2008年01月20日
西部謙司氏の懸念
西部謙司氏は最近の記事では常々、 「岡田監督は、オシム監督の後任ではあるけれど、後継者ではない」 という旨のことをコメントしています。 ここにきて、岡田色というのが、オシム色より強く出て来た感があります。 ここにきて、というのが合宿をするようになってからです。 オシム監督は、皮肉屋ではありましたが、ロマンティストの部分がありました。 その点、岡田監督は、ロマンティストよりもリアリストです。 西部謙司氏の懸念は、オシム監督に期待するものとして、 「アタッキング・サードからの得点を上げる術の確立」 ということを言っていました。これが、岡田監督ではとても期待できない、というのです。 確かに、大学生相手の練習試合で、高い位置からのプレスで圧倒するという勝ち方では、相手を崩しての攻撃の方法が形作られているとはいえません。岡田監督というのは、的確な攻撃の手段というものを持っていないのではないのでしょうか。昨シーズン、ヴィッセル神戸がやったような、「ショートカウンター」主体の攻撃で、アジアの国相手に挑むつもりのような気がします。 これは、世界に通じる道ではなく、ワールドカップに行くための、極力手近な手段、というのに過ぎないと思います。もちろん出場が至上命題なのですが。 このままだと、日本はたとえワールドカップにでても、「参加することに意義がある」程度で終わってしまうような気がします。日本化する、というのも、だんだん消えつつあるようにあります。 「日本人が監督をやっているのだから、日本化するに決まっているだろう」 という論法がまかり通っているような気がします。 オシム監督は比喩的に「日本化する」といっただけで、その詳細はだれにも受け継がれていません。 技術だけで勝負できないことが岡田監督は分かっているので、大木コーチを入れたりといろいろテコ入れをしているようですが、根本的にこの代表チームに期待された、 「オシム監督によって、新しい日本の基礎が築かれる」 ということはワールドカップ出場ということのためには、ひとまず横へ置いといて、ということになってしまっています。 「世界を驚かせる日本サッカー」 というものに、筆者は期待していたので、今の流れに少し戸惑っています。 世界を驚かせる、というのが分かりにくいとしたら、スケールは違いますが、高校選手権で、初めて野洲高校が優勝した時のインパクト、みたいなものだと考えていいです。そのインパクトは、むしろ1998年のフランスワールドカップの時の方が大きかったように思います。 2002年のワールドカップは、指導者の色が強く出過ぎましたし、2006年のワールドカップは出場しただけに終わりました。 「日本の色」 というのが、初出場した1998年の時以来、出ていないように感じるのです。 「日本の色」にはそれぞれの方色々な意見があるでしょうが、もともと同一性が強いお国柄ですから、それほど大差ないと思います。それは、守備に関してはかなりの共通性があると思います。 しかし、突出すること、攻撃的なことがあまり良しとされない世界、「和を尊ぶ」世界を持つ日本が、アタッキング・サードで効果的なアクションを起こすことは容易ではないと思います。このエリアでのアクションは、世界的に圧倒的に「エゴイズム」が有利に働くからです。 「エゴイズム」に頼らずゴールを奪う方法、それは、コンビネーションだと思います。数十年前、日本のバレーボールが世界を席巻した時の戦法、「コンビネーション・バレー」がフットボールにも応用できないかと願う日々です。 「コンビネーションフットボール」は難しいものではないと思います。例えば、今年アンリが抜けたアーセナルのようなものです。強力なストライカーに頼らずとも、パスとランの連続で相手の陣形を崩すやり方、あのアーセナルのようなクラブチームなら可能だ、という意見もあるでしょうが、同じ日本人というベースを持つ代表チームで実現できないか、というのはあまりにもおめでたい初夢なのでしょうか。
posted by ball_no_think |12:07 |
代表は、日本サッカーの鏡 |
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西部謙司氏は最近の記事では常々、 「岡田監督は、オシム監督の後任ではあるけれど、後継者ではない」 という旨のことをコメントしています。 ここにきて、岡田色というのが、オシム色より強く出て来た感があります。
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西部謙司氏の懸念
西部ってあのオシム信者の?
posted by 脱オシム | 2008-01-20 13:19
西部謙司氏の懸念
昨日のアーセナルの試合を見ました。
アデバヨールの2ゴールは置いておいて、3点目のロシツキのゴールはいいヒントになるかもしれません。
誰もいないかと思われたところへ後から猛スピードで突っ込んできましたね。
posted by くま | 2008-01-20 13:48
西部謙司氏の懸念
西部氏のご意見は知らないのですが、私も同じような危惧を持っています。
岡ちゃんの合宿の内容を見る限り、トルシエのときと同じようなことが起きる。
つまり、アジアでは圧勝し、世界では勝てない。
正確には、世界相手には流れの中から点が取れないチームになるということです。
これは、西部氏が「アタッキング・サードからの得点を上げる術の確立」を懸念されているというのであれば、かなり近いように思います。
確かにあっさりとワールドカップに出場できるとは思いますが、出場にポイントを置いて日本代表を強化するのでは、代表サッカーは退行していきます。
弱くなると言ってもいい。
Jリーグ以降2002~3年ごろまで日本サッカーは右肩上がりに強くなってきたため、この後も右肩上がりが続くと考えてる人が多いようですが、実際には違う。
日本サッカーの実力は、いま停滞しています。
中田英・小野の全盛期以降、欧州のトップレベルで戦う選手は消えました。
俊輔はがんばっていますが、それでも、イングランド・スペイン・イタリア・ドイツ・フランス・オランダ・ポルトガルの7大リーグにも及ばないスコットランドでの活躍に過ぎない。
昨シーズンのCLにしろ、FKだけです。
そいて、黄金世代の高原はJに戻り、稲本と松井が何とか各リーグ中位のチームでがんばっていますが、リーグ優勝やUEFA杯優勝を勝ち取るなんてことは夢のまた夢。
このままでは、日本代表は停滞もしくは弱体化する。
岡ちゃんはいい人だと思いますが、能力的にはその程度の力しかない監督だと思います。
posted by ジダ | 2008-01-20 14:24
岡ちゃんへの懸念
三浦カズをバッサリ切った、あれっていったい何だったのだろう。今回も「予想外」はあるのだろうか。監督権限とはいえ、切られる側からしたら、どんな納得と説明があるのだろう。それと、ワールドカップへの出場ですが、中東諸国の進歩を見ると、出場自体そうとう厳しいものがあるだろう。世界3位もいいが、岡ちゃん、あんたに誇大広告は似合わないよ。
posted by goro | 2008-01-20 15:01
西部謙司氏の懸念
オシムさんの作ったサッカーを土台にしながら1から作り直すことなくW杯を目指すということでは岡田さんという人選はそれほど間違ってないと思います。
海外から連れてきたらそうはいかなそうです。
それにあの時期空いてる監督なんてそういないですしね。
ただ岡田さんって1年以上現場から離れているんですよね?
不調の徳永を呼んだのはJリーグを見ていない証拠と言われていますしね。
posted by ボバン | 2008-01-20 15:12
西部謙司氏の懸念
監督が代わったのだということをもっと明確に認識すべきだと思います。岡田監督はオシム氏に気がねなく自分の考えを推し進めるだろうし、それを周囲がオシム氏の場合を想定して批評してもあまり意味が感じられません。岡田監督のやり方をそれとして見るべきでしょう。私はむしろ監督交代という一大事があったにもかかわらず、ファンやメディアに危機感や緊張感が欠けているように思えてなりません。W杯予選は長丁場ですから一度にいろいろなことができるわけではありませんから、性急に岡田監督について評価を下すべきではないと思いますが、「なんとなく大丈夫」感が私には不安です。
posted by 老婆 | 2008-01-20 17:55
西部謙司氏の懸念
まずは、試合を見てみないことには何も言えないでしょう。
みんな不安ですよ。どうなるのかわからないし。
でも、やっぱり試合を見てみないことにはわからないですし、何も言えない。
僕も西部謙司の本や雑誌の記事は一通り読みました。
彼が言っているように、岡田監督が適任ではないとは必ずしも言い切れないと思います。
もしかしたら、本戦で通用するだけのアタッキングサードでの崩しを作り上げるかもしれない。
その可能性を否定することは出来ないと思いますよ。
そもそも、最近の日本のサッカーの変遷を知っていて、アタッキングサードでのアイデアを持っている監督っているですかね?
少なくとも、日本人監督ではまだいなんじゃないんですか。
だったら岡田監督でいいんじゃないですか?
アタッキングサードの問題は、別にA代表でのみ克服しなくてはならない問題でもないし、Jの各クラブでも問題でしょ?
誰かがアイデアを出して実行してみて、効果的だったものをどんどんA代表に集約していったらいいんじゃないですかね?
とりあえず、次の親善試合では、前線からのプレッシングとか、4バック+1ボランチのワンマーク気味のゾーンプレス、人とボールが動くワンタッチツータッチのパスワークなど、一年半で積み上げられたベースが、今までどおり見られたら僕は満足です。
posted by tyu-k | 2008-01-20 22:41
コメントされたみなさんへ
まず、岡田監督否定、という意味に取られた方のコメントは削除させていただきました。
筆者は、岡田監督しかこの非常事態ではいないと思っています。それに、岡田監督は結果を出す監督であり、その点で私はなんら否定することはありません。
オシム氏に拘泥しているのではないのです。オシム氏でも、「アタッキングサードからゴールを奪う術」を日本人に与えることが出来ない可能性も大いにあります。
「tyu-k」さんの言う通り日本人でそれが出来る可能性もあります。とても建設的な意見だと思い、感謝しています。
基本的に、最後の部分を読んでいただけるとお分かりになるかと思いますが、日本代表でアーセナルのようなサッカーが見たい、という願望を現しただけなのです。それと、日本代表において、最後の決定力不足の課題が解消されていないのは変わっていない、ということを言いたかったのです。
ただ、西部氏の名誉のために言うと、彼はオシム信者でも何でもなく、優れたサッカージャーナリストであるということです。
あと、「老婆」さんのおっしゃるように、「何となく安心感」が怖いのは確かですね。「取りあえず、今のオシム氏が築いたサッカーをベースに、岡田監督の厳しいチョイスで選手を選考したら、いいサッカーが出来るんじゃないか、勝てるんじゃないか」という雰囲気は、怖いものがあります。
posted by ball_no_think | 2008-01-21 17:16
「コンビネーションフットボール」とは?
主題から外れるかもしれませんが…
サッカーでAクイック、Cクイックというようなサインプレイでゴールを狙うという意味でしょうか?
きっと、セットプレイでなく流れの中でということですよね。
バレーの概念はサッカーに応用可能なのかと興味を持つとともに、そんなことできるのかという素朴な疑問を持ったバレーボール経験者です。
「コンビネーションフットボール」について、もう少し具体的に聞きたいです。
posted by toto | 2008-02-20 14:08
totoさんへ
「コンビネーションフットボール」は私の個人的な造語ですが、「コンビバレー」から着想を得ています。
サッカーでは、クイックのようなことは出来ませんが、パターン化したプレーは結構できるものです。流れの中で、ボールを持っている人によって、「即席サインプレー」とでもいうものを練習で確立しておけば、「判断する」という時間をきわめて短くできると思うのです。 ご存知かもしれませんが、サッカーでは「判断する」ということの時間が、結構勝敗を左右しかねないのです。これが、「コンビバレー」のように、「あ・うんの呼吸」が成り立っていれば、かなりスピードアップした攻撃が可能ではないのか、と思ったのです。
実力の差が大きい、高校生レベルなら、エース級の選手がボールを持てば、だれが走り出すか、なんてことは監督が作戦の中で決めてしまうこともよくあるのです。そんな「お約束」がいくつか用意されていれば、それ以外のやり方も生きるだろうし、ハマれば「速攻」になると思うのです。日本はとにかく「速攻」が苦手なので、このような「お約束」でも作っておいた方がいいのではないか、という思いもあります。
「コンビバレー」というのは、基本として「連動した動き」がありますよね。これはサッカーですごく求められているものなのです。だから、サッカーにバレーの要素を取り入れてみて欲しい、それもセットプレーだけではない所でやってみて欲しいと思うのです。
posted by ball_no_think | 2008-02-22 21:18
西部謙司氏の懸念
ありがとうございます。
バレーはネットで敵と隔てられているという部分が大きいとは思いますが、3回という制約ゆえのコンビネーションなのかと感じます。
敵が自由に間に割り込むサッカーでどのように応用できるのか(精度も考慮して)、私にはうまく想像できませんが、シュートまでのタッチ数を制約することで攻撃がシンプルになれば、何らかの効果があるのかな、と素人なりに思考してみました。
そんなのマンガで読んだような気がします。
posted by toto | 2008-02-24 19:50
岡ちゃんへの懸念
バーレーン戦後、「オシムの築いたサッカーを土台に」というアイディアが岡ちゃん自身によって根本から覆された今、それでは大西理論でワールドカップに出場しようというのだろうか。ラクビーの戦術を用いて成功するほどサッカーの世界は底が浅いのだろうかと思ってしまう。それなら岡ちゃんは就任当初から己の理念を堂々と披瀝すべきではなかっただろうか。「おれのやりたいようにやらせてもらうよ」と言えばよかった。前途に暗雲が垂れ込めている。
posted by phiblio45 | 2008-03-29 11:25


