2009年09月02日

女子に負けない!(池田勇太の個性)

女子ゴルフは見ていて面白い。
そんな声をよく聞くし、自分もそう感じる。
それにはさまざなな理由があるだろう(以前のブログでも書かせていただいた理由もそのひとつだと思う)。
一番大きいのは、ここ数年、新しい才能がとどまることなく開花し続けていることではないだろうか。
トップを争う諸見里や横峯さくら、有村や古閑といった個性あふれる面々に、先日圧倒的な大差で優勝した全美貞を始めとする韓国勢。
アメリカに渡り、自己を磨く宮里(藍に美香)、上田桃子に大山もいる。
ベテランも不動に福島など負けていない。
その上、優勝まで届いていないかもしれないが、大会ごとにニューヒロインが上位に食い込む、まさに百花繚乱。
ゴルフ場には、素晴らしい花々が咲き乱れているのだ。
これで面白くないわけがない。

それに比べると、男子は勢いが感じられないのも仕方がない。
あまりゴルフを見ない方は、石川遼一人が輝いているような印象を受けるのではないか。
今年の4大メジャーを見ていただいた方はわかる通り、ゴルフの面白みは何ひとつ減ってないのだ。
全英でのトム・ワトソンの復活で涙した方、全米プロでのまさかのタイガーの逆転負けなどは、瞼を閉じると顔がどうしても変化してしまうものばかり。
ただ、日本ゴルフ界に再び目を向けると、大きなひまわりといった石川遼の輝きばかりが目立つ。
その輝きがあまりにも強すぎるのだろうか。

そんな中、先週行われたVanaH杯KBCオーガスタで、以前から注目していた選手が優勝した。
全英でも期待していた一人だったが、あえなく予選落ち。
その不甲斐ない成績にがっかりしてしまったが、全英挑戦後に肉離れを発症したとのことで、今考えるとその影響もあったのだろう。

その名は、池田勇太。
力強い顎ばった顔に、強気な部分がくっきり浮かんでいる。
太くきりっとした眉、細いつくりだが、強い光を放つ瞳。
田舎が似合いそうな24歳である。

彼を以前から注目していた理由、それは最近復活したゴルフの実力はもちろん、その強烈な個性にある。
ぶっきらぼうな言葉遣い、派手なアクションに、インタビューでのため口。
憎たらしいと思う前にほほ笑んでしまう。
それが許されるキャラクターなのだ。

あこがれのキャラクターはジャンボ尾崎。
なるほどと思えるほど、しぐさ・態度を引き継いでいるように思う。
この大会でのバーディ数は31個(プレイオフの1個含む)。
彼のコメントを聞いてほしい。
「勝てたねって感じ。いけるもへったくれも、いつの間にか優勝争いしていたよ」
キャディバックにつるされた木札には「主役は俺だ!」
そして、あのなんとも言えぬ雰囲気。
洗練されてきつつある石川遼とは、間逆の存在と言っていいかもしれない。
それほど愛らしく、それでいて強さを持ち、期待できる雰囲気を持っている選手なのだ。

池田勇太に、なぜこんなにも惹かれるのか、なぜこんなに興味深いのか。
その魅力は、やはりゴルフの実力があってこそだろう。
そしてその奥には、彼の「ぶれない姿勢」がある。
自分を信用している、自分の力を信じている者が醸し出す、無骨に感じるほどの強さを感じる。
(これには、世界ジュニア優勝後、大学進学後の苦い経験(不調だったころ)のことが、多少なりとも影響しているようだ。)
それは、周りから認められた強さではない分、形は悪いかもしれないが、大自然の風雨に鍛えられた、大きな自然の奇石のようなものかもしれない。
しっかり芯が、背骨が通っているようなイメージだ。
王道ではなく、自ら道を切り開く者。
そういう選手は強い、なにがあってもぶれない。
そこに、そこはかとない魅力を感じるのだ。

これで今季2勝目、賞金ランキングトップに立った。
そのことを聞かれてのコメント。
「まだ年間の半分終わっただけじゃ分かんねえべよ!すぐに抜かれるよ」
にやっとしてしまう。

2位は石川遼(700万円差)、3位はほとんど差がなく片山晋呉。
片山晋呉がまだ未勝利なのも驚きだが、それでいて3位につけているのもすごい。
現代のゴルフ界の英知を集めたような理想的な選手になりつつある石川遼。
それとは間逆の存在に映る、愛すべき池田勇太。
女子と比べて、試合数も少なく注目度も劣るといっていい男子ゴルフだが、面白い選手はいるものだ。
女子の試合が、乱れ咲く花畑のようなら、例えは悪いが池田はさつまいものようなものかもしれない。
それでもふかせば甘く、女子も男子も虜になる。
そこには、女子にも負けない個性がある。
野武士のような、ジャンボの系譜ともいえる池田勇太に注目したい。
女子も男子もゴルフ界はこれからが面白い。

posted by ballgame |08:33 | ゴルフ | コメント(0) | トラックバック(1)
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