2009年11月30日
今年もあと一か月あまり。
寒い日が多くなってきた季節、人肌恋しくなる季節でもある。
ゴルフの女王は、ゴルフシーズンが終わる冬に向けて、今年のパートナーを選んだ。
それは強引ともいえる展開で、「モノにした」とも言える。
恋した女王、勝利の(ゴルフの)女神は狙ったターゲットにはえこひいきとさえとれるような恩寵を与える。
女子プロゴルフ最終戦、LPGAツアー選手権リコーカップは横峯さくらが5打差を逆転して優勝を勝ち取り、賞金女王の座も手に入れた。
勝ち取った、手に入れたというよりも、与えられたといってもいいような展開。
初孫に、おもちゃやお菓子など買い与えるおじいちゃんやおばあちゃんを想像してしまう。
勝った横峯さくら。
14番、グリーン左手前からのチップインバーディ。
強すぎる程のランニングアプローチは、意志を持っているかのようにピンに当たってすっぽりとカップに入った。
15番、セカンドはショートするもグリーン手前ラフで信じられないラッキーバウンド。
そのままラインに乗り、あわやイーグルかと思わせる入ってもおかしくない、カップを覗く位置に止まるショットとなった。
サッカーに例えるとまるで誰かがトラップして、シュートしやすいようにお膳立てしたような。
普通のラフなのに、まるで意志をもっているかのような柔らかいバウンド、そのあとのボールの転がりだった。
最終18番は長いバーディパットをショート。
1m強の微妙な距離のパーパットが残る。
これまでの横峯だったらプレッシャーに負け、ショートしていたことだろう。
だが、これを強い意志の力でねじ込んだ。
これ以上の寵愛はいらぬとさえ感じる力強さ。
だれしもが震える展開でのパット、まさに技術ではなく「入れ!」という意志でねじ込んだと言っていい。
横峯が強くなった証であり、最終日届かなかった有村との差を感じる。
負けた諸見里。
16番の3、4mはあろうかというパーパット。
17番のこれも3mはある下りの難しいフックライン、バーディパット。
どちらもねじ込む。
ショートなど考えられないといったところ、入るラインしか見えないという断固たる決意を感じた。
リーディングボードで横峯のスコアは確認していただろうか。
いや、どちらでもよい。
諸見里は自分さえよいスコアが出れば、という思いでいっぱいだった。
最終18番は距離のあるバーディパット。
これを決めれば横峯に並ぶ。
出だしからラインを読み違えたパットは、カップ左にほんの少しショート。
惜しくもバーディパットを外してしまった。
最後に打ち切れなかったパット、かすかではあるが、賞金女王に届かないなにかを感じた。
それは実力ではなく、あるタイミング、時期だけなのかもしれない。
去年に引き続き、この大会で大きなドラマが生まれた賞金王争い。
去年も劇的だったが、今年もそれに劣らず紆余曲折があった。
みんなの声に押されてずるずると落ちた飯島茜。
16番、17番での連続ボギーは、残酷なシナリオ通りとさえいえる。
横峯、諸見里はその声援を力に変えて、またそれ以上に自分の強い意志によって賞金女王を手にするんだという強い思いが画面上ではっきり伝わってきた。
それは気迫という普段は目に見えないものでも、最終日にはプレーに実際に表れていた。
解説の小林も言っていたが、今回出場25人で20代が18人。
そして、今の若手は目標をはっきり決め(または宣言し)それに向かって本当に突き進み、実際に手に入れるところがすばらしい。
横峯は賞金女王、諸見里はグランドスラムと。
うれし涙を流した横峯。
「プレッシャーに強い人、弱い人がいると思う。わたしは弱い人なんです」
確かにそうであろう。
今までもそうだったし、完全に克服したわけでもない。
だが、この最終日、上がりの3ホールは強固な意志でそのプレッシャーを乗り越えた。
不安定さを感じながら、王座に就いた横峯。
完璧な実力ではなく、まだまだもろさを見せる女王もまたいいではないか。
欠点があるということはまだまだ強くなる証拠である。
それよりも、最後にゴルフの女神に愛想を尽かされた諸見里に目が行く。
悔し涙で目を真っ赤にしながらも、しっかりインタビューに答えていた諸見里。
「涙が出るくらい本気でプレーできた証拠。横峯さんも悔しい思いをして賞金女王になったので私もこの経験を活かし来年は取る」
「いままでで一番成長出来た年」
力強い言葉もそうだが、インタビューを拒否することなくしっかり自分の言葉で受け答えしていた諸見里は、来年もっともっと強くなる。
必ず糧になることは間違いない。
諸見里が横峯を後ろから肩を抱き、二人で抱き合っている姿が印象に残る。
百花繚乱という言葉がふさわしい今の女子ゴルフ界。
すばらしい幕切れで、これ以上ないしめくくりを見せた。
「神懸かってないとできない。絶対に実力だけじゃできなかった」
横峯の言葉はそのとおりだ。
女王が、今年を共に過ごしたいと思った順番が今回は横峯だったということだ。
自分達の解らないところで、少しだけ横峯の方がゴルフの女神の好みにあったということだろう。
今までの苦労、そして諸見里にはもっともっと強くなってもらいたいという思いも込めて。
運を手繰り寄せることが出来るのは、あきらめない人だけ。
強いまなざしを持つ諸見里、そして強さともろさが同居した有村もきっと順番が回ってくる。
余談になるが、放送最後には女子プロが2列に並んで、「今年はありがとうございました。来年もよろしくお願いします」とPRしたところもしっかりしているなぁと感じた。
来年以降も期待でき、楽しみでもある。
今年は優勝できなかった不動らのベテラン(という年でもないが)の盛り返しも楽しみだ。
そして、きっと新星も続々と登場するだろう。
韓国勢に代表するの海外選手もわくわくする。
冬を経て、来年はどんな花が咲き乱れるだろう。
力強く咲く花、可憐な花、新しい花、きっと今年以上に数多くの花、すばらしい光景になることは間違いない。
それを楽しみに来年を待とう。
おめでとう、横峯さくら!
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2009年11月25日
先日行われたプロ野球(若手)選抜対大学選抜の試合は、試合内容もさることながらそれ以上に意義のある「はじめの一歩」。
その栄えある試合は、1イニング1投手でどんどん変わっていったので、大学選抜はもちろんプロ側も快音はきかれず、締まった投手戦となった。
お互い手の内がわからず、またファンもどちらかの勝利よりも純粋に野球を楽しみたいという思いからか、初体験にふさわしい、ぎこちないながらもほどよい緊張が支配した試合内容だったと言える。
歴史の1ページの証人ともなった方々はお目が高い。
すべてのプレーにほぼ満足して帰路に就いたことだろう。
ほぼ…それは日ハム中田の走塁以外は。
甲子園をわかせ、2008年に4球団競合からドラフト1位で日ハムに入った中田。
その打撃のセンスは抜群であり、期待されている方も多いであろう。
まだ1軍に定着していないとはいえ、イースタンリーグではシーズン本塁打記録を更新する30本をマーク。
二軍での活躍にうれしさ半分、もどかしさ半分といったところだろうか。
まだ二十歳の選手、この試合でもわかる通り、投手より打者の方がプロとして対応するのは難しいように思う。
来年こそは一軍での活躍を楽しみにしている…というのが中田側に立った見方だろう。
この試合で唯一ブーイングを受けていたのは中田の走塁だ。
左中間を抜ける当たりで一塁に止まり、ライト前ヒットでサードへの走塁でアウトとなる。
アウトになるのが悪いのではなく、目の肥えたファンは二塁を回った時点で一瞬止まろうとしていたところを見ていたのだ。
確かに怠慢としか取られない走塁。
ある記事に中田の言葉が載っていた。
「あれはエキシビション。次(ミスを)やらなきゃええ。オレは足は遅くない。本番で失敗しないようにしたい」
この言葉だけを取り出してどうこういうのはフェアではないかもしれない。
ひょっとすると、インタビューの中のある部分を抜き出しただけかもしれず、文脈がぶつぎりになっているかもしれないからだ。
中田は、才能あふれる打棒以外にも、歯に衣を着せぬ言葉でも有名だ。
リップサービスの面もあるのだろうし、注目を集める選手だからこそ目立ってしまったところもあるだろう。
だが、それでも首をかしげてしまう。
梨田監督やダルビッシュからの小言を受けての言葉だそうだが、どうも中田本人が認識しているところがずれているようにしか感じない。
言いたいところは走塁ミスの部分ではない。
足が遅いとか、走塁センスを磨けと言っているのではない。
野球に対する心構えを言っているのだ。
「エキシビションだから」いわば本番でやればいいと、手を抜いているその心構えを危惧しているのだと感じているのだろうか。
練習から真剣にやらなければ、毎日自分がやるべきことをしっかりとやらねば一流選手にはなれない。
日々を大切にしているイチローも再三言葉にして残している。
小さいことの積み重ね、やるべきことをやる、それがプロ。
イチローと同様、日本を代表する投手にまで成長したダルビッシュこそ日々の練習に対する取り組みを大切にしている選手だろう。
MLBにいる遠い大スターだけでなく、身近にお手本となる存在がいるにもかかわらず、苦言を呈してくれているにもかかわらず。
まだ二十歳、まだまだ勉強が足りないのはしょうがないと言うべきか、それとも若いうちから手抜きを覚えてと見るか。。。
コメント一つをとって、非常にうがった見方をしているのかもしれない。
現に、記事ではランニングやウエートトレーニングで減量に励んでいるという。
だが、物事の本質、プロとはなんぞやという高い意識が欠けている状態では、同じことを繰り返してしまうかもしれない。
才能ある選手だからこそ、来年は上のステージで見たいからこそあえて言いたい。
その心構えで大丈夫か。
行間に漂う想いをしっかりとらえているだろうか。
監督やチームメイトはもちろん、野球ファンはみんな待っている。
今回行われたこの試合(プロ選抜対アマ選抜)、交流は遅すぎたきらいもあるが、変化を恐れず実際に行動に移せたのが大きい。
中田の覚醒も数年もかからぬよう望みたいところ。
夢を見せてくれる選手だけに、早めの覚醒に期待したい。
もっと魅力的な、もっとプロらしい選手として。
並みの一流となるか、超一流となるか…案外こんなささいなところが分岐点なのかもしれない。
がんばれ、中田!
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2009年11月24日
めっきり寒くなってきたこの季節、ストーブが必要とまではいかないまでも、プロ野球界はドラフト指名選手との契約やFAなどストーブリーグが活気を帯びてきた。
もう11月も下旬、各選手の契約更新も始まる季節だが、この時期また野球が見られるとは思わなかった。
少し古くなるが、先日行われたプロ野球若手選抜対大学選抜をそんな意外な喜びを持ってご覧になった方も多いであろう。
プロ野球セ・パ誕生60周年を記念して行われたこの試合。
歴史的試合とマスコミは騒ぐが、こればかりは大げさではないだろう。
試合内容がではなく、こうした試合を組めたことの意義がだ。
この試合をやっとと見るか、これからと見るかは、野球ファンそれぞれの捉え方によるだろう。
個人的には「やっと」という感じもあり、「これから」にしていかなければならないと思う。
プロアマ交流に時間がかかった事は否めないが、その過去を振り返るよりは、これを継続していく方が大事である。
続けることで習慣となり、もっと思い切った事につなげることが出来る。
まずはそのとっかかりとして、大きい一歩だということはみなさんも同意見ではないだろうか。
さて、堅苦しい意見はさておき、試合の方をざっと振り返りたいと思う。
MLBのプレイオフやプロ野球のCS・日本シリーズなど、思い入れたっぷりで肩がこる観戦が続いていたため、こんなにリラックスしていいのかと思うほど、野球を楽しんで見ていた。
勝敗は関係なく、純粋に投手が投げて、打者が打つといった各々のプレーを楽しんでいた方が多いのではないだろうか。
もちろん、そこには「プロ側が圧倒してほしい」だったり「大学生もやるんだというところを見たい」という思い入れはあるだろう。
だが、その思いは心の中にあったとしても、東京ドームの雰囲気を見ていると鳴り物もなく、お気に入りの選手や一つ一つのプレーを心いくまで楽しもうという穏やかな雰囲気が漂っていた。
プロの試合というよりも、土日に近所の公園にある球場で行われる草野球を見ているような雰囲気と言った方がわかりやすいかもしれない。
本当に野球好きが集まった暖かい雰囲気。
そんなものを感じながら、試合を見ていた。
注目はやはり「ハンカチ王子(はもう死語なのだろう)」こと早大の斎藤佑だろう。
初回に登場し、1点を取られてしまった。
(この失点が唯一のプロの得点だ)
解説者は「フォームがまとまりすぎて面白くない」と言っていたが、自分は斎藤佑を追いかけているわけではないのでそこまで解らない。
巨人の坂本、阪神の新井に打たれたヒットもそれほど良い当たりではなかった。
特に新井のライト前ヒットは、ストレートに押された当たりが上手く一二塁間を抜けたと言ってもいい不運な当たりでもあった。
球の球威はある。
だが、やはりこの2人のヒットはやっぱりプロなんだなぁと感じる当たりでもある。
多分、同じ大学生同士ならばヒットにはならなかったであろうこの投球。
プロの打者であるがゆえに、坂本には態勢を崩しながらスライダーをレフト前に運ばれたし、新井には詰まらせながらもライト前へのタイムリーにつながったと言える。
まさにプロの技、言いかえればプロの(単純な)力とも言える。
斎藤佑自身もなめていたわけではないが、これには驚いたのではないだろうか。
自信があるからこその驚き、けっして甘く見ていたわけではない。
ただ、これによってもう一度斎藤佑は自らの視点を高く設定したことだろう。
クレバーな投手だからこそ、自分の位置をしっかり見据えた斎藤佑は楽しみであろう。
プロ代表も若手(26歳以下)選手が出ていたので、大学選抜と同い年の選手も出ていた。
高校でプロに入った選手、大学に行った選手、やはり違いが出る。
それは体力の違いであり、視野の違いであろう。
練習量がもちろん違うし、野球を職業としているのと、(建前は)学業と両立している選手の意識の差は大きい。
同じ年でも、やはりプロ側は自信を持って、いい方は悪いがなめてかかっているように、相手を飲んでかかるように対戦していた。
大学選抜はといえば、回が重なるごとに緊張はほぐれて行ったが、序盤はガチガチだった。
そこには実力差以上に、メンタル面での違いが見て取れた。
結果を問わなければ、さすがはプロといったところだろう。
この差は考えてみると面白い。
やはり、日々行っていること、心がけ、環境でこれほどの差が出るということだ。
以前はA選手の方が上だと思われていたが、プロでもまれているうちに今ではB選手の方が良く見える。
もちろん、そこには個人差があるだろうし、選んだ道が正しいかどうかは今の時点では早すぎるだろう。
ただ、やはりその差は打者を比較すると大きく目立つ。
大学選抜の唯一の得点も、ショート坂本のエラーによるもの。
当たり自体は力負けしたものだった。
プロとアマ、意識の差だけではない。
投打にも差が出ていた。
はっきり言って、大学選抜の投手はどの投手も素晴らしかった。
特に4回に出てきた東浜は圧巻だった。
ストレートの伸びは素晴らしく、ユニフォームさえ違えばプロとしても通用するような投球だった。
中継が途中で終わってしまったが、9回に投げた菅野も素晴らしいという記事も見た。
MLBでは日本投手は何十人も通用するという話を聞く。
レベルは違うが、プロとアマでもやはり投手は通用するということなのだろうか。
意識の差、投手と打者でこれほど差がでるのも面白いと思った。
この素晴らしい意義のある試合。
まずは開催できたことを喜びたい。
試合は1-1の引き分け。
これをどう見るかは、各々の意見があるだろう。
個人的には、投手の一人一回は短すぎるように思う。
実力を発揮すればこのような形になるだろうし、アマ側はもちろんプロ側だってなかなか点数を取れるわけではない。
もう少し投手を絞って、オールスターのように複数回投げれるような形の方が試合として面白いのではないだろうか。
選抜されたという意義も出る。
もう少し長い回を見てみたいと思わせる投手が多かったということだろう。
投手優先の印象が強かったせいもある。
もちろん、この試合は交流が目的と言う部分が大きいのだから、より多くの選手が出れるに越したことはないのだろうが。。。
プロ野球セ・パ誕生60周年を記念して行われたこの試合。
ひょっとして何年後、何十年後から見ると、想像以上に大きな意義のある試合だったのかもしれない。
それに立ち会えたことに感謝したい。
そして、これからもこの歩みを止めることなく続けていくことが大切である。
こうした大壇上に構えなくても、才能ある若い選手達のプレーをこんな時期に見ることが出来て、野球ファンとしては幸せな一日だった。
お気に入りの選手の成長はどうだったろうか。
これからも追いかけていきたいと思わせる選手はいただろうか。
いい選手はいるものだと改めて思う。
バックネット裏で熱心に草野球を見つめるおじさんたちの気持ちがわかるような試合、うーん満足満足。
体がほっこりした一日だった。
posted by ballgame |23:55 |
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2009年11月19日
「新」といえば、何を想像するだろう。
フレッシュ、きれい、ぴかぴか、一度も使われていない、などなど。
新しい人とかいて「新人」。
社会人では入社1年目のスーツがまだ似合っていない、学生とサラリーマンのなにかぎこちない様子を思い浮かべるのではないだろうか。
ぎこちない礼儀作法、右も左も初めてのことばかり、だがその先にひろがる無限の可能性を秘めている。
イメージの多くは、今後の成長に期待しているというプラスイメージがあるだろう。
季節は冬に向かい、新人を思い浮かべるにはふさわしくない季節だが、そんなことを考える出来事があった。
そして、新人とは単なる年齢の若いだけじゃないことも。
先日、プロ野球のMVP、新人王、ベストナインが発表された。
個人的に注目したのは新人王だ。
セ・リーグ新人王は巨人・松本哲也外野手(25)。
3年目の今季は129試合に出場、打率が293、27犠打16盗塁。
その数字以上に2番打者として相手の嫌がるスタイル、そして積極的な守備がチームの力になっていた。
育成選手として2007年に支配下選手となり、1軍デビューは去年。
高橋由の怪我など外野手の怪我などがあり、運に恵まれた面もあるだろうが、それは関係ないだろう。
その運を活かし、しっかり巨人のセンターとして定着したのは、彼の絶え間ない努力の結晶だ。
パ・リーグはソフトバンクの攝津正(27)。
2008年にドラフト5位で入団。
中継ぎとして5勝2敗34ホールド、防御率1.47。
ソフトバンクの試合に欠かせない存在となった。
こちらも勝敗や防御率以上にすごいのは、その登板数。
1年目ではあるが、70試合に登板したことは特筆すべき点である。
かたや育成選手からチャンスを活かし、レギュラーとして定着した25歳。
かたやドラフト5位ながら、試合をきゅっと締める投手として欠かせない存在の27歳。
年齢だけみると、プロ野球界ではとても新人とは想像できない。
もちろん、世間一般の社会人でも新人から中堅社員になる年齢だろうか。
新人王といえば、ドラフト1位がその期待通り活躍し、獲得するようなイメージがある。
それこそみんなが納得する新人王という形なのだろう。
だが、こういった形で年齢を問わない形(ある程度は必要なのだろうが)での受賞は、予想以上にうれしいものだ。
ドラフト下位、あるいは育成選手からの新人王という頂点にたどり着くのは、正にスカウト冥利につきる。
そして、「新しい人」の「王」となった今回の2人からは、「新人」とはなんぞやということに思いを馳せさせる。
年齢は関係ない。
新しい環境に行けば、誰でも新人なのだ。
新たなチャレンジを恐れず、常に前を向き続けた選手の頂点が「新人」の頂きに立つ。
立派な数字よりも、なにかそういったスピリットまでも評価したような印象を受けて、なにかすがすがしく感じる。
MLBでも、野茂や佐々木、イチローといった海を渡った日本人たちが、年齢を問わず新人王を獲得している。
その経緯には、全員が賛成しているわけではないが、これも成績よりも新人らしいチャレンジを評価した部分もあるのではないか。
そう感じると、今まで個人的にあまり注目していなかった新人王がにわかに色彩を放つ。
「新人」王ならぬ、「チャレンジ」王としてもいいかもしれない。
来年以降も、地面の下で根を張っていた期間が終わり、一気に花が開いたような選手が活躍するのを期待したい。
そう、自分達でも明日から場面によっては新人という環境に立つこともあろう。
そんなとき野球ファンならば、新人王を取った2人がふわっと後ろから背中を押してくれそうな、そんな感じがする。
おめでとう、松本、摂津!
posted by ballgame |23:36 |
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2009年11月13日
15日から今年最後となる大相撲九州場所が始まる。
先場所は朝青龍の復活優勝で盛り上がったが、果たして今場所はどういう場所になるだろうか。
連続優勝を目指す東の横綱朝青龍に、安定感抜群の白鵬が東の横綱の地位の奪取を目指す。
最近影が薄くなってきた日馬富士に、力強さが戻りつつある琴欧州。
最多出場を目指す魁皇もいれば、若手の中から把瑠都や鶴竜の成長も楽しみだ。
まだ横綱には勝利していないが、大関陣とは互角以上の戦いを見せる把瑠都。
把瑠都の勝利者インタビューでの、意外にシャイな口調がまたほほえましく感じる。
今年の締めくくりとして、見どころが沢山ある九州場所だが、大関千代大海が自分の進退について明言したという記事を見た。
内容は、例え今場所負け越しても引退はしない。
来場所の大関復帰を目指して、相撲を取り続けるということだ。
場所前に発表するということは、あまり体調が良くないのだろう。
自信の無さの表れともいえる。
場所前の異例な発表をせざるを得なくさせる一番の原因は、外野の声だろう。
先場所では、横綱審議委員会でも千代大海について、引退勧告も…という話も出たほどだ。
最近とやかく言われる横綱審議委員会、賛否両論あるだろうが、この件に関しては完全に余計なお世話だ。
精一杯戦っている力士の引退を決める権利がどこにあろうか。
それは、大相撲ファンであっても同じことだと思う。
千代大海自身も自分の引退が近いのは、はっきりと感じてきているだろう。
だが、その去り際は自分が決めるべきである。
大関にも関わらずぎりぎりの勝ち越ししかできない、そして勝ち越し⇔負け越しの繰り返しが見苦しい、という声もあるだろう。
確かに大関としては不甲斐ないと感じる。
だからといって、「引退すべきだ」とは真剣に勝負している力士に対して失礼というほかない。
相撲が好きでここまで一番一番を戦ってきただろう千代大海。
その力が衰えていても、昔のような前に出るつっぱりが出なくても、引き落としが目立っていてもいいではないか。
今時点の力を出し切って、タイミングを見計らう引き落としは、よくいえば職人芸とも言えるだろう。
無気力な相撲をしているのなら、断固引退すべきとの声を上げるべきだ。
千代大海は戦っているではないか。
見苦しいから、もうそんな弱い姿は見たくないから、やめてくれ。
大関という地位にいるからこそ、そのような批判はある程度受け入れなければならないだろう。
だが、引き際に関しては他人に言われたからとは言え、それに従うことはない。
自らの内なる声に従って、自分で決めるべきだ。
もちろん、最終的には親方や家族との相談で、来るべき時が来たら決めることだろう。
だが、周りの声で引退しては、きっと自分が後悔する。
千代大海の親方である九重親方は「いろいろな見方があるが、頑張っている姿を見てもらいたい」と語っている。
九重親方=千代の富士は、まだまだ出来そうだったにも関わらず、引退を決意したではないか。
この場合と逆の立場だが、結局最後は自分の決断ということだ。
魁皇にも同じことが言える。
心行くまで大好きな相撲を取り続けてほしい。
以前の力が無くても、精一杯戦っている姿は決してカッコ悪くはない。
自分の期待と違うから引退しろとは、ファンやマスコミのエゴが強すぎるように思う。
もちろんこれも極論であり、個人のエゴともいえよう。
だが個人的には、大関から陥落しても、雅山や出島のように自分の気力が続くまで相撲を取り続けてほしいと思う。
この発言を受けて、朝青龍はこうコメントしている。
「まだ場所が始まってもいないのに、弱気な発言してどうするの。土俵に集中してほしい」
朝青龍自身もマスコミや横綱審議委員会などから、親の敵のように言われている。
一時期は、それは千代大海よりも強く引退すべき、という声も上がっていただろう。
それを跳ねのけてきた朝青龍だからこそ、心からの発言といえる。
たしかに、マナーやその他の面で朝青龍には「?」と首をひねることがある。
だが、外野の強烈なブーイングの中、優勝し復活する朝青龍こそ、今の相撲界を支えている第一人者だ。
それだけに、その言葉は強く重い。
千代大海の気力を振り絞る言葉となるだろうか。
今場所は当然、朝青龍と白鵬の優勝争いになるだろう。
注目は日馬富士、琴欧州、把瑠都がどれだけ場所をもりあげることができるか。
本割、決定戦で朝青龍の連続優勝に期待したい。
もちろん、千代大海にも注目だ。
とにかく、この九州場所、面白くないわけがない。
今年最後の大相撲、15日間じっくりみたい。
posted by ballgame |23:45 |
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2009年11月12日
MLBではワールドシリーズ、プロ野球では日本シリーズがほぼ同時期に終わり、はや1週間程たった。
野球ファンとしてはなんとなく気が抜けたように過ごしている方もいるかもしれない。
実際の試合は見ることはできないが、来季に向かって早くも各チーム動き出している。
熱戦続きの疲れを、たまの息抜きでぼーっとしているのもいいが、ストーブリーグと言われるこの時期も、よく見てみると面白いものだ。
MLBではGM会議が終わり、選手の移籍も徐々に見えてきた。
FA申請も出てきて、これからが本番と言ったところだろう。
個人的には、レッドソックスのナックルボーラー、ティム・ウェィクフィールドが2年間の契約を結んだことがうれしい。
今シーズンは前半戦で11勝をあげたが、後半戦は椎間板ヘルニアの手術をして、登板機会がなかった。
通算189勝を挙げている43歳のナックルボーラーが、また来年以降も見られることは、チームを越えてMLBの見どころの一つといっていい。
大げさに言えば、「重要文化財」のようなものだ(笑)
43歳と年齢を気にされるかもしれないが、ナックルボーラーは肩の消費があまりない。
予想以上に投手寿命が長いのである。
成績次第ではあるが、来年以降もこの魔球をこころゆくまで堪能したい。
それ以外では、グリフィーのマリナーズとの1年契約が決まったこと。
レッドソックスのバリテックの契約延長などが身近に感じられる。
特にグリフィーの再契約は、イチローにとってもチームにとっても、もちろんマリナーズファンにとってもうれしいことである。
日本人としては、松井秀の動向、そしてブレーブスの川上の身辺も気になるところ。
松井秀に関しては、守備にもつきたいという意向と、ヤンキース側はDHとして考えているというギャップがあるようだ。
野球人としての思いか、伝統あるチームへの愛情か、難しいところである。
川上の身辺もきな臭い。
ブレーブスは先発が豊富だ。
現在、先発6番手評価の川上はトレード要員に上がっているそうだ。
こちらも目がはなせないところ。
ところは変わり、日本では11日に甲子園で第1回トライアウトが実施された。
投手27人、野手15人の計42人が参加したが、当日はあいにくの雨。
甲子園の室内練習場で行われたそうだ。
詳しくはわからないが、室内練習場のため、自分の実力を披露する場としては少々手狭なのは否めない。
人生がかかる場である。
選手達には晴天の中、自分の実力を遺憾なく発揮できる野外で、のびのびとプレーしてほしかったのが心情的にある。
もしかするとこれは野球の神様の、去りゆく者たちへの涙雨だったのかもしれない。
毎年10名程の選手がプロ野球チームと契約しているが、今年はどうなるだろうか。
心配していた工藤は、トライアウトを受けずに西武(楽天という話も出ている)から声がかかっていると聞く。
それ以外では、やはり阪神の今岡だろうか。
広島あたりが興味を持っているということだが、それ以外にも興味を持っている球団はあるはずだ。
他には、元ソフトバンクの山田投手はロッテ入りが確定的だという記事も見かけた。
有名どころでは、阪神の辻本投手やオリックスの山口投手、41歳のロッテ高木投手などがいる。
トライアウトを受けている選手は、ちょっとした運命や舞台の変化で光り輝くものを持っている選手ばかりだろう。
逆にその機会を活かせてないから、解雇という憂き目にあっているとも言えるが。。。
トライアウトで再契約した選手のその多くは1年後に解雇される場合が多い。
それ以前にも、再契約という前に見える再生の道は限りなく細く、険しい。
しかし、精一杯野球人生をやり遂げたという後悔が残らないよう、2回あるトライアウトに賭けている選手達は、自分の実力を100%発揮して、自分の今出来ることを精一杯行ってほしい。
プロ野球以外にも、MLBや競輪界からもスカウトが訪れているらしい。
願わくはより多くの人に、再チャンスが与えられることを祈りたい。
それがどんな形であっても、振り返ることなく第2の人生を進まん事を。。。
ストーブリーグ、陰もあれば陽もある。
それぞれ好みのチーム、好みの選手の動向を追っていきたいものだ。
そして来年の開幕まで、野球冬眠の中、頭の中でチームを動かすためにも、スローテンポではあるが、これからも目が離せないだろう。
posted by ballgame |23:50 |
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2009年11月11日
今年のイチローのリズムも3拍子だった。
リズムは達成感とも言い変えられる。
毎年変わらず、それが9年続く。
変わらない確かな結果を出し続けることがどれほど大変か。
毎朝変わらず、湯気の出るいいにおいのする味噌汁や温かいご飯を出してくれる奥さんやお母さんの大変さがなかなか感じられないように、イチローのこの記録ももはや当たり前のものとなっている。
しかし、本当はとてつもなくすごいことであり、もっともっと讃えるべきことなのだ。
話がすこしそれてしまった。
MLBのゴールドグラブ賞(守備を讃える賞)が発表となり、イチローは9年連続で受賞した。
200本安打に続く、イチローが心から喜ぶ個人成績のように思う。
9年連続、つまりMLBに挑戦してからずっとゴールドグラブ賞を獲得しているということだ。
今年は単純なエラーも目立ったが、それでもランナー一塁でのライト前ヒットで、ランナーがサードへチャンレンジするのを阻止しているなど、記録に残らない貢献が大きいのだろう。
「エリア51」、結構お気に入りの言葉である。
野球人として、誰しもあこがれる走攻守3拍子揃ったプレーヤー。
守備に関しては唯一の賞、選考は監督やコーチである。
それにMLBは対象人数の多いこともあり、日本のように「?」と首をひねる人選も少ないのではないだろうか。
守備は守備の人としっかりと評価される。
そこが、この価値を高めている証にもなる。
(古くは常連のオジー・スミスなど…ずいぶん古い例えだが)
好き嫌いのはっきり分かれるイチロー評だが、監督やコーチ、そして選手達にはもはや「日本人としては」というくくりではなく、MLBの顔として、世界有数のプレイヤーとしてのイチローなのだと、改めてそのあこがれの選手となっていることが分かる。
自分も昔は外野を守っていたことがあるが、確かに内野より守備機会は少ない。
ひょっとすると1試合に1球くるかこないかということもある。
(軟式だったので余計にそうだ)
内野から外野にコンバートされ、最初はフライの感覚に戸惑ったが、なれてくればこれほど面白いポジションはないと個人的には思う。
(逆に草野球では、フェンスのない球場で延々ボールを追いかけることもあるが。。。)
対空時間の長いフライならば、追いついて見せる。
これぞ外野の見せどころと思って、よく追いかけたものだ。
打球から目を切り、一目散に走り、見当をつけて振り返る。
間を抜かせないプレーに味方投手はグラブを叩いて喜び、好打をキャッチされて相手打者は意気消沈する。
(日本ハムの外野守備でも感じたし、個人的にはイチロー、田口がいたオリックス時代が一番外野の守備が堅かった記憶がある)
同じく9年連続この賞を獲得しているハンターもそうだが、フライが上がった後の打球の追い方で守備の上手さがわかる。
安心して投手が投げれるかどうか、そして相手チームに打ちあげる打球では追いつかれてしまうという多少の恐怖感を与えることが出来るか、打球から目を切って追うことができるか。
打撃だけではなく、守備のわくわく感を感じさせてくれる選手は貴重である。
ダイビングキャッチをする選手が上手いわけではない。
イチローやハンター、日ハムの稲葉にも感じたが、守備位置から上手い。
そして、打球に追いつくスピードが速いからこそ上手さを感じないのだ。
打撃では3塁打がもっともエキサイティングだと言われているが、守備ではそれを阻止するようなプレー(背走してのキャッチ)は、見事な併殺プレーに負けないエキサイティングなプレーと言える。
気象士のように打球を予想し、数学者のように落下地点を予測し、ロケットのようにその地点で打球とドッキングする。
まさに奇跡のようなプレーは、野球の醍醐味がきゅっと詰まっている。
金を払っても見たいプレーであり、玄人好みといえるだろう。
そして、イチローといえば、レーザービーム。
ランナー2塁でライト前ヒット。
または、ランナー3塁でライトにフライが上がる。
マリナーズファンとしては、応援するチームのピンチにもかかわらず、なぜか胸がドキドキする。
それは、一直線に飛ぶ、まさにレーザーのように後を引くような返球が返ってくるから。
ランナーの足と球の競争、キャッチャーのブロック、興奮が止まらない。
イチローは毎年3つの目標を立てていると思う。
攻撃では唯一公言していた200本安打、それ以外ではオールスター出場とこのゴールドグラブ賞が目標であり、うれしくもあり、取って当たり前だと感じているものだろう。
目標は高く、それ以上にプロ意識の高いイチローはそれを9年間続けて実行し、達成してきた。
松井のプレイオフの活躍もそうだが、改めてこの9年を振り返ると、よりイチローを誇りに思い、鳥肌が立つ思いである。
松井は松井、イチローはイチローである。
それぞれの役割を果たしていることは変わらない。
そして、イチローであり続けることをやめないイチロー。
来年以降も、きっと走攻守とどの場面でも楽しませてくれることだろう。
野球って、どの場面も面白いんだよと体で表現するイチローが好きだ。
これほど魅せる選手はなかなかいない。
打撃を証明する年間200本安打、守備を証明するゴールドグラブ賞、そして人気を証明するオールスター出場。
または自らの力で手にする200本安打、監督やコーチに選ばれるゴールドグラブ賞、そしてファンに選ばれるオールスター出場とも言いかえられる。
走攻守ではないが、攻・守・人気の面を、自分自身・監督やコーチ(選手ももちろん)・ファンすべてに認められているイチロー。
それを9年間である。
1年でも、この1部門を達成することすらすごいことなのだ。
それを当たり前のように表現するイチローは、MLB選手の中で有数のコンプリート選手と言えるであろう。
イチロー自身はどうやってモチベーションを上げていくのだろう。
それは自分が一番の野球好きであり、自分自身に期待しているからだろう。
それを証明するために、日々の努力を大切にしている部分が大きい。
昨日より今日の自分が成長していて、野球も上手くなっている。
そんな期待や喜びがイチローを支えているに違いない。
もちろん高いプロ意識も欠かせないところである。
そんなイチローにも、欠けている物がある。
それは、今回のワールドシリーズを見た方はすぐピンとくるだろう。
そう、あの舞台に立つイチローである。
松井の活躍は、日本にいる野球ファンの胸を打ち、誇りを与えてくれた。
ワールドシリーズで、松井は一段高いステージに登ったのは間違いない。
それほど光り輝いていた。
(パレードで観た松井は、ハリウッド俳優もかくやという存在感だった)
イチローが今年のWBCの経験を基に今シーズン、大きく成長したのと同じだ。
来年の今頃、プレイオフで、ワールドシリーズでの走攻守揃った活躍を見てみたい。
そして、それを証明する時期にも来ているし、手に入れてない大きなものはあの指輪以外にはなかろう。
あの舞台に立つことで、イチローはまた一段レベルアップするはずだ。
来年こそ、3拍子から4拍子への変化を期待したい。
おめでとう、イチロー!
posted by ballgame |23:50 |
MLB |
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2009年11月10日
先週上海で行われたHSBCチャンピオンズ、石川遼は17位、池田勇太は51位。
男子ゴルフの賞金王争いは、依然池田勇太が首位だがその差は60万とほぼ無きに等しい差となった。
国内大会が残り4戦といよいよ本当の終盤に入り、ますます熱くなる賞金王争いだ。
本人達は大変だろうが、見ているファンとしてはいよいよ面白くなってきた展開に胸がわくわくする。
追いかける石川遼は先週の大会で13週連続出場と、かなりタフなスケジュールをこなしている。
いくら若いとは言え、タイトなスケジュールでゴルフが雑になるかと思いきや、そこは単なる一流の選手ではない。
1試合1試合を糧にして確実に成長をしているのは、安定した成績を見れば明らか。
「無事是名馬なり」と馬に例えるのは失礼だが、ゴルフに限らず超一流と言われる選手は、えてして体が丈夫である。
自分の体を知り尽くしており、また体のケアを大切にする意識が高い。
イチローしかり、自分が思い浮かべる最高のアスリートであるM・ジョーダンしかり(例えが古くて申し訳ないが)。
何事にもチャレンジする舞台に立つことが、まずは名選手としての第一歩である。
その点では、予想をはるかに上回る意識の高さで石川遼はここまで乗り越えてきた。
いや、乗り越えてきたという受け身的な表現ではなく、喜びとともにスキップ交りで歩んできたと言っていいだろう。
喜びは自分の成長に、そして新たな能力の発見とともに、積み重ねてきた足跡を振り返り、やってきたことが正しかったという成績での証明とともに。
ファンはもちろん、石川遼自身が予想していたものよりはるかに成長をしているのだろう。
メジャー大会ではないにせよ、海外最高順位はそれを物語っている。
「日本で練習を積み重ねてきた自信を持って立ち向かおうと思っていた。これまでの海外の試合はよそいきだったけど、今回はそれができた」
そう語る石川遼は、さわやかさというよりたくましさ、世界で戦える戦士と成長を遂げているのは、精悍な顔つきでわかる。
賞金王については「まだ心構えはできてないけど意識しちゃいけないものではない。自然体に任せて戦えればいい」と語る石川遼。
数か月前とほぼ話す内容は変わっていないはずだが、行間から漂う自信は隠しきれない。
一方、それに対抗するは池田勇太。
試合後は、「賞金王になったって、来年試合に出られなかったら意味ないでしょ」と今後の大会の欠場を示唆した。
外見も、内から発する言葉も強気強気の彼にしては、考えられない言葉。
よほど右手首の状態が悪いようだ。
その後、今週行われる太平マスターズの参加を発表し、ほっと一安心といったところだ。
池田勇太には、そうそう欠場してほしくはない。
ゴルフファンとして、最後まで面白い戦いを見たいという単純な願いもある。
そして、石川遼の壁となり、それを跳ね返すくらいの力強さを見たいという、石川遼のさらなる成長を図るライバルとしての存在。
今、日本で石川遼に対抗心を明らかにしているのは、残念ながら池田勇太しかいない。
ライバルという存在が、お互いを大きくし、世界でも遜色のない選手として日本のゴルフ界をしょってたってほしい。
そういう思いもある。
そして、石川遼以上に池田勇太の大ファンである自分としては、池田勇太の言葉に物足りなさを感じたのも正直な気持ちである。
「賞金王になったって…」とあるが、取れるときに取っておきたいタイトルである。
チャンスがあるならば、死に物狂いで取りに行くべきだ。
池田勇太の怪我の状況もわからず、無責任な発言であるのは承知している。
だが、それでも痛めた体に鞭打って取ったタイトルは、記録として永遠に残る。
タイトルを取ることで、それにふさわしい選手になろうと自然と箔がつく。
タイトルにふさわしい風格が出てくるし、周りの目も変わってくる。
称号以上に、池田勇太にさらなる成長を促せることは間違いない。
無理を承知で言わせてもらえれば、腕がちぎれても、どんな手を使っても取りに行くべきものである。
とはいえ、野球のタイトル争いのように、チームの援護も無いし、休むことで獲得できるものでもない個人競技のゴルフである。
自分自身と1年間真摯に向き合い続け、結果を残した者だけが手に入れられる称号。
野球のタイトルよりも燦然と輝く、その年の王者としての証。
チャンスはいつ来るかわからない。
来年の事は来年考える、今出来ることをしっかり行い、栄えある栄誉を勝ち取ってほしい。
それが、未来につながることはMLBの松井であったり、イチローが証明している。
2人の出場が決まりひと安心と言ったところである。
池田勇太の怪我も(ひどい状況だとは思うが)、出場するならばいいプレーが出来ると信じたい。
高い次元での二人の争いに期待したい。
週末にかけ、あいにく天気は良くない予報がでているが、それに負けない素晴らしい戦いを期待したい。
球技好きには、野球に変わりバレーボールも始まり、この晩秋も楽しみである。
posted by ballgame |23:52 |
ゴルフ |
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2009年11月09日
小さな球を木の棒で打ち返す。
ただそれだけのことに一喜一憂し、スタジアムの観客とともに感情を上下させてきた数日前。
特に今年は終盤の奇跡的な逆転劇が多かっただけに、瞼を閉じるとまだまだ胸が熱くなる。
だが、最高の祭典は終わったことは確かであり、これから数カ月はストーブリーグを楽しむしかない。
なんとなく脱力している方もひょっとするといるのかもしれない。
だが、それは野球という一つのスポーツが今年に関しては一段落しただけだ。
まだまだスポーツは沢山ある。
スポーツを見る楽しさはなんだろう。
スポーツの醍醐味といえば、素早い動き、常人にはまねできないフットワークやジャンプ力といった身体能力。
瞬間的な判断力に、瞬発力、力強さ、その動きの美しさも入るかもしれない。
もちろん、人それぞれではあるが、そういったものがあがることが多いだろう。
だが、ほとんどのスポーツと異なるものがある。
それは考えに考え、そして実行するものだ。
なにか自分にも出来そうで、なかなか難しい。
厚着をして、氷上で考える。
石を投げて、ブラシで掃く。
石を「意志」として断固としてはじく、すり抜ける、陣地に止める。
まるで小学校の時にやった十円玉はじきのようにも思える。
子供のような純真さで、大人の知識を総動員する。
知将たちが知恵をしぼり、指先のほんの少しの調整で石をもっていく。
ボーリングに似ているフォームだが、それより腰を落とし投げる姿は、フィギュアスケートよりも美しく感じることがある。
そう、そのスポーツはカーリングである。
「氷上のチェス」と言われるように、スポーツというより、将棋や囲碁に通じるものがある。
(取った駒(石)を使えないので将棋は例えずらいかも)
戦国時代にもどったかのような陣取り合戦、知恵比べ。
持っているブラシが長い軍配にも感じる。
表情は真剣で、その表情をじっくり味わえるのも他のスポーツと違うところだ。
トリノオリンピックで知って以来、自分のお気に入りのスポーツである。
野球やサッカー、バスケットやアメフトとは明らかに違う試合展開。
試合時間は2時間半程にもなるが、それでも退屈することはない。
そして、上記したスポーツとは観戦方法が違う。
選手達と同じように考え、その考え通りに投げることが出来れば見ているこちら側もうれしくなる。
戦略は考えられるが、選手達にはその戦略を現実化する技術もいる。
頭だけではなく体も大事、それがカーリングというスポーツであり、楽しさでもある。
カーリングはゴルフに近いと言えるのではないだろうか。
展開もそうだし、なにより「カーリング精神」と言われるものもそうだ。
セルフジャッチが基本的であり、なによりフェアプレーを大事にする考えも共通している。
(相手のストーンの邪魔をするプレーはあるが、それはプレーの中だけで遺恨を作らない)
そして、力ではなく頭を使わなければならない。
先週土曜日、五輪代表を決める戦いが青森で行われ、チーム青森がチーム長野を下し、見事切符を手に入れた。
ゆっくりした展開ではあるが、1投ごとにため息、感嘆の声などスポーツの醍醐味に共通した感情が出る。
結果は大差になり、チーム長野はチーム青森の元にいき、ギブアップを宣言するとともに、「がんばってください」と声をかけていた。
負けという結果に悔しさはあろうが、チーム長野の選手達はそんな感情は(一時でも)しまいこみ、心からの五輪での健闘を祈っていたはずだ。
これぞ「カーリング精神」の表れだろう。
日本代表となったチーム青森は年齢が若いが、他国のチームでは比較的年齢を問わずメンバー構成をしている。
そんな点も見どころだ。
氷上で考えるスポーツ、カーリング。
いつも見ているスポーツと違う楽しみが感じられ、改めてスポーツの奥深さを感じる。
ラグビーやバスケット、NFLだってそうだ。
バンクーバーの五輪はもちろん、冬でも心はほっかほか。
冬になっても、スポーツの楽しさは止まらない。
じっくり考える楽しさ、選手達の微妙な表情の変化を観察するのもまた一興である。
posted by ballgame |23:45 |
五輪 |
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2009年11月07日
熱戦続きだったワールドシリーズ、ヤンキースが4勝2敗で頂点に立った。
瞼を閉じると、まだこの1週間の濃密過ぎる野球の熱気を思い出すことが出来る。
簡単ではあるが、今回のワールドシリーズを振り返ってみたい。
○我慢比べ
頂点を争う2チームはヤンキースとフィリーズ。
それまでの戦いも熱戦続きであったが、結果を見ればフルセットまでもつれることがなく勝ち上がってきた。
まさにMLBの最強の2チームが勝ち進んできた。
両チーム、同日に奇跡的な逆転劇(サヨナラ勝ち)を収めたこともある。
ここ数年来無かった熱戦でありながら、この2チームが勝ち進んだ理由は1つ。
それは我慢くらべに勝ったということだ。
相手チームが勝手に転んだとも言えるだろう。
熱戦が続いたのは、お互いのチーム力が拮抗していたことが大きい。
ここ数年の傾向では、ワイルドシリーズの出場チームや、シーズン終了ぎりぎりに勢いをつけてプレイオフの切符を勝ち取ったチームが、激流の流れに乗ってあれよあれよと勝ち上がっていくことが多かった。
今年の戦いでその傾向が見られなかったのは、ヤンキース、フィリーズとも相当に高いチーム力を持っていたのだろう。
おそらく、ファンが予想するよりも、グラウンドで実際に戦っている選手達が感じていた差が大きいはずだ。
それが、信じられない守備のミスや救援の失敗につながったのであろう。
まさにこの2チームは両横綱であり、がっぷり四つに組めば相手は動き疲れて、腰砕けになる。
リードを奪わなければやられる、相手チームはそう思っていた。
同点、あるいは1点差で終盤までいけば俺達なら大丈夫、この2チームは余裕を感じていた。
チームの肺活量の差は、思ったより大きかった。
聖書にあるロトの妻のように、相手チームは振り返ってしまったのだ。
決して振り返ってはいけなかったのに。
苦しくても、水面から顔をあげてはいけなかったのに。
そんな自滅が多かったのが熱戦続きでありながら、最終的な成績はフルセットにもつれ込まなかった理由といっていいだろう。
そして、ヤンキースとフィリーズ。
お互い、同じような我慢強さを持っている強者同士の対決であるが、ここで試合を分けたのはヤンキースの好機に対する嗅覚だ。
フィリーズのかすかな隙を捉えての集中は大きかった。
今までの戦いならミスにならなかった些細なものを見逃さない嗅覚はハイエナ以上だ。
ハイエナとは失礼だろう。
ここはヤンキースのチームとしてのまとまりをほめるしかない。
今年のヤンキースは後半になるにつれて、チーム内の団結が良くなってきた。
個人能力が高い選手達がそろっているヤンキース。
それが一つにまとまろうと言うのだから強くなるわけだ。
まとまった要因は監督の技量などいろいろあるだろうが、新球場の1年目というものが大きかったように思う。
「新しさ」の象徴である新球場で、今までの「古い」積み重ねてきた伝統を活かそうとする。
その相反する2つのものがマッチして、信じられない程の勝負強さに変わったのだと思う。
○軸の強さ
チームには様々な役割がある。
足の速い者、中軸を打つ者、守備で活躍する者、下位打線で力を発揮する者。
だが、やはりチームを支えるのは主砲である。
ヤンキースの主軸と言えば、やはりA・ロッドであろう。
ワールドシリーズでも、ヒット数は少なかったが、「ここだ!」というところでしっかり打ち、チームの勝利に貢献してきた。
一流から超一流への成長、ファンの期待にこたえられる選手として、新しいステージに上がったのは間違いない。
対するフィリーズは、4番のハワードを抑えられたことが痛い。
第6戦でようやく一本が出たが、それも遅きに喫した。
ヤンキースもフィリーズも主砲を抑える大切さはわかっていた。
フィリーズのアトリーが絶好調だったが、彼の本塁打と主軸の本塁打ではやはりその重要性が違うということなのかもしれない。
日本シリーズでも、第6戦に限って言えば、稲葉の不調(打撃だけでなく守備でもミスをしていた)が日ハムの涙に変わったのは、主砲の存在の大きさが分かる例なのかもしれない。
主砲は大きくチームに勢いを与えるし、逆に大きく勢いを削ぐこともある。
ヤンキースはそれがプラス面に出て、フィリーズはマイナス面に出た。
フィリーズを責めるのはおかしいかもしれない。
守備でミスにならないミスをしていたA・ロッドが、普通からすれば大事な場面で打てるはずがないのだが、なんとなんとそれが関係ないのだから。
チームの軸は主砲だけでない。
ヤンキースには、他にはない強みがある。
それは、試合を締める守護神の存在である。
そう、リベラがいることだ。
まさに圧倒的な存在だった。
野球の神様がいるのなら、案外こんな感じなのかもしれないと思わせる有無を言わせぬ投球。
MLBでは珍しくインコースで勝負する投球は、左打者のバットを何本折ったかわからない。
彼が出てくるだけで、相手チーム、ひいては熱狂的ファンの心までへし折っていた。
リベラは右投手だが、左打者のほうが打ちづらいだろう。
近年不振がち(それまでが圧倒的だった)だったが、やはり大舞台では強い光を放っていた。
ヤンキースはこの投打の主軸がしっかりしていたことが大きかった。
日本の野球ファンにとっては、ひょっとすると日本シリーズよりも身近に感じたかもしれないこのワールドシリーズ。
日本だけでなく、世界中の日本人が、「日本人で良かった」と誇りに思う場面を見ることが出来たのは幸せの一言に尽きる。
映画や小説でもなかなか感じることのできない誇りは、日にちがたってもまだ胸に残っている。
それは、彼のおかげでもあるだろう。
あえて名前を出す必要もない、背番号55を背負った日本人だ。
彼の活躍があってこその頂点でもあるが、ここでは詳しくは述べる必要はないだろう。
優勝パレード、全選手の先頭を切って登場し、掛け値なしの大歓声を受けていた松井。
紙吹雪が舞う姿を見て、なぜか歌舞伎の雪景色を思い出してしまった。
それほど、堂々として絵になっていた証拠でもあるのだろう。
松井の今後が大きく報道されている。
心配される方もいるだろう。
ある記事では「自分自身は受け身」と表現している松井。
受け身ではなく、受け入れることを恐れないのだろう。
松井は、MVPのインタビューで語っている。
決して受け身ではなく、しっかり自分の意見を主張したのだ。
最終戦で見せた、大活躍の後の表情を緩めないところ。
堂々とした見逃し、達観したような表情。
すべてを受け入れ、それに対応していこうという姿勢だ。
自分の道はどこへ続いても大丈夫と。
素晴らしく大きく成長した松井の前途は洋々だ。
高いプロ意識を持って、チームに最大限に貢献する松井はこれからも輝き続ける。
「野球が好きで、勝ちたいと思っている」
そして、「つらいことはなかった」と語るのは、すべてを自分の成長につなげることが出来るからだ。
自分達ファンにとっても、もっともっと長くその活躍を見てみたいところでもある。
イチローとともに50歳まで…とは難しいだろうが、まずは体のケアをしっかりして、来シーズンは走攻守に活躍する松井に期待したい。
1年でも長く、長く共に歩んでいきたい。
ワールドシリーズ、日本シリーズともに終わってしまった。
野球ファンにとっては寂しくなるが、スポーツはこれだけではない。
ゴルフしかり、これから熱くなるラグビーしかり。
球技だけでなく、冬には五輪も待っている。
スポーツを通じれば、今年の冬は寒がっている暇はない…かもしれない。
これからも楽しみである。
posted by ballgame |23:58 |
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