2007年10月23日

○めなくてボリスタ

ついに『footballista フットボリスタ』が丸めなくて良くなります。「片手が塞がって吊り革が持てん」という状態は、今発売中の10月24日号が最後でした。まだお買いになっていない方は、不便さを味わう最後のチャンスを逃した訳ですね、残念。

「不便さを味わう」というのは、言葉遊びでも皮肉でもありません。

日本にいるとスペインの不便さが懐かしくなります。

土曜の午後から日曜はお店が一斉休業という買い物のしにくさを、もう一度味わってみたい。日々スーパーや市場に足を運び、何かを切らすことはないようにしているものの、週末を迎えるに当たって、もう一度、自分のプランと冷蔵庫や戸棚の中身をチェックします。

土曜の夜にフィエスタが入っていると、いつものワインより一ランク上のものを、日曜に遠足があれば、普段は買わないバゲットやハムを用意しておかなくてはいけない。
予定が入っていなければ、慌てて友人に電話したり、映画のスケジュールを確認したり、読みたい本のために書店に急がないといけないかもしれません。

そうして、この不便さの最大のメリットは、週末を買い物に費やさずに済むことにあります。

ショッピングに行けば解消されるはずの、仕事や家庭のストレスが手付かずのまま残ります。
ぼんやりショーウインドウを眺めることで何となく過ぎて行くはずの曖昧さが、下にも置かない客扱いを受け、財布を開いてステイタスを再確認するという自尊心の回復の機会が、友人や恋人、夫婦、親子関係から逃げ出す口実が、すべて消えてなくなります。

さあ一大事です。購買欲を満たすことで、何となく先送りにし欲求のすり替えで誤魔化してきたものが、一挙に降りかかってくるのですから。

例えば、「買い物に行こうよ」とこれまで誘ってきた友人を、あなたは今度はどんな言葉で誘いますか?――



『footballista フットボリスタ』がデカかった理由の一つは、利便性を追求することで成長してきたこの国への、反発でした。まあ、ちょっとカッコつけてますが。

その他、創刊1周年に当たり、今週水曜(10月24日)発売の10月31日号から、以下の部分が変わります。

●40ページ(8ページ増)になります。
●価格が30円上がります(でも、ページ増で単価は下っています!)
●販売場所が増え、手に入れやすくなります。

それぞれの理由は、先週発売号(10月24日号)の巻頭で述べましたので、バックナンバーをご覧になってください(バックナンバーご購入の案内は公式サイトにあります)。
このブログのタイトルは変えません。便利は必ずしも良くない、と思う気持ちは変りませんから。

1年間どうもありがとうございました。2年目もよろしくお願いいたします。


編集長・木村浩嗣


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posted by 木村浩嗣 |17:31 | トラックバック(0)
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