2007年09月16日
「面白さ」の正体
チームを率いるという仕事は難しい。 サッカーの場合、まず監督を頂点に置いたヒエラルキーがあって、その組織系統に属している人間を一般的にスタッフといいます。チームというのは、選手とスタッフで構成されるものであって、そのどちらか一方に問題があれば、見る者を虜にするようなチームは生まれません。この点でスタッフ(とりわけ頂点にいる監督)の存在はとても大きなものなのですが、現実問題として、彼らがどういった役割を担っているのかよくわからなかったりしませんか? 選手のことはいろいろなメディアが取り上げるのに、なんで監督って取り上げられないんだろうって思ったことはありませんか? 9月19日発売号の本誌(オーウェンの表紙)では、「監督業の実像」と題して、欧州&南米の監督事情を広く深く特集しました。 昨季サプライズと言われたあのチームを率いているのはどんな監督なのか? 昨季解任されなかった監督が一番多いリーグはどこなのか? クリスマス前に解任されそうな監督は誰なのか? 各リーグの監督の平均就任年数が最短なのはどのリーグか? 南米の監督事情はヨーロッパのそれと何が違うのか? 100年以上の歴史で監督が11人しかいないクラブはどこか? 1シーズンで6人も監督が代わったチームはどこか? 本誌を読めば、これらのすべてがわかります。監督特集といえば、ヨーロッパの主要クラブを率いる監督がどういう人物なのか――性格、戦術、経歴、課せられたノルマなど――という部分を網羅して終わり。そうなりがちなのですが、フットボリスタのいいところは、そこで納得しないところです(笑)。フットボリスタはページ数が少ない分、「網羅」という部分では弱かったりもするのですが、その分、掘る穴は深いんです。 今回の監督特集で個人的に“一押し”なのは、「チームベニテスの仕事」というページです。このページでは、現在リバプールの監督を務めるラファエル・ベニテス率いる「チームベニテス」が具体的にリバプールでどのようなマネージメントをしているのかがわかります。ベニテスは一人でイングランドに乗り込んだわけではなく、スペイン時代からの“腹心”を連れてリバプールに行きました。彼らが「チームベニテス」です。 僕が言うのもなんなのですが、このページの面白いところは、ベニテスとスペイン時代から懇意にしているスポーツ記者と、バレンシア&リバプールで寝食をともにしたGKコーチ(つまり、昨季までチームベニテスの一員)が「チームベニテス」を語っていることです。実際にベニテスを詳しく知る人物だからこその情報があったり、独特な表現があったりします。「このページを見てベニテスの印象が変わった」。もしかしたら、そう思う方もいるかもしれません。僕はそれなりにベニテスのことを知っているつもりでいたのですが、このページで「それは聞いたことがあるから読まなくてもいいか」という情報は、ほとんどありませんでした。 「面白い」という言葉の意味を木村編集長に聞いた時、彼は「他のものと違うこと」と言いました。その当時は「ああ、そうなのか」と思って他人事のように納得した記憶があるのですが、このチームベニテスのページは、率直に面白いページだなと思います。もちろん、僕がリバプールを好きなことは別にして。このページ(いや、この監督特集)は一人でも多くの人に読んでいただきたい企画です。
posted by 『footballista』編集部・宇佐美裕之 |13:09 |
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