2009年11月24日

意識の差、投打の差(プロ若手選抜対大学選抜)

めっきり寒くなってきたこの季節、ストーブが必要とまではいかないまでも、プロ野球界はドラフト指名選手との契約やFAなどストーブリーグが活気を帯びてきた。
もう11月も下旬、各選手の契約更新も始まる季節だが、この時期また野球が見られるとは思わなかった。
少し古くなるが、先日行われたプロ野球若手選抜対大学選抜をそんな意外な喜びを持ってご覧になった方も多いであろう。

プロ野球セ・パ誕生60周年を記念して行われたこの試合。
歴史的試合とマスコミは騒ぐが、こればかりは大げさではないだろう。
試合内容がではなく、こうした試合を組めたことの意義がだ。
この試合をやっとと見るか、これからと見るかは、野球ファンそれぞれの捉え方によるだろう。
個人的には「やっと」という感じもあり、「これから」にしていかなければならないと思う。
プロアマ交流に時間がかかった事は否めないが、その過去を振り返るよりは、これを継続していく方が大事である。
続けることで習慣となり、もっと思い切った事につなげることが出来る。
まずはそのとっかかりとして、大きい一歩だということはみなさんも同意見ではないだろうか。

さて、堅苦しい意見はさておき、試合の方をざっと振り返りたいと思う。
MLBのプレイオフやプロ野球のCS・日本シリーズなど、思い入れたっぷりで肩がこる観戦が続いていたため、こんなにリラックスしていいのかと思うほど、野球を楽しんで見ていた。
勝敗は関係なく、純粋に投手が投げて、打者が打つといった各々のプレーを楽しんでいた方が多いのではないだろうか。
もちろん、そこには「プロ側が圧倒してほしい」だったり「大学生もやるんだというところを見たい」という思い入れはあるだろう。
だが、その思いは心の中にあったとしても、東京ドームの雰囲気を見ていると鳴り物もなく、お気に入りの選手や一つ一つのプレーを心いくまで楽しもうという穏やかな雰囲気が漂っていた。
プロの試合というよりも、土日に近所の公園にある球場で行われる草野球を見ているような雰囲気と言った方がわかりやすいかもしれない。
本当に野球好きが集まった暖かい雰囲気。
そんなものを感じながら、試合を見ていた。

注目はやはり「ハンカチ王子(はもう死語なのだろう)」こと早大の斎藤佑だろう。
初回に登場し、1点を取られてしまった。
(この失点が唯一のプロの得点だ)
解説者は「フォームがまとまりすぎて面白くない」と言っていたが、自分は斎藤佑を追いかけているわけではないのでそこまで解らない。
巨人の坂本、阪神の新井に打たれたヒットもそれほど良い当たりではなかった。
特に新井のライト前ヒットは、ストレートに押された当たりが上手く一二塁間を抜けたと言ってもいい不運な当たりでもあった。

球の球威はある。
だが、やはりこの2人のヒットはやっぱりプロなんだなぁと感じる当たりでもある。
多分、同じ大学生同士ならばヒットにはならなかったであろうこの投球。
プロの打者であるがゆえに、坂本には態勢を崩しながらスライダーをレフト前に運ばれたし、新井には詰まらせながらもライト前へのタイムリーにつながったと言える。
まさにプロの技、言いかえればプロの(単純な)力とも言える。
斎藤佑自身もなめていたわけではないが、これには驚いたのではないだろうか。
自信があるからこその驚き、けっして甘く見ていたわけではない。
ただ、これによってもう一度斎藤佑は自らの視点を高く設定したことだろう。
クレバーな投手だからこそ、自分の位置をしっかり見据えた斎藤佑は楽しみであろう。

プロ代表も若手(26歳以下)選手が出ていたので、大学選抜と同い年の選手も出ていた。
高校でプロに入った選手、大学に行った選手、やはり違いが出る。
それは体力の違いであり、視野の違いであろう。
練習量がもちろん違うし、野球を職業としているのと、(建前は)学業と両立している選手の意識の差は大きい。
同じ年でも、やはりプロ側は自信を持って、いい方は悪いがなめてかかっているように、相手を飲んでかかるように対戦していた。
大学選抜はといえば、回が重なるごとに緊張はほぐれて行ったが、序盤はガチガチだった。
そこには実力差以上に、メンタル面での違いが見て取れた。
結果を問わなければ、さすがはプロといったところだろう。

この差は考えてみると面白い。
やはり、日々行っていること、心がけ、環境でこれほどの差が出るということだ。
以前はA選手の方が上だと思われていたが、プロでもまれているうちに今ではB選手の方が良く見える。
もちろん、そこには個人差があるだろうし、選んだ道が正しいかどうかは今の時点では早すぎるだろう。
ただ、やはりその差は打者を比較すると大きく目立つ。
大学選抜の唯一の得点も、ショート坂本のエラーによるもの。
当たり自体は力負けしたものだった。

プロとアマ、意識の差だけではない。
投打にも差が出ていた。
はっきり言って、大学選抜の投手はどの投手も素晴らしかった。
特に4回に出てきた東浜は圧巻だった。
ストレートの伸びは素晴らしく、ユニフォームさえ違えばプロとしても通用するような投球だった。
中継が途中で終わってしまったが、9回に投げた菅野も素晴らしいという記事も見た。
MLBでは日本投手は何十人も通用するという話を聞く。
レベルは違うが、プロとアマでもやはり投手は通用するということなのだろうか。
意識の差、投手と打者でこれほど差がでるのも面白いと思った。

この素晴らしい意義のある試合。
まずは開催できたことを喜びたい。
試合は1-1の引き分け。
これをどう見るかは、各々の意見があるだろう。
個人的には、投手の一人一回は短すぎるように思う。
実力を発揮すればこのような形になるだろうし、アマ側はもちろんプロ側だってなかなか点数を取れるわけではない。
もう少し投手を絞って、オールスターのように複数回投げれるような形の方が試合として面白いのではないだろうか。
選抜されたという意義も出る。
もう少し長い回を見てみたいと思わせる投手が多かったということだろう。
投手優先の印象が強かったせいもある。
もちろん、この試合は交流が目的と言う部分が大きいのだから、より多くの選手が出れるに越したことはないのだろうが。。。

プロ野球セ・パ誕生60周年を記念して行われたこの試合。
ひょっとして何年後、何十年後から見ると、想像以上に大きな意義のある試合だったのかもしれない。
それに立ち会えたことに感謝したい。
そして、これからもこの歩みを止めることなく続けていくことが大切である。
こうした大壇上に構えなくても、才能ある若い選手達のプレーをこんな時期に見ることが出来て、野球ファンとしては幸せな一日だった。
お気に入りの選手の成長はどうだったろうか。
これからも追いかけていきたいと思わせる選手はいただろうか。
いい選手はいるものだと改めて思う。

バックネット裏で熱心に草野球を見つめるおじさんたちの気持ちがわかるような試合、うーん満足満足。
体がほっこりした一日だった。

posted by ballgame |23:55 | プロ野球 | コメント(0) | トラックバック(0)
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