2008年10月19日
第5戦、7点差をひっくり返すという奇跡的な逆転を演じたレッドソックス。
例えるなら徳俵に足がかかり、腰が伸びた状態で、レイズの押しをひたすら我慢した。
今、状況は落ち着き、土俵際ながら胸があい、呼吸を整える余裕ができたところだろう。
ホームの観客の願いがレッドソックスナインを後押ししたのも間違いない。
まだ、不利な状況は変わらず、しかもレイズのホームで行われる第6戦。
ボストンの地からタンパベイまで、応援の声が届くのか。
レイズの先発はシールズ。
第5戦の先発を温存しての登板となる。
変化球主体のやわらかい投手だ。
レッドソックスはいきなり狙ってきた。
先頭打者クリスプが初球を、サード前にセフティーバント。
絶妙な勢いで転がった球は、結局サードがエラーしたが、とっても間に合わなかっただろう。
まるでレイズのような攻撃。
「今日の俺達は第5戦よりもさらにいいぜ」
名刺代わりの挨拶だ。
その挨拶にレイズも応える。
シールズが牽制でクリスプが刺される。
リードが大きいわけではなかったが、レッドソックスにとっては痛い。
「知ってるよ。だが俺達も違う」
剣豪がさっとつばぜり合いをしたかのようだ。
レッドソックスは、結局3人で攻撃を終わる。
中1日空き、レッドソックスの勢いもひと段落してしまったか。
ある意味、3者凡退より大きい。
レッドソックスの先発はベケット。
シールズと比べれば、剛のピッチングといえるだろう。
プレイオフに入り、精彩のない投球が続いているが、前日会見では、
「チームに必要なピッチングをしたい」
と語っていたベケット。
このエースの働きがなければ、レッドソックスに明日はない。
ストレート、カーブ、チェンジアップ、ストレート。
先頭の岩村を三振にとる。
去年のような圧倒的な投球ではなく、今日は丁寧に入っている。
自分の体調、そしてチームの状況を考えた投球だ。
しかし、絶好調アプトンにフルカウントからレフトの天井に当たるホームランを打たれる。
アプトンはこのシリーズ7本目。
好調の打者にはなぜか甘いところに入ってしまい、そしてその失投を見逃さないものだ。
一番打たれてはいけない打者、そして取られてはいけない初回に先取点を取られてしまった。
TVの前で臍をかむ。
ベケットも同じだろう。
後続を押さえ、1点で切り抜ける。
2回表、またもや追いかける展開のレッドソックス。
ユーキリスがストレートをレフトスタンドに叩き込む同点弾。
取られた後の1点は大きい。
やはり、今日のレッドソックスは第5戦の戦いで、自らを思い出したのだ。
好調のドリュー、コッツェイがひっとで出るが、後続が倒れ、同点止まり。
3回表、ペドロイアが四球で出る。
解説でも言っていたが、今日の球審はストライクゾーンが狭いことで有名だそうだ。
見ていても、両投手のコースぎりぎりに投げた球がボールと判定され、お互いに苦しい投球になりそうだ。
(チームによる偏りはないから、問題はないのだろうが)
ここで、第5戦、オルティーズが1塁線を抜ける2塁打を放つ。
眠っていたビックパピの目は、見開き、爛々と輝き始めている。
1死二、三塁からユーキリスのショートゴロの間に追加点を挙げる。
さらに二者連続四球。
外角低めのいいコースをついたが、今日は取ってくれない。
満塁のチャンス。
当たっているコッツェイは0-3となったが、センターフライに終わる。
レッドソックスが苦しい戦いが続いているのは、こうしたチャンスでの1本だ。
1点リードしてもらったベケット。
変化球を多く投げ、打者にタイミングを取らせない。
ゆっくりした間で投げているが、第2戦のようなイライラしたような様子もなく、穏やかといっても良いだろう。
レイズも各打者がタイムを取ったりして、テンポをずらそうとする。
もちろん、すべてが故意というわけではないが、したたかさを感じる。
レイズのしたたかさはそれだけではない。
1死後、抜けたカーブが9番バーレットの内角にきた。
その球をバーレットはよけずに死球を得た。
「当たってしまった」死球ではなく、まさに望んだ死球だった。
次打者岩村もバントの構えで揺さぶる。
しかし、ベケットは粘りの投球で岩村、アプトンを討ち取る。
4回表、球審がベンチ裏に下がり20分近く中断する。
2回(だったか?)ファールボールが顔面あご近くに当たった影響だろうか。
結局、球審が変わることになった。
この中断、球審が変わったこと、どちらに有利になるだろうか。
シールズは0-3になることが多いが、そこからなんとか抑える。
5回裏、球数も少なく、丁寧なピッチングをするベケット。
しかし、決して快調に来ているわけではない。
試合の流れはたゆたっているように感じるが、ここでレッドソックスに勝利が近づくようなプレーが出た。
1死一塁で、9番バートレットの打席。
今まで走られっぱなしのバリテックが盗塁を刺したのだ。
ランナーは足が速いとは思えない。
ヒットエンドランだったのだろうが、サインミスか、カーブが高めに抜けたため、反応できなかったのか。
レイズには痛い、レッドソックスには試合の流れをつかむチャンスだ。
しかし、このシリーズ、第5戦から予想は外れるということに決まっている。
なんとバートレットが高めに入ったカーブをレフトスタンドポール際に運ぶ。
レイズの底力は恐ろしい。
最低のイニングとなるところが、結果は同点だ。
6回表、守備でもレイズはさらに勢いづく。
コッツェイのいい当たりを、岩村がジャンプ一番という言葉がぴったりくるプレーでセカンドライナーに抑える。
抜けていたらひょっとすると2塁打。
さらに次打者を見逃し三振。
盛り上がる球場。
しかし、観客は忘れていた。
5回のレイズの攻撃でひそかに波に乗ったレッドソックスの選手を。
そう、ここまでこのシリーズ無安打のバリテックだ。
なんとこの流れの中、ライトスタンドにライナーで飛び込む本塁打。
油断というわけではないだろうが、まさかの1発である。
まさに、5回のレイズと同じ9番打者の本塁打でレッドソックスが勝ち越す。
キャプテンの1発。
ここで乗らなければレッドソックスではない。
クリスプがピッチャー強襲のヒット。
なんとかレイズは流れを断ち切ろうと投手交代。
ここまでレイズはこういった場面を何度も抑えていた。
しかし、第5戦の後、レイズは変わってしまった。
ペドロイアはぼてぼてのショートゴロ。
しかし、ショートが暴投し、3番のオルティーズにまわしてしまう。
まわしてはいけない打者に。
考えてみれば、このシリーズは今日のようにオルティーズによくチャンスで回っていた。
レイズは変わってしまった。
そして、そのきっかけを作ったのはオルティーズだった。
目覚めさせてはいけない男をレイズは目覚めさせてしまった。
ホワイトソックスに勝ったレイズは、シャンパンパーティをしながら「we love papi!」と声をそろえてはしゃいでいた。
自分の力に気づきはじめ、なにも怖くないような無邪気な、そして純粋な思いからだった。
自らの力を試そうという思いは、100%に近い実力を発揮し、これまで抑えることができた。
しかし、一旦恐怖を知ってしまうと、それがトラウマとなってしまうことがある。
今のレイズは変わってしまった。
オルティーズはレッドソックスファンの期待に応えて、センター前タイムリーを放つ。
大きな追加点。
レイズのトラウマはオルティーズの力と反転したかのようだった。
6回裏、レッドソックスは岡島にスイッチする。
ベケットの交代は意外だった。
去年のようなパフォーマンスが望めない今、ベケットは神経質とさえいえるような丁寧さでレイズ打線を抑えていった。
ストレートより多い変化球(カーブ、チェンジアップ)。
ランナーへの執拗な牽制。
死球に対する不満を審判に聞いてみる貪欲な勝利への姿勢。
今自分にできる投球で、相手に挑んだベケット。
去年と比べると80%程の力しか残っていないかもしれない。
しかしそれは、確かにチームの力となった。
やはり、ベケットはエースだった。
第5戦に続き、比較的早い回での登板。
しかし、状況は比べようもないほど違う。
岡島には関係なかった。
ベケットが見せてくれたもの。
それは、岡島が毎試合できるかぎりをやろうと見せてくれるものだった。
おそらく、岡島の中では、第5戦のリードされた状況も今日のリードした状況も比較するものではないのだろう。
取られたら取り返される試合が続いたレッドソックス。
しかし、岡島は違った。
抜群の安定感、そして監督の信頼があるからこそ、ベケットを5回で交代させられることができたのだ。
その期待に岡島は応える。
レイズは2番のアプトンから。
相変わらず岡島の登板する状況は厳しい。
岡島のストレートに詰まり、力ないサードライナーに打ち取る。
3番ペーニャは見逃し三振。
見逃した球は内角のツーシームで、球審が変わっていなければ取ってもらえなかったかもしれない。
次打者を四球で出すが、後続を抑えた。
7回も続投する岡島。
いつものように投球練習が終わると、帽子を取り、中に書かれている夫人からのメッセージを見つめ、気持ちを集中させる。
サインが決まると、セットポジションで息をひとつはく。
いつもの儀式、いつもと変わらない岡島だ。
安心してみてられる。
この回も三者凡退に討ち取り、厳しい打順から始まった6、7回をきっちりと抑える。
レッドソックスは8回からマスターソン。
パペルポンかと思ったので、これは意外。
死球でランナーが出て、岩村へと続くが、岩村は三振。
アプトン、ペーニャとセカンドゴロにうちとられる。
9回はパペルポンがきっちり3人で打ち取り、ゲームセット。
レッドソックスがタイに追いつき、明日の第7戦にもつれ込んだ。
今日の試合は、オルティーズのダメ押しの場面で決まったといって良いだろう。
オルティーズに4打数4安打はいらない。
ランナーがいる場面での効果的な一打さえあればよい。
チャンスを作るのではなく、返す人。
それでこそチームを支える主砲なのだ。
今までオルティーズのところでブツッと途切れていたものが、繋がってきた。
点と点がつながり、線となりつつある。
打線の組み替えも今日はきっちりはまり、去年のような自分の役割を果たしながらも、強いチームワークを感じる。
チームメイトというより、家族という雰囲気だ。
こうなると、レッドソックスは強い。
岡島の役割も大きい。
どう打ち取ってよいかと感じるほど好調のアプトンから始まる打順を見事抑えた。
その後、レイズ打線は沈黙した。
たったふた周りかもしれないが、これは明日に向かって重要なポイントだと思う。
印象に残っている場面がある。
それは8回裏、レイズの攻撃でのことだった。
ノーアウトからのランナーが出た後、カメラはしきりにレイズベンチを写していた。
レイズのチャンスにベンチにいる選手は、みな身を乗り出していた。
しかし、その目には何か、今までと違う輝きを放っていた。
勢いにあふれたものではなく、弱弱しい光。
選手というより、ホームで声援を送る観客のようなたたずまいに似ていた。
そう、それは祈りにも似たような目、そして姿勢だった。
人はもうどうしようもないときになると、神に祈ることが多いだろう。
戦うことをやめ、あとは祈るしかない。
そんなような雰囲気を、8回のアウトが重なるたびに映されるレイズベンチに感じさせられた方もいるのではないだろうか。
岩村は第5戦が終わった後、
「去年の(弱い)デビルレイズにもどったようだ」
とコメントしたそうだ。
8回に見た光景が、岩村のコメントが正しかったことを証明するのかもしれない。
レッドソックスは、去年のエンゼルス戦を繰り返すことができるだろうか。
自分はその可能性は大きいと思う。
もちろん、勝負事だからなにがおこるかわからない。
今日は、ボストンからのファンの後押しがタンパベイまで届いたようだ。
海の向こうからも、その祈りのようなものを送りながら、楽しみながら試合を見たいと思う。
見ごたえのある試合になることは間違いない。
がんばれ、レッドソックス!
posted by ballgame |22:05 |
MLB |
コメント(1) |
トラックバック(0)
2008年10月18日
信じられるだろうか。
試合を見終わった後も興奮と戸惑いで呆然としている。
レイズファンであろうが、レッドソックスファンであろうが、MLB好きの日本人であろうが、これほど試合を見ながらの予想が外れた試合はそうそうないだろう。
逆にそういった試合ほど面白い。
まさに野球を見た!と知り合いに伝えたいほどの喜び。
長くなるが、ぜひ伝えたいことがある。
第3戦は見ることができなかったが、第4戦とともに序盤での大量失点で、なすすべなく敗れたレッドソックス。
第4戦のウェィクフィールドの先発で、3点は覚悟していただろう。
レイズの本拠地より、ナックルの威力が増す野外の、そして本拠地の球場でさえ。
いかんせん、ナックルが高く甘く入ったところを、1、2の3で打った打球がすべてグリーンモンスターの上を面白いように超えていった。
その覚悟していた3点は初回に、3回には2点を追加され、第3戦同様5点のビハインドを背負ってしまった。
これでは気があせるばかりのレッドソックス。
球場に入った観客の10分の1にも満たないような声援しか聞こえなかった。
レイズの本拠地のあのうるさすぎるカウベルの響きとは対照的である。
唯一の希望としては、オルティーズにやっとヒットが生まれたことぐらいであろうか。
第2戦以降、レイズの2~5番は特に当たりが止まらなくなっている。
それだけではなく、下位打線にもタイムリーが出た。
レッドソックスにはなんの好材料も見当たらない。
こういった状況の中、先発する松坂には重いプレッシャーがかかるだろう。
しかし、これはチャンスでもある。
松坂がレッドソックスを支える、ひいてはMLBを代表するようなエースへの第1歩としての。
目の前には、大きく重いドアがそびえている。
去年、その扉はベケットにより、開くというより、力ずくで壊された。
松坂がどういう方法でその扉を開けるのかわからない。
しかし、確実なのは、その扉を開ける鍵を持っているということを松坂は知っていることだ。
松坂の前日会見で、
「自分はベケットではない。ただ、昨年彼が(ポストシーズンで)見せたようなピッチングができるならば、それは素晴らしいこと」
と述べていることから、その右手には鍵を持っていることは明らかだ。
ベケットのように、蹴破るのか。
はたまた、松坂なりの答えを見つけるのか。
案外、その空きそうもない扉は、引き戸なのかもしれない。
(日本人なら得意な開け方だ)
このような自覚を持って、明日マウンドに立つ松坂。
相手は、打線に火がついたレイズ。
並大抵のことではないが、松坂ならできる。
チームのためにというのは勿論だが、むしろ大エースとして、松坂の存在価値を証明してもらいたい。
自分を貫き通すことが、結果的にチームのためとなる。
そのくらいのわがままな気持ちのほうがよい。
今の時代、謙虚な日本人は世界で戦えない。
こういう場面で登板がめぐってきたことを喜んでもらいたい。
我を張った松坂、初回から100%の力で全力投球する松坂。
今シーズンでは、一度も見ることがなかった松坂の投球が見れるかもしれない。
レイズの上位打線は好調で、初回から目を離すことができないだろう。
そう思うと試合前からわくわくが止まらなかった。
松坂の立ち上がり、対する先頭打者は岩村だ。
アリーグの優勝を決める試合となるかもしれない場面の、最初の対決が日本人同士。
不思議な感慨が胸を襲う。
第3戦から序盤に点数を取られる苦しい展開が続いたレッドソックス。
チームはもちろん、エースの証明を図る松坂にも初回は大事である。
岩村はフルカウントからストレートをライト前ヒット。
好調アプトンは内角低めのストレートをグリーンモンスターを越える2ランを放つ。
アプトンはミートポイントが近く、回転で打つようなバッター。
レッドソックスバッテリーは内角で勝負しようとするが、その球が甘くなったり、または上手くさばかれたりして、攻め方がうまくいかない。
スイングから見て、内角は得意そうに見えるのだが・・・。
同じようなパターンでアプトンはこのシリーズ6本目。
その後は第1戦でも有効だったシュート系のツーシーム、チェンジアップを有効に使い、この回を2点で抑える。
対するレイズの先発はカズミアー。
制球が定まらず、四球を二つだすが、このピンチを切り抜けた。
2回の松坂、初回に2点取られたとはいえ、第1戦と比べても球の勢いは遜色がない。
投球テンポは格段によく、松坂の武器でもあるナイスフィールディングも見せ、この回を無失点に抑える。
3回、先頭の岩村をファーストのナイスプレーで打ち取るが、好調のアプトンには、外角のスライダーを上手くセンター前に運ばれる。
1打席目の大振りのスイングとは対照的なバッティング。
アプトンは手がつけれない。
3番ペーニャの打席、エンドランをかける。
松坂の投球はストレート。
それが甘く入り、ライトポール際ぎりぎりに入る2ラン。
詰まっていたように感じたが、まさに力で運ばれたホームランだ。
続く打者にもレフトへホームランを打たれる。
これもストレートが甘く真ん中に入った。
このシリーズのグリーンモンスターは、レイズの攻撃の際、数m低くなっているのではないかと感じるほどの、レイズのホームラン攻勢。
これで早くも5-0。
第3戦、第4戦の試合展開と似たような形。
このデジャビュには、自分もレッドソックスファンも伏目がちとなる。
4回は下位打線、3者凡退で討ち取り、味方の反撃を待つ。
レイズの先発のカズミアーは、調子があまりよくないように感じる。
四球が多く、レッドソックス打線は毎回ランナーを出すが、序盤の点差、そして第2戦の後半から、湿りがちの打線は、この試合も同じようにチャンスで凡打を繰り返してしまう。
制球難も、適度な荒れ球となり、的がしぼりづらいのだろうか。
5回、またも先頭は岩村。
同じ日本人ではあるが、今は違うチーム。
情けなどもちろん無用、とばかりファールで粘り、きわどいボールを見送り、四球を選ぶ。
ここで松坂は降板した。
1塁ベンチへ戻る松坂に対し、ベンチ裏の観客は立ち上がり、歓声や拍手を送る。
しかし、その拍手は小さくまばらであり、歓声も心なしか力がこもってない。
交代する投手は岡島。
このような場面でのスイッチは、もの悲しく感じる。
しかし、岡島の仕事は火を消すこと、ランナーを釘付けにすることである。
展開は関係ない。
自分の仕事をやるだけとばかり、表情を変えずに、持っている力すべてをぶつける。
ランナーを出すが、無失点に抑える。
岡島はプロだ。
5回裏、レッドソックスは1番からの好打順だが、3者凡退に終わる。
オルティーズが凡退した場面では、ホームにもかかわらず、少なからずのブーイングがでる。
1回、3回とオルティーズが凡退した後もブーイングらしきものが聞こえたが、まさかレッドソックスのホーム、ユーキリスの「ユーイング」と聞き違えたかと思ったが、3度も続くとそうとはいえない。
レッドソックスファンも我慢の限界が近い。
岡島は6回も続投し、無失点。
自分の仕事を淡々とこなす。
7回、変わったデルカーメンが、2者連続四球を与える。
ここで、なんとパペルポン投入。
連覇を狙う王者としてこの戦いに挑んだレッドソックス。
王冠をむしりとって、体面かまわず勝負にでる。
テレビの前でもうなずく。
ここは勝負のしどころだ。
しかし、レイズの怒涛のような打線は、パペルポンでも止められないのか。
ダブルスチームを決め、この試合手がつけられないアプトンは、エースの証明をしようとした松坂はおろか、守護神パペルポンでさえ打ち砕く。
レフトオーバーのツーベースで2点を追加。
点差は絶望的といえる7点。
野球の神様は、若き新たな強者を誕生させたいのか。
そんな流れさえ感じるダメ押しの1打。
この時点で、あの熱狂的で知られるレッドソックスファンがかえり始める場面を見る。
どんなに点差が離れていても、試合の途中で帰る場面など見たことがなかった。
しかも、プレイオフでだ。
野球の神様にもそっぽを向かれ、ファンにも見放されたレッドソックス。
レッドソックスファンであり、去年のミラクルを半ば当然のように信じていた自分も、ファンの帰る姿を見て「あぁ、終わってしまったか・・・」とこの時点で寂しい気持ちになっていた。
この試合展開では仕方ないのかもしれない。
しかし、レッドソックスナインは思い出した。
「俺達に神はいたか?」
「俺達は神に祝福されていたのか?」
「俺達は王者の野球か?」
王冠を投げ捨て、マントを脱ぎ、傷つき、ぼろぼろになった服を見て、もう王だとはだれも信じない。
ただ、チームメイトを信じ、自分達の力だけで、去年はチャンピオンリングを手にしたことを。
そうやって覇権を奪ったことを。
7回裏、好投したカズミアーからピッチャーが変わると、レッドソックスは仮面を剥ぎ取り、その下に隠れていた野獣を解き放った。
ペドロイアのタイムリーの後、2死一、三塁。
ここで、レッドソックスの大黒柱であるオルティーズ。
第5戦の今までの鬱憤を晴らす3ランを放つ。
3点差。
ひたひたとレイズの背中を追うレッドソックス。
まだその姿は見えないが、背後になにか不気味な雰囲気は感じるレイズ。
パペルポンの力のこもった投球でレイズを打ち取った8回裏。
ベイの四球の後、ドリューが2ラン。
1点差。
真っ暗な背後、目の前の明るい光は徐々に大きくなっているが、背後には足音が、そして獰猛な息遣いさえ聞こえる。
前の試合から好調なコッツェイが二塁打を放ち、この日1番のクリスプがタイムリーを放つ。
同点。
あと数歩走りきればたどり着ける明るい光と更なるステージを前に、ついにこれまでがむしゃらに、若く勢いよく走っていたレイズは振り向いてしまった。
背後の存在を確かめるために。
あと1歩、足を伸ばせば逃げ切れたはずなのに。
振り返ってはいけないと言われていたのに。
振り返った時点では、背後から追ってきたものは、まだ暗闇の中にいて、姿が見えなかった。
しかし、その暗闇の中で赤く光る目を見た瞬間、レイズのこの試合の結末が見えてしまった。
9回裏、2死を取ったが、ユーキリスのサードゴロの内野安打で出塁。
記録は内野安打だったが、サードのエラーといっても良いだろう。
これでランナーは2塁に進み、ドリューがサヨナラヒットを放ち、レッドソックスが奇跡の逆転劇を演じた。
これでレッドソックスは1つ返したが、まだ2-3とリードされている。
しかし、この試合は第2戦に続く、単なる1勝とはならないのではないか。
6回までと、7回以降ではレッドソックスは別のチームだった。
この勢いを作ったのは、間違いなくオルティーズ。
この試合もヒット(ホームラン)は1本のみだったが、この大事な場面で打てたことが、寝た子をおこしたように思う。
第2戦で火のついたレイズのクリーンアップ。
第5戦のオルティーズ。
状況は違うが、たった1本のヒットで試合の流れを帰れる選手の復活は大きい。
それを手に入れたのは、なりふり構わぬ早めの継投だった。
これで、レッドソックスは普段の野球、ひいては去年のレッドソックスに戻ったような気がする。
レイズは痛い敗戦。
あと1勝すればいいのだが、その1勝の重みをこの試合で感じてしまった分、第6戦に負けることがあれば、ホームでの2試合とはいえ、厳しい状況になっていると思う。
レイズの試合運びは完璧だった。
松坂が打たれた2本目の本塁打は、エンドランで打者が速球を狙えるような状況を作っていた。
岡島が投げていたときは、セフティーを決めた。
パペルポンからはダブルスチールだ。
守備位置もよく、いい当たりが野手の正面をついていた。
まさに試合運びは完璧だっただけに、よけいに敗戦が痛い。
星勘定ではレイズリード。
チームの勢いでは、野蛮ともいえる試合運びを取り戻したレッドソックス。
レイズのホームで行われるとはいえ、レッドソックスの先発はあのベケットであろう。
この試合の勢いを、ベケットは大エースとして力に変えてくるだろう。
パンドラの箱を開けて、恐怖を知ってしまったレイズ。
その箱の中には、神話と同じように希望は残っているのだろうか。
最後に松坂を振り返りたい。
この日の松坂も、エースの扉を開けることはできなかった。
調子はよかったように思うが、松坂を打ち砕く穴を作ったのは、間違いなく岩村の初回の打席である。
岩村の活躍はうれしいが、ほんの少し残念に思ってしまう複雑な気持ちだ。
松坂はエースになれなかった。
今日はレイズ打線の好調さをほめないわけにもいかないだろうが、期待していただけに残念である。
しかし、松坂にはやはりなにか違う星がついているように思う。
松坂が投げると負けない。
打線のめぐり合わせもあろうが、第1戦のぴりっとしたとはいえない投球でも勝ってしまう。
5点を取られても負けない。
なにか、人とは違う輝く星のものにうまれた、そんなことさえ思ってしまう先発したシリーズの2戦。
ひょっとすると、負けないということは、チームにとって一番の投手なのかもしれない。
ニュータイプのエースともいえるのだろうか(笑)
結果はよかったが、まだまだ松坂の投球には満足できない。
予感では、松坂がエースの証明をする舞台は今年はまだあるように思う。
第6戦は19日(日)、面白い試合になるのは間違いない。
見逃すことはできない。
今日のレッドソックスファンのように、笑われてしまうことになる。
(同じようなことが、レッドソックスファンの映画にも出ていたような・・・)
がんばれ、レッドソックス!
posted by ballgame |08:48 |
MLB |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年10月16日
W杯最終予選第2戦、ウズベキスタン戦がホームの埼玉スタジアムで行われた。
日本は前半先制されたが、前半のうちに追いつきそのままドロー、勝ち点1を得た。
ウズベキスタンは前半、FWのチェックを厳しくし、ボランチ付近でのパスカットを狙っていた。
これは非常に効果的で、日本の自陣でのパスミスが目立つ。
チェックされたDFからの前線での長いボールはことごとくカットされる。
それが即危ない場面になることはなかったが、ペースはウズベキスタンが握った。
前半27分、左サイドの長いボールを闘莉王がアクロバティックなクリアミス、そのボールを拾われて、中央にグラウンダーのパスをシャツキフがスライディングで決め、先制される。
日本は先制された後、FKで中村のゴールに向かう早いクロス、中村のスルーパスから内田が抜け出すが、シュートではなくパスを選択、惜しい場面が続くが、得点に繋がらず、もどかしい展開が続く。
憔悴が募る前半40分、中村が左サイドから逆サイドに長いクロス、大久保は折返し、玉田が押し込む。
これで同点。
そのまま前半が終わる。
後半は引き気味のウズベキスタン、日本はホームでの勝ち点3を目指し、日本ペースになる。
惜しいシュートが続くが、ウズベキスタンのGKの出来がよく、引き分けに終わった。
日本は勝ち点1を取ったというより、勝ち点2を失ったといって良いだろう。
岡田監督や選手のコメントにもあったが、前半のウズベキスタンの積極性は予想していなかったようだ。
それは甘いといわざるを得ないだろう。
2連敗のウズベキスタン、ホームアウェーを問わず、積極的になるしかない。
それに、日本で狙うべきところは、ディフェンスラインでの意図の感じられない、スローな横パスだ。
ウズベキスタンはやるべきことをしっかりやり、先制できた。
同点に追いついた日本は、技術力がトップクラスにあるのは証明できたといえるだろう。
アジアのライバル達は、日本にすむ我々よりも日本代表に敬意、恐れを抱いている。
しかし、日本代表はそれに甘えていないであろうか。
ホームでの戦い、最終予選の厳しさは各選手は誰よりもわかっている。
しかし、ウズベキスタンの前線からのチェックにかかわらず、日本はあいもかわらず、ディフェンスラインでの横パスが多かった。
技術力に自信があるからだろうとは思うが、試合の入りがうまいとは感じられない。
そろそろ、リアクションで対応するのではなく、自らギアチェンジするような試合運びを期待したい。
「いつか点がとれるだろう」
そんなふわっとした感じで、なんとなく試合に入ったように感じた人も多かったのではないか。
ディフェンスラインの横パス、中盤での動き出しの少なさ。
技術力で勝っていても、そのパス、技術に意思が感じられなければ、相手は怖さを感じない。
相手が恐怖を感じるのは、試合をコントロールされることではない。
完膚なきまでに叩きのめすという、選手全員の、チームの強烈な意思である。
日本はいわば、チーターなどの肉食獣ではなく、象のようなもの。
襲われれば強烈に反応するが、普段はおとなしい。
あいつは強いと思われているが、積極性にかける。
巧いが、怖くはない。
そんな印象なのではないだろうか。
もちろん、選手達、チームはホームでの勝ち点3を得ようと燃えていたはずだ。
選手個人の性格などもあろうが、それが表に出てこなかったように感じてしまう部分があったのは残念でならない。
勝ち点3だけではない、この試合で一番得たいものは相手の闘志をかき消すような強烈な試合だったように思う。
最終的には負けないが、強さとしてはどう感じるか?
なんとなく甘さを感じてしまう日本代表は、世界の強豪との戦いで、紙一重の戦いの中で、致命的になってしまうのではないかと思ってしまう。
その甘さが、第1戦の終了間際の2点に繋がるし、今回の先制点に繋がっているように思えて仕方がない。
岡田監督は試合前、背水の陣の心境で戦うとコメントしていたが、果たして選手達に伝わっていたのであろうか。
技術・チームのコンセプトではなく、監督と選手の意思疎通に関して、この試合に関しては首をかしげざるを得ない。
ゲームをするのは選手である。
試合内容すべてを監督に押し付けるのは正しくない。
しかし、選手のモチベーションを上げるのは監督である。
監督に一番重要なのは、その部分ではないかと思うのだが・・・。
メンタルさえしっかりしていれば、日本が研究されても、選手間で調整し、反撃は後半からではなく、前半の半ばで修正が効いたのだと思ってしまう。
日本の武器は、中盤のパス回しの早さ、そしてスピードである。
日本が思っている以上に相手は警戒しているはずだ。
DFラインの裏をつくボールや、この試合でいえば玉田・大久保・香川を走らせるボールが多ければ、もっと日本らしい、そして強みが出るゲームができるはずである。
裏へのボール、早いクロスが日本の鍵ではないだろうか。
悪いことばかりではない。
玉田の積極性は第1戦に続き、目立っていた。
FWとしての一番重要なところだろう。
香川もなにかやりそうな雰囲気をかもし出していた。
今回は結果に繋がらなかったが、今後の試合で目を離せない存在となるかもしれない。
闘莉王のミスはあったが、DF全体の責任でもある。
簡単にクリアするところではあったが、日本はどうも中の絞りがゆるいように感じる。
カウンターで仕方ない部分もあったが、中央は中澤、闘莉王頼みでは、今後も危ないといえるかもしれない。
岡崎、興梠と五輪世代が食い込んできたのも頼もしい。
いつまでも同じメンバーでは刺激が少ないし、警告累積、怪我などで、いつ中心選手がでられないとも限らない。
選手層が厚くなるのは、長い予選を戦ううちに重要なところだ。
ここからは冗談半分になるが、闘莉王のFWという話もあるが、そろそろまじめに考えるべきかもしれない。
昨日の試合、玉田、大久保はFWとしての仕事をきっちり行っていたが、FWが前線のチェイシングに駆られるようであれば、FD(打ち間違いではない)として、ターゲットにもなる闘莉王でもよいはずだ。
前半FD闘莉王で、守りにはいるならDFに闘莉王を下げる。
なんてことも思い、少しにやけてしまったが(笑)
勝ち点1をゲットできた日本。
残念な結果ではあるが、内容は悲観するところではない。
やはり最終予選は甘くないという現実が再認識できた試合だった。
甘く、甘くない。
大人が好みそうな味覚の試合だったといえるかもしれない。
次戦はアウェーでカタール戦。
オーストラリア、カタールが当面のライバルとなる最終予選。
アウェーではあるが、勝ち点3を目指してがんばって欲しい。
がんばれ、日本代表!
posted by ballgame |08:31 |
サッカー |
コメント(10) |
トラックバック(2)
2008年10月14日
誰が言ったか知らないが、こんな言葉を聞いた事があるはずだ。
「野球は8-7が面白い」
取ったり取られたりで、この位の点数の取り合いが面白いということだろう。
もちろん、0-0の息がつまるような投手戦も見ごたえがあるのは言うまでもない。
レイズ対レッドソックス第2戦はそれを上回る9-8、しかも延長サヨナラという見る側からすると文句なしの面白い試合でレイズがタイに持ち込んだ。
点を取ったら取り返す、逆転すると次の回はまた逆転されるという逆転した回数が5回、両チームとも残り投手が1人しかいないという総力戦だった。
第1戦は投手戦、第2戦は打撃戦という見るものをひきつけてやまないアリーグ優勝決定戦。
1日おくれになったが、簡単に振り返りたい。
レイズの先発はカズミアー、レッドソックスの先発はベケットで始まった第2戦。
初戦も気になっていたが、レイズの球団が配っているのか、はたまた観客が購入しているのか、MLBにしては鐘の音がうるさくて気になっていたが、試合をみていると、観客が持っているのはカウベルのようなもの。
レッドソックスの打者が2ストライクに追い込まれると、一斉に鳴らすカウベル。
NFLでのクラウドノイズは有名だが、それに匹敵するうるささだった。
ホームの後押しはブーイングと大きな声援だけだと思っていたが、こんな方法もあるのだなぁと感心してしまった。
ドームなので余計にこもるだろう。
カズミアー、ベケットともフライアウトが多い。
やはり両投手とも速球を武器にしているだけある。
しかし、この試合に関しては、両投手の出来が余りよくなかった。
投手ばかりを責めるのはかわいそうかもしれない。
第2戦で温まってきた両打線がこの日は爆発した。
カズミアー:4回1/3でホームラン3本、自責点5点。
ベケット :4回1/3でホームラン3本、自責点8点。
両投手とも似たような成績で5回を持たずに降板した。
フライアウトも多かったが、いつもなら詰まらせる打球が伸びてスタンドに入ってしまっていた。
特にベケットは故障明けで調子が上がってこない。
去年のマウンドで、2M以上にも見えるような圧倒的な存在感はこの日は影を潜めた。
とにかく、リズムが悪い。
松坂は四球で守備のリズムを狂わせるときがあるが、それとは別のリズムの悪さ。
松坂はテンポの問題、ベケットは故障明けからなのだろうか、単純に体の動きが鈍かった。
まるで、日ごろ運動していない人が、休日張り切って草野球をした次の日(またはその翌日)のような感じだ。
プロ野球を見ているかのように、間合いが長く、何度も審判にタイムをかけられていたのが印象に残った。
この時期、100%の体調で出ている選手などいないだろうが、それにしても絶対的エースのベケットの不調は気になる。
点数を取られるのは調子の波でしかたないところがある。
しかし、点数以上にエースとしてと罪がこの日はあった。
その罪はレイズの3~5番に打たれたことだ。
松坂は初戦、3~5番を完璧に押さえ込んでいた。
もし、2戦目も同じように沈黙させていたら、レイズはかなり苦しくなっていただろう。
この罪はあまりにも大きい。
去年のワールドシリーズは第1戦のベケットの初回の投球ですべてが決まったといっても過言ではない。
手も足もでない、そんなことばがしっくり来るほどの投球だった。
次の登板は、第6戦になるだろうが、何とか調子を戻して、本来のピッチングを期待したい。
ゆるやかなフォームから放たれる速球は、スピード以上に速さを感じる。
この日も、何球かは見られた投球。
それが見たい。
この日を決めたのは、クリーンアップの出来がすべてといえよう。
レイズ :8安打(6打点)
レッドソックス:6安打(5打点)
数字を比べると、そう大差はないようだが、レッドソックスのオルティースはこの試合無安打に終わっている。
絶好調といっていい、ユーキリス、ベイの前で、一瞬途切れてしまうのが惜しい。
そうでなければ、レッドソックスが勝てていた試合だったように思う。
4回を終わって1点ビハインドのレッドソックスの攻撃。
この回、ペドロイア、ユーキリス、ベイと3本の本塁打を打ったときは、レッドソックスの勝ちだろうと感じた。
特に、ベイの本塁打は、レイズのホームにもかかわらず、レフトスタンドにいたレッドソックスファンがキャッチしたのだ。
この試合を象徴するような場面と思ってしまったのも致し方ない。
しかし、この試合はそう甘くはない。
レイズの底力がでた5回、打線が繋がり、一挙3得点で再逆転。
8対6となった。
レイズの打線のつながりのよさが出た場面だったが、それだけではない。
レイズにもいえることだが、レッドソックスの大エースといえば、ベケットである。
そのエースを5回で変えることなどはできなかったのであろう。
それがエースの宿命なのだ。
回の頭から変えるのが理想だが、エースの復活に期待する。
監督やコーチはベケットに託したのだと思う。
そして、この試合はそれが裏目に出た。
5回を終わり、8対6。
あー、レイズがタイに持ち込んだか・・・と思っていたが、またまたシーソーは揺れ動く。
6回のタイムリー、8回のワイルドピッチでレッドソックスが同点に追いつく。
シーソーは揺れ動き、勝利の女神は相当意地悪く微笑む。
試合に落ち着きを与えたのは岡島だった。
7回から登板し、ヒットを与えることなく、レイズ打線を抑える。
前半あれほど活発だった打線が、岡島の投げるボールがぬれているように、火を消されてしまった。
大舞台で強い岡島。
これからも、レッドソックスファンには胸の痛くなるような場面を、あのポーカーフェイスで切り抜けてくれるだろう。
結局試合が決まったのは、連続四球からだった。
判定におかしなところがあり、抗議をしたレッドソックス投手コーチが退場になった画面もあった。
首をひねる場面は2つあったが、そのうちの1つはストライクでもいいんじゃない?というようなコース。
大事な場面だったので、抗議、退場もしかたないだろう。
この時点で試合開始から5時間あまり、現地時間では1時近くになっていた。
8回以降、点数の動くような気配がなく、見ていたこちらも少々くたびれるようなこの試合、審判も早く帰りたかったのだろうかとも思い、少しにやけてしまった。
レイズが勝ったこの1戦、レイズのクリーンアップに調子が戻ったこと、そして予想以上にレッドソックスの外野守備の弱さが露呈されたことが大きいと思う。
本塁でのクロスプレーは3つあったが、そのうち1つはアウトになってもおかしくないタイミングだったように思う。
試合内容も含めて、この1戦はレイズにとって、1勝以上の価値があったように思う。
逆にレッドソックスにとっては痛い1敗。
救いは、中1日空き、ホームに戻ってこれることだ。
気持ちを切り替えることができる。
そして、先発は好調のレスターである。
今年は、レスターの感動的なノーヒッターもなぜか旅行先で見ることができた。
それに負けない投球を期待したい。
試合開始は5:30からだが、BSでは8時15分から録画で行われる。
どちらが再びリードするか、楽しみにしたい。
posted by ballgame |00:04 |
MLB |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年10月11日
連休初日となる今日は、暖かいお出かけ日和。
ドライブに、旅行に、運動会(は最近この季節なのかな?)にとっては最適な一日となった。
しかし、野球ファンにとってはテレビの前に釘付けになったのではないか。
チャンネルも変えずに、ずっと野球を見続ける幸せ。
MLBアリーグ優勝戦、プロ野球パリーグCS戦、そしてMLBナリーグ優勝戦。
野球好きにとってはたまらない一日となったはずだ。
出かけるのもいいが、この時期そうもいってられない。
今、MLBではワールドシリーズの切符をかけて4チームがしのぎを削って、見ごたえのある試合を見せてくれる。
しかも、その4チームに日本人選手が所属しているのであれば、これはテレビの前に釘付けになっても、奥さんに、子供に出かけようと尻をつかれても、動くに動けないというもの。
日本代表ではないが、誰にでも「譲れない戦い」というものがある(笑)
ひいきにしているチーム、見所はそれぞれあるだろうが、面白い試合の中でも、日本人が活躍しているのを見ると、見る側にもアクセントをつけてくれる。
同じ日本人として、遠く海を渡り、果敢なチャレンジをしている日本人選手達には鼻が高くなる。
去年に引き続き、プレイオフでの日本人選手の活躍はもはや欠かすことのできないものといってもよいのではないか。
トップクラスの選手がMBCに挑戦していることを差し引いても、日本の野球の質の高さを証明しているようではないか。
今日から始まるアリーグ優勝決定戦第1戦、レイズ対レッドソックス。
同じ地区の対決となるこの戦いは、この地区のレベルの高さを表していると同時に、プレイオフが始まる前からある程度予想されていた戦い。
そして、野球ファンも望んでいた戦いであるといえる。
去年最下位から、今年は見違えるような強さのレイズ。
シーズン終盤の勢いにのるホワイトソックスを打ち破り、強さに疑問を持っていた人達を黙らせたレイズ。
去年のミラクルチームといえば、ロッキーズだったが、今年は文句なしにレイズだ。
レイズが見せ付ける強さ(巧さとも言えるかもしれない)そのままにワールドシリーズに出場できるか。
そして、そのレイズにシーズンでは遅れを取ったレッドソックス。
レッドソックスは去年に引き続きの連覇を狙っている。
96年のヤンキース以来、連覇したチームはないが、その中でも04年、07年と優勝をしているレッドソックス。
去年は「覇者」としての強さを発揮したが、今年は「王者」としての戦いを挑んでいる。
MLBに君臨することができるかどうか、この戦いが重要であるのは間違いない。
もし敗れることがあれば、MLBはまた戦国時代に逆戻りしてしまうだろう。
この戦いはお互いのチームの今度の立場を決めるという大きな意味を持つ戦いとなる。
その注目の第1戦、レイズの本拠地のトロピカーナ・フィールドで行われた。
レイズの先発はシールズ、レッドソックスの先発は松坂。
初回、レッドソックスはペドロイア四球の後、ユーキリスがライト戦へのヒットを放つ。
フルカウントでランナーが走っていたため、先取点と思いきや、打球はスタンドに入ってしまい、エンタイトルツーベースとなってしまった。
ドジャースのマニー・ラミレスの一見ホームランと思える当たりもそうだが、各球場の形態によって、試合の流れが変わってしまうのが、日本にはない面白さがある。
結局、初回は無失点に終わる。
レッドソックスの攻撃の時、MLBには珍しい鐘のような音がドーム内に響いた。
カウベルというか、シンバルというか、中国のお祭りに流れるような鐘の音。
MLBを見た後、日本の試合を見るとうるさく試合に集中できなくなるように感じることがあるが、MLBで感じたのは初めてかもしれない。
MLBでの観客の声援、ブーイングは有機的な感じがして、ジャズのウッドベースのようになくてはならないものだ。
松坂の立ち上がり、先頭打者は岩村。
過去からタイムスリップした人がみるとプロ野球を見ているように思うかもしれない。
シーズン中も見ていた光景だが、最高のチームを決めるこの緊迫感のある戦いで、両者が自然に対峙している。
そう思うと、ぶるっと体が震えた。
松坂は岩村に四球を与える。
直球が指に引っかかっているようなイメージだ。
2番ペーニャを打ち取った後、3番にはスライダーが高く四球。
4番ロンゴリアは内角カットボールで三振に取るが、5番を歩かせる。
スライダーの制球が悪い。
2死満塁のピンチ。
しかし、6番フロイドはスライダーを引っ掛け、セカンドゴロに打ち取る。
この回だけで27球。
5回無失点、後はブルペンにお任せ・・・シーズン中の松坂。
プレイオフのエンゼルス戦に引き続き、この日も松坂らしい松坂になるのか。
見ている者の心臓に悪い。
1回のレイズの攻撃に比べ、レッドソックスの攻撃は淡白だ。
レッドソックスの打線というより、シールズの出来がよいように思う。
ストレートは早くないが、フォームからわからない緩急をつけ、あっさり2回が終わる。
あまりにあっさりした攻撃の後の2回。
この日も不安定な松坂なのだろうか。
その心の声がきこえたのだろうか、松坂は躍動し始める。
高めの直球で先頭打者を三球三振、続いての打者をチェンジアップで三振。
この回を三者凡退にしとめる。
3回の先頭打者は岩村。
スライダーを上手く打ったが、ライトライナーに終わる。
岩村は球が見えている。
その後四球を出すが、2者をストレートで三振に取る。
松坂のフォームに、踏み出す足に突っ張った感じがなく、自然と投げているような感じがする。
直球の走りがいい。
4回、先頭打者をストレートで見逃し三振。
やはり、松坂の軸はストレートである。
スライダーの切れは勿論すごいが、やはりそれもストレートがなければ、狙いを絞られてしまう。
エンゼルス戦に続き、ストレートは切れている。
それとは別にこの日は、意識しているのか、シュート系のツーシームがよく決まる。
左打者には外角へ、右打者には外から低めに入ってくる。
あまりシーズン中は見たことのない球だ。
次の打者はチェンジアップで三振。
これもやはり、ストレートありきだ。
テンポが、球が、松坂の体がリズムを刻み、レイズの打線も心地よく刻んでいく。
この回も三者凡退に討ち取る。
試合が動いたのは5回だった。
先頭のベイが四球、コッツェイが止めたバットに当たった球は、ふらふらっとサードの頭を超える二塁打になる。
まるでテニスのロブのような打球。
レッドソックスにはラッキーな、レイズには不運な一打となった。
無死二、三塁でローリーのライトフライでレッドソックスが先制点を挙げた。
一死三塁とチャンスは続く。
バリテックの強い当たりは全身守備の岩村へ。
しかし、ここは岩村が上手く抑えた。
結局この回は1点で終わった。
先制点をもらった松坂。
エンゼルス戦では、点をもらうと、日本人の律儀さとばかり四球を与え、点を奪われていた。
しかし、この日の松坂は違う。
二者を簡単に討ち取り、打者は岩村。
これも追い込まれながら、スライダーを上手くさばいたが、これもいい当たりのライトフライ。
岩村の状態もよいのだろうが、松坂には相性もいいのだろう。
球がよく見えている。
6回も3者凡退に討ち取り、7回のレッドソックスの攻撃。
ヒットが続き、無死一、二塁。
ここでコッツェイはまたも止めたバットに当て、先ほどのような打球はセカンドベースの後方にふらふらと上がる。
後ろ向きの打球を追い、岩村が背面キャッチでこのピンチをしのいだ。
岩村は打撃に、守備にチームを引っ張っている。
しかし、このコッツェイは狙ってやっているのだろうか。
そうだとしたら、イチローよりすごいかもしれない(笑)
7回の恒例の「私を野球に連れてって」を聞きながら、展開の速い試合にこちらもほっと息をつく。
気がつくと、松坂はノーヒットではないか。
プレイオフでノーヒットが続いたら、8回、9回はどうなるのだろう。
そんなわくわくを感じながら、試合が始まる。
わくわくは数秒で終わった。
先頭打者にヒットを打たれ、次打者にも連続ヒット。
無死一、三塁のピンチである。
わくわくが消え、どきどきが始まる。
同じ心臓の鼓動の速さでも、急降下する感情。
チャンスの後のピンチ。
よみがえるエンゼルス戦。
松坂はやはり松坂なのか・・・そう、よくも悪くも松坂は松坂だった。
このピンチを浅いレフトフライ、三振、ショートゴロに打ち取ったのだ。
脚本家としても一流になるのではないかとも思わせる。
チャンス、ピンチ、チャンス。
野球は数十年、アメリカでは百年近く続いているが、歴史同様、法則も変わらず、繰り返す。
8回表、この日好調のユーキリスがタイムリーを放ち、2点差になる。
松坂も変わらない。
チャンス、ピンチ、チャンス、ピンチ。
先頭の岩村が、ヒットを放つと、ワイルドピッチの間に二塁に進む。
内野安打で、無死一、二塁。
ここで松坂は降板した。
変わる投手は岡島だ。
去年のワールドシリーズの大車輪の活躍がよみがえる。
完全な日本人リレーで勝ったのは、たしかドジャースの黒田-斉藤が始めてだったと思うが、こちらは去年からの長い付き合い、方程式だ。
今年も活躍はしているにせよ、去年ほどの圧倒的な存在感が薄れている岡島。
この日もカウントを0-3としてしまう。
しかし、松坂が松坂なら、岡島も岡島だった。
0-3からのストレートでライトフライに打ち取ったのだ。
そうだ、去年も今年も岡島はカウントを悪くすることがあったではないか。
大舞台に強い岡島、今日も岡島らしさを発揮した。
試合はこのまま終わり、2-0でレッドソックスが勝利した。
先発のシールズ、松坂とも好調で、エラーもなく、強者同士の面白い試合内容だった。
レッドソックスのメンバーを見ると、去年の大家族と見間違うような役割分担で、圧倒的な力を発揮したメンバーから様変わりしている。
しかし、強さは変わらない。
これはある意味、本当のチーム力といえるのではないだろうか。
マニー、ローウェル、ルーゴ(守備に不安があるのでこれは問題ないのではないかと思うが・・・)と去年のスターティングメンバーの3人がでていない。
勝負強いマニーが抜けても、代わりに来たベイがプレイオフでも大活躍をしている。
トレードで、両チームとも成功した例は珍しいのではないだろうか。
(日本でもこういったトレードが見てみたい)
ローウェルの怪我は大きいと思ったが、代わりのコッツェイの止めたバットでのヒット。
穴が空けば埋まり、そして4番を打つユーキリスの好調。
レッドソックスは強い。
しかし、レイズも強い(というより野球を知っている)。
ミラクルではなく、これが普通なのだと感じさせるような強さ。
やはりチーム力の土台がしっかりしているのだろう。
勢いだけではない。
スイープとは簡単にはいかないだろう。
松坂の出番はもう一度あるはずだ。
最後に松坂、岩村を振り返りたい。
以前のブログで、松坂にはエースとしての存在証明をしてもらいたいと書いた。
ベケットが怪我明けの今、レッドソックスのエースとしてではなく、MLBのエースとしてレッドソックスを引っ張ってもらいたいと。
その能力はあるし、できると思っている。
しかし、どうやらそれは少し違っていたようだ。
松坂はやはり松坂、ベケットはベケットなのだろう。
第1戦先発について、「順番でそうなっただけ」とコメントしたのも、なにか物足りない。
定食屋で頼んで、食べ終わった後、もう少し食べたいが、もうひとつ定食を頼むのもなぁ、という感じである。
もちろん、言葉にはしないが、これからの1戦1戦の重要さは松坂自身が一番しっているであろう。
力で相手をねじ伏せるような大エースではなく、試合に勝つという意味でのエース。
知らぬ間に、いつの間にか回が進み、0点に抑えている。
逆に言うと、これはすごいことなのかもしれない。
エースとしての考えを変えなければならないかもしれない。
短期決戦では、勝つことがすべてだ。
はらはらさせながらでも、監督に「綱渡りのようだ」といわれても、勝ちは勝ち。
バリテックのサインに首を振る場面も何度も見られ、いい意味で我を張っているようなところもいい。
試合内容よりも、絶対に勝つんだという強い意志を感じる。
それが今の松坂なのだろう。
松坂をけなしているわけではない。
エンゼルス戦は打たれてしまったが、今日もストレートは伸びていた。
三振を奪っていたし、ストレートはほとんど詰まらせていた。
今日のピッチングでよく見た、シュート系のツーシームは今後も使えるだろう。
やはり松坂のピッチングはストレートがかぎである。
ストレートにより、スライダー、チェンジアップも生きてくる。
今日のような気がつけば、6回までノーヒット。
自分の想像とは違う形で、チームのエースとしての証明、チームを引っ張っていく松坂の次の登板にも期待したい。
岩村は、シーズン中にもまして、チームを引っ張るリードオフマンとして活躍している。
今日の試合にも、打つだけではなく、守備においてもチームの柱として、いなくてはならない存在だろう。
ファンはもちろん、チーム内にまでモヒカンがはやっているというのは、技術だけではなく、精神的な支えになっているのがわかる。
状態もよいのであろうが、プレイオフはすべてヒットを放っている。
残念ながら、今回は得点に繋がらなかっただけだろう。
先日のプレイオフで、アナウンサーが行っていた言葉である。
「イチローと比べてどうか」と聞かれたところ、岩村はこう答えたそうである。
「イチローと比較しても僕のほうがいいリードオフマン」であると。
正確な言葉ではないかもしれないが、こんなニュアンスの言葉だった。
選手としての技量はさておき、この言葉には大多数の方がうなずかれるだろう。
自分もイチローは尊敬する素晴らしい選手で、殿堂入りする可能性のある選手だと思うが、この言葉にはうなずかざるを終えない。
チーム成績がすべてを物語っている。
それよりも注目したいのは、岩村の自分に対する自信である。
自分を信じることで、チームにも大きな影響を与え続けているのだろうと思うと、頼もしく思える。
レイズ、レッドソックス両チームはもちろん、松坂、岡島、岩村にとっても、このシリーズはワールドシリーズ出場だけではなく、今後数年の立場を決める大きな戦いになるだろう。
紅葉のコントラストもきれいだが、青対赤のコントラストも熱く見逃せない。
明日からの試合も楽しみだ。
posted by ballgame |23:53 |
MLB |
コメント(1) |
トラックバック(0)
2008年10月08日
やってくれた。
「日本プロ野球組織(NPB)がアマチュア選手の海外流失防止策第1弾を打ち出した。6日、東京・内幸町の日本野球機構会議室で開かれたプロ野球実行委員会で、日本のプロ野球を経ずに外国のプロ球団と契約する選手に日本球界復帰の際の“ペナルティー”を科すことを決めた。
ドラフト対象選手がNPBのドラフト指名を拒否して外国球界でプレーして日本に帰ってくる場合、高校生は帰国から3年間、大学・社会人は2年間は12球団がドラフト指名を凍結するというもの。高校生、大学生が社会人に進んだ場合のドラフト凍結期間に準じている。」
(スポニチの記事から引用)
プロ野球界は、日本をたとうとしている勇気ある旅人に、この季節には考えられないほどの冷たい北風を吹きつけた。
太陽と北風の話は皆さんご存知だろう。
旅人のマントを脱がそうと、太陽と北風はまったく違うやり方で挑んだ。
冷たく吹きつける北風でマントを飛ばそうとするも、ますます旅人はマントにしがみつく。
太陽は暖かく照りつけ、旅人は自然とマントを脱いだ。
結果は太陽の勝ち。
近年、MLBに挑戦した日本人がプロ野球で活躍するケースが増えている。
直近の活躍でも石井一しかり、多田野しかり。
MLBというタフな環境を経験した選手は、その経験を自分の力に変え、そしてチームにも貢献する。
ファンも手の届かない、BSでしか見ることしかできなかった選手を生でみることができるのだ。
近年、FAでMLBに挑戦する選手が増えている。
野茂の場合と違って、ルールに基づいていっているのであって、日本に戻ってきたときも、前に在籍していなかった球団に戻らなくても、比較的暖かい目で、あるいは期待の目で応援されることが多い。
アメリカの金融問題でもわかるとおり、いまや世界は連動している。
昔より小さくなっているのだ。
移動にも利便性が増え、そして日本人の考えも、日本だけにとどまらず海外に目を向けている人も多いだろう。
その中で今回の決定。
田沢の今後については未知の部分があるが、もし仮に大活躍したとしよう。
5年後、10年後、田沢選手が日本に戻ってきたいといったときの混乱は目に見えている。
どの球団も即戦力となる選手は喉から手が出るほど欲しいであろう。
そうなったときには、このルールは無効化される可能性が大きいはず。
某投手の「空白の一日」のようなことが、再び行われないとも限らない。
ファンも見たい選手であるし、球団も喉から手が出るほどであろう。
第一、MLBでFAとなった場合はどうするのであろう。
もしチャレンジが失敗に終わった場合、田沢には後悔はないだろう。
しかし、勇気をもった挑戦者を2~3年間凍結するというのは、いかにも度量の狭い話ではないだろうか。
MLBで合わなくても、日本でなら活躍できるかもしれない。
アメリカで得たものは決して無駄にならないだろう。
一時的には日本球界の損失からもしれないが、長い目で見ればプラスにこそなれ、マイナスにならないはずだ。
鳴り物入りで入った助っ人外人が案外活躍できず、マイナー選手が大活躍する例は今までも見てきた。
その機会を罰則みたいに、数年の選手生活を奪うのは、どうしても傲慢な感じを受ける。
ジャイヤンのようなガキ大将が、自分の思う通り(プロ野球界に入らない)にならないから、邪魔してやろうという幼稚な感じも受けてしまう。
ルールでがんじがらめにしても、心の底からの挑戦や願望に対しては、止めることができない。
勿論、それには自分で責任をすべて負うことが必要である。
田沢が立派なのは、今後同じような場合が起こった場合についての心配までしていることだ。
プロ野球界は北風で、それに対して田沢は太陽のようである。
これでは、魅力あるプロ野球作りといっても、首をひねってしまう。
昔から感じていたが、ストライキ後のプロ野球は面白く感じる。
それでも続くMLB流出は、もはや制度でとめられるような問題ではないのかもしれない。
地域リーグも根付いてきて、野球熱は盛り返してきたように感じるのは自分だけではないはずだ。
しかし、その頂点に立つであろうプロ野球界が鎖国のように、神聖なる存在として、手の届かないようなことを行ってしまうように感じるのは、とても残念だと思うのだが。。。
MLBの監督経験のあるロッテのボビーもいってたように、まずは手の届くファンから、そして子供達へと魅力あるプロ野球にすることが必要であろう。
目を向けるのはMLBではない。
毎日、球場に足を運ぶ、TVの前で応援するファンにだ。
MLB流出が続くからといって、日本の野球ファンが総じてMLBしか見なくなるとは思えない。
北京五輪を見ても、ペナントレースを見ても、日本で身近に感じることができるプロ野球が好きなのだ。
「おらがチーム」を身近に感じ、一緒になって喜怒哀楽を出す。
Jリーグが各都道府県に根付き始めているのはまさにこの1点が大きい。
今佳境を迎えているMLBは確かに見ごたえもあり、面白い。
日本人選手だけを応援していたところからはじめたファンでも、つい拳に力が入る。
しかし、球場で1球1球応援する観客のように、あんなに熱のこもった応援ができるのは、やはり「おらがチーム」だからだ。
選手と同じ空気を吸い、夜風を感じ、季節を感じる。
バットでボールを叩く音、緊張を解くためか選手がグラブを手で叩く音、そんな些細な事をじっとみる。
そういった些細な事を感じることができるからこそ、TVでみるMLBの観客は盛り上がっているのではないか。
日本人ならやはりプロ野球でそういったことが感じられる。
ファンサービスで以前より、選手達を身近に感じることができるようになった。
そろそろ、フロントや制度を決めるような存在の方も、ファンの声や選手の声に耳を傾ける必要があるのではないだろうか。
野茂はNOMOクラブを通して、日本野球界に大きな貢献をしているが、プロ野球界からは遠い存在に思える。
MLBに行った経緯があるので、そう感じるかもしれないが、若い選手に技術や気持ち、いろいろ伝えることがあるはずだ。
今回の一軒のような、門戸を狭めるような形では将来は曇った冬の日のように感じてしまう。
第二の野茂のようなぎくしゃくした関係(に感じる)はプロ野球界の損失であるし、もう見たくない。
勿論、プロ野球界を盛り上げるため、または運営していくためには、ファンにはわからないような規則作りも必要なのだろう。
しかし、顔の見えない北風よりも、暖かい太陽のほうが旅人だけでなく、みんなが喜ぶと思うのだが。。。
posted by ballgame |00:34 |
プロ野球 |
コメント(12) |
トラックバック(0)
2008年10月02日
レギュラーシーズンが終わるやいなや、早くもプレイオフが始まるMLB。
日本と違い、レギュラーシーズンからプレイオフ、そしてワールドシリーズまでの間隔が短いことが選手にとってもモチベーションをそのままに、ファンにとっても、熱狂が醒めることなく試合を見続けることがうらやましいところだ。
秋も深まる季節、広いアメリカでも季節の差こそあれ、そろそろ寒くなってくるところだが、野球ファンには当てはまらない。
そして、TVを通してだが、広い太平洋をはさんだ自分達日本人にも1プレー1プレーを通して、熱気が伝わることだろう。
去年はレッドソックスがMLBの頂点を真っ赤に染めたのが記憶に新しい。
ロッキーズの勢い、松井対松坂の対決、岡島の冷静な投球、ベケットのこれぞエース!という前にいるものすべてねじ伏せる力強い投球、パペルポンのダンス。
そして、家族的雰囲気を感じさせるレッドソックスの歓喜のパレード。
たったいま、DVDをみたかのように強烈に映像として残っている。
今年の組み合わせはこうなった。
エンゼルス対レッドソックス
レイズ対ホワイトソックス
カブス対ドジャース
フィリーズ対ブルワーズ
半分の4チーム(レッドソックス、レイズ、カブス、ドジャース)に日本人選手が所属しているのは、うれしいことであり、誇り高い気持ちになれる。
野茂に始まり、その後も主力として活躍している日本人選手。
彼らのおかげで、毎日のように、MLBの試合を楽しむことができることに、そしてその中から、野球の楽しさを新たに味わうことができることに感謝したい。
さて、プレイオフを勝ち残り、ワールドシリーズ制覇をするチームはどこになるのだろうか。
ひいきのチームはいろいろあるだろうが、やはり同じ日本人として、日本人選手のいるチームを応援したくなる。
観戦している試合が偏っているが、日本人選手を中心として、予想してみたい。
松坂、岡島がいるレッドソックスはエンゼルスとの戦い。
去年も対戦したこの両チーム。
エンゼルスは去年にもまして、手堅くそつのない戦いをしている。
野球を知っているチームと見て良いだろう。
去年ほどの力が感じられないレッドソックスの原因は、去年銀河系の中心に位置する太陽のような強い輝きを放ったベケットの故障(不調)だろう。
去年は難なく勝ち進んだレッドソックス。
ことしはタフな試合になるであろう。
松坂は今年18勝をあげた。
2年目の今年、MLBによくアジャストすることができ、速球の切れも増してきたように見える。
プレイオフ進出を支えたのは、投手陣ではレスターと松坂であろう。
しかし、MLBでも一目置かれるようなエースとしてみとめられるかどうかは、これからの試合できまる。
しかし、そこまでたどり着くには容易ではない。
レッドソックスファンはもちろん、MLBファンは知っている。
エースとは何かを。
去年の手も足も出さなかったベケットのエースとして投球がすべてだ。
ベケットが本調子じゃない今季、その役割を担うのは松坂であろう。
ファンも望んでるし、日本での経歴を知っている自分達はできると信じている。
松坂は第2戦先発だと聞いている。
元西武の森監督だったか、楽天の野村監督だろうか。
「日本シリーズは第2戦が重要だ」
3戦勝利で勝ち抜けだが、第2戦が重要であることは間違いない。
去年のワールドシリーズでの、アジャストを捨て、一見わがままにみえるかのように、力を見せ付け、勢いのある球を投げ込む松坂。
それを期待したい。
岩村のいるレイズはホワイトソックスと。
1ヶ月程前、アリーグ西地区で優勝したチームは次に進めるだろうと思っていた。
エンゼルスは強いと感じたからだ。
いつ落ちてくるかといわれ続けたレイズは、結局優勝を決めた。
大躍進を果たしたレイズ、チームワークがきっちりしたレイズは、今年のミラクルチームとしてアリーグ決勝までいけるだろうと思っていた。
しかし、ここでとんでもないチームが現れた。
ホワイトソックスである。
8連勝で首位に追いつき、地区優勝戦でも勢いそのままにツインズを下したホワイトソックス。
去年のロッキーズのように、台風の目になるのではないかとひそかに注目している。
岩村がチームを大きく牽引している一人といっていいレイズに勝ち進んで欲しいが。。。
レイズの終盤の戦い、ホワイトソックスの勢いを考えると、レイズに分がわるいのではと不安である。
福留のいるカブスは黒田、斉藤のいるドジャースと対戦。
これは日本人からするともったいないところである(笑)
福留はここ数ヶ月調子を崩し、プレイオフでは先発落ちの可能性も残っている。
しかし、スタートダッシュの点火人としての福留の活躍に文句を言う方はいまい。
そのまま、すんなりと力を見せ付けるような形で優勝したカブス。
ヤギの呪いが解けるのか、非常に興味深いところではある。
カブス有利ではあろうが・・・、しかし、個人的にここはドジャースを応援したい。
昔から好きなチームだが、それだけではなく、大好きな選手の斉藤がいるからである。
怪我が回復し、プレイオフでは抑えではなく、中継ぎとして活躍が期待される斉藤。
去年見せた重力に逆らうようなストレートの切れ、スライダーの変化はピンポン球を使っているようだ。
怪我明けでそこまでの威力を望むのは酷だが、去年の岡島で、中継ぎの重要性を再認識できた今、キーマンの一人であるのは間違いない。
同じく、広島時代から好きだった黒田は第3戦の先発予定。
防御率はまずまずながら、なかなか勝ちきれなかった黒田。
広島時代同様、打線の援護がもらえない日々が続いていたが、レッドソックスからラミレスを獲得したことで、打線に厚みができた。
広島時代、果たすことができなかった優勝をMLB1年目で経験する。
皆が望むような夢ではないか。
田口、井口のいるフィリーズはブルワーズと。
ここはあまり試合を見ていないので情報が少ない。
田口は試合に出ていなくても、チームを鼓舞しているのだろう。
毎年プレイオフに進出するようなチームの一員になっている。
田口の持っているものを信じて、フィリーズに勝ち進んで欲しい。
(井口はプレイオフ権利がない)
こう書き連ねていく間にも、窓から入る風が冷たい。
耳をよーくすませば、気の早い人は冬の足音が聞こえるかもしれない。
しかし、今年も後3ヶ月と振り返るのはまだ早い。
1日1日大切な試合が続く毎日、極上のプレーがまだまだ今年のメインは残ってるぞ、と訴えかけるだろう。
日本以上に感じるホームゲームの有利さ。
球場に来たからにはすべてプレーを目に焼き付けようとする観客。
鳴り物こそならないが、むしろそれが、1球がこれほど大事だという感覚を画面越しにも与えてくれるブーイングや歓声、そして大事な場面のつばを飲み込む音さえ聞こえそうな静寂で、球場にいるような気持ちになれる。
暖かくなるのに熱燗やワイン、暖かい料理はいらない。
この試合さえあれば・・・そんな試合を必ず見ることができる。
さて、頂点に立つのはどのチームか。
ワールドシリーズの予想は、個人的好みを多分に含みながら、レッドソックス対ドジャース。
連覇か、初優勝か、はたまた古豪復活なるか。
去年のようなこれぞ野球!という試合を期待したい。
そして、今年も日本人の活躍で、その指に光るチャンピオンリングを見たいものである。
がんばれ、日本人選手!
posted by ballgame |00:04 |
MLB |
コメント(0) |
トラックバック(0)