2008年04月24日

2008 ACL 第4戦レビュー メルボルン・ヴィクトリー戦(H) 「完璧な勝利」 Vol.2

Vol.1からの続きです。


2.理想的な先制点と山崎の攻守における奮闘

この日のG大阪の先制点を取った過程は、理想的な形の一つだ。
SBがパスを出し、FWが2列目の飛び出しを引き出し、飛び出した2列目の選手から、決定的なラストパスが通ってまたFWが点を取る。
ワンタッチ、ツータッチで素早く連動した攻撃だった。

私は、G大阪の攻撃の好不調となるバロメーターの一つに、どれだけSHやボランチの選手がFWを追い越す動きを見せるか?にあると考えている。
やはり、G大阪のアイデンテティの一つである「細かいパスワークをベースとした攻撃」を最も表現しているのが、その動きだと思うからだ。

しかしこういう動きは、チームのコンディションや前線の動き方、中盤のコンパクトさ、パスのリズム感の共有等多くの要素を必要とする。
チーム状況が良い状態にないと、なかなか出てきにくい動きなのだ。

この日の相手のメルボルンがマーキングに難がある相手であったとはいえ、こういう動きが現れて結実した今日の先制点は、見ていて快感度合いの強いG大阪サポ好みの得点であり、チームの調子が段々上がってきた事を実感させてくれた得点だったと思う。

また、この日は山崎が素晴らしい動きを披露。
先制点や追加点は共に、合わせるだけのシュートだったかもしれないが、相手が彼のマーキングに特に苦労していた結果でもある。
2列目からのパスを良く引き出し、ワンタッチて捌くプレーとドリブルで持ち込むプレーとの判断の見極めもよく、彼を経由した攻撃が高い連動性が生んでいた時間も多かった。
運動量も非常に豊富で、ボールを失った後の守備への切り替えも早く、高い最終ラインを大きく助ける動きをしていた点も彼の真骨頂といえる。

本人も試合後のコメントで述べていた通り、FWでありながら得点が出来なかった状況からも解放された事で、FWとしてこれからも大きな役割を担っていける事を証明したことになる。
動きの質が非常に良かっただけに、変なプレッシャーから解放されれば、得点を量産できるかもしれない。

3.求むバレーの取り扱い説明書

そんな素晴らしい試合後の西野監督のコメントからは、バレーの使い方に関して悩ましい声が聞かれることとなった。

「センターでターゲットになるタイプではないが、どうしても逃げてしまうプレーが多く、連動性という意味では山崎と少しコンビネーション的には合わない時間帯も多いかなと思った。」
「バレーにもそこを修正するようには言ってるのだが、少し遅れるとバレーの特徴がでない。」
「播戸とかルーカスとかタメが作れる選手がパートナーにいたほうがバレーはいきるかもしれない。いい時間は決して多くはなかった」
「後半になるとパフォーマンスが落ちる傾向もありあまりいいと思わなかった」

もしこの試合でFWが、センターで確実にボールを受ける事ができれば、G大阪のポゼッションはさらに上がっただろう。
そういう意味で、バレーにその役割も監督として求めているようだが、そもそも、バレーがセンターでターゲットになれるなら、ルーカスの獲得も無かったわけで難しい話だ。

監督の考えでは、得点力のあるバレーを外す事は検討外のようであり、彼との相性の事を優先しているようなコメントとなった。
バレーとの相性が最も良いのは、間違いなく播戸だろう。
播戸とコンビを組んだ時のバレーは活き活きしている。

ルーカスとの相性は、開幕数試合の事を考えると合わないとも考えられるが、序盤戦はチームとしてチグハグだった事もあり、改めて彼らを2トップにした戦い方をもう一度試してみる価値はあるかもしれない。
ただ、ルーカスをトップに上げると、中盤の守備力やタメができるポイントが一つ減ってしまう事も意味しており、どちらがチームとして良いのかは微妙な判断だ。

しかし、何よりも悩ましいのは、そのバレーのプレースタイルの為に、絶好調の山崎を外す可能性を監督が示唆した事だろう。

播戸がいない現状では山崎を外す事はないかもしれないが、播戸さえ復帰すれば、山崎は争う事も許されずに、スタメンを外されるような評価がされている点は、サポとしても悩ましい。

この日は、後半の最後にルーカスと山崎の2トップも試されたが、時間が短かった上に戦況も緊迫感を欠いた中であり、あまり評価に値しない。

今後、西野監督がどういう選択をするのか注目だが、一番可能性が高いのが、バレーと播戸の2トップ、ルーカスの右SH、山崎の途中出場という使い方に落ち着きそうだ。

バレーはこの日の先制点で、遠藤に絶妙のヘディングパスも送っており、G大阪らしいアシストの動きも出てきた。
しかし、周囲の雑音を封じ込める為にも、得点という明確な結果を示し続けるしかない。
それが、エースとして、「柱」としてガンバで課せられた責任の重さだ。

4.倉田初出場

ちょっと遅いくらいだ。
動きの悪いバレーに変わって、倉田が今シーズン初出場を果たした。

残り時間8分くらいしかなかったが、ルーカスに変わってSHに入った彼のコンディションは非常に良いらしく、3度ほどチャンスに絡んだ。
2つはシュートまで演出できずに終わったが、1つは得意のドリブルとフェイントで最後までシュートに行き決定的な形になった。

今、G大阪のベンチ入りメンバーを見ると、攻撃的なMFが3人いる状態にある。
佐々木と、寺田、そしてこの倉田だ。

西野監督としては、彼らを投入する時は、守備のリスクが上がる事を覚悟している様子で、点を取りに行きたいという思いがある時に起用されている。
その中で、交代時における西野監督の指示を見てみると、寺田にはボールキープによるタメ、佐々木にはサイドでのドリブルからの高精度クロス、倉田にはドリブルからの突破やラストパスやシュート等を主に期待しているように感じる。
この3人を戦況や相手の状況に応じて使い、局面を打開したいようだ。

しかし、この3人は今の所、誰かが突出している状態にはない。
それぞれの持ち味はあるものの、途中交代で使うカードとしては、まだ破壊力に欠ける。

良い意味での競争が繰り広げられていると考えるなら、出場した時のプレーにどれくらい必死さが見えているかを注目していきたい。
この日の倉田は、良い仕事もしていたが、マイボールを失った時の攻守の切り替えが遅く、時間も少なかったのだからもっと必死にボールを追って欲しかった。

「3人の中で俺が一番仕事ができる」という自己主張をお待ちしております(笑)

・・・・・・・・・・・・・・・・

レビューは、以上です。

いよいよGWに突入。
スタジアムには、多くの観客が足を運んでくれることでしょう。

逆に、ハードな連戦でもあります。
G大阪は、アウェイであるタイへの遠征も含まれており、コンディション作りが大切になってきます。

加地選手や播戸選手の復帰も期待される中で、柔軟な選手起用で各選手の疲労を分散するような監督の采配も期待したいと思います。

この連戦では、今シーズン非常に印象的で良い戦い肩をしている大宮や名古屋と戦う事になるので、楽して勝てる試合はありませんが、勝利を手にしたいと思います。

特に今の名古屋はG大阪が止めて見せたいですね^^

posted by じゃんぼ^^ |10:50 | 2008ACL レビュー | コメント(10) | トラックバック(0)
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2008 ACL 第4戦レビュー メルボルン・ヴィクトリー戦(H) 「完璧な勝利」 Vol.2

確かに完勝ですが
なんかガンバっぽくない。
鹿島とかみたい。
早く「怒涛の攻撃」を見たいものです。
日本一しょぼいスタジアムで日本一おもしろいサッカーを
してほしいです。
ちなみに日本一素晴らしいスタジアムで
日本一おもしろくないサッカーをしている
チームもあります。うまくいかないものですな。
名古屋には近年ずっと相性がいいような気がします。
ピクシーは攻めてくるので
ガンバの良さも引き出されそう。

posted by b4zep | 2008-04-24 11:48

2008 ACL 第4戦レビュー メルボルン・ヴィクトリー戦(H) 「完璧な勝利」 Vol.2

快勝おめでとうございます。
こちらは駄目でした。まぁ、ある程度想定はしていましたが。

グランパスを止めてもらいたい一方で、ガンバに勢いに乗られるのも困るわけでして・・・ここはひとつ引き分けで(笑)

posted by 鹿 | 2008-04-24 11:59

2008 ACL 第4戦レビュー メルボルン・ヴィクトリー戦(H) 「完璧な勝利」 Vol.2

>b4zepさん

鹿島っぽいって表現なんとなくわかります(笑)

他のチームにとっては、喜ぶべき表現なんでしょうけどね^^;

G大阪サポとしては、「そこは違うんよねぇ~」って感じですね。

俺も、なんていうか、「いてまえサッカー」を早く見たいです。

それはそうと、名古屋戦が楽しみで仕方ないです。
相性もありますけど、今の名古屋と最も美しい攻防を繰り広げられるチームはG大阪しかいないと勝手に思ってるんですよね。

その為には、鹿島っぽくなってもらっては困るんですけどね(笑)

>鹿さん
ありがとうございます。
鹿島は残念でしたね^^;
まぁ、得失点差があるので、大丈夫とは思うんですけど、逆にアウェーでも引き分けは許されない状況になったのは、痛いですね。

ご心配には及びません。
鹿島の為にも、赤鯱の快進撃は、見事に止めて見せます(^^)/
そして、勢いに乗らせてもらいます。

あ~楽しみ。
豊田スタジアム♪

posted by じゃんぼ^^ | 2008-04-25 13:06

2008 ACL 第4戦レビュー メルボルン・ヴィクトリー戦(H) 「完璧な勝利」 Vol.2

「高い最終ライン」やりきってくれましたね。正直、ここまで出来るとは思いませんでした。背の高い相手には、有効だと判ってはいてもオフサイドの駆け引きに負ければ独走を許すリスクもあったのに、CBの山口・中澤がよくぞやりきってくれたものです。
これをJリーグでもやってもらいたい気持ちもあるけど、次節の相手、名古屋にもできるかというと、難しいんでしょうね。特に杉本が出ている場面で、はたして勝負できるんだろうか? 楽しみでもあります。

posted by GA | 2008-04-25 22:09

2008 ACL 第4戦レビュー メルボルン・ヴィクトリー戦(H) 「完璧な勝利」 Vol.2

訂正
名古屋戦は次節じゃなくて、次々節の第10節でした。

GW過密日程ですね。

posted by GA | 2008-04-26 13:43

2008 ACL 第4戦レビュー メルボルン・ヴィクトリー戦(H) 「完璧な勝利」 Vol.2

>GA

G大阪の戦術上、高い最終ライン=コンパクトな3ラインは必要なんですが、メルボルン戦は特に高かったですね。

ただ、あれはメルボルンだからできたライン設定でもあります。

これからのリーグ戦でも、基本的にはラインを高く維持しようとするでしょう。
けど、ゲームの組み立て能力が良く言っても、J2レベルのだったメルボルンとは違い、国内のリーグ戦では、もう少しバランスをとったり、繊細なラインコントロールを必要とするでしょうね。

神戸はカウンターが鋭いチームですし、大宮は小林大悟という質の高いパサーがいます。名古屋もマギヌンがいるので、プレスが簡単には利かない場面も出てくるでしょうね。

けど、まぁ、大切なのはそれが理由でラインを下げたりしない事だと思います。
基本的に、点を取る為の守備ラインなんですから^^

posted by じゃんぼ^^ | 2008-04-26 15:25

2008 ACL 第4戦レビュー メルボルン・ヴィクトリー戦(H) 「完璧な勝利」 Vol.2

脱線話なんですけど、ACLで鹿さんの足が、カモシカの足(大根足)になっていたように感じたんですけど、あれって何だったんでしょう?
ピッチの状態が、全てを狂わしたんでしょうか?

posted by GA | 2008-04-27 03:17

2008 ACL 第4戦レビュー メルボルン・ヴィクトリー戦(H) 「完璧な勝利」 Vol.2

>GAさん

あるいは、疲労でしょうね。

調子がいい時はチームは、飛ばしてしまいますし、精神的に感じるよりも肉体的な疲労が重い場合がありますからね。

つくづくACLとの掛け持ちの難しさを考えさせられます。

posted by じゃんぼ^^ | 2008-04-28 10:02

2008 ACL 第4戦レビュー メルボルン・ヴィクトリー戦(H) 「完璧な勝利」 Vol.2

>あるいは、疲労でしょうね。

そうですよね、やっぱりそう思いますよね。
大宮戦の後も監督が選手が疲れているというような発言もされてますし・・・。
でも、何かそれだけではないような・・・大気汚染なんて線も浮かんできたりして・・・。^^;

>つくづくACLとの掛け持ちの難しさを考えさせられます。

ほんと、鹿島であれですからね。次の敵地でのチョンブリ戦、引き分けでも勝ち抜けなんて思っていると痛い目にあいそうです。
最終戦はホームだけど、全南だからモチベーションは落ちないだろうし、チョンブリが1次リーグ敗退の決まっているメルボルンと対戦することを考えると、次のチョンブリ戦で、ぜひとも決めてもらいたいものです。

posted by GA | 2008-04-28 23:13

2008 ACL 第4戦レビュー メルボルン・ヴィクトリー戦(H) 「完璧な勝利」 Vol.2

>GAさん

アウェーと言う事で、芝の違いもあるでしょうしね。
ボディーブローのように色々な要素が、知らないうちに蝕むんでしょうね。

ACLはなんとしても最終戦前に決着をつける必要があります。
多くの意味で。
なので、チョンブリは勝ちを狙いに行く気合が絶対に必要ですね。

posted by じゃんぼ^^ | 2008-04-30 00:32

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