2008年02月21日

選手生命の危機

 右膝に痛みを感じて目覚めた。鈍角に曲がったくの字から、まっすぐに伸びることもなければもっと曲げることもできない。明らかに怪我した日よりも状態は悪くなっていた。まともに右足に体重をかけられる状態になく、歩くのもおぼつかない。
 肉離れのときでも病院には行かなかったが、さすがに限界を感じ、スポーツ整形外科のある病院に行くことにした。

 右膝を触診されたのち、一枚の紙を出され、説明が始まった。紙にはこう書かれていた。

 「膝前十字靱帯損傷」

 まさか。
 だって昨日は問題なく歩くこともできた。高校時代に左膝の内側側副靱帯を損傷したときは、怪我した瞬間歩くどころか左足を地面につけることすら出来なかった。それを考えれば症状はまだ軽いと思える。少なくともそう思いたい。
 説明書はこう続く。
 「切れた前十字靱帯はギプス固定などでは治りません。損傷後1ヶ月ほどで痛みはとれ、日常生活には支障がなくなることがほとんどですが、それは損傷に伴う炎症が落ち着いたにすぎず、靱帯は切れたままです。スポーツを行わない人ではそのままの状態でも支障がない場合もありますが、スポーツの続行を希望する人には手術を勧めます。近くの腱を採取して靱帯を再建するのが一般的です。」

 手術…。自分には縁がないと思っていた言葉が突然目に前に現れ、一瞬パニックになった。
 高校のときは、靱帯は切れてはおらず伸びただけで済んだので、手術することもなかった。おかげでその左膝の内側側副靱帯は伸びたままで、筋トレを怠ると時折痛みが出てくるが、それでも致命傷には至っておらず、バスケットもやれている。
 そのことを基準に考えれば、今回の怪我に関しては左膝以上の重傷はないと思っていたのだけれども、前十字靱帯になれば話は別なのだろうか。

 とにかく、まずは正確に症状を把握するために後日精密検査(MRI)を行うことになったのだが、医者にはこう聞かれた。「前十字靱帯が切れていた場合、手術しなくとも日常生活には支障はなく、軽くスポーツを行うこともできます。また本格的にバスケットをやりたいならば手術を勧めますが、そこまでやりますか?」

 そこまで?

 そうだろう、赤の他人から見れば確かにそこまでやらなくてもいいんじゃないかと思うかもしれない。別にバスケットで生計を立てているわけじゃないのだし。けれども、その言葉にはかなり違和感を覚えた。別にお金を稼ぐためにバスケットをやっているわけじゃないが、バスケットに本気で向き合うことで得られるものはたくさんある。それは間違っていないと思う。

 でも。「もちろん手術やります」とも言えなかった。いきなりだったこともある。まだMRIをやらないことには本当に手術が必要か分からないこともある。仕事への支障もある。
 けれども、同時に浮かんだ自分への疑問もあった。

 MRIの日程を決め、右膝をテーピングでガチガチに固めてから病院を後にした。歩く速度は極端に遅く、ほとんど右足を引きずって歩いている状態。最寄り駅から家までの帰り道、普通なら歩いて10分のところが30分近くかかる。黙々と歩いていると、病院でも浮かんだ疑問が何度も頭をよぎる。

 自分はどこまでやりたいのだろうか?
 何を目指していきたいのだろうか?

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posted by athok |01:17 | バスケットボール | コメント(6) | トラックバック(0)
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痛いですよね

コメント投稿者ID :

何気なく検索してたら辿り着きました。靭帯断裂、痛み、内出血があって腫れたと思います。私の場合は、(怪我の再発への恐怖心というものもありますが)『またスポーツを全般的に楽しめる』ということを考え、靭帯再建手術を受けました。両方切れてしまうと、有無を言わさず手術ですしね…。

その後、社会人サッカーに復帰していますが、怪我の影響もあり、以前より体のケアを考えるようになりました(試合の前後)。

生涯、何らかのスポーツを続けていくなら手術を勧めますし、目指すものが、仲間との一体感等、精神的な充足であったとしても、『精一杯やる』ことが前提だとすると、手術して、『精一杯』の枠を広げたほうが良いのでは、と思いますね。

どのような決断にせよ、再発しないように(通常でも、怪我をしていない左足に負担がかかります)お気をつけ下さい^^;

posted by 靭帯断裂経験者(蹴球) | 2008-02-21 03:09

選手生命

コメント投稿者ID :

こんにちは。
sportsnaviから来ました。

私はバスケットを大学までやっていたものですが、前十字靱帯を切った仲間を何人も見てきました。
皆、手術をして1年くらいのリハビリ後、復帰して1軍で試合に出る者もいました。

私自身は手術までしたことがないのですが、右大腿直筋断裂でリハビリ~復帰に3か月かかったことがあります…不安で不安でしょうがなかったけど、またバスケができたときの喜びはとても大きいものでした。

「たかがバスケ、されどバスケ」だと思いますよ☆

お大事にしてください。

posted by ☆ | 2008-02-21 16:33

選手生命の危機

コメント投稿者ID :

ちょっとお見かけしたのでコメントを
手術はやったほうがよろしいかと
私は若いころバスケで前十字を靱帯を断裂
その当時は捻挫の診断でした
ゆるい膝と友達になりながらすごした25年
結果は軟骨変形症で膝年齢が80歳を越えると
診断されたのは一昨年前です
歩くことがままならず非常につらい毎日を
すごしていることは言うまでもありません
現役にこだわるとかそんなことではなく
年齢を重ねた時のことを考えて
絶対手術をして状態に合わせて生活を
していくべきだと思います
バスケも大事ですが長い人生を考えて
仕事を休んでも治療を優先してください
突然で生意気かもしれませんが
歩けないことは本当につらいですよ

良く考えてください
長々とごめんなさい

posted by かわ | 2008-02-21 22:06

選手生命の危機

コメント投稿者ID :

前から傍観者として拝見させてもらってました。
ファイト~さんも面白いです。なんか二人ともカッコいい兄貴の会話みたいで(すみません)
怪我の内容は自分は分からないのですが、コメしている皆さんは手術を勧めているようで。
なんにせよ応援しているので頑張ってください!

posted by ウェブロン | 2008-02-21 22:39

選手生命の危機

コメント投稿者ID :

迷う事無いでしょ?
「スポーツをせずに生きていけない」んでしょ。
僕も同じ人種です。

体力が落ち、ケガが増え、身体が思うように動かなくなっていくこれからの10年、
味わい深いスポーツ人生が待ってますよ。

posted by チョー | 2008-02-21 22:53

選手生命の危機

コメント投稿者ID :

靭帯断裂経験者(蹴球)さん、
やっぱり経験者の方の体験談はとても参考になります。ありがとうございます。
もし靱帯断裂してる場合、自分なりに整理したうえで決断したいと思います。

☆さん、
ありがとうございます。
病院の先生も、固い床の上でやるバスケは特にこの手の怪我が多いと言ってました。
やれなかった後の復帰したときの喜び、シュートが一本入っただけでめちゃめちゃ嬉しいですよね。考えるだけでも少しウルウルしてきます。。

かわさん、
たまたま私も同じようなことを医者に聞きました。「靱帯断裂していたとして、このままだましだましバスケやったらどうなりますか?」と。
回答は、かわさんが経験されているようなことを言われました。
色々とご苦労されたうえでの想いがストレートに伝わりました。貴重な体験談、本当にありがとうございます。

ウェブロンさん、
励ましの言葉ありがとうございます。
いえいえ、私は兄貴的存在としてまだまだです。物事突っ走って、思わぬ結果招いちゃうこともありますし、、、今回もそんな感じですね…。

チョーさん、
ありがとうございます。
背中を押してもらったような気がします。
味わい深いスポーツ人生、上手く付き合っていけるかなぁ。。。

posted by ATHOK | 2008-02-22 01:16

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