2008年06月07日

前半戦分析 6.各チームの前半戦中の反則数&警告数 Vol.2

Vol.1からの続きです。

3.現在進行形の証明

では、逆にファウルの数は多いのに、警告はなぜか少ないという「マリーシア?(笑)」全開のチームはあるのでしょうか?
それに該当しそうなチームが、FC東京と名古屋です。

特に名古屋の警告数少なさは、驚きです。
今年の名古屋には、攻撃時のアグレッシブなリスク管理が特徴の一つで、リスクを計算しつつも攻撃時には思いきって人数をかけて「攻めきる」意思の強さが伺えます。
しかし、当然全ての攻撃が「攻めきれる」わけではありませんし、パスミスや跳ね返されたボールから逆襲を食らう事もあります。
ところが、今年の名古屋は、見違えるように攻守の切り替えの早さも持っています。
それは各選手が自分にどんな責任が課せられているのかをよく理解している証拠でもあると思いますが、その分相手ボールになった瞬間のプレッシャーは、柏に匹敵するほどの激しさです。

ただ、柏は既に石崎サッカーが各選手に深く浸透しており、その分だけファウルを受けないプレッシャーの術も会得しつつあります。
その点、ファウル数が多いのは、名古屋がまだ成長途中にある事を示しているのかもしれません。

しかし名古屋は、比較的相手陣内に攻め込めている事が多く、例えボールを奪われても、相手ゾーンでファーストプレスをかける事ができるチームなのではないでしょうか?
その相手ゾーンで犯すファウルは、警告を受けにくく、また相手の攻撃時の勢いを殺ぐ効果もあります。
ストイコビッチ監督の指示で、あえてそういう戦い方をしているような気がしてなりません。
多くのファウルをその付近で獲得してきた監督だからこそ、「PA付近での無意味なファウルをするな」という実感のこもった指示が、選手に大きな説得力をもたらしているのかもしれません。
非常に「上手く」戦ったチームだと思います。

もう一つは、FC東京です。
もともと城福監督は、非常にファウルを嫌う監督というイメージを私は持っています。
彼は「全員攻撃、全員守備」が基本にあるので、守備時には複数人で囲い込んでボールを奪取する為の守備タスクがある事がこの数字に繋がっているのではないかと推測します。
ボールへのプレッシャーは当然かけますが、プレー選択の順位として、ファーストアタックは「ディレイ(遅らせる)」をルールに置いているように感じます。
なので、警告をもらうような守備の必要性がそもそも低いのではないでしょうか?

また、もう一つ考えられるのが、今野、羽生、藤山、浅利といった選手のボール奪取が上手い選手が多い事もあるのではないでしょうか?
特に今野のボール奪取技術は非常に高く、さらに素晴らしいのは、それがノーファウルになる事が多い点にあります。
NHKのインタビューで、「あえて相手に一度ボールを触らせた上で、そのファーストタッチを狙う」という奪い方のコツを答えていました。
その特徴自体は、人によっては「当たり前」と言う人もいましたが、それをJ1のプレースピードの中で、あるいは海外の選手に対して「駆け引き」を行いながら実行しているレベルの高さが、この選手のスゴさなのではないかと思います。
そういう上手い選手の多さも、警告の少なさに繋がっているのではないかと思います。

ただ、このチームも名古屋と同じで、まだその戦術を理解している途中段階なので、肝心のファーストディレイの質が悪かったり、判断が悪い場合も多く、ファウル数が比較的増えているのかもしれません。

4.クリーンファイトの代償

今度は、全体的な傾向を見るために、上記の表を順位順に並べ替えてみました。

13

全体的な傾向としては、ファウルの多さや警告の多さが、順位に大きく関係はしていないように思えます。
一試合の中で、不利な判定を受けたりした上で、結果的に敗戦してしまう事はあるでしょうが、全体的な期間で見た時に、ファウルの多さや警告の多さが、順位に結びついているような傾向は見られませんでした。

ただ、これは人の見方にもよるのかもしれませんが、いわゆる「クリーンに戦う」と言われるチームは、当然ファウル数も警告数も少ないのですが、中位に留まっているのではないかと思います。
首位の浦和や5位の川崎Fは警告数が多く、逆に2位の名古屋、3位のFC東京、4位の柏は反則数が多い傾向にあります。

逆に、鹿島、大宮、G大阪、横浜FM、また下位に低迷している清水などもクリーンなサッカーをしているともいえる数値を残していますが、彼らは上位に食い込めていません。
ファウルをする事が必ずしも良い事では無い事は確かですが、時に見せるダーティな一面と闘争心は「表裏一体」でもあるといえます。
そして、そうそういう闘争心を前面に出すチームが、結果的に上位に位置して終わった前半戦だったのではないでしょうか?

G大阪などは、去年Jリーグアワードでフェアプレイ賞を受賞しており、、その受賞式で西野監督が「本当はもっと激しさも求めているんですが・・・」と賞の存在意義もすむコメントをしてました(笑)
G大阪のサッカーは、比較的ガツガツした玉際の激しいサッカーをする印象はありません。

それよりも、狭いゾーンに追い込んで囲い込んだ上で、わざとパスコースを開けて苦し紛れのボールを出させたり、オフサイドトラップを積極的に仕掛けて非接触でのボール奪取を好む傾向があります。
そうする事で例えばカウンター攻撃の頻度や中盤の支配率の向上、怪我や出場停止の防止を目的としているからなんだと思います。
その傾向はG大阪ユースでも同様で、守備時にガチガチにファイトする選手が少ない傾向にあります。
これは印象ですが、高テクニック集団の中ではそういう泥臭いプレーを好まない(カッコ悪い?)という雰囲気があるのかもしれません。

私個人の意見としては、理想的な守備イメージを追求して欲しいと思っていますが、その根底にある闘争心をどうプレーに昇華させるのか?はとても大切な事だと思っています。
観客としても、芸術的で創造性溢れるプレーにも大きな感動を感じますが、気迫と覚悟溢れる魂のプレーにも心奮わされるものです。
だからこそ、G大阪でシジクレイが愛されたわけですし、播戸を兄貴と慕う人が多いわけですし、中澤に惹かれはじめた人も増えてきたのではないでしょうか?
彼らのプレーには、華は無いのかもしれませんが「勝ちたい」という想いは溢れ出しています。

もし優勝するようなチームに、そういう「魅せる闘争心」が必要なら、今のG大阪に最も欠けている要素の一つなのかもしれませんね。



今回の分析は以上です。
お付き合い頂き、ありがとうございましたm(__)m

次回は、今回の反則数や警告数にも関わった、審判問題についての私の考えを書いてみたいなと思っています。

・・・とうことで、前半戦分析から少し外れます。

とはいえ、私個人で収集して手を加えたデータを使った分析は、今回で最後になります。
ただ、他の雑誌やネット上のデータの中で面白い数字があれば取り上げてみたいと思っています。
「前半戦分析 おまけ編」です。

では!また、良かったら読んでみてください^^


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posted by じゃんぼ^^ |13:48 | 2008 前半戦分析 | コメント(4) | トラックバック(0)
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前半戦分析 6.各チームの前半戦中の反則数&警告数 Vol.2

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カウンター守備のファースト・ディフェンスという意味合いだったんですが(また、言葉足らず^^;)、この場合でも囲み守備(遅らせる守備)でいいものでしょうか?
1対1の守備力が弱くてもファールなら止めれるだろうという場面も多々あるような・・・。
こういう姿勢が良いのかどうかは別にして、海外チームと対峙するには必要じゃないかな。

posted by GA | 2008-06-10 20:28

前半戦分析 6.各チームの前半戦中の反則数&警告数 Vol.2

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>JJさん

サッカーの話をする時に、私もよく印象で話をします。
それはそれで、大切なものの見方だとはおもうんですが、実際の数字ではそれほどでもないケースもあると思うんです。

サポ的には感情移入していたり、一つの激しいプレーが全体の印象に置き換わってしまう事は、人間の心理面ではよくある事ですからね。

今回は、そういう見方もあるのでは?という視点の提供ができれば、と思って書いてますので、JJさんのように新たな発見をしてもらえたのは、書いた甲斐があります。
ありがとうございます。

>GAさん

G大阪の守備って、ファーストディフェンスで潰すのが優先ではないですよね。
どちらかと言うと、FC東京に近いタイプで、いかに囲むか?の方が大切にされてます。

どちらが良いのかは、議論が分かれるのかもしれませんね。
1対1の守備力の強い選手が少ないG大阪の事情もあるのではないかと私は考えています。

どっちにしろ、今のG大阪は、運動量自体が少ないような気もする中で、ファーストディフェンスに行っても、うまく周囲が連動しない事が、今の難しさにあるのかもしれません。

posted by じゃんぼ^^ | 2008-06-10 18:34

前半戦分析 6.各チームの前半戦中の反則数&警告数 Vol.2

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ファースト・ディフェンスで、潰さないとね。
こういうのは監督が指導できないのかな?と常々思ってた。

posted by GA | 2008-06-08 22:07

前半戦分析 6.各チームの前半戦中の反則数&警告数 Vol.2

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名古屋はそんなに反則をしているイメージはないですけどね。対して浦和は細貝などのハードマーカーが多いのでもっとファウルをしているような気がしていたんですが、やはりイメージと実際の数字は合致しませんね。浦和は守備のイメージが強くてもゴール数もJリーグ1位ということからもそれが言えます。

posted by JJ | 2008-06-07 17:21

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