2009年11月10日

安心と貪欲さ(池田勇太の言葉)

先週上海で行われたHSBCチャンピオンズ、石川遼は17位、池田勇太は51位。
男子ゴルフの賞金王争いは、依然池田勇太が首位だがその差は60万とほぼ無きに等しい差となった。
国内大会が残り4戦といよいよ本当の終盤に入り、ますます熱くなる賞金王争いだ。
本人達は大変だろうが、見ているファンとしてはいよいよ面白くなってきた展開に胸がわくわくする。

追いかける石川遼は先週の大会で13週連続出場と、かなりタフなスケジュールをこなしている。
いくら若いとは言え、タイトなスケジュールでゴルフが雑になるかと思いきや、そこは単なる一流の選手ではない。
1試合1試合を糧にして確実に成長をしているのは、安定した成績を見れば明らか。
「無事是名馬なり」と馬に例えるのは失礼だが、ゴルフに限らず超一流と言われる選手は、えてして体が丈夫である。
自分の体を知り尽くしており、また体のケアを大切にする意識が高い。
イチローしかり、自分が思い浮かべる最高のアスリートであるM・ジョーダンしかり(例えが古くて申し訳ないが)。
何事にもチャレンジする舞台に立つことが、まずは名選手としての第一歩である。

その点では、予想をはるかに上回る意識の高さで石川遼はここまで乗り越えてきた。
いや、乗り越えてきたという受け身的な表現ではなく、喜びとともにスキップ交りで歩んできたと言っていいだろう。
喜びは自分の成長に、そして新たな能力の発見とともに、積み重ねてきた足跡を振り返り、やってきたことが正しかったという成績での証明とともに。
ファンはもちろん、石川遼自身が予想していたものよりはるかに成長をしているのだろう。
メジャー大会ではないにせよ、海外最高順位はそれを物語っている。
「日本で練習を積み重ねてきた自信を持って立ち向かおうと思っていた。これまでの海外の試合はよそいきだったけど、今回はそれができた」
そう語る石川遼は、さわやかさというよりたくましさ、世界で戦える戦士と成長を遂げているのは、精悍な顔つきでわかる。
賞金王については「まだ心構えはできてないけど意識しちゃいけないものではない。自然体に任せて戦えればいい」と語る石川遼。
数か月前とほぼ話す内容は変わっていないはずだが、行間から漂う自信は隠しきれない。

一方、それに対抗するは池田勇太。
試合後は、「賞金王になったって、来年試合に出られなかったら意味ないでしょ」と今後の大会の欠場を示唆した。
外見も、内から発する言葉も強気強気の彼にしては、考えられない言葉。
よほど右手首の状態が悪いようだ。
その後、今週行われる太平マスターズの参加を発表し、ほっと一安心といったところだ。
池田勇太には、そうそう欠場してほしくはない。
ゴルフファンとして、最後まで面白い戦いを見たいという単純な願いもある。
そして、石川遼の壁となり、それを跳ね返すくらいの力強さを見たいという、石川遼のさらなる成長を図るライバルとしての存在。
今、日本で石川遼に対抗心を明らかにしているのは、残念ながら池田勇太しかいない。
ライバルという存在が、お互いを大きくし、世界でも遜色のない選手として日本のゴルフ界をしょってたってほしい。
そういう思いもある。

そして、石川遼以上に池田勇太の大ファンである自分としては、池田勇太の言葉に物足りなさを感じたのも正直な気持ちである。
「賞金王になったって…」とあるが、取れるときに取っておきたいタイトルである。
チャンスがあるならば、死に物狂いで取りに行くべきだ。
池田勇太の怪我の状況もわからず、無責任な発言であるのは承知している。
だが、それでも痛めた体に鞭打って取ったタイトルは、記録として永遠に残る。
タイトルを取ることで、それにふさわしい選手になろうと自然と箔がつく。
タイトルにふさわしい風格が出てくるし、周りの目も変わってくる。
称号以上に、池田勇太にさらなる成長を促せることは間違いない。

無理を承知で言わせてもらえれば、腕がちぎれても、どんな手を使っても取りに行くべきものである。
とはいえ、野球のタイトル争いのように、チームの援護も無いし、休むことで獲得できるものでもない個人競技のゴルフである。
自分自身と1年間真摯に向き合い続け、結果を残した者だけが手に入れられる称号。
野球のタイトルよりも燦然と輝く、その年の王者としての証。
チャンスはいつ来るかわからない。
来年の事は来年考える、今出来ることをしっかり行い、栄えある栄誉を勝ち取ってほしい。
それが、未来につながることはMLBの松井であったり、イチローが証明している。

2人の出場が決まりひと安心と言ったところである。
池田勇太の怪我も(ひどい状況だとは思うが)、出場するならばいいプレーが出来ると信じたい。
高い次元での二人の争いに期待したい。
週末にかけ、あいにく天気は良くない予報がでているが、それに負けない素晴らしい戦いを期待したい。
球技好きには、野球に変わりバレーボールも始まり、この晩秋も楽しみである。

posted by ballgame |23:52 | ゴルフ | コメント(3) | トラックバック(1)
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2009-11-12 20:30 | 続きを読む
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安心と貪欲さ(池田勇太の言葉)

コメント投稿者ID :

間違ってます。池田勇太が今やらねばならなく出来る事は治療です。栄光とは目先のニンジンに飛びつく事ではありません。プロの世界は見せる者と見る者両方が存在して成立するのです。見せる者を失う可能性があるなら見る者は必要以上に求めてはいけません。

posted by 馬耳東風 | 2009-11-11 10:47

安心と貪欲さ(池田勇太の言葉)

コメント投稿者ID :

馬耳東風さん

コメントありがとうございます。
なるほど、そういう見方もありますね。
観る者と魅せる者と表現するとより分かりやすく、プロという世界が明確になります。
どれほどの怪我かわかりませんが、そうとうひどい状況なのでしょう。
馬耳東風さんの言った通りが正論なのでしょうね。
それでも狙ってほしい…とはやはりファンのエゴなのでしょうか。
違った見方、参考になります。
これからもよろしくお願いします。

posted by ballgame | 2009-11-11 23:53

安心と貪欲さ(池田勇太の言葉)

コメント投稿者ID :

私も馬耳東風さんと同じ意見です。

また、
>腕がちぎれても、どんな手を使っても取りに行くべきものである。

この結果、選手生命が絶たれる可能性だって考えられます。池田選手のプロゴルファー人生はまだ始まったばかりなのですから。
「最年少賞金王」の道は厳しくなったとしても、これから何年も賞金王を取り続けるだけの器を持った選手ですから、私は治療に専念して欲しいと心から願っています。

1,2試合欠場して、最終戦の日本シリーズに出場出来る状態に持って行ければいい、くらいに思っています。

既にいろんな記事を目にされているかと思いますが、手首をかばう事で、腰や肩など他にも悪影響を及ぼしている状態だそうです。
池田選手もballgameさんのようなファンの期待に応えたい気持ちで試合に出続けていたんだと思います。ただそれも限界かもしれませんね。
それでも狙って欲しいと思いますか?

posted by 週末ゴルファー | 2009-11-16 21:51

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