2008年06月03日

前半戦分析 5.各チームの前半戦中の変化分析

前半戦分析も残り少なくなってきました。

今回は、前の記事で使った、各チームの攻守関連データまた使いました。
注目するのは、前半戦中にチームがどう変わったのか?という部分です。

あくまで数値上からの推測になりますが、1試合の平均得失点や決定力、失点率が、7節時点から最後の13節までにどう変化したのかをまとめてみました。

元データは、前に書いた以下の2つの記事になるので、そちらを参照くださいね。
・各チームの攻撃関連項目
・各チームの守備関連項目

1.各チームの前半戦中の変化分類

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細く説明しますね。
・各チームの7節時点と13節時点の平均得失点、決定力、失点率の差を元に、私の主観で4象限に分類しています。
・1試合平均得点と決定力の項目を合わせて「得点力」、1試合平均失点と失点率の項目を合わせて「守備力」と考えています。
・チーム名の横にある数字は、各項目の13節時点でのランキングで、「平均得点→決定力→平均失点→失点率」の順番に並べてみました。

2.5つに分類された傾向

各チームの変化を見ていくと、5つの傾向に分類できるのではないかと思います。

a) 得点力も守備力も上がった
   →東京ヴェルディ、アルビレックス新潟

b) 得点力は上がったが、守備力は下がった
   →浦和レッズ、川崎フロンターレ、大宮アルディージャ、ガンバ大阪、コンサドーレ札幌

c) 得点力は下がったが、守備力は上がった
   →FC東京、ジュビロ磐田、ジェフユナイテッド千葉

d) 得点力も守備力も下がった
   →名古屋グランパス、鹿島アントラーズ、京都サンガFC、ヴィッセル神戸

e) 得点力に大きな変化がなかった
   →柏レイソル、横浜Fマリノス、大分トリニータ、清水エスパルス


a) 得点力も守備力も上がった
東京Vと新潟は、共にスタートダッシュに失敗したチームです。
両チームとも、攻守に改善が見られたという結果になっていますが、それでも各項目のリーグランキングは決して高くありません。
いかに最初の結果が良くなかったかと表していると思います。

東京Vは、フッキの加入でチームとしての戦い方が大きく変わってしまいました。
フッキが加入した事で、得点力は大きな上昇がありましたが、守備面はまだ大きな改善課題が残されています。
攻守が完全に分断されたチームから、攻守に連動できるようになれば、守備力も上がってくるのかもしれません。

新潟は、東京Vとは間逆で、攻撃に大きな課題があります。
しかし、守備力はかなり計算できる状態になっており、フィニッシュの課題を大きく抱えています。
エジミウソンの抜けた穴をどう埋めていくのか?という今年の開幕前から分かっていた課題を前半戦中に鈴木監督は解決できていないように思えます。


b) 得点力は上がったが、守備力は下がった

ここには、比較的上位に位置しているチームが入ってきました。
どのチームも前半戦を戦っていく中で、「どう点を取りに行くか?」を模索して戦ったチームです。
その課題に対して、チームの差はあるものの、一定の結果を導き出せたチームになると思います。
しかし、その模索の過程で浦和以外は、守備リスクとのバランスの構築に苦労したチームになるのではないかと思います。

特に、川崎、G大阪、札幌は、そのバランスとリスク管理に苦労した印象があります。
札幌は堅守がアイデンテティだっただけに、J1で戦っていく為の攻撃面の課題解決意識が、高くならざるを得ませんでしたね。
しかし、その影響で自慢の守備に綻びが出始めているのも、非常に気がかりです。
個の力でどうしても劣ってしまう中で、まだ札幌として答えを見つけ出せておらず、この中断期間でそのチームの根幹を固めないと、徐々に攻撃面にも影響が出てしまう悪循環に陥ってしまう危険性を感じます。

大宮は、まさに「現在進化中」という前向きな模索が続いているんだなと改めておもいますね。

c) 得点力は下がったが、守備力は上がった

一方、前半戦中に得点力が下がってきたチームも出てきました。

FC東京は、非常にドラマチックな試合が多い劇場型のサッカーを当初展開していました。
大宮と同じで、城福監督のチーム作りに模索が続く日々の中で、前半戦の序盤は点も入るが、失点もする大味な結果が多く、選手のコメントからも手応えと課題が両方聞かれる試合が続きます。
スタメンも毎試合少しずつ入れ替えるという、試験的な選手起用も多かった影響があったのかもしれません。

しかし、浅利を起用し始めた頃から、徐々にバランスが取れるようになって、守備の安定感が出てくるようになりました。
攻撃面に関しても、大量得点を獲る試合がなくなった代わりに、カボレや赤嶺がコンスタントに活躍するようになり、そこに羽生やアイドル大竹も連動し始めてきました。
新しくスタートした大宮と同じで、そのチーム作りにポジティヴな進化が見られた前半戦でした。

逆に深刻なのが、磐田と千葉です。
磐田は、前田の怪我の影響が非常に大きく、ゲームが作れない試合が多かったように思えます。
今の磐田は、完全に迷走しており、前田の復帰をチーム力に昇華できないまま前半戦を終えてしまいました。
前の記事でも書きましたが、内山監督の監督力と、フロントのマネジメントに問題を感じざるを得ません。

千葉は、クゼ監督も決して楽な仕事ではなかったとはいえ、監督としてなんら影響を与えることなく去ってしまい、チームを危機的な状態に追い込んで去ってしまいました。
しかし、おそらくは、水面下で着々と新監督選定が進められていた努力が報われ、ミラー監督の招聘に成功。
明確なコンセプトを持ち込み、とりあえず守備に関しては明るい兆しが見えてきました。
以前、巻を含めた攻撃陣に課題は大きく残っていますが、やっとそこに手がつけられる段階になってきたように思えます。
昼田GMを中心にした新しいフロントは、非難を浴びながらも、少しずつ仕事をしており、最下位からの脱出に向けて、着々と準備を進めているように思えます。

d) 得点力も守備力も下がった

一方、前半戦中にチーム力が下がってきたところもありました。
ただ、その内容をよく見ると、もともと高いレベルにあったチームとそうでないチームがあることが分かります。

名古屋や鹿島は、序盤から非常に完成度の高いレベルの攻守バランスを披露しており、13節終了時点でそれが多少下がってきた傾向が見られるものです。
鹿島は連戦の疲労、名古屋は研究されてきた事によって、下がってしまったと思われます。

対して、京都と神戸は、苦労の多かった前半戦になってしまったように感じます。
京都は、出だしは良かったものの、中心選手が怪我人や出場停止になった事が多く、徐々に失速していきました。
特に、問題となった新潟戦以降に調子を落としていき、相手チームに合わせた対策をとりつつ、堅守速攻のチーム作りを進める中で、奮戦はするもののなかなか結果が出ない試合が増えてしまった事が、この結果に繋がっているようです。

神戸も、出だしは完璧に近いカウンターサッカーを披露し、松田監督の集大成とも言えるチーム作りに成功していました。
ところが、大きかったのがレアンドロの怪我です。

この影響が想像以上に大きく、あれほどの鋭さと美しさを誇ったサッカーが崩壊。
点が取れないというか、カウンターそのものに鋭さや前への推進力を失ってしまい、点が取れない試合が激増。
それに伴い、自慢の守備がこらえきれずに失点してしまう悪循環に陥りました。
なんとか、松田監督の手腕で、ギリギリの所で踏みとどまった神戸ですが、その頃には前半戦終了となってしまいました。
後半戦には、自慢の2トップが帰ってくるはずです。
ベースはほぼ完成しているので、選手さえ揃えば、上がっていけるチーム力は持っています。

e) 得点力に大きな変化がなかった

ここに分類されたチームは、基本的に得点力に大きな変化が無かったチームです。
しかし、守備面に関しては、チームによって少しずつ特徴がありました。

柏は守備力が上がったチームなんですが、特徴としてシュートは打たれるんですが、失点はしないようになったという意味での守備力上昇です。

柏は序盤戦に、持ち前のハードワークなプレスをよく発揮していたのですが、試合途中で息切れしてしまい、失点する傾向がありました。
しかし、石崎さんの信念は揺るがず、その戦い方に磨きをかけ、精神的にも肉体的にも試合終了まで集中した守備をするチームにしていきました。
怪我人が続出したチーム事情や所属選手の逮捕という悲劇にもめげず、逆にサポーターと共に乗り越えようと、さらにチーム一丸となって戦った事も賞賛に値しますし、それがチームを強くしていったようにも感じます。

また、GKが菅野に交代した事も失点しなくなった事に大きく貢献したのではないでしょうか?
このGKのポジショニングの良さと反応の鋭さは驚異的で、昨シーズン所属した横浜FCでも、彼がいなければさらに大量失点していたであろう試合はいくつもありました。
柏への移籍は、リスクもあったでしょうし、実際に最初は南という柏での絶対的存在が、壁として立ちはだかっていましたが、腐らずにトレーニングを積んでいたんだと思います。
でなければ、あのパフォーマンスは発揮できないでしょう。
後半戦、GKをどちらで行くのかは迷う所ですが、数値上の結果では、菅野の方が結果を出しています。
柏サポはどちらを望むのでしょうね?^^

大分も徐々に守備力を整備していったチームです。
もともと、チームとしての戦い方のベースは出来ているのですが、森重を最終ラインの中心に起用した事や、高松の怪我もあり、前線のFWがなかなか固定できなかった事もあって、いい試合をするが、ケアレスミスでの失点が多く、勝利に繋げられない序盤戦になっていました。

しかし、その森重と両ボランチを中心にした守備に、徐々に安定感が出てきた事で、粘り強く勝ち点を手に入れていく事に成功していきます。
攻撃陣でも、19歳の金崎やウェズレイを中心に奮闘し、少ない決定機を確実にモノにしていったのですが、やはり大分がこの順位に位置しているのは、守備陣の踏ん張りが大きかった前半戦です。

後半戦は、怪我人が戻ってくる事が予想されます。
家長の復帰時期が、まだはっきりしませんが、8月頃までに復帰できれば、大分にとって大きな戦力になるでしょうし、家長自身もモチベーションもかつて無い高さにあると想像されます。
家長をシャムスカがどう使いこなすのか?19歳の金崎との夢の競演も非常に楽しみです。

一方、前半戦を通して、得点力も守備力もほとんど変化が見られなかったのが、清水です。
ほんの僅かながら守備力が上がっていますが、もともとの地力から言えば、最初が悪すぎたと言えます。
それでも、守備力項目のランキングは、良いとは言えません。
磐田と共に完全に、チームを作りそこないました。
今シーズンこそタイトル争いに殴りこみをかけるべく、満を持して外国人助っ人を獲得しましたが、これがことごとくフィットするのに苦労してしまい、当初の計画が土台から崩れたまま、ほとんど立て直す事ができずに前半戦を終えてしまいました。
何より痛かったのが、このチームの要となるFWとボランチが、開幕直前前決まらなかった事です。

もともと、サイド攻撃に持ち味がある清水は、軸となる得点力の高いFWの存在が絶対不可欠です。
しかし、外国人FWだけでなく、期待の矢島や西澤も、待ったく結果が出せませんでした。
特に矢島には、長谷川監督も大きな期待を寄せていたはずなんですが、残念ながらその期待は裏切られています。

また、兵頭が戦線離脱して事も、長谷川監督を苦しめました。
この影響で、伊東を右サイドで使わざるを得ず、ルーキーの本田をワンボランチと言う非常にデリケートな部分で起用する事になり、序盤は磐石だった守備にほころびが出てしまう事もあり、そのフォローに伊東が走り回る事で、攻守のバランスがさらに不安定になるという悪循環も招いてしまいました。
幸いだったのが本田の能力の高さで、徐々に清水の戦術理解度が高まるにつれ、守備が安定し始めます。

ただ、清水の得点力への課題は、未だに継続中であり、新しい戦力の獲得も無さそうなこの中断期間に飛躍的に向上するのでしょうか?
セカンドストライカー的な要素の大きいマルコス・アウレリオが、飛躍的に点を取るとは考えにくく、長谷川監督の中でどう立て直すのかは注目されます。

ある意味この前半戦で一番もどかしかったのは、横浜FMではないでしょうか?
序盤は素晴らしい守備と中盤の攻撃力で、スタートダッシュに成功し、優勝戦線に絡む有力候補とも思えました。
その中で、ロニーがなかなか結果が出ない試合が続きながらも、山瀬の素晴らしい得点力でそれをカヴァーしていました。
そのロニーも結果を出し始めますが、作り出す決定機をなかなかモノに出来ない試合が出てきます。
いい試合をしながら結果がついてこないと、徐々に歯車が狂ってくるのがサッカー界の常です。
自慢の守備が持ちこたえられない試合が出始めます。

中澤は、その原因を一刀両断しています。
「チームが戦っていない」と。
なぜそういう風になってしまったのかは、難しい判断だと思いますが、私は守備力への過信があるのではないかと思います。
過信と言う表現が適当なのかはわかりませんが、守備に対しての絶対的な自信が、受け身な精神傾向を生んでいるようにも見えます。
本来彼らのチーム力なら、試合の主導権を牛耳る事もできるはずなのですが、「守れる」という安心感が、積極性を奪っているのではないでしょうか?

ほんの僅かな個々の選手の油断や試合の入り方の悪さ等が、結果としてチームを中位に甘んじさせているような気がします。
今の横浜は、先制されリトリートした相手を崩す力がまだありません。
にもかかわらず、一律にどの対戦相手に関しても、「まず守備から」と言う意識が悪い方向へ作用している事で、失点をしてしまうケースが見られた前半戦だったのではないか?と思えます。

また、重要な試合で、攻撃陣が決定機をモノに出来ずに、敗戦を喫してしまった勝負弱さも見せてしまいました。
そういう重要な試合で、引き分けに持ち込めていたら、もっと良い順位で終える事ができたのではないかと思えます。

良い選手、良い監督、良い環境があるだけに、言い訳の出来ない、勝てないフラストレーションが溜まった前半戦でした。


今回の分析は以上です。
短くなるかもとか言いながら、またもや、長い文章になってしまいました^^;
お付き合い頂き、ありがとうございましたm(__)m

次回は、各チームの反則数と警告数にに注目してみたいと思います。
前半戦で巻き起こった審判問題にも触れながら、私の考えを書いてみたいと思います。

・・・とうことで、「6.各チームの反則数&警告数」です。

では!また、良かったら読んでみてください^^


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posted by じゃんぼ^^ |15:30 | 2008 前半戦分析 | コメント(2) | トラックバック(0)
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前半戦分析 5.各チームの前半戦中の変化分析

コメント投稿者ID :

>123さん

すみませんm(__)m。

修正しました。

ご指摘ありがとうございます。

posted by じゃんぼ^^ | 2008-06-04 04:29

前半戦分析 5.各チームの前半戦中の変化分析

コメント投稿者ID :

大宮アルビレックスではなくアルディージャです。

posted by 123 | 2008-06-03 22:01

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