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Gun Runner 西海岸へ放たれた弾丸は最強の座を射抜けるか

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 昨年のBCクラシックで California Chrome を撃破して北米最強を襲名し、ドバイワールドCでは仰天のパフォーマンスを披露した Arrogate が苦しんだ夏。そんな同馬から最強の座を奪わんとする者が現れた。それが Gun Runner だ。

 こんな書き方をすると、突如現れた新星のような印象を与えてしまうのですが、この Gun Runner は3歳春の時点で既に頭角を現していて、ケンタッキーダービーへ向けたフェアグラウンズのプレップであるリズンスターSとルイジアナダービーを連勝。しかし、GⅠを勝ち切る程の強さはまだ無く、ケンタッキーダービーでは無敗の2歳王者 Nyquist に完敗(3着)を喫すると、トリプルクラウンから離脱して夏に勝負を賭けるも、ハスケル招待Sでは自身より4ポンド重い斤量を背負うダービー馬 Nyquist や、プリークネスSの覇者 Exaggerator の後塵を拝し、トラヴァーズSでは遅れてきた怪物 Arrogate の前に為す術無く敗れ去った。  そんな Gun Runner にようやく時が訪れたのは11月。BCダートマイルで2着と好走して挑んだクラークHで、Shaman Ghost や Hoppertunity といった強力古馬勢を相手に敢然と先手を奪うと、巧みにペースを操って彼らを完封。直線で後続を突き放して、3歳シーズンをタイトル奪取で締め括った。

 迎えた4歳シーズン。GⅠホースとなった Gun Runner に与えられた新たな使命は「打倒 Arrogate 」で、当初は今季より創設されたペガサスワールドカップ招待Sを目標に調整が進められていたのですが、フェアグラウンズで発生したヘルペスウイルスにより、移動が禁止されることに。直前でそれは解除されたものの、ガルフストリームパーク側が課した入厩テストを陣営が拒否した為、結局は参戦が見送られ、Arrogate との対決はドバイワールドCまでお預け。そのドバイワールドCは周知の通りだろう。2番手追走から早めに先頭へ立って押し切るプラン通りの完璧な立ち回りを演じた Gun Runner に対して、スタート直後に寄られて最後方待機を余儀なくされる想定外の競馬を強いられながら、Arrogate は異次元の走りで全馬を悠々と差し切り、最強の最強たる所以を示してみせたのだ。  力の違いをまざまざと見せ付けられた Gun Runner でしたが、このままナンバー2では終われない。高い先行力を更に磨き上げ、まずは帰国後初戦のスティーブンフォスターHを逃げて7馬身差圧勝すると、サラトガへ移動してホイットニーSも5.1/4馬身差逃げ切り勝ち。そして圧巻が先日のウッドワードSで、ここはペガサスワールドカップ招待SとドバイワールドCで共に3着入線を果たした Neolithic がハナを叩いてきた為、序盤は2番手で競馬を進める形を採ったのですが、ハイペースなど全く意に介さず、3~4コーナーで楽々並びかけると、直線で独走態勢を築き上げ、10.1/4馬身もの大差を付けてGⅠ3連勝を難なく成し遂げた。

 この後はもちろんBCクラシックで Arrogate と三度目の対決に臨むのですが、冒頭で述べた通り、肝腎の Arrogate が今夏は大不振。サンディエゴHで後方のまま何も出来ず謎の大惨敗を喫すると、パシフィッククラシックSでは押して押して3番手に付けるも、勝負どころでエンジンが掛からず、直線に向いてようやく脚を伸ばしてきたのですが、逃げた僚馬 Collected を半馬身差捕らえ損なって2着。並の馬なら許されるパフォーマンスも、最強馬としては当然ながら物足りず、あと2ヶ月で何処まで立て直せるか。

 「万全の Arrogate を倒してこそ」という見方もあるでしょうが、Gun Runner としてはそこまで面倒は見切れない。見る必要も無い。恐らくは自身が前へ行き、Arrogate がそれを追う形となるだろう。そして、直線で彼は必ずや迫ってくる。それを振り切ってトップチェッカーを切った時、Gun Runner は「最強」の称号を手中に収める。果たしてその瞬間は訪れるでしょうか。11月4日を楽しみに待ちたいと思う。

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