2007年07月31日

100分の1の奇跡

緊迫する8つの表情

それに呼応する客席からの声援

手に汗握るペンを持つ右手

そして始まる、コンマ1秒の戦い




100メートル自由形男子決勝。それは肉眼では判断しかねる、まさに記録の世界。
その1分にも足らない勝負に近畿大からは2人の若き選手が出場した。

3コース 1年 山本悠太
6コース 2年 川下淳太

電光掲示板に表示された名前とともに、近畿大応援席の熱気も最高潮に達していた。

8人の選手たちがゆっくりとスタート台に上り、審判の「用意」の掛け声で、時間が止まる。

耳が痛いほどの声援は静まり返り、8人の動きもなくなった。

そしてスタートを意味する電子音が場内全体に響き渡ると同時に8人は戦場に飛び込み、会場はまた人の声とメガホンを叩く音で満たされた。

戦況はほぼ横一線。白い水しぶきは50メートルのプールを見る見るうちに横断し、折り返しを迎える。

電光掲示板が告げる中間報告。3コース山本は暫定1位。一方の6コース川下は6位と少し出遅れた。

ますますヒートアップする後半戦。このまま逃げ切りを計る山本と怒涛の追い上げにかかる川下。2人の戦意は交錯し、それがほかの選手にも飛び火するかのように横一線は保たれた。

あともう少し、もう少しだけゴールが先ならば。行方の分からない勝負にみながそう感じた。

ラスト25メートルを迎えたとき川下が勝負を仕掛ける。腕一本分ほどの差はぐいぐいと押し上げられ、先頭との距離はほぼ0に。

そのままラスト10メートル、5メートル…あとひとかき、と知らず知らずにカウントし、

そして奇跡は起きた。

選手たちが最後の壁にタッチし、見上げる先は電光掲示板。

戦況を見守る全ての者がそれを見た。

同時に表示された数字、それはコース3と6の欄の2つの1という順位と2つの52.53のタイム。

誰もが一瞬自分の目を疑い、言葉を無くしたであろうこの数字は、敵味方関係なく会場を沸かせるのに十分な結果であった。

プールから上がり手を取り合う2人の奇跡の創造者。
その笑顔は次の戦場、全日本選手権でも輝かせてくれるだろうか。

奇跡ではなく、絶対の結果を与えてくれるだろうか。

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posted by asami |01:19 | コラム | コメント(2) | トラックバック(0)
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2007年07月05日

総理大臣杯全日本サッカートーナメント 1回戦 近畿大学vs愛知学院大学

13年ぶりに手にした全国という舞台。決して偶然などではなく必然、自分たちが成し遂げてきた末の堂々たる報酬なのだ。そう言い聞かせた自信と確信を胸に、われらが関西の地で愛知学院大学を迎え撃つ。

愛学大の応援が響き渡る中、全国大会初戦の火蓋が切られた。

試合開始直後から近大は積極的に展開し、キャプテンの馬場賢治を中心に試合を組み立てる。しかし前のめりになり過ぎたフォーメーションの穴を付かれることとなり、空いたスペースから放たれたシュートが一度はGK井上幸祐が足に当たり、そのボールがまたポストに直撃してセーブしたものの、こぼれた球に反応した愛学大FW築館秀飛がつめてシュート。ボールはゴールの左隅に吸い込まれ、先制点を許してしまう。

しかしこの日の近大イレブンはいつにもなく落ち着きと冷静さを保っていた。前半29分、馬場のサイドの上がりからクロスを上げ、FW小笠原宏樹が胸で落とすポストプレーから最後はFW江口正輝がゴール。早々と同点弾を奪った。

『追いつけ 追い越せ』の勢いは止まらず、その直後に馬場のCKを小笠原がヘディングで合わせて逆転すると、前半終了間際にはMF小野浩次のゴールで引き離し、いい形で折り返す。

運命の後半。雨がぽつぽつと降り出すとともに、試合での雲行きも怪しくなる。後半9分にFKから得点を奪われると、続く17分にはまたもや近大DFのミスから裏にボールを出され、フリーで待っていたFW菊池雄真のシュートで同点にされる。

あっという間に追いつかれた近大。しかしこの日の自信は本物だった。

同点弾を浴びたわずか3分後に馬場のCKからDF足立裕紀のヘディングが決まると、それを機に近大の攻撃は息を吹き返す。おもしろいようにワンタッチのパスが繋がり、ダイレクトプレーで相手を翻弄。ダメ押しの馬場のループシュートは観客を魅了し、会場の時間の流れを止めるかのようだった。

このまま試合はピリオドを打たれ、5-3で勝利し2回戦進出。しかし多くの得点を奪った反面、代償も大きかった。

「初戦勝てたのはよかったけど3失点もしてしまうのはよくない。入りが悪かったが立て直せたのはよかった」。馬場はこれからの課題を語りつつも嬉しさを隠しきれない表情で語った。

田中幸雄監督は「点を取ったことで気が緩み、いらない失点をした」と話したが「選手を信じていた」という言葉を何度も口にし、選手への信頼をあらわにした。

迎え撃つは仙台大学対法政大学の勝者。「どっちがきても精一杯やるだけや」。田中監督の大阪弁ができるだけ長く聞いていられることを期待している。

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posted by asami |13:20 | 近畿大学 サッカー部 | コメント(2) | トラックバック(0)
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