2009年11月11日

狙って揃った3拍子(イチロー、ゴールドグラブ賞受賞)

今年のイチローのリズムも3拍子だった。
リズムは達成感とも言い変えられる。
毎年変わらず、それが9年続く。
変わらない確かな結果を出し続けることがどれほど大変か。
毎朝変わらず、湯気の出るいいにおいのする味噌汁や温かいご飯を出してくれる奥さんやお母さんの大変さがなかなか感じられないように、イチローのこの記録ももはや当たり前のものとなっている。
しかし、本当はとてつもなくすごいことであり、もっともっと讃えるべきことなのだ。
話がすこしそれてしまった。

MLBのゴールドグラブ賞(守備を讃える賞)が発表となり、イチローは9年連続で受賞した。
200本安打に続く、イチローが心から喜ぶ個人成績のように思う。
9年連続、つまりMLBに挑戦してからずっとゴールドグラブ賞を獲得しているということだ。
今年は単純なエラーも目立ったが、それでもランナー一塁でのライト前ヒットで、ランナーがサードへチャンレンジするのを阻止しているなど、記録に残らない貢献が大きいのだろう。
「エリア51」、結構お気に入りの言葉である。

野球人として、誰しもあこがれる走攻守3拍子揃ったプレーヤー。
守備に関しては唯一の賞、選考は監督やコーチである。
それにMLBは対象人数の多いこともあり、日本のように「?」と首をひねる人選も少ないのではないだろうか。
守備は守備の人としっかりと評価される。
そこが、この価値を高めている証にもなる。
(古くは常連のオジー・スミスなど…ずいぶん古い例えだが)
好き嫌いのはっきり分かれるイチロー評だが、監督やコーチ、そして選手達にはもはや「日本人としては」というくくりではなく、MLBの顔として、世界有数のプレイヤーとしてのイチローなのだと、改めてそのあこがれの選手となっていることが分かる。

自分も昔は外野を守っていたことがあるが、確かに内野より守備機会は少ない。
ひょっとすると1試合に1球くるかこないかということもある。
(軟式だったので余計にそうだ)
内野から外野にコンバートされ、最初はフライの感覚に戸惑ったが、なれてくればこれほど面白いポジションはないと個人的には思う。
(逆に草野球では、フェンスのない球場で延々ボールを追いかけることもあるが。。。)

対空時間の長いフライならば、追いついて見せる。
これぞ外野の見せどころと思って、よく追いかけたものだ。
打球から目を切り、一目散に走り、見当をつけて振り返る。
間を抜かせないプレーに味方投手はグラブを叩いて喜び、好打をキャッチされて相手打者は意気消沈する。
(日本ハムの外野守備でも感じたし、個人的にはイチロー、田口がいたオリックス時代が一番外野の守備が堅かった記憶がある)

同じく9年連続この賞を獲得しているハンターもそうだが、フライが上がった後の打球の追い方で守備の上手さがわかる。
安心して投手が投げれるかどうか、そして相手チームに打ちあげる打球では追いつかれてしまうという多少の恐怖感を与えることが出来るか、打球から目を切って追うことができるか。
打撃だけではなく、守備のわくわく感を感じさせてくれる選手は貴重である。
ダイビングキャッチをする選手が上手いわけではない。
イチローやハンター、日ハムの稲葉にも感じたが、守備位置から上手い。
そして、打球に追いつくスピードが速いからこそ上手さを感じないのだ。
打撃では3塁打がもっともエキサイティングだと言われているが、守備ではそれを阻止するようなプレー(背走してのキャッチ)は、見事な併殺プレーに負けないエキサイティングなプレーと言える。
気象士のように打球を予想し、数学者のように落下地点を予測し、ロケットのようにその地点で打球とドッキングする。
まさに奇跡のようなプレーは、野球の醍醐味がきゅっと詰まっている。
金を払っても見たいプレーであり、玄人好みといえるだろう。

そして、イチローといえば、レーザービーム。
ランナー2塁でライト前ヒット。
または、ランナー3塁でライトにフライが上がる。
マリナーズファンとしては、応援するチームのピンチにもかかわらず、なぜか胸がドキドキする。
それは、一直線に飛ぶ、まさにレーザーのように後を引くような返球が返ってくるから。
ランナーの足と球の競争、キャッチャーのブロック、興奮が止まらない。

イチローは毎年3つの目標を立てていると思う。
攻撃では唯一公言していた200本安打、それ以外ではオールスター出場とこのゴールドグラブ賞が目標であり、うれしくもあり、取って当たり前だと感じているものだろう。
目標は高く、それ以上にプロ意識の高いイチローはそれを9年間続けて実行し、達成してきた。
松井のプレイオフの活躍もそうだが、改めてこの9年を振り返ると、よりイチローを誇りに思い、鳥肌が立つ思いである。
松井は松井、イチローはイチローである。
それぞれの役割を果たしていることは変わらない。
そして、イチローであり続けることをやめないイチロー。
来年以降も、きっと走攻守とどの場面でも楽しませてくれることだろう。
野球って、どの場面も面白いんだよと体で表現するイチローが好きだ。
これほど魅せる選手はなかなかいない。

打撃を証明する年間200本安打、守備を証明するゴールドグラブ賞、そして人気を証明するオールスター出場。
または自らの力で手にする200本安打、監督やコーチに選ばれるゴールドグラブ賞、そしてファンに選ばれるオールスター出場とも言いかえられる。
走攻守ではないが、攻・守・人気の面を、自分自身・監督やコーチ(選手ももちろん)・ファンすべてに認められているイチロー。
それを9年間である。
1年でも、この1部門を達成することすらすごいことなのだ。
それを当たり前のように表現するイチローは、MLB選手の中で有数のコンプリート選手と言えるであろう。

イチロー自身はどうやってモチベーションを上げていくのだろう。
それは自分が一番の野球好きであり、自分自身に期待しているからだろう。
それを証明するために、日々の努力を大切にしている部分が大きい。
昨日より今日の自分が成長していて、野球も上手くなっている。
そんな期待や喜びがイチローを支えているに違いない。
もちろん高いプロ意識も欠かせないところである。

そんなイチローにも、欠けている物がある。
それは、今回のワールドシリーズを見た方はすぐピンとくるだろう。
そう、あの舞台に立つイチローである。
松井の活躍は、日本にいる野球ファンの胸を打ち、誇りを与えてくれた。
ワールドシリーズで、松井は一段高いステージに登ったのは間違いない。
それほど光り輝いていた。
(パレードで観た松井は、ハリウッド俳優もかくやという存在感だった)
イチローが今年のWBCの経験を基に今シーズン、大きく成長したのと同じだ。
来年の今頃、プレイオフで、ワールドシリーズでの走攻守揃った活躍を見てみたい。
そして、それを証明する時期にも来ているし、手に入れてない大きなものはあの指輪以外にはなかろう。
あの舞台に立つことで、イチローはまた一段レベルアップするはずだ。
来年こそ、3拍子から4拍子への変化を期待したい。
おめでとう、イチロー!

posted by ballgame |23:50 | MLB | コメント(3) | トラックバック(0)
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狙って揃った3拍子(イチロー、ゴールドグラブ賞受賞)

コメント投稿者ID :

あと何年イチローのプレイを見られるのか判りませんが、
世界一の舞台に立つイチローを観たいです。

松井羨ましい。

posted by 90 | 2009-11-12 00:25

Re:狙って揃った3拍子(イチロー、ゴールドグラブ賞受賞)

コメント投稿者ID :

野茂に始まりイチロー、松井と、MLBの第一線でプレーする選手を見続けることが出来るのは野球ファンとしてこれ以上ない幸運です
余談ですが、松坂もまだまだこれから、彼らに続いて行って欲しいものです

posted by LSAK | 2009-11-12 02:47

狙って揃った3拍子(イチロー、ゴールドグラブ賞受賞)

コメント投稿者ID :

盗塁、得点はとぎれましたが、シルバースラッガー賞というご褒美がついてきましたね。

posted by SS賞も受賞 | 2009-11-14 14:29

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