楽しむもよし、仲間と連れ立ってワイワイ騒ぐもよし、一人で参加してこのイベントで大勢の友だちを作るのもよいでしょう。このイベントでは、ミランファンとリバプールファンの応援スペースが設けられるようなので、それぞれのファンの連帯感はとても強いものになるはずです。自宅でのテレビ観戦や小さなバーでの観戦もいいでしょうが、もしあなたが日本一の盛り上がりを味わいたいのなら、この「フットボリスタナイト」に参加してみてはいかがでしょうか。
posted by 『footballista』編集部・宇佐美裕之 |11:57 |
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2007年05月15日
Rafael's Magic Wand 【ベニテスの魔法の杖】
「昔々あるところに、ゴールだけが得意なFWがいました」。
ベニテスが童話作家ならそう昔日を振り返るだろう。
彼のサッカー哲学には古典的なゴールゲッターは存在しない。
モダンフットボールのFWは、スペースを創る者であり、
フィジカルコンタクトに耐える者であり、パスを供給する者であり、
ボールを奪いに走る者であり、そしてゴールネットを揺らす者である。
カイトは、そんなベニテスの新理論を支える杖であり、
窮地を救う魔法の持ち主だ。
強靭かつクレバーかつオールラウンド。
この童顔の王子様封がヒーローなきリバプールの冒険を
ハッピーエンドに終わらせるのか。
今週のfootballistaは5月16日(水)発売、
そしてチャンピオンズリーグ決勝はfootballista nightでLiveで!
http://www.footballista.jp/night
posted by PR担当 |13:57 |
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2007年05月14日
CL決勝まで10日弱(川崎クラブチッタで当日イベントをやります! 詳細は http://www.footballista.jp/night/ へ )。各国の王者も続々と決定し、残り試合も後わずか。興奮の絶頂への期待と少々の寂しさが入り交じるこの季節は、とにかくサッカーにどっぷり浸かっていたいものだが、今回のブログではあえて小休止、あくまでマイペースに趣味の話でもさせていただきたい。ただし、きっかけはもちろんサッカー。「サッカーに関することなら自由」というこのブログの掟も守っているはずだ(と思う)。
編集長の顔色を窺いつつも、早速本題に移りたい。映画『明日へのチケット』を見たのは昨年末と少々前になるが、この三監督による三話構成の長編の中にセルティックサポーターを主役とした一編があった。先月末セルティックが2連覇を達成し、この作品のDVDもつい先日発売されたようなので、タイミング的にもいいだろう。
セルティック絶好調のおかげで、今季は欧州の舞台でも見ることができたその熱狂的サポーターの姿。映画でも主役の三人組は「我らセルティック、ここにあり! 我らに怖れるものはなし!」と叫びまくる。優勝を決めた先月22日のキルマーノック戦、ロスタイムの劇的FKでチームに栄冠をもたらした中村俊輔が、後に「一度はやってみたかった」と話したようにシャツを脱いでピッチを爆走、真っ先に彼らの元に向かって行った姿は印象的だった。この試合も敵地の両ゴール裏を6000人が埋め尽くしたが、CLマンU戦、ミラン戦でも白と緑の横縞シャツがグラスゴーから大挙して駆けつけたように、彼らにとってアウェイ遠征は欠かせない楽しみの一つなのだ。この作品の舞台は、そんな若者たちがCLローマ戦の応援に向かう列車の車中である。
前述のようにこの映画は三監督による共同長編だが、ローマへ向かう国際列車を舞台に、偶然乗り合わせた人々の一枚のチケットに始まる様々な人生模様が描かれる。そして、この旅をリレーして語るのはエルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチという三巨匠(ともにカンヌ映画祭最高賞「パルムドール」受賞者)。30、40年に渡りそれぞれのリアルを追求し続け、撮り続けてきた、映画ファンなら涙ものの奇跡のコラボだ。
インスブルックからローマへ、出張の帰途に着く老いた大学教授の青春ノスタルジーを描くオルミ編。イタリアの小駅から乗り込んだ、傲慢将軍未亡人とその世話役の青年が主役のキアロスタミ編。そしてグラスゴーからローマへ遠征するセルティックサポーター出演のローチ編。それぞれの作風が表れた三エピソードが独立したオムニバス風に提示されながらも、一つの場所と時間を共有する列車の旅の中で密に繋がり合う。よって、各挿話の登場人物たちがさりげなく他のパートに姿を見せ、別のシチュエーションでめぐり会い、別の感情がぶつかり合うのだ。三監督の共鳴、巧みに織り上げられたコラボレーションの成果がここにあり、『10ミニッツ・オールダー』や『愛の神、エロス』、『パリ、ジュテーム』といったシネアスト集合作とはまた違った、なんとも不思議な瞬間に何度も立ち会えるのである。どこかで連結すればいいという約束事の下で、列車は決して希望を下ろさない。
ラストを締めくくるセルティック三人組のローチ編だが、スーパーの店員で貧乏な彼らが、スコットランド訛り丸出しで繰り広げるバカバカしいかけ合いは、とにかくおかしい。待ちに待ったCL応援の旅という陽気な雰囲気が、乗車チケットの盗難に巻き込まれ一挙に暗転してしまうのだが、この事件に関わってくるのが、第一話オルミ編で登場するアルバニア人家族。サッカーだけを生き甲斐としてきた若者たちがいきなり、これまで想像だにしなかった困難な状況、現代ヨーロッパに不可避な問題に直面するのである。これも欧州大陸を走る列車の旅が生み出した運命と言ってもいいのだろうか。
移民一家の窮状と自分の窮状を天秤にかける羽目に陥る三人。「試合は今日しかない、移民はいっぱいいる」「たかがスーパー店員に世界の大問題なんて荷が重すぎる」と言いながら、この事態を突っぱねきれない人間、そしてその善意への信頼を鮮やかに料理するローチの職人技は、見事の一言である。移民一家へ向ける三者三様の姿を描きつつ、葛藤の果てに導き出す答えは素晴らしい。
様々な階級と人種が混在し対立の火種に事欠かない欧州を舞台に、これまで「現実」という苦い結末を突きつけてきた三巨匠が選んだ、この映画の最終目的地は興味深い。三話それぞれの人生憚がたどり着いた爽快で明快な結末は、愛を知り孤独を知る監督たちの深い眼差しゆえに生まれ得たものだろう。そこにはシニカルの欠片もなく、未来への可能性という希望の「チケット」があった。ローチらしからぬ終幕に、三人の幸せな化学反応を見た。
posted by 『footballista』編集部・赤荻 悠 |11:42 |
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2007年05月08日
こんにちは、footballista PR担当です。
footballistaの名物コンテンツの一つ、編集長による巻頭言『footballista フットボリスタ』主義。
今週号では編集長がこのブログについて記しています。
それによると「心を何モノかに引きちぎられそうになりながら書いている」ようだと、知り合いの編集者の方に
褒められた(?)そうです。
本ブログへの編集長の意気込み、続きは本誌を読んでみてください。
では今週の表紙紹介です。
Unchained【解放】:
嗚咽を我慢できないとき、人は小さく見える。
体が悲しみに打ちひしがれ、心が悔恨に裂かれるからだ。
だが同時に、涙は救済でもある。
”金満クラブ”という嫉妬、オーナーとの確執、
ライバルとの反目の中、常勝が当然とされるチームを率いてきた
モウリーニョにとってもそうだ。
CLで敗れ、プレミアシップを失い、
解放された四冠の呪縛。
辛酸を舐めて重圧から自由になった男が、
FAカップ決勝で王者マンチェスターUを待ち受ける。
posted by PR担当 |15:05 |
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2007年05月04日
今、ミランが大勝するところを見たばかりだ。これで決勝のカードはリバプール対ミランで決まった。
チェルシーの敗退は意外だった。
クライフは『ラ・バングアルディア』紙の連載コラムで、チェルシーを優勝候補に挙げていた。曰く「チェルシーの能力には天井が見えない」。準決勝に進出した他の3チームが持てる力を最大限に発揮し勝ち上がってきたのに対し、チェルシーには伸びしろがある、というのだ。
昨日の試合でも1点をリードされたが、ボール回しやトラップの精度、1対1の突破力ではリバプールの選手を上回っており、この個人技の集積が「いつ爆発するか」という怖さがあった。
■ベニテスの何が唯一なのか
が、リバプールは体力で上回り、耐えた。
これはモウリーニョが言うように4冠を追っていたチェルシーに疲れがあったこともあるが、ベニテスのローテーション制が功を奏したということだ。常にベストメンバーで戦っていればプレミアリーグでももっと上位にいただろうから、批判はあっても良い。
いや、「●●を出していれば勝てたかも」という結果論は最強だから、ローテーション制は必ず批判される運命にある、と言った方がいいかもしれない。もしチェルシーに敗れていればリバプールは無冠に終わり、「凡庸なシーズン」という評価を受けていたかもしれない。
だが、ベニテスの評価は違ったはずだ。
チーム力の底上げが達成され、来季はもっと上を狙えると思うだろう。チームを強くするのが監督の重要な仕事であり、それを批判に負けずに成し遂げたベニテスは、やはり素晴らしい。
「目先の勝敗だけにこだわらず、長期的な勝敗にこだわる」という強い信念。そんな監督はなかなかいない。「唯一」と言っていいんじゃないか。
■ミランの組織とマンUの未組織
ミランの方は予想通りだ。と言っても、第1レグを見終わった時点での予想だ。セルティックに苦戦した時はまさかここまで勝ち上がるとは思わなかった。
マンチェスターUは守備が悪過ぎる。
組織でプレスをかけることができないのは、一人ひとりの選手の配置が悪いから。もっと近づいてもっと先回りして、マークに行くべきなのに、スペースと余裕を与えてしまう。これはコンパクトに守る習慣がなく、カバーするスペース自体が大きいからだ。
ボールホルダーにはマークに行く、その次にパスの受け手になりそうな選手もマークする、が、3番目の受け手がいつもフリーになっている。で、前を向かれる。この繰り返しでボールを運ばれる。チーム全体の予測能力が低い。
ミランの守備が、この正反対だから余計に目についた。
彼らが敵陣でプレスをかけることができるのは、「ボールを失った瞬間にプレス」という意思統一と、その準備として最終ラインが高くしてチームを前掛りする、という2点ができているから。単に、運動量が多いからではない。
■23日、クラブチッタ川崎でお祭り
23日の決勝の夜、イベントをすることになった。題して『footballista night』。
これは映画の大スクリーンで、リバプール対ミラン戦の迫力を堪能しまくろうというものだ。
そのウォーミングアップとして、試合前に映画『GOAL! 2』を見てボルテージを高めてもらう、という贅沢な趣向。幕間には私もステージに出て、また大外れかもしれない予想もさせていただく。
時間、チケットの買い方などイベントの詳細は、左上のバナーをクリックしてください。
「欧州最高峰」の実力はいかほどなのか、みんなででっかいスクリーンで確かめて、そして大騒ぎしましょう。1年に1回のお祭りじゃないですか。
posted by 『footballista フットボリスタ』編集長・木村浩嗣 |16:52 |
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2007年05月02日
リバプールの決勝進出が決まり、今晩はいよいよMilan vs Manchester United戦。大一番で活躍するのは
ルーニーなのか、カカーなのか。
では、フットボリスタ今週号の表紙解説です。
今週号の表紙:ミラン戦で決勝点を決め喜ぶルーニー
【RAW KNEE】:ひざ小僧
ルーニーは猛烈にダッシュし、両膝に乗ってオールドトラッフォードの芝生に滑り込んだ。
両手を広げ、どうだ!とガッツポーズ。
CLミラン戦第1レグのロスタイムのことだ。
慣性にも、パスの強さにも負けず、ノートラップで巻き込むように
ニアサイドに叩き込んだ。何という強靭な筋力。
そしてそれらを束ねる骨太の関節。
カカーの華麗さと対照的なこの男の馬力が、マンチェスターUをサンシーロを越えて、さらにその先へと導くのか?
posted by PR担当 |10:13 |
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