2009年04月30日

五輪支持率55%の健全さ

16年東京五輪の支持率は55%・・・

共同通信社が28,29日に実施した全国世論調査で、東京都民の2016年東京五輪に対する支持率が55%だったことが分かった。

この数字について、同記事では「支持率伸び悩む」と見出しがついているし、今後、他メディアも否定的に伝えることは間違いない。

だが私は全く、そうは思わない。むしろ都民のバランス感覚が非常に健全であることがわかったし、今後の招致活動に大きなプラスになる考える。

まず大切なことは、55%とは至極まっとうな数字であり、前回、怪しげな「世論調査」で出てきた「7割の賛成」よりも、よっぽどまともな数字だということだ。

そして都と日本政府が切に感じなくてはならないのは、今もって半数近くの人が、五輪招致に決して賛成していないという事実である。

五輪開催するということは、国体と訳が違う。政府や自治体にとってもそうだが、そこに住む住民にとんでもなく大きな負担が伴う。それは私自身も、北京五輪に向けて準備を続ける北京に身を置いて実感したことだ。北京と東京は事情が違う・・・などというなかれ。おそらく今とそれほど変わらない国際情勢、同じアジア圏内で行われる五輪にともなう困難はそれほど変わらないはずだ。

テロに対する厳重な警備、物価の上昇、交通機関の制限など、どれも地元の市民にとっては不便きわまりない。「世界の一流のアスリートを間近に」などというが、現実問題として、都民全員がチケットを入手して、会場に入れるわけではない。好きな競技を見られる確率は一般市民にとって限りなく低いといっていいだろう。

だが、それでも五輪を自分たちの町で開くということは魅力的なことだ。ある一時期、世界のあらゆる賑やかですばらしいものが、一気に自分たちの周りに集まってきたような、そんな高揚感を感じることができる。多くの国籍の人たちと出会う機会もあるし、彼らに東京という都市をPRする最高の機会となる。これは「五輪」を開催してみないと絶対に得られないものだ。

だから、オリンピックは想像しているほど良いものではないし、それほど悪いものではない。また、価値観が異なる一人ひとりが想像し、期待するものは違って当然だ。

もとより、東京は日本中からさまざまな境遇を持ち、経済状況も異なる人たちが集まる都市だ。

これほど大きなイベントの開催に賛否両論があるのは当然のこと。以前の調査では、マドリードが89%、リオデジャネイロは82%だったそうだ。東京も「それくらいなければ・・・」などとメディアが騒ぎ立てるが、冗談じゃない。そんな「全体主義」志向は真っ平だ。

声をそろえて、「支持率の低さ」を強調する日本のメディアは非常に滑稽だ。

北京はどうだったのだろう。招致成功前後から「反対」の声は、とてつもなく大きな何かにかき消されていた。海外からみれば、あたかも人民全てが、もろ手を挙げて五輪を迎えているように見えていたかもしれない。

だが、私が実感するに、恐らく相当数の庶民は五輪開催に疑問を抱いていたし、期待もしていなかったと思う。

では、日本も彼らと同じように、あたかも少数者の反対がいないかのように、“大多数”の賛成で、「シャンシャン」と五輪を招致しようというのだろうか。

私は決して五輪招致に反対ではない。むしろ、東京が元気になるチャンスとして、大きな期待を寄せているし、楽しみでもある。

だが、五輪招致を目指す東京都、政府、そしてJOCは、今回の調査で表面に出た「45%」の存在をかき消そうとしたりしてはならない。

その存在を背負いながら、時として、その声に怯え、時としてその声を振り払いながら、粛々と招致活動を進めるべきだ。そして、その意見を率直に反映した世論をIOCに示せばよい。

それらを踏まえたうえで、五輪を開催する地としてどこがふさわしいかを考えてもらえばよい。

IOC評価委員は開催都市の「支持率の高さ」を指標にする、などというらしい。

だが、果たして、この五輪なるものは“誰もが賛成すべき”そんな「完全無欠」にすばらしいものなのだろうか。そう彼らが信じ込んでいるとすれば、それはあまりにもナンセンスだ。

仮に「偽り」でもいいから、70%以上の“高支持率”が必要なのだというのならば・・・そんな「全体主義」的な都市でなければ五輪を開催できないというのならば、五輪など願い下げだと私は思う。

支持率55%でも十分・・・それでもスポーツの最高峰、五輪を東京で開催する価値はあるはず・・・

都と政府、JOCは、その意識のもとで、都民におもねることなく、しかし、懸命に五輪開催の魅力を訴え、理解を求めるべきだ。そしてそれでも、半分に近い都民が五輪開催に疑問をもっていることの“重み”をしっかりと感じながら、招致活動を続けていくべきだと思う。




posted by asa8043 |22:29 | スポーツコラム |
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2009年04月29日

<参考>全国運動会とは

全国運動会とは・・・

「全運会」とも略される中国国内で最大規模の大会。1959年に北京で第一回大会が開催され、以降、4年に一度、原則として夏季五輪開催の翌年に行われる。

競技種目は五輪とほぼ同様で、それに「武術」が加わる。「夏季種目」「冬季種目」「軍事種目」「民族種目」に分かれており、アスリートのみならず、人民解放軍の運動能力育成の場ともなっている。

各省・市などの単位でチームを作り、参加。各地区やスポーツ協会への予算振り分けにも直結しており、実際上は“名誉”が主の五輪よりも“実質”を伴う全国運動会が重視されているほど。そのため、全国運動会にばかり力をいれ、五輪をなおざりにする省まで現れたため、1996年から国家体育総局が「五輪のメダル数は翌年の全国運動会の成績に算入する」との規定を設けた。

第1回(1959年)から第4回(1979年)までは北京開催。その後は9回大会(2001年)まで北京・上海・広東が持ち回りで開催していた。しかし2001年に中国国務院が通達を出し、地方開催が可能に。そのため第10回大会では遼寧、江蘇、湖北など5都市が壮絶な「招致合戦」を繰り広げ、その結果、江蘇省が開催権を得て、2005年には初の「地方開催」が実現した。今年は山東省、そして2013年大会は遼寧省で行われることになっている。

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posted by asa8043 |11:37 |
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2009年04月29日

スポーツ選手もつらいよ・・・全国選手権に筆記試験義務付け

「筆記試験に通らなければ出場資格剥奪」・・・

今年、山東省で行われる中華人民共和国全国運動会(日本の国体に当たるが4年に1度行われる)の陸上競技について、先日、中国陸上協会が通達を出した。

ちなみに「全国運動会」は国内最大のスポーツ大会。中国ではもっとも、重視される大会である。
参照:
  http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/

これは陸上の大会期間中、各省から任意に抽出した選手に筆記試験を受けさせ、各省の40%以上が「合格」しなかった場合、その省チームの出場は取り消し。それまでの成績もオジャンになるというもの。

スポーツ選手の「教養レベル」が問題になっている昨今、その改革か?と思いきや、試験の内容はどうやら「ドーピング知識」に関するものらしい。

というのも、前回の全国運動会(2005年10月9日~21日 江蘇省)では、陸上の当時中国第一人者であった中長距離の孫英杰にドーピングが発覚。これにより、彼女は北京五輪直前まで出場停止となり、結局、まともな調整もできず、選手生命を棒に振った。中国建国60周年の記念の年である今年の全国運動会では「絶対にこのような“マイナス事件”を起こしてはならない」と中国陸協の競技部、蒲志強部長は言う。

さて、その内容だが、実はすでに全国運動会の前哨戦ともなっている六城会(6都市の選手が集まる大会)で実施されており、その内容は明らかになっている。

試験は4つの類型があり、「穴埋め」「選択」「状況判断」「思考」。試験時間は35分から40分で、選手によっては20分程度で終えた人もいるという。「ドーピングの検尿の際、係員が身分証を提示しなければ選手は検査を拒否できる。○か×か」というような問題だそうだ。

この試験に対し、すでに各省では「試験対策」を始めており、江蘇省ではドーピングの基礎知識や条文などを記した「ドーピング手帳(8ページ)」を作成し、選手に配っている。また同省の担当者によると、大会直前に選手全員を集めて、研修会を開き、試験に備えるという。また模擬試験を作成して実施している省も。

ちなみに、「中国陸上の英雄」劉翔も上海チームの一員として、出場予定。彼についても「試験は全員平等。ただ彼ほどの大会経験があれば、当然知っているはずの知識ばかり。むしろ、国際経験の少ない若い選手が心配だ(蒲志強)」とのことだ。

基礎知識は試験で・・・というのは、中国の建前社会の中でよく行われる。私も中国の国営企業に所属していたころは、「試験」が行われたことがあった。「外国人就業規則について」「入国管理業務について」などというものだ。大抵は、それとともに「回答集」が一緒についてきて、それを見ながら答える・・・という意味のないものだった。まさに「建前」の世界なのだが、今回のドーピング試験はどうなのだろう。

それにしても、とてつもない厳しいトレーニングを受け、ようやく出場を果たした4年に1度の国内最大のスポーツ大会・・・ここで課されるのが筆記試験、というのは、中国のアスリートも大変である。

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posted by asa8043 |11:16 | 陸上 |
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2009年04月28日

中国サッカー、プロに挑む学生軍団が絶好調

ここ数日、中国サッカーの醜聞ばかり伝えてきたが、希望あふれるニュースも伝わってきた。

3年目を迎えた「学生軍団」が今年は絶好調というものだ。

中国のプロサッカー甲級(日本のJ2に当たる)は25日、第5節が行われ、北京理工大学が延辺と対戦。90分で決着がつかず0-0の引き分けに持ち込み、これで8試合負けなし、勝ち点6、安徽に続き、第6位につけた。

北京理工大学サッカー部は2000年9月創部。2006年、乙級リーグ戦に出場し、2007年に甲級への昇格を決めた。

一昨年までは選手育成の手腕で名高い金志楊氏がチームを率いたが、去年から曹限東が受け継いだ。去年は第5節終了時点で1勝3敗。だが、今年はここまで負けなしと粘り強いサッカーを見せている。

この北京理工大学のがんばりについては、昇格直後の2007年、何度かこのブログでも記事にしており、「スポーツを学校に」を合言葉に変革を続ける中国スポーツの一つの象徴として私も注目してきた。

3年目を迎えた今年も、選手たちは週末、バスで広い中国を転戦し、文武両道でプロチーム相手に奮闘している。各チームとも主力を外国人選手に頼る中、理工大学は留学生に助っ人を頼るのみ。台所事情は非常に厳しい中、今年のこの成績は賞賛に値する。

「若い選手ばかりで、経験も少ない。全ての試合で挑戦者の立場にいる」とは曹監督の言葉。何年たっても「挑戦者」として旋風を巻き起こし続ける北京理工大学サッカー部を今後も注視していきたい。

posted by asa8043 |00:40 | サッカー |
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2009年04月27日

中国女子サッカー、審判を手篭めに?12人を処分

 ジュニアユース大会での「替え玉」事件の渦中にある中国の女子サッカーでまた問題を起きた。

 国家を挙げて開催される全国運動会(4年に1度開催の総合スポーツ大会)が今年山東省で開かれる。そのサッカーの予選で、「またまた」暴力沙汰が発生した。しかも、女子サッカーでの出来事。事件に関わった新疆チームの女子選手10名が大会への参加資格を取り消され、コーチ二人も処分を受けた。

 24日午前、四川省・成都で行われた全国運動会の新疆対北京の一戦。両チーム無得点で前半を終え、後半開始早々。北京がゴールを決め、1点を先制したが、これを新疆が「オフサイドではないか」と抗議。コーチと選手の一部が副審らに詰め寄り、5分間、試合は中断した。主審は、コーチを退場処分にし、執拗な抗議を行った選手に警告。試合は結局、北京がさらにもう一点を加えて、0-2で新疆が敗れた。

 試合終了後、スタンドで観戦していた新疆の2軍選手と退場したコーチが「オフサイド」の件について声を挙げ、そのままグラウンドに下りて副審に詰め寄った。これに試合に出場していた選手も加わって、30人以上が副審を囲む騒ぎが始まったという。

 のちの証言によると、選手が審判に対してモノを投げる、暴力を振るうなどの行為があった模様。止めに入った警備員もケガをし、「選手に殴られた。審判もやられた」、「新疆の選手は審判の髪の毛をつかんでいた。われわれも何度も全身を殴られた。シャツの上には足跡がいくつも残っていた」と証言する。審判は警備員に守られながら、球場を後にしたが、この「騒ぎ」は5分以上続いたそうだ。

 この「暴力事件」を重く見た協会は翌日すぐに処分を発表。前述のようにコーチ2名を含む12名が全国運動会への参加資格を剥奪された。

 この「全国運動会」、日本でいう国体ともいわれるが、その重要性は国体の比ではない。実は中国のスポーツ界ではもっとも重要視されている大会で五輪級、国家代表級の選手たちが、それぞれ所属の省チームごとに出場し、ガチンコ勝負を繰り広げる。というのも、その結果が各省に振り分けられるスポーツ予算に大きな影響を及ぼすから。しかも、いわゆる「スポーツ官僚」の出世にも関わってくるから大変だ。五輪はあくまで「名誉・名声」を目指すに過ぎないのに対し、こちらの勝負は死活問題というわけである。

 ということで、選手たちもまた五輪と同じく、いや場合によっては五輪以上に「本気モード」であり、考えようによっては、今回もその「本気」さが生んだともいえなくもない。

 また国際級ならともかく、審判のレベルも時には決して高くないのも事実。この日の午後には、.浙江省チームが審判の判定に不服を申し立てるなど、問題も多い。

しかし、そうはいっても、判定が気に食わないからといって、試合後、審判を取り囲んで「手篭めにする」など、許されるわけがない。

 中国サッカーといえば、五輪代表が欧州遠征で“暴動”を起こしたり、代表チームがラフプレーの連続で世界中の批判を受けたりと、「暴力系」の不祥事を幾度となく起こしている。今回はあくまで国内大会ではあるが、根っこは同じだろう。

「女子サッカーよ、お前もか」・・・国家代表ではないものの、地域を代表する選手たちが起こした今回の騒動を見るに、中国サッカーの病巣は深い。

posted by asa8043 |00:11 | サッカー |
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2009年04月26日

「日本に学べ」中国サッカー若き指導者が語る

「パスワーク、個人技いずれも、日本がやっていることは我々の上をいく」

 中国のユース年代を率いる若き指導者、祁宏は23日、トレーニングセンターで行われた日本ユース代表との練習試合のあと、こう語ったという。新波体育の記事が伝えた。

 祁宏は日本の育成段階のチームについて、「まず全体の意識が中国と違う。中国のジュニア年代の代表レベルには、まず自身が目指すサッカーの目標と理念を植えつけなければならない」と語った。

 祁宏といえば、中国スーパーリーグの上海申花、そして国家代表として活躍したMF。非常にクレバーで、ミルコビッチ率いる国家代表でもキラリと光るプレイのできる選手だった。2007年にケガのため31歳で引退したあとは、一貫してユース年代の育成に力を注いでいる。

 その中国のユース年代はかつて、しっかりとした指導者もいなければ、育成の基準も明確でなかった。サッカー協会はトップチームと国家代表のみを見て、五輪と4年に一度の全国運動会の「結果」のみを追い求め、「育成」の「い」の字も垣間見えなかったといってよい。

 一方で、中国のユース年代の身体能力は、日本をはるかに上回る選手が多く、魅力的な逸材が大勢いる。ユース年代の試合に足を運べば、その潜在能力の高さは明らかだ。だが「結果」のみを追い求めてきた中国サッカーは、そのすそ野にある若い世代の育成を怠ってきた。その結果が、年代が上がるほど世界に通用しなくなっていく「先細り」状態。今の国家代表の低迷はそのツケであることは間違いない。

 だが、今の中国ではユースの指導者は決して重視されていないのも事実。祁宏自身も、引退後、いくつかのクラブから声をかけられており、それに応じていれば、かなりの高給が保証される。それをフイにして取り組むユース育成とは、彼にとって何なのだろう。

祁宏はそれについて、たとえ話でこう語っている。
「サッカーは料理と同じ。いくらシェフがすばらしくても、原料と配菜係(材料を準備する人)が悪ければ駄目。僕は優れた“配菜係”になりたい」。

 ここ数ヶ月、中国国家代表は、そのシェフを見つけることで四苦八苦していた。だが、そこにどんな高給をもってして、優れた指導者を呼んできても、彼らに提供する材料(才能ある選手)と彼らを送り出す”配菜係”が悪ければ、“結果”など生まれるはずもない。

そ の中で、若き指導者、祁宏は中国サッカーの希望でもあるだろう。別に「日本に学べ」と言ったからすばらしい、というわけではない。だが、率直に自国のサッカーの育成について問題点を認め、次世代を見ることができる指導者が中国サッカー界に少しずつ増えていることはアジア全体のサッカーの発展を願う一人として、非常に心強く感じる。


posted by asa8043 |15:00 | サッカー |
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2009年04月26日

五輪メインスタジアムで金メダルごっこに批判続出

「オリンピック後」の競技場がどうなっているのか・・・大会前に各方面が心配したことだが、今、あるネット上の書き込みから、その“使い道”について、大きな議論が起きている。

 北京五輪では、開閉幕式と陸上、サッカー決勝などが行われたメインスタジアム「鳥の巣」は今、観光客に開放されている。その中で、ちょっとした商売が行われているという。

 それは毎日2008人の観光客が120元(1800円)を払えば、競技場のメインスタンドの前に設置された表彰台で、写真を取れるというサービスだ。しかもコンパニオンが花を送ってくれ、なぜか聖火を持たせてくれる?というおまけ付き。この光景を目にした人が今月17日、インターネット上の掲示板に書き込みをし、すでに17万アクセスが殺到して、この事実が多くの人に知れ渡ったというわけだ。

 掲示板には現在も賛否両論の意見が飛び交っている。「鳥の巣を商売の道具にするなんて許せない」「オリンピックも“ニセモノ”か」「中国ならではの観光だからいいのでは?」などなど。ただ大部分の人はこの「商売」に疑問を持っているようだ。

 メインスタジアム「鳥の巣」は全国の中国人民にとって憧れの場所。この場所に一度は入ってみたいと考えている人は多い。そしてオリンピックは人々にとって、中国の「誇り」でもあり、「鳥の巣」はそのシンボルでもある。それを商売に・・・とは何事、というわけである。
 
 だが、そもそも中国にはこの手の商売は多い。代表的なものとしてはラストエンペラーの紫禁城。ここには清朝の衣装を身に着けさせて写真を撮る専門の業者がいる。中国建国の地である天安門から入ってすぐのところで行われているこの商売に批判の声はあまり聞かない。だから、私自身は特に驚きもしないのだが、やはり中国の人たちにとって「鳥の巣」は別物らしい。

 この商売ついて、スタジアムの広報担当者は「電話による取材には答えられない」としているが、場内で堂々と行われている「商売」だから、広報部が知らないということはありえない。世間に湧き上がった批判に戸惑っているというところだろう。

 関係者によると、表彰台は場内の中央。費用は4枚120元。表彰台は、写真撮影のときだけ運んできて、お金を払った人だけが上ることができるという。業者は恐らくスタジアム関係者ではなく、外部の者ではないかということだ。

 おそらくスタジアムの関係者は業者との関係を否定するだろうし、しばらくすると、彼らも追い出されていなくなってしまうだろう。中国ではこういったことはよくある。むしろ、この件に対し、多くの人たちが批判の声を挙げている、というところに、中国の人たちの五輪への思いが表れているような気がする。私からすれば、「いかにも中国らしい」などと思ってしまうのだが。
 

posted by asa8043 |00:03 | スポーツコラム |
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2009年04月25日

”ニセモノ”女子サッカーに思う

今月行われた「国際サッカー選手権 World Schools Championship」で、中国女子代表として出場した重慶市の大坪中学が優勝した。

しかし、メンバーのうち、「本物の」在校生はわずかに3人。残る15人は、全国から選んだ代表選手であることが発覚。23日に大坪中学の校長が記者会見し、謝罪した。スポーツ紙「体壇週報」と新華社が伝えた。 

 記事によると、今月5日から13日までトルコで行われた第21回サッカー世界選手権で、女子決勝戦に出場した中国代表「重慶市大坪中学」がドイツ代表を破って優勝。しかし、同チームのメンバーの身分に疑惑が向けられていた。

大坪中学の張健林校長は当初、「全員、在校生」と主張していたが、23日午前中に行われた記者会見で、校長は「疑惑」を認めて、謝罪。

そして「今回、中国代表として出場するせっかくの機会を得た。だが、校内の生徒だけでは優勝は無理。学校、重慶、そして中国のために勝ちたかった」と不正の理由を述べた。

中国スポーツは今、国家スポーツから社会スポーツへ、エリートスポーツから学校スポーツへと、少しずつ変化の道を歩んでいる。特にサッカーは近年、学校スポーツやクラブの発展が目覚しい。国内一の人気スポーツであること、また各プロチームの地道な努力(もちろんチーム、地域によるが)の賜物といえよう。

だが、この「変化」の肝心の中身は「祖国のため、学校のために勝利を」という旧態依然とした意識が根強いことも事実。今回の「事件」はその旧体質が生み出したものといえよう。もちろん、「身分」を偽る行為は絶対に許されるものではなく、責任者は厳しく罰せられてしかるべきだ。

ただ日本の高校スポーツでも、「結果」を求めて、スポーツ精神から外れた行為をした例が過去にあった。決して「またまた中国のニセモノ文化」などとステレオタイプな捉え方をするなかれ。

学校・社会スポーツの求める理念と、プロが求める「勝利至上主義」は常に矛盾するし、拮抗関係にある。それが生み出す問題は、決して一地域や中国だけに限ったものではない。

だが、一国のスポーツシーンは、間違いなく、そのすそ野にある学校・社会スポーツから育て上げられる。ときおり明るみに出る、中国のこの手の“不祥事”は、中国スポーツ全体の将来に深刻な悪影響を及ぼしていることを自覚すべきだ。

また中国ではスポーツもまた役人が統括する。そして役人は「結果」でしかものを見ない(そうあらざるを得ないし、またそうあるべきだ)。だから「結果」だけでスポーツ予算は分配されるし、それがスポーツの未来を左右し、利権が生まれてくる・・・。(このあたりは今後取り上げたい)

この体質が改善されない限り、中国スポーツの発展はないと思う。

よく言えば、今回の出来事もまた中国スポーツが新たな成長の局面を見せる中での一つの過程。関係者が今回の教訓をしっかり生かすことが必要だろう。

posted by asa8043 |12:04 | サッカー |
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2009年04月23日

「アスリートに自由を」中国テニス女王が訴え

「スポーツ選手に自由を」
中国スポーツ界で大きな話題となっているのがこのテーマだ。

 中国スポーツで成長著しい競技のひとつ、女子テニスでエース鄭潔とともに中国を引っ張っている李娜が先日、中国のスポーツ制度に対して、「物申した」ことで話題となっている。彼女は「もし私が自由に競技を選べたなら、テニスは絶対選ばなかった」「中国のスポーツ選手は“家長”のもとで管理され、心理的に大きなストレスを受ける。こんなスポーツ制度は選手にとって決してよくはない」

 他の競技に比べて、海外遠征が多いテニスの選手として、世界各国を回り、各地のプロ選手と接してきた彼女だからこそ言えた言葉だろう。彼女が“不本意ながら”選んだテニスの世界なればこそ、中国スポーツが他国とどれだけ異なるかを身をもって知ることができた、というのも因果な話だ。

 中国のスポーツ選手には確かに「自由と権利」がない。スポーツ学校を底辺とするピラミッドだけが現実的にはスポーツ選手になるためのルートであり、その中では練習内容、遠征スケジュール、怪我をしたときの対応など、全て「上に聞く」ことが求められる、きわめて官僚的な制度だ。ただ、その分、国家は「口も出すが金も出す」というわけで、国家代表レベルの選手になれば、衣食住も心配なく、全てのスケジュールを当局が決めてくれるため、競技のみに専念できるという抜群の環境が生まれる。中国スポーツの強さは、その良し悪しの二面性を持った「超管理制度」の賜物なのだ。

 だが、これによって、多くの「悲劇」が生まれる。たとえば、日本では当たり前の「メジャーへの挑戦」。だが、中国のスポーツ選手は自らの意思だけで海外のプロチームに移籍することはできない。バスケットボールはその典型だが、NBAに移籍することはそう簡単ではなく、王ジヂのように、NBA移籍後、中国国家体育総局と金銭面でもめて、「出入り禁止」となった例もある。また飛び込みの田亮はその甘いマスクが受けて、テレビやCMに“ひっぱりだこ”となったが、それが「商業活動」と当局からにらまれ、結局、その後国家代表から「干され」た。前回の北京五輪は金メダル確実の力を持ちながら、出場ができず、結局引退に追い込まれた。こういう例をあげれば、まったくきりがない。

 そういえば、北京五輪110mハードルで「悲劇の退場」を演じた劉翔は「聞き分けのいい」選手だった。練習メニューから食事、医療面にわたるまで「チーム劉翔」が結成され、24時間全ての生活が完全管理された。だが、それに対し、劉翔はまったく文句ひとついわず、全てしたがって、そして「あの日」の悲劇を迎えた。もっとも大切な瞬間に、走れない状態にしてしまったのは、他でもない「チーム劉翔」の責任なのだが、最後の最後で、劉翔は全ての非難を自分自身に受け止め、競技場から去っていった。「自由と権利」のないスポーツ選手も、最終的なパフォーマンスと結果には責任を負わなければならない・・・そういう意味では、劉翔もまた「スポーツ選手の自由・権利」問題の犠牲となった一人といえよう。

 去年、中国スポーツ界は「アスリートの生活保障」そして「アスリートの教養」といった問題が話題となった。北京五輪が終わり、国を挙げた「メダル獲得合戦」が終了した今、今度は「アスリートの自由・権利」に関心が移ったといえよう。だが、この問題は中国スポーツの根本にも関わる非常に重大なものであり、なかなか解決が難しいものでもある。

 冒頭の李娜の発言に対し、中国のスポーツファンも辛らつな批判をしている。「俺たちの金で育ててもらったくせに自由だ、権利だなんて言うな」
 
 無茶苦茶といえばそうだが、国家スポーツの一員として、莫大な予算をもって育てられてきた彼らが、いつしか、高級外車に乗り、高級マンションに住み、一般人とかけ離れた生活をするようになれば、そういう感情的な思いを抱くのも、あながち批判はできないのである。だが、それでも「五輪後」の中国スポーツがよりよい方向に発展していくには、アスリートがロボットのように動かされるのではなく、自分自身で考え、最高のモチベーションを作り上げるだけの能力を持つ必要があり、それこそがいわゆる「アスリートの自由・人権」なのだろう。これは去年大きな話題となった「アスリートの教養」問題と通ずるところがあるような気もする。

 「ポスト五輪」の重要なテーマとして、今後もこのあたりも追いかけていきたいと思う。

posted by asa8043 |22:43 | テニス |
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2009年04月19日

星野JAPAN屈辱の球場がアモイへ

やはり北京に野球文化は育たないのか・・・

 アモイ野球協会によると、北京五輪で使用した「五カ松野球場」を南の都市、アモイにそのまま移転し、「中国アモイ国際野球交流センター」として再利用することが分かった。アモイ晩報が報じた。

  「五カ松野球場」はもともと「臨時」施設として建設されたものだが、北京にはプロ野球チーム「北京タイガース」などがあることから、その本拠地として、また中国野球の象徴として残して欲しい・・・という要望もあったし、その期待もあった。

  その後の経緯については、改めて記述するが、去年10月から座席の取り外しが行われ、その行き先が話題となっていた。
 
 五カ松野球場は2007年8月14日から使用開始され、“星野JAPAN”のスタートとなったプレ五輪や米大リーグのオープン戦、そして本番の五輪など44試合の国際試合が行われた。
 
 今後は、温暖なアモイにおける野球の中心地として、国内、国際試合が行われるとともに、野球国家代表のキャンプ地にも使用されるほか、国外球団など利用する見込みだ。

 五カ松野球場のその後については、五輪前から大きな関心事となっており、その行き先は中国野球の今後を占うものでもあると思っていた。もちろん、あくまで臨時施設であることは承知のうえだったが、五輪の盛り上がり如何によっては、恒久的な野球施設の建設を含め、中国野球協会も本気になってくれると思っていただけに、一向にその気配が見えず、しかも今回の正式決定・・・非常に残念だ。


 

posted by asa8043 |22:58 | 野球 |
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2009年04月18日

祭りが終わり、はや8ヶ月

 「祭り」が終わって、はや8ヶ月・・・去年9月からブログの更新もとまり、幾人かの方から「その後」のお問い合わせをいただいた。

 あれから8ヶ月・・・東京が五輪招致を目指し、3億円というとてつもない額の予算をつぎ込んで、IOCの「お偉いさん」を饗応する様子に接し、またまた五輪を追いかけてみようという思いが沸いてきて、キーボードの前に座った。
 
 150億とも言われる招致費用、町中に飾りたくられた「招致ポスター」・・・IOCの視察中は6000人あまりの幼稚園から中学生までが「動員」されて江東区で「交流イベント」が行われた。その前日には、小学生たちは「総合学習」の時間を使って「オリンピック学習」をやったそうだ。五輪に向けての北京を取材しているときに、幾度となく「子供をだしに使った動員」を目にして苦笑していたが、日本も何も変わらないということがよくわかった・・。

 いや・・・東京五輪の招致問題はとりあえずここまで。

 私自身の興味はやはり中国スポーツに向いている。
 今後は「ポスト北京五輪」だ。何をいまさら・・・という声もあるかもしれないが、「五輪が何をもたらしたか」が今少しずつ見えてきているような気がする。「五輪1年」を3ヶ月あまり後に控え、現地メディアの報道と私自身が見聞きしたことをふまえて、少しずつ書き連ねていきたい。ただ、以前とは異なり、常時現地から情報を発信できる立場にはない。ただそれだけに、「あのときの北京」を少し鳥瞰して見る・・・日本のメディアとは少し違った見方を書いていけるのではと思っている。

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posted by asa8043 |22:37 | スポーツコラム |
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