2008年08月01日

野茂のすごさ

先日、BSで野茂の引退をうけての特別番組が流れていた。
内容は野茂のMLBでの野球人生を振り返りながら、節目となる試合を当時放送していたベース(ワンストライク、ワンボールなど投球の流れを切らず)でじっくり見ることができた。
初勝利、先発投手としてのオールスター出場、地区優勝、2度のノーヒッター、17奪三振、そして日米通算200勝などがピックアップされていた。
硬派なつくりで、余計なゲストやコメントがなく、合間にナレーターの短い言葉だけという非常に見ごたえのある2時間だった。

ドジャースのまぶしい白と青のユニフォームを着て、MLBのマウンドに立つ野茂。
そこには誇らしい顔などなく、表情を変えずに淡々と自分の信じるボールを投げ込む野茂。
現地の解説者も野茂の投球を始めてみたときは、苦笑いのような声を出していた。
最近、バレーや野球、サッカーなどでニックネームをつけるのがはやっているが、「わざわざそこまでしなくても・・・」などと首をひねることが少なくない。
しかし、野茂の「トルネード投法」はまさにぴったりのキャッチコピーだ。
まさに台風のごとく、威力のあるボールを投げ込み、打者も小さなつむじ風ののようにバットがくるくる回っていた。
躍動感のある投球フォーム(下半身が強くなければ続かないであろう)、目の前で消えるフォーク、伸びのあるストレート、まさにMLBに旋風を巻き起こした。
画面からでも、ちょっと前髪が動くように感じるほどのダイナミックさ。
結果は知っていても、何度みても色あせない投球を食い入るように見ていた。
野茂は実力でも視覚の面でも、スターだったといえよう。

野茂のこのすごさはなんなんだろう。
ストライキ後の野球ばなれしかけたファンをとりもどしたこと?
2度のノーヒットノーラン?
日米での200勝?
それを支えたストレート、フォーク、そしてトルネード投法?
奪三振数?
現在では当たり前のように感じるMLBでの日本人活躍のパイオニア?
日本人初のホームラン?

他にもいろいろ出てくると思うが、どれも野茂のすごさをあらわすものに間違いない。
しかし、本当に野茂がすごいのは「自分のやりたいことをやりぬいたこと」ではないだろうか。
自分の魂の奥深くからこみ上げるもの、それに正直に耳を傾け、心を配り、その奥底の声にしたがってきた野茂。

近鉄からMLBへの挑戦はいろいろもめたこともあり、一部の解説者や心無いファンからは、非難や不満の声しか聞こえてこなかったように思う。
(野茂のマスコミの前ではあまり語らないところも影響していたと思うが)
それどころか、「失敗すればいいのに・・・」のようなニュアンスの記事も見たことがある。
もちろん、すべてがこういったマイナスばかりではなく、多くのファンは「がんばれ!」と応援していたであろう。
そんな賛否両論の中、MLBに挑戦した野茂は、ただひたすら自分の魂の声にしたがって、投げ続けた。
それは、もっと良い環境で、もっと高いレベルで、そして自分の好きな野球を続けていきたいという声だったのではないか。
これはイチローにも感じるところである。
ひたすら「自分に正直に・・・」

野茂のMLBで成功を収めることができたが、たとえ成功していなかったとしても、たとえ1勝もできなかったとしても、野茂は自分のやりたいことを貫き通し、満足していたのではないのだろうか。
自らの内なる声にしたがってきたのだから。。。
か弱い声は耳を澄ませば誰にでも聞こえるが、大半は聞こえぬふりをするだろうその声に従い、険しくだれもいない孤独な道を。。。
成績、スター性よりも、その姿勢にもっとも心を打ち取られたように感じる。


ドジャース-メッツ-カブス-ブルワーズ-タイガース-レッドソックス-ドジャース-デビルレイズ-ヤンキース-ホワイトソックス-ロイヤルズ

書き出していてびっくりするぐらい、各球団を渡り歩きながら、野茂は自分を信じ、才能を活かし、野球を愛して、現役を続けてきた。
引退発表は残念だが、野茂の言葉がまた素敵だ。
「自分の中ではまだまだやりたい気持ちが強いが、自分の気持ちだけで中途半端にしていても周りに迷惑をかけるだけだと思った」
正直、2度目のノーヒッターや200勝達成の試合はストレートも明らかに落ちており、引退はしょうがないのかもしれない。
桑田同様、好きなピッチャーである野茂には、日本での凱旋投球もみてみたいところ(好きな楽天あたりで?)だが。。。
心行くまで休み、これからも野球界にかかわっていってください。
お疲れ様でした!


余談になるが、この放送が野茂の成績を超える期待をこめて、松坂が見ていたらいいなぁと思った。
放送前半の野茂は三振をバッタバッタと取っていた。
イメージではフォークでの三振という感じがしていたが、ストレートでの三振とほぼ同じぐらいの割合があった。
松坂も野茂もタイプが似ていると思う。
変化球の種類は違うが、基本的にはストレートでぐいぐい押していくタイプだろう。
スピードではなく、切れのある伸びるストレート。
変化球に頼るのはまだ早い。
日本のピッチング、そして野茂のストレートを思い出して、バッターをきりきりまいさせる松坂が見てみたい。
勝利もいいだろうが、気持ちの良いくらいの魅せるピッチングを期待したい。
ドジャース時代、野茂は完投が年間2~3試合あった。
四球が多いのにもかかわらずである。
時代の変化で球数制限がルーズだったこともあろうし、監督の信頼もあるだろう。
5回途中、無失点降板・・・いい内容だろうが物足りない。
もっとできるはずだ、期待が高いだけに厳しく長くなってしまった。
がんばれ、松坂!
そしてすべての日本人選手!

posted by ballgame |23:40 | MLB | コメント(3) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/ballgame/tb_ping/73
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
野茂のすごさ

コメント投稿者ID :

初めまして。

たしかにBS1の特集は良かったですね。
仰るとおり、硬派な番組でした
観て改めて”野茂”の功績を知ることが出来ました。

松坂については、地元含め色々議論されているようですね。
ベケットと比較している部分もあるのでしょうが、高契約である分致し方ない部分もあるかもしれません。



posted by Bronson | 2008-08-02 01:37

野茂のすごさ

コメント投稿者ID :

野茂はアホです。どうしようも無いアホです。
ですが、男です。
あそこまで自分を貫く姿は、同じ野球人(自分は高校野球止まりの草野球人で申し訳ないのですが)として尊敬する人です。
大金を持て余らすスター選手ばかりの中、母国の野球発展を願ってチームを作ったり。。。本当に野球が好きなんでしょうね。故に引退が非常に残念ですが、また引き際がかっこいい。
これからの活動も応援し続けたいです。

posted by 野球部 | 2008-08-02 21:42

野茂のすごさ

コメント投稿者ID :

Bronsonさん

コメントありがとうございます。
ああいう特集は是が非でも見たいところですよね!
松坂とベケット、どうしても比べられてしまうのはしょうがないですが、去年のワールドシリーズのベケットのような投球を期待したいと思うファン心理は、契約の面だけでなく、どこかしら松坂に感じるすごさからもあるのだとおもいます。

野球部さん
コメントありがとうございます。
少しでも野球をやったことのある人だったら(もちろんやってなくても好きであるなら)、あの姿勢はあこがれるところですよね。
野球部さん同様、残念ですが、これからにも注目していきたいです。

posted by ballgame | 2008-08-08 09:08

コメントする

「他サービスID/メールアドレス」で投稿する場合は、そのID/メールアドレスは表示されず、当サービス専用の固定のコメント投稿者ID「英数+連番」に変換され表示します。

※コメント投稿手順
(1)上記リストから希望のIDを選択する。
  例: Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
(2)Yahoo! JAPAN上の本人確認画面でIDとパスワードを入力する。
(3)スポーツナビ+blog側のコメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。

詳しくは以下2ページをご覧下さい
【仕様変更】PCからのコメント投稿について
ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」

※コメント投稿手順
(1)上記リストからログイン/メールアドレスのどちらかを選択する。
  例: ログインしてコメント投稿
(2)plus-blogのアカウントとパスワード/メールアドレスを入力する。
(3)コメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。

詳しくは以下2ページをご覧下さい
【仕様変更】PCからのコメント投稿について
ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」