2006年06月30日

魂の叫び

スポーツとは勝敗を伴うもの。勝ち負けがあるゆえに皆は勝利に貪欲となる。勝負の世界においてこの貪欲さは、特にトップレベルでプレイを行うものにおいて、勝利の条件としてかなりのウェイトを占めるのではないだろうか。

予選リーグを豪快且つ華麗に勝ち抜いたスペインと、やっとのところで勝ち残ったフランス。決勝トーナメント一回戦最後の対決は、評価が対照的な両国の戦いとなった。ここでの勝敗を分けたのはやはり、勝利に対する貪欲さではなかったかと思う。
もともとスペインは一つの国ではなかった。1939年から1975年までの独裁政治により、昔は別の国として独自の言語・文化を育んできた地方都市は厳しい弾圧にあい、共通語としてスペイン語を使用することを強要されていた。そんな彼等にとっては、今もなお、代表チームより地元クラブチームの試合の方がはるかに大事なのである。バルセロナで育ちFCバルセロナに入った選手が市民の声を代弁して言う。
「私は、スペイン人である前にカタルーニャ人である。」

一方、纏まっていないチームと評されていたフランス。グループリーグで韓国とも引き分けた時点で初めて、プレイする選手全員が感じたに違いない。「グループ突破しなければ今日がジダンの引退試合となってしまう」と。(警告累積2枚でジダンはグループ最終戦を欠場)
スペインを圧倒したのは技術によるものではなく、もう一度ジダンとともにプレイすることを心から望み、そしてその尊さを実感した、彼らの魂の叫びではないだろうか。

ワールドカップが始まる前から、中田英寿は厳しい表情、態度で望んでいた。ブラジル戦のあと、大きく膨らんだ風船に一本の針が刺さるかのように緊張の糸を切らした彼は、ピッチからしばらく去ることができなかった。まるで全てが終わってしまったかのように…。彼の内に秘める闘志がこれほどあったということを、サポータも含めて初めて体感した瞬間だったと思う。文字通り全身全霊をかけて3試合を戦ったのだと感じるあまり、今後の彼を心配せずにはいられない。
中田よ、4年後ももう一度、魂の叫びを聞かせてくれないか。

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posted by athok |13:02 | サッカー | コメント(2) | トラックバック(0)
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