2009年06月30日
先週行われたミズノオープンで今季初優勝した石川遼。
初優勝も大きいことだが、今後により役立ちそうなこと、それは7月16日から始まる全英オープンへの出場を決めたことだろう。
今の石川遼には、賞金よりなにより、大舞台での経験が一番の財産となる。
毎年眠い目をこすりながら、青木功が独特のテンポで話す解説を楽しみにしているゴルフファンも多いはずだ。
ゴルフファンでなくとも、伝統ある最高峰の戦いだなと感じられるだろう全英オープン。
その大会を2週間後に控えた石川遼のコメントに、はっとさせられた。
「とにかく自然には何を隠してもバレてしまう。自分の技術、実力を隠さずにすべてをぶつけたい」
石川遼のファンなら夢見る全英オープンでの活躍。
誰以上に本人が一番期待しているだろう。
しかし、このコメントから、あせりや小細工といったものがあまり感じられない。
非常に好感の持てるコメントだ。
大会に備えることは当然必要だろう。
しかし、石川遼は今の自分の実力を把握していて、優勝という次元よりも、今の足りない(と本人が自覚している)実力でどれだけ通用するのだろうかという楽しみが大きいのではないか。
石川遼の長所はいろいろあるが、案外一番の長所はこの素直さなのかもしれない。
この素直さで、さまざまな経験がきっと余すことなく、今後の力になるであろう。
例えるなら今でも、皆の目に見える地上では、きれいな花が咲いている。
しかし、今はその数年後の大木となるために、地下に太く頑丈で、ゆるぎない根っこを張る時期でもある。
石川遼はこうもコメントしている。
「今の自分には安定した低い球を打てる実力はないし、それを打つことは自分の力を過信することになる。実力にあったショットを打っていきたい」
全英でのよい結果を期待したい。
しかし、そうでなくとも、石川遼の大いなる長所を活かし、これからのゴルフ人生に必ず活かせるだろうと確信できる。
「急がば回り道」ではなく、何年後かに王道と呼ばれるだろう太い道を築くため、石川遼は「急いでも回らず」全英オープンに挑戦する。
石川遼のファンであるがゆえに、出来れば大きな困難が訪れることをあえて望みたい。
もちろん、活躍を期待していることはいうまでもない。
全英オープン、その伝統ある大会と若き挑戦者の石川遼のコントラストも注目だ。
posted by ballgame |23:49 |
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2009年06月29日
男子ゴルフのミズノオープンゴルフが行われ、石川遼が今季初優勝を果たした。
3日目、3打差をつけて首位に立った石川遼。
最終日は12番で2発もOBを打つなどして、貯金が無くなったが、16番のチップインイーグル、18番のバーディーで結局3日目と同じ3打差をつけての優勝。
このミズノオープン、実は優勝と上位4名には全英オープンの出場権が与えられる大会。
大げさにいえば、ここまでずっと予選落ちでも、この大会で上位に食い込めば、全英オープンには参加できるのだ。
その大会での優勝。
そして、最終日の紆余曲折。
ゴルフの神様は、昼ドラのようなこんなべたべたな脚本を書くだろうかと思えるほど、盛り上がった大会となった。
この映画のような流れ、石川遼がやるとなぜか爽やかに写ってしまうのだから不思議だ。
「彼ならありえるか」
そう思わせるオーラを持っている。
ギャラリーからの期待、そして同じプロのコメントを聞いても、彼への賛美しか聞こえない、素晴らしい素質を持った石川遼。
しかし、かれはまだプロ入り1年ちょっとである。
これから、実力を磨いてもっともっと上にいく存在、あのタイガーのように世界で戦える強い選手になれるだろう逸材であるが、最近の試合は不調が続いた。
本人も言うとおり、不調というより、今時点での実力なのかもしれないが、それでも期待している目からすると、やはり物足りなく写ってしまう。
その成績が続いての、いきなりの優勝だ。
やはり彼はなにか持っている。
世界に通用するようなカリスマ性だ。
身内びいきかもしれないが、これは間違いない。
今季のアメリカでのメジャー大会(マスターズ)初挑戦では、光るショットは随所にあるが、トータルするとスコアはまとまらなかった。
今時点では、まだまだ実力を磨く時期なのは間違いない。
「それでも・・・」と期待してしまうのはわかる。
しかし、やはり長い目で見ていくのが、3~4年後の爆発に繋がるように感じる。
大木になるための根っこ張りの状態とでもいうのだろうか。
たくさんのギャラリーやテレビの前で応援するファンも同じ考えだろう。
しかし、それでも短絡的考えに行き着きかねない・・・やはり、石川遼はなにかをもっているのだ。
全英オープンは出るだけでも、石川遼にとっては、素晴らしい栄養となることだろう。
実力を磨くための努力、そしてそのチャンスを引き寄せる強運、ますます彼から目が離せない。
posted by ballgame |07:52 |
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2009年06月28日
打者にとって恐怖のボールとはなんだろうか。
草野球なら、断然人気で、元高校球児が投げる剛速球だろうが、果たしてプロでもそうだろうか。
バットが浮き上がる球の下側を空振りするような勢いのある剛速球は、ファンにとっては一番見たい投球だろう。
松坂や斉藤、利き腕は違うがランディ・ジョンソンの投げる高速スライダーは、直前で球が消えるようだ。
各打者によっていろいろ違うだろうが、日本より強振する打者が多いMLBでは、彼の投球も候補に挙がるのではないか。
彼の名はウェイクフィールド。
ご存じナックルボールの使い手で、目の肥えているMLBファンならもちろん、あまりMLBを見ない方でも名前はご存知ではないだろうか。
自分の大好きな選手である。
最近、BSではヤンキースやレッドソックスの試合の放送が多いが、日本人が出場しない(最近松井秀も代打なので)試合を堪能できている。
その中で、よくウェイクフィールドの登板が当たり、彼を見る機会が増えてうれしい限りである。
今日、ブレーブス戦でも先発し、6回を3安打無失点に押さえ、見事勝利投手となった。
これでなんと10勝(3敗)、アリーグトップの数字を残している。
シーズン前にはここまで好成績を挙げるとは予想していなかったが、好きな選手の活躍には手放しで喜びたい。
彼の魅力は、投げた本人もどういくか分からないナックルボールだろう。
まさに魔球といってよい球だ。
キャッチボールのように放たれた球は、面白いくらい凡打を築く。
スローでみると、そのありえない軌道にいつも驚かされる。
シュートし、外にまがり、最後に内に落ちるなどなど。
自分が彼の登板を心待ちにしているのは、それ以外のところにもある。
彼が投げると、試合のテンポがいいのだ。
9割以上がナックルといっていい彼の投球、打者は球の速さから見送るわけでもなく、積極的に打ちにくる。
(ナックルボーラーは待球されるとコントロールがききづらいため、四球が多くなったりもするが)
投球を見ていて楽しみがあり、試合のテンポがいいので、ついつい見入ってしまう。
これで彼は一昨年から、3年連続10勝以上をマークした。
この素晴らしい成績、実は防御率は過去3年すべて4点台にもかかわらずだ。
その理由はいろいろあるだろう。
レッドソックスという強いチームに所属しているということももちろんだ。
しかし、大きな理由は彼の投球のテンポのよさだろう。
テンポよく投げ、どんどん打たせるウェィクフィールド。
ここ数試合、彼の先発した試合を見る機会があったが、いい当たりは結構されている。
しかし、不思議なことに野手の真正面だったり、ファインプレーで助かっている。
または、打「線」とならず、単発で失点にあまり繋がらない。
今回は0点で抑えたが、防御率から分かるとおり、無失点で抑えることは少ない。
しかし、失った点よりも味方打線が多く点数を取ってくれる。
三振も数多くとるが四球の多い剛速球タイプの投手は、後ろで守っていても、リズムが取りづらい。
自分と関係のないところで野球をしているように感じる場合もある。
特に外野手は、こういう投手の場合、1試合ずっと立ちっぱなしということもありえるのだ。
その点、淡々と投げ、ある程度打たれはするものの、守る機会が多い彼の登板時は、やはり守りから攻めへのリズムの移行がとりやすいのではないか。
試合を攻撃、守備で区切るのではなく(実際区切られているのだが)、試合を一つの川の流れのようになめらかにするような印象さえ受ける。
イチローに象徴されるように、走攻守すべてがそろって、野球の楽しさがあり、野球の試合は成り立っている。
打たれるがなぜか勝てる投手というのは、案外こんなところに共通点があるのかもしれない。
これも、数字だけでは見ることの出来ない野球の楽しさだ。
奪三振を毎回奪うどきどき感のある試合もいいが、ウェイクフィールドの試合では、それとは違った野球のリズムを感じることができる。
正直、ポストシーズンや大事な場面では、安心感よりハラハラ感のほうが強い投手であろう。
しかし、長いシーズン、彼の登板はちょうどこの時期に飲む喉越しのよいビールのような心地よさがある。
冒頭で挙げた、打者が感じる恐怖、ウェイクフィールドの投球は打者への恐怖というより、受ける捕手への恐怖のほうが強いかもしれない。
恐怖というより、打者へは先に苛立ちすら感じさせるだろう(笑)。
魔球ともいえるナックルの1球1球の行方、そして試合のテンポ、彼の登板は見所がいっぱいだ。
posted by ballgame |19:21 |
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2009年06月27日
MLBで活躍する日本人選手が増えた今シーズン。
BSでも、特定の選手にこだわるわけでなく、比較的満遍なく日本人が所属する各球団の試合を伝えてくれる。
もちろん、中継ぎの投手が所属するチーム(メッツなど)や怪我で長期欠場が決まっているチーム(レイズ)などは放送しづらい面もあるだろう。
先発投手ならローテーションに合わせて。
それ以外はやはり毎回先発する可能性のある球団、または人気球団ということになることは仕方のないところ。
交流戦では出番の少ないヤンキース戦よりも、好調のイチロー、今日復帰した城島がいるマリナーズの試合を毎試合見たい!
福留の活躍を、松井稼の活躍を生でもっと知りたい!
すべての要望に応えられるわけではないので、やはり多くのファンが望む形になるのがいいことだろう。
偏りのない放送をしてくれているBSには(落ち着いた実況も含め)感謝こそすれ、不満はほぼ無い。
松井秀の出ていないヤンキースだって、松坂のいないレッドソックスだって、面白い試合を見ることができる。
ただ、食材のある一品がかけているだけと思えばいい。
喰わず嫌いで、意外な選手を好きになったり出来るプラス面もある。
そう考えるとありがたいことだ。
振り返ってみれば、わずか数年前には、ヤンキース戦(松井秀)かマリナーズ戦(イチロー、佐々木)どちらかしか見ることが出来なかった。
出勤前、会社があるビルの1階の喫茶店で、朝食を取りながらヤンキース戦を見ていたことを思いだす。
MLBが見たくて、朝食をとるようになったかもしれない(笑)
ニューヨークとシアトルの時差で、どうしても早めの時間はヤンキース戦が多かった。
松井秀の打席が見たくて、朝礼に駆け足で向かい、息も切れ切れになったこともあったっけ。
その時から比べると、なんと贅沢になったことか!
満たされれば満たされるほど、もっと欲がでてくるのも仕方ないことなのだろうか。
初心は忘れ去られがちである証拠にもなるかもしれない。
さて、たくさんの日本人選手が活躍するMLB。
皆さんのお気に入りの選手は誰だろう。
勿論、ウェイクフィールドやベケット、モローにイバニェス(すべて自分の好みだが)など、MLBのスター選手という方も、野球を楽しむファンからすれば、いろいろと名前が挙がるであろう。
日本人選手では、やはり素晴らしい活躍をするイチローだろうか。
自分もイチローから目が離せないが、それに劣らず大好きな選手がいる。
それは、今年ボストンに移籍した斉藤隆である。
MLBに挑戦してからの斉藤は、まるで自分の魂を削っていると勘違いさせるようなストレートの速さ、そしてスライダーのキレがある。
小気味よい投球、そしてそのチャレンジ精神に目が釘付けになる。
その斉藤が今季苦しんでいる。
先日の登板は、7回裏。
1-7と大差で負けている場面だ。
昨季まででは考えられない中での登板。
斉藤は二塁打、そして本塁打を浴び、2点を失った。
贔屓目に見れば、もっと熱い場面での登板に胸躍らせたいところ。
しかし、これは斉藤から取ってみれば、レッドソックスに移籍してきたときから、分かっていたことだろう。
以前のスポーツナビのコラムでも表現があった、投手陣の潤滑油のような役割を期待されているのだ。
岡島、パペルポンとしっかりした軸がいるレッドソックスでは致し方ないところ。
自分が心配しているのは、そういう場面でたびたび失点しているところだ。
もちろん、その失点の回数は多くない。
好きであるがゆえにめだつ欠点、付き合い始めは見えなかった彼女(彼)の食べ方が気に喰わないなどと、細かい点が目につくようになるというところだろうか(笑)
ご存知の通り、斉藤はドジャーズでの契約はマイナー契約だった。
そこから、その当時のクローザーであるガニエ(汚い帽子がトレードマーク)の故障でメジャー昇格を果たし、セットアッパーとして活躍しだした。
そしてその年の6月からクローザーとして定着。
快刀乱麻のピッチングを続けたことは、皆さんの目にも焼きついているだろう。
ドジャーズ時代の斉藤の安定感は抜群だった。
その斉藤が、今苦しんでいる。
少なくてもそう見えてしまうのだ。
去年痛めた右ひじの影響もあるだろう。
クローザーと違い、気持ちが高ぶる場面での登板で無いだけに、打たれても大勢に影響はないかもしれない。
数字上ではあるが、斉藤の成績は2勝2S、防御率3.08と負けもなく不満のないように見える。
斉藤といえば、三振の数も魅力的だが、奪三振も投球回より上回っている。
では、なぜそう心配してしまうのか。
それは、斉藤のここまでの軌跡を振り返ると見えてくる。
ドジャーズでの3年で、救援投手として不動の地位を築いた。
斉藤は、どんな試合でも丁寧に、自分の持っているすべてを投球に注ぎ、気持ちの乗った球を投げ込んできた。
1試合も怠ることなく、課程を大事にした結果、MLBの救援投手として、ファンに認知され、チームからも必要とされる存在となった。
いわば、初心を忘れることなく、ここまでやってきたのが斉藤隆ではないだろうか。
その斉藤が、自分の知る限り2回は打たれている場面を見た。
大差で負けている試合で、たった2回ではあるが・・・。
登板試合が27試合で2回だろ?
新しい環境(チーム)だし、役割も違う。
試合結果に影響ないでしょ?
怪我で本調子じゃないんだ。
負けてないじゃない。
心配しすぎという声がほとんどだろう。
自分もそう思う。
しかしである。
ドジャースで築いた3年、クローザーとしての3年から、斉藤の気持ちから「初心」を奪い去っていたのなら。。。
燃える場面で、チームの勝利を決める場面でより力を発揮する斉藤が、自分の知らないうちに、投球の気持ちにずれが生じていたら。。。
斉藤にして、初心を忘れないことはこれほど難しいのかと思ってしまう。
(忘れやすいから初心なのかもしれないが・・・)
大好きな選手であるがゆえに、見方が厳しくなってしまう分かりやすい例なのかもしれない。
「一度でいいからメジャーのマウンドに上がりたい」
そう斉藤は言って始まったMLBへの挑戦。
その初心を大切にする斉藤に、1試合1試合を大切にする斉藤に惹かれた。
幅広く使われる登板内容に、同じ気持ちで向かうのは正直難しいだろう。
初心を忘れているわけではないだろうが、斉藤が一つの壁にぶつかりつつあるのは間違いないだろう。
「乗り越えられない壁は、その人には表れないんだよ」
「その人が大きくなったから、その壁に当たるようになったんだよ」
尊敬するある人がこう言っていたのを思いだす。
夏以降、いやプレイオフで、マウンドで躍動し、糸が引くような素晴らしいストレートで三振を奪う斉藤が目に浮かぶ。
年齢に関係なく、謙虚に伸び続けている斉藤をこれからも熱い視線で追って行きたい。
頑張れ、斉藤隆!
岡島とともにレッドソックスを支える頼もしい存在となると・・・世界一も見えてくる。
posted by ballgame |23:44 |
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2009年06月26日
最近どきどきしているだろうか。
いきなりなにを言うかと思われるだろうがお許し下さい。
一目ぼれ、彼女ができた、奥さんが最近妙にきれいだ。
そんなふうに感じることができる人は幸せだ。
梅雨明け発表はまだだが、からっとした天気が続くこのごろ、夏は気持ちが高鳴る季節でもある。
色恋沙汰もいいが、今日はそれとは違う大人の楽しみ、どきどき感をお届けしたい。
「醍醐味」とは物事の本当のおもしろさや深い味わいを指す。
始めのどきどきした気持ちもいいが、相手を知れば知るほど、物事にはまればはまるほど楽しみは増していく。
最近好調のイチローは、今日4安打を放った。
ただの4安打(ただでもすごいが)ではない。
先頭打者本塁打、三塁戦をやぶる二塁打、ライト前へのクリーンヒット、そしてボテボテの当たりのキャッチャー前ヒットの4本。
ここに野球の魅力、打撃の魅力がたっぷり詰まっている。
打球を遠くに飛ばす本塁打、フィールドを90度使うヒット、そして足を使ったスリリングな展開。
今日のこの4本を見れば、野球の楽しみ(特に打撃)は満喫できると言っても過言ではないだろう。
まさに野球の醍醐味を味わえる試合、これぞ大人の楽しみ方だ。
おもしろさや深さが分かってくると、やはり表情が良くなる。
人よりも野球のコツや深淵をのぞいてきたがゆえに、野球の真髄を突き詰めるような求道者のイメージが強くなってきているように思えるイチロー。
今日はベンチでの表情が印象的だった。
自分のできることをこつこつやるだけといった、悪く言えばセルフィッシュにとらわれがちのイチローがベンチで笑っているのだ。
一人笑っているわけではない。
それでは自己満足だし、第一気持ち悪いだろう。
チームメイトと拳をあわせ、笑顔での会話。
もちろん、試合に勝っていたというのもある。
ここ数試合、ベンチの表情に注目していたわけではないので、最近の比較はできないが、昨シーズンからすると格段の差がある。
チームメイトとの距離感は明らかに近くなっているはずだ。
自分の好調さもあるだろうが、やはり大きいのはチームの好調さであろう。
いいすぎかもしれないが、今年のイチローはあえて自分にルーズになっているように思う。
もちろん、やるべき自分の役割はきちっとやっている。
その上で、チームの中の流れに身を任せているように感じないだろうか。
去年までの孤独な、例えるなら冬の日本海の荒海にぽつんと立つ、鋭くとがった岩肌のようなところは今年はない。
グリフィーjr.の加入も大きいだろう。
イチローとグリフィーjr.どちらも光り輝く存在であることは間違いない。
表現が悪いかもしれないが、イチローは冷たく輝く満月で、チームを導いてきた。
そこに、グリフィーjr.という暖かく照らす太陽が来て、一人ですべてを、すべての時間を照らす必要はなくなった。
どちらの明かりがいいというものではない。
それぞれプラス面もあればマイナス面もある。
イチローとグリフィーjr.を見ると太陽と北風を思い出してしまう。
今年のマリナーズは精神的なバランスがよくなったのだろう。
イチロー自身の好調が、チームの好調と繋がる。
ここ数年なかったことだ。
醍醐味も感じれば感じるほど、やりがいがでてもっと知りたくなる。
応援するファンも、イチロー個人よりやはりチーム全体を応援したほうが楽しい。
応援する、野球を感じる醍醐味というのだろうか、もっともっと目が離せなくなる。
まさにうれしい悲鳴だ。
イチローはこれで今季最高打率の3割6部9厘をマークしたが、その喜びよりも、野球の醍醐味に触れることが出来たうれしさ。
醍醐味を感じれば、愛情も感じることができる。
先日ヤンキース戦で登板した際、右首へ強烈な打球をくらい、途中降板した川上。
今日はベンチで普通に座っていた川上を見て、ほっとしたファンの方も多かったのではないだろうか。
打球を受け、ベンチに戻る川上の姿が何度も流れていたが、見れば見るほど愛情を感じる。
それは、コックス監督の選手への愛情だ。
川上の右手を捕まえ、ベンチへ一緒に帰るコックス。
川上もコメントで「離すわけにも行かないし」といっていたが、まんざらでもなかったであろう。
変な意味ではない。
そこには選手への愛情が見えて、見るごとにほほえましくなった。
川上も、そこに心配よりも信頼、右手から感じるたのもしさがあったのではないだろうか。
この2戦で感じた川上の球の勢い、それは気持ちの面での影響も大きい。
これを意気に感じない川上ではない。
これからが楽しみである。
どうだっただろうか。
夏は恋の季節ともいう。
ひと夏の恋と言われるように、そのスパンは短いことが多いのかもしれない。
ひと夏の出会いもいい。
むしろ、経験してみたいものだが(笑)、今日のように野球からも、愛情や醍醐味といったどきどき感を味わえることができる。
種類が違うといわれればそれまで。
だが、両方楽しめるのも大人の余裕を感じる楽しみ方ではないだろうか。
これからもっと野球は熱くなる。
この熱さは大歓迎だ。
明日以降もさらなる醍醐味を探して・・・見続けていきたい。
posted by ballgame |23:15 |
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2009年06月26日
好事魔事多しというには悲痛で、あまりにも不運・・・。
ブレーブス対ヤンキース。
アトランタの本拠地で行われたこの1戦。
事件は3回に起きた。
ナリーグ側の本拠地で、打席には普段お目にかかれないヤンキース先発のチェンバレン。
堂々というにはあまりにも雄大なその体。
昔話になるが、その体格から伊良部を思い出させる。
打撃フォームは堂に入ったもの。
2死ランナー無しではあるが、打つ気満々だ。
2ストライクから川上の放った勢いのあるストレートは、チェンバレンのバットに見事にはじき返された。
まるで気持ちのこもった川上の投球に、気持ちを出すことでは有名なチェンバレンの思いが乗ったように、投手とは思えない見事な打球が川上を襲う。
川上の差し出したグローブの下を抜けて、打球は川上に当たるが、打球はそれほど勢いが殺されず、ショートに飛ぶ。
ショートがそれをさばきスリーアウト。
しかし、心配なのは川上だ。
マウンドで呆然と座り込む川上は、焦点の合わないうつろな目をしている。
何が起こったのかわからないようなショック状態の川上が、一塁へかけたチェンバレンのしかめっ面が、逆に不安を増大させる。
繰り返し流れるスローモーションでは、差し出したグローブの下から、打球が川上の右側の首に当たるのが確認できた。
首に当たり、この打球の跳ね具合。
そして、痛がるそぶりを見せぬ川上。
その状況がかえって野球場にそぐわないサスペンスで球場を覆った。
しばらくして、監督に手を引かれながらベンチに下がる川上。
正体がそこにないような足取りにファンはやきもきする。
3回裏は川上に打席が回る。
1死後、川上には代打が送られた。
それでも試合は続く。。。
心配だった川上だが、試合のインタビューで監督に手を引かれたことをジョークにするなど、打撲は軽症だったことを示した。
日本のファンはもちろん、ブレーブスファンにもほっと一安心したことだろう。
しかし、当たり所が当たり所だけに、ここ数日は様子をしっかりと追いたい。
怪我が軽傷で済んだことで悔やまれるのは、その投球内容の良さだ。
前回のブログ(いつも違う「平常心」)にも書かせてもらったが、松坂との投げあいで、気持ちのこもった投球を、日本での投球を思い出したような勢いのあるストレートを、この試合もぐいぐい投げ込んでいた。
日本人独特の切れのある球、そして川上の球には気合が乗っていた。
ボストンの斉藤とかぶるのは自分一人ではないはずだろう。
ストレートが走ると、スローカーブ、そしてスプリットも効果的になる。
余談になるが、川上がスプリットを投げるとき、センターからのカメラで握りが丸見えになる。
それが、川上の気合(打てるものなら打ってみろ!)にも感じられるのは、川上の好調さからなのか、不思議なところである。
ブレーブスの本拠地は、相当に広い。
MLBでの球場は広いところが多いが、平均以上あるであろうこの球場に川上は助けられていた。
内野ゴロを打たせる投手ではない川上。
この試合もフライアウトが多かった。
センターの巧守備もあり、きっちり抑えていただけに残念である。
怪我が軽傷であれば、川上はこれからぐいぐいチームを引っ張る存在となるであろう。
理由は2つある。
今回の対戦相手はヤンキース。
日本のファンだけではなく、全米も注目する一戦。
前回の松坂が投げるレッドソックス戦で、見られていることを意識し、日本での、中日でのエースとしての勢いのあるピッチングを体が思い出していた川上。
この試合もその注目度で負けず劣らずの相手である。
燃えないわけには行かない。
前回のブログにも書いたとおり、やはり「いつもと違う平常心」で投げることが出来たのではないか。
MLBの戦いに慣れようとした川上、それは気持ちの面でもそうであったろう。
しかし、日本で感じていた矜持のようなものまで、胸の奥にしまっていたように思う。
エースの誇り、強いものに立ち向かう精神といってもいいかもしれない。
その気持ちを2戦続けて思い出したような投球をする川上。
それが今後の登板に生かされないわけがないと思う。
そして2つ目は球場である。
広い球場を本拠地とするブレーブス。
やはり本塁打を気にせず投げれることは投手にとってプラスだ。
広島も今年、素晴らしいマツダスタジアム(一度いってみたいものだ)が出来て以降、投手の内面が変わって、結果が出ていると聞く。
この球場を背に投げる川上は注目だ。
それにしても、好事魔事多しという言葉が思い出される。
この言葉自体、今回の川上に当てはめるにはあまりにも不運であるが。。。
大きいくくりでいうと、日本が優勝したWBCから、日米問わず怪我人が多い.。
まるで優勝したことが好事、そして魔事は怪我・・・と思うのはやめよう。
それは単に言葉遊びである。
しかし、お祓いをしたくなるように、試合中の怪我が多い。
日本人のMLB選手が多くなってきた現在、そして試合中の怪我はいつおこるか分からないがゆえに、それは仕方ないことかもしれないが、あまりに目につく。
(それゆえに、健康で結果を残しているイチローや岡島が燦然と輝いてみえる)
幸い、城島の復帰が秒読み状態に入り、絶望といわれていた岩村も今期中に戻ってこれる見通しがついた。
喜ばしいことである。
「健康第一」とはよく言うが、それはスポーツ選手にも当てはまる。
「無事是名馬也」というではないか。
まずは怪我なく、毎日活躍をニュースで聞けるように祈りたい。
MLBで活躍するほどの強い運を自ら引き込む選手達である。
これだけ不運が続けば、後半きっと大きな幸運をひきよせることだろう。
これからその幸運、活躍が楽しみである。
がんばれ、日本人選手!
posted by ballgame |08:34 |
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2009年06月24日
最近「婚活」なる言葉がはやっている。
いわば就職活動のように、しっかり結婚するために動きましょうということらしい。
それだけ、この時代には自分を分かってくれる、大事な人を見つけたいという願望が強くなってきているのだろう。
大げさにいうと孤独から抜け出したい、と。
その「婚活」という言葉を聞くと、最近のイチローを思い出してしまう。
今日は残念ながら試合はなかったが、イチローの打撃は好調である。
例年、5月から調子を上げていくイチローだが、今年は例年以上に好調な5月、そしてその流れをさらに6月は上げていっている。
連続試合数はストップしてしまったが、それ以降もマルチヒットを打つなどの活躍は皆さんもご存知だろう。
MLB新記録の連続年間200本安打達成に向け、開幕時の8試合欠場を補うような活躍で、安打数もリーグトップの座を奪った。
先日の松坂のDL入りを始め、城島、岩村など、WBCに出場した日本人選手の怪我や不調の状態を考えると、イチローの高いプロ意識には頭が下がる。
もちろん、他の選手のプロ意識が低いといっているわけではない。
しかし、怪我をしない体作り、毎試合見せる高いパフォーマンスは特出するものだろう。
考えてみてもらいたい。
年に1試合、親子で行く球場での生観戦。
あるいは、日本からアメリカに旅行にいったとしよう。
贔屓の選手がそこで休みなく出場してくれて、そしていつもどおりの快音や快足を披露してくれる。
日本の野球ファンでなくても、これは拍手喝采に値する。
しかし、今年はイチローの活躍以上にうれしいことがある。
それはマリナーズのチーム状態だ。
以前のブログで書いたが、イチローが復活するまで、チームは首位を走るなど好調だったが、イチロー復帰後に急降下してしまった。
去年の二の舞か・・・、やっぱりイバニェスだしたのは痛かったんだ・・・、などなどここ数年の低迷で根付きかかったマイナスイメージが浮かび上がる。
それより、イチローの活躍がチームの勝利と別物になってしまうのが一番悲しい。
少なくてもここ数年はそうだった。
現在マリナーズは3連勝中。
アリーグ西地区ではトップのレンジャーズ(これには驚いた!)、続くエンゼルスともに4連敗、3連敗でゲーム差は3.5まで縮まっている。
まぁ、まだ6月下旬で先の話をすると、2月にせっかく退散した鬼がまた出てきて笑ってしまうが、なんにしてもうれしいことである。
やはりイチローの活躍はうれしいが、野球好きとしては、応援する選手が所属するチームが勝たないとやはり面白くない。
ましてや、去年まで一部の選手間での、イチローへの不満なコメントなどを聞いていたのでなおさらだ。
今年は何が違うのだろう。
監督が変わった、ピッチングスタッフがよくなった、などなどマリナーズファンやイチローファンなら長年見てきたその観察眼で、いろいろな条件が出てくるだろう。
自分が注目するのは、「婚活」である。
といっても、結婚しているイチローがするわけではなく、イメージとして想像して欲しい。
今年と去年以前のイチローの活躍自体は、ほぼ変わっていない高い水準を保っていると思う。
毎試合毎試合、怪我なく出場し続けて、できることを出し尽くす。
打撃にしろ、守備にしろ、走りにしろ。
先日優勝したNBAのLAレイカーズのコービーも、NBA殿堂入り間違い無しの素晴らしい選手であるが、それ以外の選手の活躍がなければ優勝できない。
ましてや野球は9人で(そしてベンチを含めると20数人で)やるものである。
今年のマリナーズの好調さは、やはり何かが変わったからだろう。
それはグリフィーJr.がマリナーズに戻ってきたということではないか。
彼の打撃によって助けられた、そういった試合も少なくないだろう。
しかし、それより大きいと思うのは、やはり彼の持っているスターとしてのカリスマ性である。
スポーツナビの木本大志さんのコラムにも書いてあるが、イチローがいつものルーティンである試合前のストレッチをし始めた。
そうするとグリフィーJr.がそれに習ってストレッチを行っているらしい。
そしてシーズンが進むにつれて、ストレッチを行う選手が増えていったそうだ。
若手選手もイチローに話す機会が多くなったそうだ。
それ以外にも、いろいろエピソードは書いてあるのでご参照下さい。
イチローは、彼の性格、そして高いプロ意識から、強烈な自分、自我を持っている。
よって彼は、一人でいることになんのこだわりもない。
「自立した選手」であるがゆえに、孤独を恐れない。
(それがいいかどうかという問題はあるだろうが、ここでは置いておく)
それを周りの選手からすると、イチローは「孤立」しているととられていたのではないか。
去年までの数年間はたしかにあったであろう。
イチロー本人も分かっていたはずだが、あえて自分からは動かなかったように思う。
(自分としては、もっとチームを引っ張っていって欲しいとは思うし、できる選手だと思うのだが。。。)
「自立」と「孤立」。
これは似ているようで全然違う。
一人でもいいが、志が同じなら、一緒にいたい。
そう思うのが、恋人にしろ結婚にしろ、いい関係だと思う。
イチローはそういった関係をチームメイトに望み、チームメイトはどちらかというと依存にちかいような関係を求めた、ともいえるのではないだろうか。
なにか昼ドラみたいな例えになってしまった(笑)
今年はグリフィーjr.が戻ってきた。
いわずと知れた大スターである。
同じくMLBのスターといっていいイチローが感じていた、スターゆえの孤立にも似た「自立」という気持ちをグリフィーjr.はそれ以上に分かっているはずである。
そしてグリフィーjr.のとっつきやすさ。
それにより、イチローが感じていた注目度の分散、チームのまとまりといったものが芽生え始めたといっていいだろう。
グリフィーjr.のマリナーズ復帰は、マリナーズファンにとっては、待ち望んでいた時だったが、案外イチローにとっても、その打棒よりも、精神的なところで、実は期待していたなんてことも少しはあったのかも知れない。
中学校でクールでスポーツ万能で売っている彼だからこそ、席替えでクラスで一番の美人の隣になるまで話さないような・・・。
積極的ではないが、初対面からフィーリングが合うようなそんな「婚活」だったかもしれないと思うと、少しにやけてしまう。
一度くらいは、あのイチローでさえ、「一人じゃないって~♪」という天地真理(でしたっけ?)の歌を口ずさんだかもしれない(笑)
一人でもいいけど、いい人がいたら・・・なんて自然な感じでうまく回り始めている、イチローとグリフィーjr. そしてマリナーズ。
「婚活」であせる人達からすると、うらやましい話である(笑)
冗談はさておき、今年のマリナーズはこれまでとは違うわくわく間がある。
イチロー自身のやることはきっと去年とほぼ変わっていないだろう。
しかし、内面ではこの「婚活」でうまくいった関係から影響を受けている気がする。
もちろん、それはマリナーズの他の選手も一緒である。
ある選手に依存するわけではなく、自立しながらもチームとしての一員となる本当のチームになろうとしているのかもしれない。
現在5割をすこし超えたところにいるマリナーズ。
安打数がトップでありながら、得点でリーグトップ20位に入ってないイチローの得点が伸び始めたら、もっともっと面白くなるはずだ。
がんばれ、イチロー!
がんばれ、マリナーズ!
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2009年06月22日
雨が降っている。
いかにも梅雨の夜だ。
こういう夜には妙なことを考えたりする。
皆さん、言霊というのをご存知だろうか。
のっけから奇妙な質問だが、言霊というのを信じていなくても、この言葉くらいは聞いたことがあるだろう。
(辞書では)
「言霊」:古代日本で、言葉に宿っていると信じられていた不思議な力。
発した言葉どおりの結果を現す力があるとされた。
この言葉から、イメージ的にはどうしても霊的な話やオカルトが絡んでいるような印象を受ける人が多いのではないだろうか。
大げさにいうと、うさんくさいような感じさえする方もいるかもしれない。
なぜ、こんな話を出したかというと、言霊とまではいかなくても、それを考えさせるコメントがあったからだ。
先日、サッカー日本代表はめでたくW杯出場を決めることができた。
これも監督や選手のがんばり、そしてそれを支えるサポーターやすべてのサッカー選手の応援があってこそである。
アジアの4代表が決まり、残りの1枠をプレーオフで残しているとはいえ、日本にとっては、W杯で結果を残すことについて、すでに視線は南アフリカへ向かっている。
W杯予選通過後の岡田監督のコメントは、質問者もそういった視線(W杯に向けての)での質問も多くなってきた。
そこでの岡田監督のコメントについて気にかかる。
皆さんもそうだろうが、「ベスト4を目指す」や「世界を驚かせる」といった、ある意味過激な発言がそうである。
この発言については、賛否両論あるであろう。
10人いれば10個の意見がある、むしろ意見を言わせてくれ!という方も多いであろう。
このコメントが良い、悪いは今回置いておきたい。
自分が気になるのは、その言葉の「軽さ」についてである。
勿論、岡田監督の中では十分実現可能な話なのだろう。
そうじゃなくても、目標として掲げるべきものなのだから、口に出したというところかもしれない。
しかし、それは過去の日本の成績や、最近の試合内容からいって、軽々しく口に出すような言葉なのだろうか。
言葉に「重み」がないのである。
「有言実行」という言葉がある。
口に出したからその目標に向かってなにが何でもやらなくちゃならない、という心構えが出来るであろう。
しかし、それは監督個人が言ったから目標に向かえるのだろうか。
言葉に出したからこそ、選手達のコメントでも、「この内容では・・・」「ベスト4に向けて・・・」という高い目標が出来たかもしれない。
しかし、どうしても選手によって、温度差があるように思えてしょうがないのである。
それは試合後の選手のコメントからもかいまみえる。
監督だけでは勝ち進めない。
しかし、監督がチームの舵取り、モチベーターとして気持ちをひとつにまとめなければ、いいチームとはいえないだろう。
だからこそ、もし本気で取り組むのであれば、口に出さずに止めておいて欲しかったというのが正直なところだ。
口にだしても、選手間の中だけにとどめておくなどできなかったのだろうか。
口に出すメリットは、代表の選手は入れ替わることも多いので、その対象となる全員の意識共有などは考えられるが。。。
「言葉は実現する」ということを、各分野で成功している人からよく聞く。
そういう人達は、すべての人が自分の発する言葉に自信を持ち、責任を持っている。
いわば、自分の「言葉」には力がこもっている、というのを実感しているのだ。
スポーツナビに中村俊のインタビューが載っていた。
「目標は高ければ高いほどいいと思いますし、本当に(ベスト4に)行くという意思がなければ行けないと思います。ただ僕個人してはW杯でまだ1勝もしておらず、そういう感覚がないので、目標にはありますけど、僕の中では簡単には口にできないです。」
自分の思いは中村俊と同じだ。
「言霊」とまではいかなくても、やはり口に出すには相当に考えなければいけないだろうと思う。
勿論、岡田監督はそこまで考えに考え、決断の末の言葉だと信じたい。
しかし、ここ数戦の内容からは、その言葉に「重さ」は感じないのだ。
例えるなら、威勢よく打ち出した言葉は、ヘリウムガスのように軽く、アドバルーンとしてひらひら高く浮いている。
そのうち見えなくなるか、パーンとはじけてしまいそうに写る。
選手の頑張りや岡田監督の熱意を否定するわけでは勿論ない。
しかし、オーストラリア戦での「悲観しなくてもよい」とは、高い目標からするとあまりに温度差を感じてしまうのは自分だけだろうか。
食パンにカビが生えるように、フランス大会の二の舞をするイメージがじわじわ広がってしまう。
言葉に力があるとしよう。
言った言葉は実現するという力が。
少なくともそういう言霊のようなものを信じている(あるとわかる)なら、例えば小さい子供がむしゃくしゃして、親や友達に「どっかいっちゃえ!」とか「早く死んじゃえ!」とか、悪気はない子供のように軽々しくいえないはずである。
(失礼な表現すいません)
「目標はベスト4」大いに結構である。
しかし、もう少し言葉の「重さ」「力」を考えてもいいのではないか。
言葉に力をつけるには、「できること」を口にしていけばいい。
逆説的になるが、その範囲を徐々に増やしていけばいいと思うのだが。。。
岡田監督と中村俊のインタビューから、そういったことを考えてしまうのは、梅雨の夜にはいいかもしれない。
皆さんはどうだろうか?
コンフェデが今南アフリカで行われている。
ブラジル-イタリア、南アフリカ-スペインをテレビで見ることができたが、この試合を見て、それ以上に驚かせるには相当なハードルの高さである。
後1年も?もう1年しか?
来年の今頃、梅雨とは反対の寒い中での試合、気持ちにじめっとした梅雨など入る隙間はないだろう。
期待に胸躍らせ・・・がんばれ、日本代表!
posted by ballgame |23:18 |
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2009年06月21日
MLBでの日本人対決。
日本から海を渡って挑戦する選手が増えた現在では、そう珍しくもないかもしれない。
だが、それは投手対野手の話。
そしてその環境に慣れてきたとはいえ、その一球一球に、その体の躍動に野球好きの日本人であるのならば、胸躍る気持ちが薄れることはない。
見ごたえのある試合の中での、また違った注目点が出てくる。
毎日何気なく見ている日本人選手の所属するチームの戦いを見るのとは一味違う試合となるはず。
今日は両先発投手が日本人同士の投げあいだ。
実際に対峙することのない立場である投手同士が、相手の存在をいつも以上に強く意識しながら、こいつには負けたくないと心の片隅でちらりと思いながらの戦い。
直接雌雄を決せない関係だからこその戦いがそこにはある。
いつものマウンドがいつも通りではない。
太平洋という地球上で1番大きな海を隔てた野球のメッカで、日本人が初回表に登板し、そして裏にも別の日本人が先発する。
試合を作るのは、日本人投手の役目。
これには少し誇り高い気持ちが出てくる。
話がそれるが、MLBに所属するチームがない中で、これほど毎試合毎試合注目している国は、ひょっとすると日本が(もちろんアメリカやカナダを除くが)一番ではないだろうか。
野茂から始まった日本人の挑戦で身近になったMLB。
あれからもう長い歳月が経ち、日本で応援するプロ野球チーム同様、MLBでも贔屓のチームも出てくる。
それは日本人選手が所属しているからという理由がもっとも多いだろうが、サッカーのバルセロナが好きなように、単純に戦い方が好きだという理由で応援するチームがでてきてもおかしくない。
日本でもそうだが、MLBでも今インターリーグ(交流戦)が行われている。
そのおかげで、リーグが違う川上と松坂の投げあいが見れるという幸運に恵まれた。
交流戦だけではない。
両チームのローテーションの都合もある。
それがびしっと決まった今日、そして土曜日という絶好のシチュエーションでの試合は梅雨に入った日本列島にとっての、野球の神様からのちょっとしたプレゼントかもしれない。
惜しむらくは、川上・松坂とも打撃が好きで、得意としていることもあり、レッドソックスの本拠地ではなく、ブレーブスの本拠地だったらいうことはなかったのだが、そこまで求めるとばちがあたりそうなのでやめておく。
腹八分目というのも必要だ。
大リーグでは2007年5月の松坂と大家(当時ブルージェイズ)以来、2年ぶり5度目となった日本人投手の先発対決である。
(実際川上と松坂はオープン戦では投げ合っている)
結果は皆さんご存知の通り、ブレーブスが、川上が勝利した。
試合内容については詳しく書かないが、両投手の残酷なまでのコントラストを感じた方は多いのではないだろうか。
松坂:4回0/3 失点6 被安打8 四死球4
川上:6回 失点2 被安打2 四死球3
今日の試合を見ていて感じたことは、両投手に共通するしたのは「平常心」「いつもどおり」ということだ。
この言葉を聞いて、首をかしげる方がいるだろう。
今日の内容のどこが平常的・日常的だと・・・。
最近調子の上がらない松坂は、今日も立ち上がりが悪い。
先頭打者の初球本塁打はついてないところもあった。
これだけで松坂を責めるのは酷なところである。
しかし、その後の四球でランナーをためてしまう(押し出しもあった)ところ、ぴりっとしないところははまさに「いつもどおり」の松坂である。
初回がよく2点に収まったといえるであろう。
そして4回の2死からの四球。
それが失点に繋がる。。。
松坂の罪は打たれることではない。
勿論、相手チームを抑えることが投手の絶対条件であるから、打たれてしまうのは良いことではない。
しかし、現在の松坂の罪は「リズムの悪さ」にある。
四球が点に繋がってしまうここ数試合は、明らかに投手とその背後を守っているチームメイトに一体感が欠けている。
現在草野球の経験がある方はわかるだろうが、ヒットヒットと打たれるよりも、四球四球が続くと、守っているほうに嫌気がさす。
そんなとき、ぼてぼての当たりでもエラーなり、人がいないところに飛んだりするものだ。
そういうジンクスを意識しているからかもしれないが、失点に繋がることは多く感じる。
松坂と同じチームメイトのウェイクフィールドの登板している試合をご覧になったことはあるだろう。
ナックルボーラーとしておなじみの投手。
彼が登板する試合は、見ていても楽しい。
もちろん、どんな変化がするか投げてみなければわからないその一球一球にも興味をもっているからだろうが、それだけではない。
彼の試合はテンポがいいのだ。
彼の被安打は少ないとはいえない。
だが、その割には失点に繋がることが少ない。
そして(今年序盤に限っていえば)それ以上に味方が点を取ってくれるのだ。
これもチームのリズムを守備から作っているといえないだろうか。
ここ数試合の松坂は自分の実力を発揮できないばかりか、チームのリズムすら壊してしまう、不協和音的な投球を初回からかもし出してしまっている。
このコンタクト(指揮棒)では、いかに実力あるオーケストラ(チームメイト)でもうまい演奏(打撃)を発揮することは難しい。
その演奏に、地元ボストンのファンも松坂にブーイングを浴びせるという珍しいこともおこった。
暖かいボストンファンでさえ、リズムの悪さを感じていることの証になるのではないか。
その意味で、今日の松坂は「いつもどおり」「日常的」といえるのだろう。
この「日常的」を脱するためには、先発を数回飛ばし、ミニキャンプのような思い切った手段も必要なのかもしれない。
一方、素晴らしいピッチングをした川上。
なかなか、1試合を通して見る機会がない川上だが、それだけに成績を見て、好不調を見極めてしまうことがある。
川上の現在のよいとはいえない成績は、去年の黒田のように、ある程度の運のなさも影響しているのではないか。
もちろん、いままでがすべて100%素晴らしいピッチングとはいえないだろうが。。。
しかし、今日の川上は2失点はしたが、素晴らしい内容だった。
特にストレートが素晴らしかった。
アンパイアが低め、そして外に甘い、全体的に広めの判定だったこともあるが、それを生かした投球が素晴らしい。
ストレートが活きてこそのフォーク、そしてスローカーブである。
まさに跳ねるようなストレートといっていいだろう。
レッドソックスの斉藤のように切れのあるストレートが圧巻だった。
初回は3者連続三振に切って取る。
なぜ、川上がよかったのか。
本人の投球内容の良さがすべてであるが、それだけではない。
それを支える内面があるはずだ。
なぜ、いつも以上の素晴らしいピッチングができたのか。
なぜ、気持ちのこもったストレート、日本でみたような勢いのあるストレートが投げれたのだろうか。
それは、いつもどおりではない「平常心」があったからではないだろうか。
文章としてはおかしいが、今日の川上にはこの言葉のつながりがあっているように思う。
川上はご存知の通り、気持ちで押すタイプの投手である。
4月から始まったMLBはもう3ヶ月がたつ。
MLBの試合にはだいぶ慣れてきただろう。
しかし、その慣れは今までとは違う日常だ。
異国の地での投球、日本人はいない球場などなど、いままでとは勝手が違う。
もちろん、こうした環境になれていく以外に道はない。
そういった状況の中で、今日の試合は何が違うか。
日本とは違い、MLBではベンチ前での投球練習は認められていない。
必然的に、その目はマウンドにいく。
そう、川上の目には、同じ日本人である、プロ野球でリーグは違うこそすれ、エースとして意識せずにはいられないあの松坂が投げているではないか。
今まで川上が投げてきた試合は、勿論日本人は投げていない。
それがMLBでは当然のことだ。
しかし、今日は違う。
今まで意識したことがないといえばうそになる、自分も知っている松坂が投げているのだ。
川上の中で無意識のうちに、日本での、中日でのエースとしての勢いのあるピッチングを体が思い出していたのではないだろうか。
そう考えるのはうがちすぎかもしれない。
しかし、試合後の川上のコメントにこういったものがある。
「意識はしますよね。チームメートもすごく盛り上げてくれたし、恐らく、日本の人も今まで以上に注目してくれていると思いました。だから、恥ずかしいピッチングはしちゃいけないなというのが、今日の重要点だったかもしれないですね」
これが、少々逆球でも問題ない、勢いのある投球につながったのではないか。
つまり川上の中では、1年前なら普通だった、そしてMLBではありえない「いつもと違う平常心」のピッチングが出来たともいえる。
その影響はないとはいえないだろう。
今日のような、気持ちのこもった投球を次回以降も続けることができれば、川上の今後の活躍は素晴らしいものとなるだろう。
今日、野球好きな日本人にとって、「特別な週末」が訪れた。
しかし、今日投げあった両投手には、「平常心」「日常的」がキーワードとなった。
そのコントラストがとても面白く感じる。
がんばれ、川上!
がんばれ、松坂!
そして、日本人選手!
梅雨を吹き飛ばすような面白い試合が明日以降も楽しみである。
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