2009年11月19日

こんな「新人」もいい(松本と摂津)

「新」といえば、何を想像するだろう。
フレッシュ、きれい、ぴかぴか、一度も使われていない、などなど。
新しい人とかいて「新人」。
社会人では入社1年目のスーツがまだ似合っていない、学生とサラリーマンのなにかぎこちない様子を思い浮かべるのではないだろうか。
ぎこちない礼儀作法、右も左も初めてのことばかり、だがその先にひろがる無限の可能性を秘めている。
イメージの多くは、今後の成長に期待しているというプラスイメージがあるだろう。
季節は冬に向かい、新人を思い浮かべるにはふさわしくない季節だが、そんなことを考える出来事があった。
そして、新人とは単なる年齢の若いだけじゃないことも。

先日、プロ野球のMVP、新人王、ベストナインが発表された。
個人的に注目したのは新人王だ。
セ・リーグ新人王は巨人・松本哲也外野手(25)。
3年目の今季は129試合に出場、打率が293、27犠打16盗塁。
その数字以上に2番打者として相手の嫌がるスタイル、そして積極的な守備がチームの力になっていた。
育成選手として2007年に支配下選手となり、1軍デビューは去年。
高橋由の怪我など外野手の怪我などがあり、運に恵まれた面もあるだろうが、それは関係ないだろう。
その運を活かし、しっかり巨人のセンターとして定着したのは、彼の絶え間ない努力の結晶だ。

パ・リーグはソフトバンクの攝津正(27)。
2008年にドラフト5位で入団。
中継ぎとして5勝2敗34ホールド、防御率1.47。
ソフトバンクの試合に欠かせない存在となった。
こちらも勝敗や防御率以上にすごいのは、その登板数。
1年目ではあるが、70試合に登板したことは特筆すべき点である。

かたや育成選手からチャンスを活かし、レギュラーとして定着した25歳。
かたやドラフト5位ながら、試合をきゅっと締める投手として欠かせない存在の27歳。
年齢だけみると、プロ野球界ではとても新人とは想像できない。
もちろん、世間一般の社会人でも新人から中堅社員になる年齢だろうか。

新人王といえば、ドラフト1位がその期待通り活躍し、獲得するようなイメージがある。
それこそみんなが納得する新人王という形なのだろう。
だが、こういった形で年齢を問わない形(ある程度は必要なのだろうが)での受賞は、予想以上にうれしいものだ。
ドラフト下位、あるいは育成選手からの新人王という頂点にたどり着くのは、正にスカウト冥利につきる。

そして、「新しい人」の「王」となった今回の2人からは、「新人」とはなんぞやということに思いを馳せさせる。
年齢は関係ない。
新しい環境に行けば、誰でも新人なのだ。
新たなチャレンジを恐れず、常に前を向き続けた選手の頂点が「新人」の頂きに立つ。
立派な数字よりも、なにかそういったスピリットまでも評価したような印象を受けて、なにかすがすがしく感じる。

MLBでも、野茂や佐々木、イチローといった海を渡った日本人たちが、年齢を問わず新人王を獲得している。
その経緯には、全員が賛成しているわけではないが、これも成績よりも新人らしいチャレンジを評価した部分もあるのではないか。
そう感じると、今まで個人的にあまり注目していなかった新人王がにわかに色彩を放つ。
「新人」王ならぬ、「チャレンジ」王としてもいいかもしれない。

来年以降も、地面の下で根を張っていた期間が終わり、一気に花が開いたような選手が活躍するのを期待したい。
そう、自分達でも明日から場面によっては新人という環境に立つこともあろう。
そんなとき野球ファンならば、新人王を取った2人がふわっと後ろから背中を押してくれそうな、そんな感じがする。

おめでとう、松本、摂津!

posted by ballgame |23:36 | プロ野球 | コメント(1) | トラックバック(0)
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ぃやはや

コメント投稿者ID :

素晴らしい文章。感動しました。

社会人や入団1年目でないやつが新人王なんておかしい……

などと捻くれた事を言ってる人たちにも聞かせてあげたいです。

posted by aiueo0709 | 2009-11-20 01:42

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