2009年05月23日
中国体操のプリンスが反旗?引退宣言に世論沸騰
最近、また中国スポーツが熱くなってきた。 北京五輪で活躍したアスリートたちの現況が次々と伝わってくる。実は、その中には、五輪後に引退することを明言した選手たちも含まれている。すでに、アスリート憧れの国家代表として、五輪でメダルを取り、大歓声に包まれて、自らの競技人生にピリオドを終えた・・・と思われた選手たちだ。 五輪で有終の美を飾った「お騒がせセクシーアスリート」の郭晶晶も春の海外遠征を終え、5月21日には、西安での国内大会に出場し、調子が悪いながらも優勝を飾り、女王ぶりを発揮している。 実は中国においては、五輪は「引退試合」ではない。アスリートたちは、五輪を戦い終えた後、翌年に行われる「全国運動会」に自らが所属する省・市・自治区代表選手として出場し、故郷に「恩返し」をするのが“不文律”となっているのだ。先ほどの郭晶晶が出場した国内試合も、その全国運動会の予選である。 今年10月、山東省で全国運動会が行われる。その重要性、意味合いについては、ブログ記事の前のエントリーを見ていただきたい。 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/514 そして、中国のアスリートは、現役生活の最後を飾る場として、決して五輪ではなく、国内大会である全国運動会を選ぶ。それが、自らを幼いころから多額の費用と手間ひまをかけて育成してくれた「恩返し」となるのだ。 だが、今年、一人の金メダリストがこの「慣例」を破って、早々と“引退宣言”をした。 体操男子個人総合など五輪で3度の金メダルに輝いた楊威である。 今年29歳の楊威は2000年シドニー五輪と昨年の北京五輪で中国のエースとして、団体総合金メダルに貢献した。世界選手権でも7個のタイトルを獲得した名選手だ。 楊威が引退をほのめかしたのは2009年3月。故郷である湖北省の五輪センターの落成式で、親しい友人に引退をほのめかした。その後、これが報道され、中国では大きな論議を巻き起こした。 先ほども述べたように、中国のスポーツ界での「不文律」として、アスリートは最後に自分が所属する省・市の代表として全国運動会に出場する。そして、そこで期待通りの成績を残して、故郷の体育協会の“成績”に貢献する。これは「名誉」の部分もあるし、それ以上に、各地区の成績がそのまま予算配分等につながる以上、金銭的な貢献にもつながる。自らにつぎ込んでもらった多額の育成費用を最後に“お返し”するというのが、中国スポーツ界の掟というわけである。 楊威も今年の春節以降、全国運動会を視野に入れて、国家代表に入り、トレーニングを重ねていた。だが、各メディアの取材に対して、彼は決して「現役続行宣言」をせず、終始、あいまいな態度を続けてきた。「体育当局から(全国運動会に関する)打診が全くない」と、一見、反発にも聞こえるコメントを述べたりもしていたが、今月3日、ついに楊威は国家代表に対し、正式に引退申請を提出した。これに対して、あわてたのが湖北省の体育協会。「祖国の英雄」は省代表として、当然、金メダルをもたらしてくれるとばかり思っていたわけで、湖北省体操センターの魯主任があわてて説得に赴くなど、にわかにあわただしい動きが見られた。 結局、国家体育総局のスポーツ管理センターと省体育協会が協議を行った結果、「もしも後に続く人材がいなければ、何とか(現役)続行をさせよ。ただ年齢やケガの状況などを踏まえた上で、個別に判断すればよい」との判断が下った。 そして、当局の担当者が再三、説得工作を行おうとしたものの、楊威は携帯電話の電源を切り、完全に連絡を絶ってしまったそうだ。 その後は、各メディアが個別に楊威の消息を伝えるものの、詳しい動向は伝わってこない。ただ、楊威がすでに全国運動会に出場しないことを決めたのは事実。「不文律」を破ることになったわけであり、これからしばらく、中国スポーツ界のホットな論争が起きそうだ。
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posted by asa8043 |09:39 |
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