2007年12月31日

開幕式チケットは200万円以上!異常なヤミ転売・・

加熱するチケット価格・・

入場チケットの『ヤミ価格』が高騰している。
28日、中国メディアが伝えたところによると、来年8月8日に行われる開幕式の入場券のヤミ価格が最高で15万元(約230万円)に高騰しているということだ。

開幕式の入場券の一般売出しは2万6千枚。当選率21倍という狭き門をくぐって、手に入れた人のうち、かなりの部分が『転売目的』とも言われている。

インターネットから検索した、あるヤミ業者に電話すると、原価5000元(7万5千円)のチケットが現在10万元以上(150万円以上)となり、この値は、今後、まだまだ高騰する見込み、という。(ヤミ業者の話)ちなみに彼は「10万元で、この世紀のイベントを見られるなんて、安いもんじゃん?」なんていうが、冗談じゃない・・十分に高い・・と思う。

ちなみに、その他のチケットについていえば、劉翔が出場する110mハードルは800元(1万2000円)のチケットが1万5000元(23万円)に・・・また男子バスケットボールの準決勝は原価300元(4500円)のチケットが6000元(9万円)・・・になっているという。

またネット上では、オークション形式で転売希望が多く出されている。理由は、大会中、旅行に行くため、留学のため、また正直に『生活のため』など色々だ。ただ、いかにもな理由が並ぶ割には、希望価格は、数倍・・・人によっては、100倍以上の値をつけており、転売目的で予約を行ったことは明らかである。ちなみに、チケットは来年6月以降に現物が手に入る。今はあくまでも『予約権』を転売しているにすぎず、全く実体のない行為なのだ・・・。

なお、中国の法律によると、チケットの違法な転売行為は10日以上15日以下の拘留と1000元以下の罰金が科せられることになっている。ただし、五輪組織委員会としては、チケット予約後、様々な事情の変化があることを考慮して『適正な価格で』転売することを認めており、近く、その方式が公表される。今の『ヤミ売買』は、それを待たずに、しかも異常な価格によって転売を行おうとしており、さすがに確実に『違法行為』である。

私の周囲では、チケットの抽選になかなか当たらず、チケットを切望している人が大勢いる。心から北京五輪を楽しみにしていて、競技場で世界最高レベルの大会を見たいという純粋な思いで、大会を待つ人も多い。

だが、一方で、転売目的で抽選に参加して、大量のチケットを手に入れ、それにより利益を得ようという人たちもいる。彼らは、聞くところによると、知人の身分証などをかき集めて、抽選に大量に応募するなどの手段を取っているそうだ。そのおかげで、一般の市民にチケットがなかなか回ってこないというのも事実である。

公開の抽選だから、それをどう利用しようと自由・・・という論理も成り立つだろう。また、一般の業者だけでなく、インターネットなどを利用する市民の一部も、こういったヤミ行為に加担している、という深刻な事実もある。

だが、やはり、こういったヤミ行為は、一般の市民の思いを完全に踏みにじるものだと思う。多少の転売は仕方がないが、オリンピックで手軽に一儲け・・・などという考えがまかり通るとすれば、それは異常だと思う。


posted by 朝倉浩之 |00:01 | 北京五輪 | トラックバック(0)
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2007年12月30日

CCTV五輪チャンネル誕生へ・・記者会見でびっくりハプニング

CCTVのスポーツチャンネルが新年から「オリンピックチャンネル」に・・・

29日、CCTVで記者会見が行われ、来年1月1日から、「CCTV-5」の名称を『オリンピックチャンネル』とすることを発表した。現在、CCTV-5はスポーツ中継やニュースを専門にしている。期間は9月30日まで。

またあわせて、今後の報道方針も明らかにされた。

それによると、まず1月1日から5月初旬までは『聖火リレー』の報道を主体とする。毎日40分間、国内外の聖火リレーの様子を“全て”収録し、放送するという。また5月初旬に予定されている聖火のチョモランマ登頂については、現場からの生中継が予定されており、責任者は「テレビ界で世界初」と胸を張る。

そして8月8日から9月30日までは、この『オリンピックチャンネル』に加え、CCTV-1,2,7の3つのチャンネルもオリンピック中継を行う。さらに、アジア向け、アメリカ向け、欧州向けなどの五輪関連ニュースを制作し、報道する。


なお、この記者会見の最中に、北京テレビ(BTV)のアナウンサー、フー・ツウェイが乱入し、夫であり、会見に同席していたCCTVの主力アナウンサー、チャン・ビンの『浮気』を告白するというハプニングが起きた。

彼女は、突然「1分だけ時間が欲しい」と叫ぶと、マイクを奪い取り、「夫(チャン・ビン)には浮気相手の女性がいる」と制止を振り切って、涙ながらに訴えた。

ちなみに、フー・ツウェイは、例の「ダンボール肉まん」事件報道の番組キャスター。その後、司会者から外され、現在は裏方に回っていた。


posted by 朝倉浩之 |23:21 | 北京五輪 | トラックバック(0)
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2007年12月30日

五輪チケット予約第2段階、間もなく終了

北京五輪チケット予約、間もなく終了へ

今月10日から行われていた北京五輪チケットの第2段階予約は30日まで。中国銀行窓口での受付は夕方5時にすでに終了し、インターネットの公式HPを通じた申し込みは今晩12:00までとなる。

今日の北京は、寒波の影響で、ここ数日と同じく厳しい寒さの一日。朝晩は氷点下8度まで下がった。しかし、各中国銀行窓口には、五輪チケットの申し込みに訪れる人があとを絶たなかった。

中国は、今月発表された政府通達により、祝日が変更。これまで元旦だけが法定休日だったのを、30日、31日、1日の3日間の連休とした。これにより、一部の中国銀行が営業しておらず、トラブルを避けるため、ニュースやインターネットを通じて、早めに予約を終えるよう呼びかけていた。

なお、チケットは12月24日までで200万枚以上の予約が受け付けられており、中でも新体操、卓球、飛び込み、シンクロナイズドスイミング、体操などが予定の枚数を大幅に越え、『狭き門』の抽選となる見込み。

当局の責任者は、これらの人気種目や、バスケット決勝、陸上110mハードル決勝などの予約は出来るだけ避け、近代五種、トライアスロン、カヌーなどにも目を向けて欲しい、と語っているが・・・

posted by asa8043 |21:00 | 北京五輪 | トラックバック(0)
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2007年12月30日

色々あった中国サッカーこの一年 五輪代表編

中国サッカーにとって、2007年は『悪夢の一年』だったといっていいだろう。フル代表、五輪代表、そして女子代表・・・いずれも結果はもちろんだが、ピッチとは別のところで、トラブル続きの一年であった。フル代表にとっては2010年W杯に向けたスタートの年、五輪代表にとっては、『世紀の大決戦』の前年、そして女子代表はW杯を母国で迎えるという、いずれにとっても大切な年となった2007年。そんな今年の中国サッカーを簡単に回顧したい。



ホントに色々あった「オリンピック代表」

五輪代表にとって、本番に向け1年前となる大事な2007年・・・だが残念ながら、今年はまさに受難の年となった。

いまや中国の「トラブルメーカー」といってもいい五輪代表の最初の“失敗”は2月7日、欧州遠征の親善試合の一環として、イングランド2部リーグのクイーンズパークとの試合に臨んだ中国五輪代表は、後半30分、両軍入り乱れる乱闘事件を引き起こし、その試合が没収となった。この試合は観客は入らず外に開放された試合ではなかったが、カメラは入っており、五輪代表の選手が暴力を振るっている様子がしっかりと記録されていた。これにより、主力選手の陳濤や鄭濤が骨折。試合中のケガならともかく、まさに『骨折り損』の“親善試合”となってしまった。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/35

さて、試合を振り返っておこう。今年は北京五輪前年の年。中国五輪代表はベスト4という高い目標を掲げ、世界各地を遠征、練習試合に明け暮れる年となった。ホスト国は予選がないため、国際試合の経験が少ない選手たちに出来るだけ多くの試合を経験させるというのが今年のチーム作りの方針であった。

6月にフランスで行われたトゥーロン国際は、そんな彼らにとって、大きな自信となった大会だった。欧州の20歳以下の若手選手が登場するこの大会に、中国は敢えて五輪チームを派遣し、フランスに次ぐ準優勝という成績をもぎ取った。確かに「大が小を叩く」と、年代が異なるチームを派遣したことに対して、国内では疑問の声が挙がったが、少なくとも、代表選手たちが垣間見せたアグレッシブな動きと攻撃の多彩さは、ドゥイコビッチの元で、着実にチームが進歩していることを示した。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/84
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/86

ただ、同じ準優勝でも、8月にプレ五輪として瀋陽で行われた『4カ国対抗戦』は様々な意味で後味の悪いものとなった。ここでは、中国人審判の極端な「愛国笛」・・・つまり極端な『中国びいき』が問題となり、試合も北朝鮮に敗れて2位に終わった。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/138

その他、欧州の強豪クラブとも練習試合を重ねた。力の差はまだまだあり、テクニックや戦術面でも不足はあるが、「やろうとしていること」が見えるチームに成長してきた。サッカーのプレーそのものは、大きな進歩を遂げた一年となったと思う。だが、プレー“以外”の面に大きな問題が残った。

この五輪チームについて、よく話題となる『お行儀の悪さ』である。今年初めのフランス遠征のときに行われた2試合で、二人の選手がレッドカードを受けた。そして6月から7月にかけて開催された南ア8カ国対抗戦では4試合で4枚のレッドカード。特に、最終試合は3人が退場となり、最後は8人で試合を戦うという無様なことをやってしまった。また今月16日に行われた米国オリンピック代表との試合でも、試合終了直前に、選手の一人が暴力行為を働いて、退場となった。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/295


さらに、去年のアジア大会の際、行動に問題があった選手が除名になったり、飲酒運転で事故を起こしたり、コーチと衝突したりと、選手たちの『悪行』が何度も新聞紙上に躍った。

と、サッカーのプレー以外の面でネガティブなことばかりが目立った2007年。以前、高校サッカーの中継を担当していたとき、取材先の高校で指導者の方が、“選手のパフォーマンス”は『日ごろの学校生活の良し悪しが全て』ということをおっしゃっていた。一国の代表チームに向かって、その言葉を引用するのは少し失礼かもしれないが、試合中のあまりにもラフなプレーやメディアから伝わる情報を見ていると、その面を疑わざるを得ない。

来年の北京五輪・・・サッカーは間違いなく全世界の注目を浴びる競技の一つとなる。その『顔』としての選手たちには、それらしい態度で、試合に臨んでほしい・・・中国スポーツを愛する一人として、彼らにそれを望みたいと思う。

posted by 朝倉浩之 |11:15 | サッカー | トラックバック(0)
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2007年12月29日

色々あった中国サッカーこの一年 国家代表編

中国サッカーにとって、2007年は『悪夢の一年』だったといっていいだろう。フル代表、五輪代表、そして女子代表・・・いずれも結果はもちろんだが、ピッチとは別のところで、トラブル続きの一年であった。フル代表にとっては2010年W杯に向けたスタートの年、五輪代表にとっては、『世紀の大決戦』の前年、そして女子代表はW杯を母国で迎えるという、いずれにとっても大切な年となった2007年。そんな今年の中国サッカーを簡単に回顧したい。



アジア杯敗退、監督更迭、『死の組』・・・受難続きの国家代表

中国国家代表にとって、今年最大の『屈辱』は、今年最大のサッカーイベント『アジア杯』での予選リーグ敗退だろう。7月、ベスト4を目標に掲げてアジア杯に出陣した朱広フ監督率いる中国フル代表は、27年ぶりに決勝トーナメントにも進めないという屈辱を味わった。

最終試合のウズベキスタン戦・・・0-3で敗れた瞬間、中国代表に対するサッカーファンの期待はどこかへ消え去ってしまったように思う。そして、これまで辛うじて、日韓の背中にすがりついていた中国サッカーが一気に『アジアの二流』に落ちていった瞬間でもあった。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/119


その後、朱監督は更迭。次期監督選びも、二転三転した結果、9月14日、五輪代表のドゥイコビッチ氏が総監督を務め、ベドロビッチ監督と二人三脚でチームを率いるという体制がようやく出来上がった。ベドロビッチ監督は中国5人目の外国人監督。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/120
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/211

ただ、初めての『総監督制度』は不透明な点も多い。北京五輪という最大の目標を背負ったドゥイコビッチ氏に、そこまでの負担を貸していいのか・・・また現実問題として、五輪とW杯予選が並行する来年をどのような指導体制で乗り切るのか、不透明と言うほかない。

そのW杯予選の組み合わせ抽選の結果が、『どん底』にあった中国サッカーをさらなる谷へと突き落とした。11月25日、2010年南アフリカW杯のアジア第1次予選の組み合わせ抽選が行われ、中国はオーストラリア、イラク、カタールと同組となったのだ。オーストラリアは今大会からアジア枠に入る強豪、イラクはアジア杯の覇者、カタールも最近めきめきと力をつけているチーム・・・翌日の各新聞には「中国に死の組に・・」という絶望感ただよう記事が踊った。

2007年の中国代表にとって、最後の最後にやってきた「悪い知らせ」・・・ただでさえ、自国のサッカーに絶望していた中国サッカーファンにとっては、『泣きっ面に蜂』とでもいおうか・・・。

だが、考えてもみよう。中国サッカーの目標はなんだろうか。まず確実にいえることは、2010年南アW杯・・この本大会に出場することである。だとすれば、その過程において、いずれは、アジアの強豪と激突し、それを打ち破らなければならない。一次予選で敗退か、その次で敗退か・・・「メンツ」が大切な中国人にとって、この違いは重要かもしれないが、「本大会出場」と言う目標を前にすれば負けは負け・・。だからこそ、今回のアジア1次予選は、南アW杯出場に向けた大きなヤマであり、ここにチームと中国サッカーファン全員が一体となって、臨んで欲しいと思う。

中国代表の初戦は、中国の正月「春節」の大晦日にあたる2月6日。敵地でイラクと戦う。あるサッカー好きの友人が「嫌なニュースで新しい年を迎えなければならない」なんて、こぼしていたが、まさにこの試合が踏ん張りどころだろう。中国サッカーファンの信頼を取り戻すには、ここで“納得のいく”サッカーを見せるしかない。

『最悪の年』となった2007年を気持ちよく忘れて、2008年を『最高の年』と出来るか・・・北京五輪でのサッカー代表がとかく注目されるが、これからの中国サッカーを考えれば、何よりもフル代表の戦いぶりが大切となる一年になりそうだ。

posted by 朝倉浩之 |00:55 | サッカー | トラックバック(0)
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2007年12月28日

五輪特集・金メダル予想(バドミントン)

いよいよ北京五輪の年が近づいてきた。来年の「2008」という数字は、祖国で行われた史上最大のスポーツイベントの年として、これからも中国人の記憶に受け継がれていくだろう。

その2008年を前に、中国の国営通信社「新華社」が各競技の現在の準備状況と来年の展望をまとめて発表した。各競技別に引用して、掲載したい。

バドミントン(目標は金メダル3個、できれば5個全て)

1 現状

12月6日から、国家代表は広州・珠海で35日間にわたる非公開合宿に入った。合宿終了後は、マレーシア、韓国で行われるスーパーリーグに出場し、5月にインドネシア・ジャカルタで開催されるトーマス・ユーバー杯に備える。

規定によると、2008年5月1日に発表される世界ランクを元に各国の出場枠が決定する。まず、世界ランク4位以内に、一つの国の選手3人以上が入っていれば、3人の出場枠を獲得する。そうでなければ、各国2人までしか出場できない。「バドミントン王国」の中国としては、ひとつでも多くの種目で、『3枠』の獲得を目指したいところだ。


2 展望
男子シングルでは林丹と鮑春来も有力ではあるが、李宗偉(マレーシア)、タウフィック(インドネシア)も強く、金メダル争いは混沌とした情勢。女子シングルスでは、張寧と謝杏芳という実績のある選手に加えて、2007年世界選手権で優勝した朱琳も成長著しい。ただ、こちらも大会ごとに浮き沈みがあり、計算できないというのが正直なところだ。唯一、確実に計算できるのは女子ダブルス。

国家代表の李永波監督は、北京五輪の展望について、「目標は過去最高の成績をとること」と語った。李監督が、“最も難しい金メダル”と言うのは男子シングルスとのこと。前回のアテネでも、世界ランク1位の林丹があわやの一回戦負けを期するなど、ライバルは多い。

中国はアテネ五輪で、金メダル3個に終わった。『バドミントン王国』を自称する中国にとってみれば、この数字は決して満足できるものではないだろう。ライバルの多い男子シングルスも含めて、全ての種目で金を総なめして、祖国での五輪を飾るというのが、中国バドミントンの悲願といえる。

<新華社の記事を元に作成>

posted by asa8043 |12:47 | 北京五輪 | トラックバック(0)
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2007年12月27日

中国サッカーファンの観戦マナー「京罵」を考える・・・

 2004年サッカー・アジア杯の決勝。日本と中国の一戦となったこの試合は、いわゆる『反日ムード』が最高潮となった大会として、多くの日本人が記憶しているだろう。当時、観客の一人としてスタジアムにいた私は、日本人サポーターに用意された席には座らず、中国人の観客席に座り、彼らの一部始終を見た。会場では、日本のマスコミが報道したこと以上のことが起きていたと思うが、今、そのことに触れるつもりはない。今日のテーマは『ブーイング』。この日、観客席は、中国人観客による大音響のブーイングに包まれた。中国語を学んでいる最中だった私は、ここであらん限りの「罵り言葉」を学んだ。

 先日、新華社通信が北京五輪の特別報道として「五輪のスタンドでも“京罵”は出るのか」と題する文章を出した。「京罵」の京は北京。これは北京方言による『罵り言葉』のことである。ただの『罵り』だけではない。とても、ここでは解説できない、かなり下品な性的意味合いを含む言葉によるブーイングを意味する。

 北京のサッカーファンは口が悪い。スーパーリーグ(日本のJリーグ)の試合場では、この北京のサッカーファンが口にする「京罵」がある意味、“名物”となっている。だが、これに対して、『文明的な観戦』を呼びかける当局は、様々な措置をとっている。

 来年の北京五輪に向けて、中国の観客の観戦マナー向上が大きなテーマとなっている。その中で、改めて、中国サッカーファンの『京罵』について考えさせられる前述の文章は非常に興味深い。そこで、主要部分を編集して、転載してみたい。



(引用開始)
 新華社12月26日付け配信 (記者 高鹏・程義峰)

北京五輪を成功裏に開催するには、効率のよい運営、ハイレベルな選手に加えて、高い資質を持つ『観客』が必要だと思う。ここ数年、北京五輪に向けて「マナーを語り 新しい風を吹き込もう」とするキャンペーンを行い、中国人のマナー向上を訴えてきた。しかし、先月、中国スーパーリーグのある試合で、多くの人たちによる『京罵』が起きた。これを聞いて、来年の北京五輪の会場でまた、この『京罵』が起きないかどうか・・・改めて心配になったのだ。

サッカー場での『京罵』の歴史は古い。北京サッカーファン協会の王文氏によると、最初に『京罵』と呼ばれるブーイング行為が起きたのは1996年の北京国安vs上海申花の一戦だったという。当時、会場にいた王氏は『非常に驚いた。観客席に座る全ての人が“京罵”を一斉に始めたのだ。以前は、こんな風景はみたこともなかったのに。』

この悪しき習慣は、いつしか北京だけでなく、他の都市にも伝播していった。去年、ドーハで行われたアジア大会の試合会場でも品の悪いブーイング行為が見られ、中国人の恥となった。これに対し、ここ数年、当局も様々な措置をとってきたが、なかなか功を奏さなかった。

まず「京罵」の“発祥地”ともいえる北京工人体育館(朝倉注:2004年アジア杯決勝の舞台でもある)がある方法を試した。それは、スタンドに係員を配置しておき、「京罵」が起きた瞬間に、会場の大スピーカーから大音響の音楽を鳴らし、ブーイングを抑えてしまう、というものだ。だが、これはうまくいかなかった。なぜなら、音が鳴り始めた瞬間、彼らは、それよりもっと大きな音でブーイングを始めたからだ。

それに対して、警察も腰を上げた。彼らはビデオカメラを観客席に設置して、観客の様子を録画し、試合後の取り締まりの参考とした。今年7月には、「京罵連盟」と名乗る組織を摘発し、解散させた。リーダー格の男に対しては、『大型群集秩序』違反として7日間の拘留と1年間の球場への出入り禁止処分とした。この処分は、中国スポーツ史上初めてのものとなった。なお、この『京罵連盟』解散後、しばらくは、球場内のブーイングが少なくなった。しかし、先月のスーパーリーグではまた“復活”していたのだ。

「首都文明弁公室」の担当者は「“京罵”現象は特にサッカー場でよく見られる。単純な中国人の資質の問題だけではない。これは一種の“不健康な観戦心理”を反映するものだ。」と語る。「試合には勝ち負けがあるのは当然だが、その結果を受け入れ、尊重する姿勢が必要だ。もし、勝つことのみを追求し、負けることを許さないとの心理状態で試合を見るならば、この“京罵”を克服することは難しい」と分析した。

一方、この『京罵』問題について、北京副市長の劉敬民氏は「北京五輪では絶対にこういった問題は生じない。なぜなら、観客の様子は世界の何十億の人たちが見ているのだから。」と自信を持って語る。

今年3月には、中央文明弁公室が「京罵」をやめようという呼びかけをはじめた。その後、警察が先ほどの『映像撮影』による摘発を始めた。だが、「禁止」だけでは、根絶が難しいのも事実だ。

中国人民大学の専門家は「禁止すると共に、“啓蒙”も大切」と語る。「正しい応援のやり方を導く」ことが大切というわけだ。その方法として、北京市サッカーファン協会による“公式”応援団を結成した。彼らは服装を統一し、スローガンを共に叫び、整った応援を行う。そして、『国家斉唱のときの姿勢』、「入退場のときはゴミを拾って」などのマナーを他の観客に“啓蒙”する、というものだ。これにより、『京罵』現象はかなり減少したという。

当局の担当者は今後も、よりよい環境作りのため、引き続き、各応援団に対する啓蒙活動を続け、その数は数万人に達する見込みという。そして、「京罵」が”社会的に恥ずかしいもの”という雰囲気を作り、それをやろうとする人が自己規制するような環境を作り上げたいと考えている。

ただ、その担当者は付け加える。「中国の抱える他のマナー違反と同じく、“京罵”もまた変えていくには長い時間がかかる。我々はただ、彼らに“マナー”を訴えることしか出来ないのだ。」

(引用終わり)
 サッカーにおける観戦マナーの問題は、中国だけのものではない。欧州や南米でも、観戦に訪れたサッカーファンの異常な行動が報道されることはよくあるし、サッカーを応援しているときの心理状態は決して普通ではないのだろう。もちろん、それを擁護することもできないし、特に2004年アジア杯のときに起きた『ブーイング』以上の“反日行動”は、現場にいた私も恐怖感を覚えた。これらの行為は、決して許されることはないと思う。

 ただ、中国当局も『禁止』より『啓蒙』へ・・・本文中に述べられたこと以外に、多くの手段を用いて、『観戦マナー』の向上に真剣に取り組んでいるのも事実だ。その取り組みは、現地で様々なスポーツイベントに足を運んで、肌で感じるものである。

 では、来年の北京五輪で、「京罵」があるのかないのか・・・北京五輪の成功には、市民がいかに関わるか・・が非常に大きなカギとなるのは確かである。

 なお、今行われているプレ五輪における観戦マナーについて、スポーツナビ本体にコラムを執筆した。合わせて、ご覧いただきたい。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/special/beijing/column/200712/at00015776.html




posted by 朝倉浩之 |16:09 | サッカー | トラックバック(0)
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2007年12月27日

劉翔、練習中に世界記録更新?

中国の陸上エース・劉翔がまたも世界記録?

現在、110mハードルの世界記録保持者、劉翔(中国)は冬合宿に入っている。練習については、一切公開されていないが、孫海平コーチがその様子について語った。CCTVなど各中国メディアが取材した。

それによると、現在、劉翔は来年の北京五輪を前に、過去最高の強度でトレーニングを行っているとのこと。来年に向けて、ここで一気にピークに持ってきて、劉翔の体に対する負担を高めようという意図だ。

その中の練習方法の一つが話題となった。孫コーチは、110mのコースに置かれたハードルの距離を短縮し、ハードル間のリズムを今よりも早くするというトレーニング法を取った。このリズムで十分に慣れたあと、以前よりも早くなった『リズム感』を維持したまま、ハードル間の距離を元に戻すことで、スピードアップを図る、というわけだ。これにより、タイムを取ったところ、12秒70前後の記録が出て、一気に“世界記録更新”となったそうだ。(世界記録は一昨年のローザンヌ国際で自身が出した12秒88)

強い負担を課しているため、劉翔の疲労も激しい。練習後は、体全体に筋肉疲労を覚えるそうだ。

計画によると、来年は2月から3月の間に欧州で行われる大会で『初レース』を戦う。そして3月8日の世界室内陸上で一旦ピークに持ってくる。また5月に北京で開かれるプレ五輪にも出場予定。6月には欧州と米国に遠征したあと、オリンピックに備える。

posted by 朝倉浩之 |13:50 | 陸上 | トラックバック(0)
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2007年12月27日

五輪特集・金メダル予想(卓球編)

いよいよ北京五輪の年が近づいてきた。来年の「2008」という数字は、祖国で行われた史上最大のスポーツイベントの年として、これからも中国人の記憶に受け継がれていくだろう。

その2008年を前に、中国の国営通信社「新華社」が各競技の現在の準備状況と来年の展望をまとめて発表した。各競技別に引用して、掲載したい。

卓球<目標は金メダル4個>

1 現状

国家代表は、2008年1月5日から深センと広東省中山での合宿から、1年をスタートさせる。2月末には広州で世界卓球選手権の団体戦が行われ、その後、改めて北京五輪の出場メンバーが発表される。(1月7日前後に暫定メンバーが発表される見込み)

現在、男子は王励勤、馬琳、王ハオ。女子は張イ寧、王楠、郭躍の3人が有力とされているが、他にも男子は最近力をつけている馬竜、女子は先日のITFファイナルで優勝した李暁霞や、その試合で王楠を破った郭炎も有力だ。最終的なメンバーは世界ランキングと世界卓球選手権の団体戦の状況を踏まえて選ばれる。ただ一般的に言えば、来年1月早々の世界ランクの上位2位の選手がそれぞれ出場し、『3人目』は五輪アジア予選でベスト8に入った選手ということになる。

『国技』卓球において、中国は「外は容易く、中は困難(外戦容易内戦難)」つまり、世界で勝つより、国内で勝つほうが圧倒的に厳しい。五輪出場を巡って『世界一熾烈な国内争い』が展開されることになる。

2 展望

2008年の北京五輪では、卓球は男女シングルスと男女団体の4種目が置かれる。前回大会との最大の違いはダブルスに変わって団体戦が取り入れられたことだろう。(団体は3人一組でシングルス2、ダブルス1で競う)

アテネ五輪では、中国男子の王ハオがシングルス決勝で韓国勢に敗れ、絶対に取らねばならなかった金メダルを落とした。体育総局の卓球主任、劉風岩氏は「アテネの成績はとても受け入れられない。北京五輪での最重要課題は男子シングルスで金を奪回することだ」と述べている。

posted by asa8043 |11:46 | 北京五輪 | トラックバック(0)
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2007年12月17日

中国五輪代表、米との親善試合で乱闘寸前・・

中国オリンピックチームがまたも乱闘寸前・・・

16日、中国・広州の越秀山体育場で、米国オリンピック代表との親善試合が行われた。

ここで、中国代表は、相手の身体に対する肘打ちや故意の接触などラフプレーを繰り返した。

ロスタイムには、接触プレーで倒れこんだ中国の王暁竜が起き上がり際に相手選手を肘で小突き、小競り合いに。その後、チームメートが止めて、事なきを経たが、今年2月、ヨーロッパ遠征中に起きた“乱闘騒ぎ”の二の舞になりかねない事態だった。

http://sports.sina.com.cn/n/2007-12-16/19213362877.shtml

試合は、前半、アメリカが3点を奪ったものの、後半に中国が3点を奪い返し、3-3で引き分けたが、あまりにも後味の悪い試合となった。

試合終了後、ドゥイコビッチ監督は「選手たちの、試合に対する“態度”の問題」と語るとともに、「このままだと、ファンはブーイングをするだろうし、メディアは我々を批判するだろう」とチームに対する危機感を示した。(中国スポーツメディア各紙より)

私は、この試合を現場で見たわけではないし、直接、関係者から話を聞いたわけではない。だが、映像を見れば、中国選手たちのあまりにもオーバーな動作は明らかだった。

確かに米国代表の動きはスピーディーで、個人技も強く、中国選手にとっては厳しい試合となるのは間違いなかった。ドゥイコビッチ監督が「とにかくひどかった(北京晩報)」と振り返る前半を終えて、0-3。後半は、選手たちの動きがどんどん大きくなっていく・・。そしてラフな接触が増え、試合は荒れ気味の空気となっていく。米の選手は何度も主審の趙亮(中国)に訴えるが、彼も全く意に介さない。米国の監督が試合後、「0-3から“誰かさん”の助けで同点になった」と冷笑したのはこのためだ。

結局、最後に、王暁竜が爆発し、米選手ともみ合いになるというオチがついて、『小学生の喧嘩』のような試合は終わった。だが、冬合宿の成果を試したいとして臨んだ中国代表にとっては嫌な後味が残っただけ。来年3月に五輪北米予選を控えて調整を続ける米国にとっても、あまりにも意味のない練習試合となった。

中国五輪チームといえば、今年2月に行われた欧州遠征で、練習試合中、大乱闘を起こし、社会問題となった。その後、選手の粛清を含め、様々な措置を講じてきた五輪代表だが、1年近くたっても、これでは「成長なし」といわれても仕方がない。

http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/35

20歳前後の若い選手たち。試合中、気持ちがエキサイトすることもあるだろう。一つのボールを、一つのゴールを奪うために、我を忘れて、「行き過ぎて」しまうこともあるかもしれない。その一生懸命さ、その執念に触れたとき、私たちスポーツファンもまた彼らと一緒に熱くなる事ができる。

だが、そんな「ファイティングスピリット」と相手への悪意や攻撃は全く性質が異なる。「悪意や攻撃」が生み出すプレーは醜く、そこからは何の感動も得られない。ただ白けてしまい、ソッポを向いてしまうだけだ。

中国の五輪代表「国奥(五輪の意味)」は、今年2度にわたって、そんなプレーをファンにさらけ出してしまった。

今年は『スポーツ選手の素質(学力・人格を含めた広い意味を指す)』がテーマとなった年だった。先ほど触れた「五輪代表の乱闘騒ぎ」でサッカー選手の『素質』が論議の的になり、その後は、メダルを売りに出す元選手が現れるなど引退後のアスリートの生活問題も話題となった。また大学生チームがプロリーグに昇格し、旋風を巻き起こすなど、これまで高等教育に無縁だったスポーツ界が少しずつ変化の兆しを見せた年でもあった。

『学歴』と人格を一緒くたにするつもりは毛頭ない。また、子供の頃からサッカー漬けで育ってきた五輪代表の選手たちの生き方が間違っていたとはいえない。

だが、少なくとも「ルール」という共通認識の下で戦うという、スポーツの基本を守れない選手に『スポーツ選手』とは名乗って欲しくないし、国を代表して戦う資格はないと思う。

たかがサッカー・・・されどサッカーだ。サッカーは良くも悪くも、その国のスポーツ文化を代表する。そして、例え経済や政治の調子が悪くても、素晴らしいサッカーチームを持っていれば、市民は元気になれる・・・僕はそう思う。

だから、国旗を身につけて戦う代表選手には、それだけの責任があるはずだ。中国の五輪代表の選手たちはそれを自覚しているのだろうか。

ある記者が、この試合について、こう書いていた。「2008年の五輪開催国として、我々は安っぽい尊厳はいらない。親善試合で、こんな試合をして、来年、またこんなものを世界に見せる気か?」

このブログ記事でも、何度かお伝えしているように、今、中国サッカーは大きな危機を迎えている。国家代表、五輪代表、二つの代表チームに対するファンの信頼は完全に地に落ちているのだ。その信頼を回復するのは、そう簡単ではない。私は、そのためには「勝利」しかないと考えていた。だが、残念ながら、五輪代表はまだそのレベルではないのかもしれない。

もはや人員を大幅入れ替えすることも出来ないから、2008は彼らで戦っていくほかない。選手たちのミーティングも必要だろう。自分たちの何が問題なのか、何を改善しなければならないのか、戦術や技術面以前の問題を解決しなければならない。そして先ほど述べた『責任』を自覚する必要がある。中国のサッカーファンの中には、まだ、心のどこかに、来年の爆発的な躍進を期待する気持ちがあるはずだ。

何より、中国サッカーは2008年の五輪で終わるわけではない。中国のサッカー文化は今まさに始まったばかり。だが、今の代表チームがなければ、次のチームは生まれてこないのも確か、なのである。

posted by asa8043 |21:53 | サッカー | トラックバック(0)
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2007年12月17日

卓球王国のすごさ・・・観客の声援に脱帽

卓球のプレ五輪「プロツアーファイナル」は16日、閉幕。結局、女子ダブルスで韓国ペアが決勝進出したのを除いて、いずれも決勝は中国人同士の対戦となった。男女単複は全て中国勢が優勝した。

女子単は世界ランク4位の李暁霞がザグレブ世界選手権覇者の郭躍をやぶって最終戦を制した。決勝の組み合わせは世界選手権と同じ。その雪辱を果たしたことになる。また男子単の決勝は、世界ランクトップ二人の対戦となり、ランク2位の馬琳が1位の王コウを下して優勝した。唯一、中国人以外が出場した女子複の決勝。郭躍・李暁霞の相手は、1回戦で福原愛のペアを下したキム・キュンア、ポク・ミヨン組(韓国)だ。カットを多用して、中国ペアの力のあるレシーブを交わしながら、接戦に持ち込んだ韓国ペアだが、結局4-2で郭躍・李暁霞が勝利。満員の会場の声援も後押しした。

チケットは、大会2日前までにすでに完売。決勝当日も、無人となって閉鎖された売り場に、チケットを求めてやってくる人が後を立たなかった。

会場は販売されていない席を除いて、ほぼ満員。最終試合の男子シングルスは夜11時を回った。北京の地下鉄・バスはいずれも、この時間は当てにできない。会場の北京大学は北京の北側にあり、決して交通が便利な場所ではないのだが、会場の観客はほとんど席を立つことなく、試合終了まで見守った。



さすがは卓球王国・・・

4つの金メダルを全て総なめ・・・これは最近の国際大会では当然のことであり、むしろ金メダルがとれなければ、翌日の新聞でコテンパンに叩かれてしまう。そんな強烈なプレッシャーの中で戦う選手たちは大変だ。会場に響く「加油(ジアヨウ・がんばれ)」の大声援は、同時に、「国技」に挑む選手たちに対する強いプレッシャーでもある。そして、「卓球王国」ぶりを感じさせるのは、選手の力だけではない。会場の応援も素晴らしい。『観客の観戦マナー』については、私もこのブログ記事を通じて、何度か話題にしたが、事、卓球に関しては「さすが」と脱帽である。

 誰か一人が選手の名前、例えば「王楠」と叫べば、その周囲の人たちが「加油(ジアヨウ・がんばれ)」と続く。それを繰り返す応援なのだが、選手がサーブのために身をすっとかがめた瞬間に、その声が止んで、『息を飲む』音が聞こえる。会場が一瞬、緊張するのだ。全てのスポーツに、この『息を飲む』瞬間があり、これを楽しむことがスポーツ観戦の醍醐味だと思うのだが、一連のプレ五輪シリーズで、この感覚を味わえたのは、今回が最初だ。

 また中国人の観客は、「中国人同士」の対戦における応援の仕方をよく分かっている。卓球ではしばしばそういった場面が見られるからだろう。その局面で、劣勢にある選手の名前を呼び上げ、会場全体がそれに続く。その「選手選び」が実に的確なのだ。だが、あまりに、一人の選手の名前が連呼されすぎると、別の場所から、相手の名前も出てくる。声のかけ方、内容、タイミング・・・いずれも抜群だと感じた。

 歌舞伎などの伝統芸能でも観客のかけ声一つで、その舞台が変わってくるという。また優れたスポーツ文化は観客が育てていくもの・・・というのは、このブログでも何度も触れていることだ。

 試合中、一流のスター達の名を呼ぶ子供たちのかけ声が何度も上がった。世界トップレベルの選手が自分と同じ中国人であることを誇りに思い、憧れの気持ちを持つ子供達は多いだろう。

 女子シングルスの決勝は、郭躍と李暁霞・・・いずれも20歳に満たない選手だ。かつての女王、王楠・・そして世界トップを走り続ける張イ寧も、観客席でその試合を傍観していた。中国では、トップ選手が世界一を守り続けるだけでなく、後から次々と、若い選手が登場してきて、新陳代謝が起こる。そのスピードが異常に早い。

 中国のスポーツ選手といえば、国家が育てる「ステートアマ」のイメージが強いが、本当の「王国」は、それだけで作り上げられるものではない。その“幹”になる部分は、選手、観客、そして未来を担う子供たちが一体となって、作り上げている・・そんな気がした。

posted by 朝倉浩之 |16:59 | 卓球 | トラックバック(0)
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2007年12月17日

五輪を彩る・・・秘密の「コンパニオン養成所」とは?

世界最高のパフォーマンスが繰り広げられた後に行われる栄光の表彰式。

ここで、選手を先導したり、メダル授与の手伝いをする女性コンパニオンがいる。すらっと伸びた背、きりっと締まった表情・・・『世界最高の舞台』に立つ女性は実は北京中から選りすぐった美女達・・・。そして、彼女達は、実はボランティアなのだ。だが、志望すれば誰でもできるというわけではない。彼女らを一流のコンパニオンに育てる『秘密の研修施設』があるのをご存知だろうか。

朝刊紙「北京青年報」に、その『秘密の研修施設』の潜入レポートが載っていた。

北京から「万里の長城」に向かう高速道路を途中で降り、3,4キロのところ。北京市昌平区にその施設はある。黄色い笑い声がこぼれてくる施設の中に入っていくと、いずれも、あたりを歩く若い女性たちは、いずれもかなりの「美形」ばかり。

ここが北京五輪の表彰式のコンパニオン「礼儀小姐」の研修施設である。

今年6月から、北京市内で、あわせて1250名の女子学生が選抜され、この施設に送り込まれてきた。彼女らは、合計18日間に及ぶ「強化研修」を受講した後、今年8月から開かれたプレ五輪『グッドラック北京』の各大会で、本番同様の形式で仕事をおこなった。その後、厳正な試験を経て、12月半ばに380名のコンパニオンが選ばれ、晴れの舞台に立つことができる。

選ばれた「候補者」はいずれ劣らぬ『美女』ばかり。ほとんどが大学生で、みんな各大学の「校花」つまりミスキャンパスなのだという。

ちなみに選考基準も厳しい。身長は168センチから178センチまで。年齢は18歳から25歳。体重には特に規定はないが、プロポーションがよく、体のバランスが取れていることが必須条件だとか。

今年6月始めから、各大学で選考を始め、見た目だけではなく、大学での成績、そして何より英語能力が特に重視されたという。さらに性格や皮膚の色にも厳しい要求があったということだ。

その生活の様子も、詳細にレポートされている。

起床は朝5時。ベッドの整理をしたあと、6時から7時10分まで「朝の体操」の時間。そして簡単な朝食の後、8時に授業開始。1時間目はバレーの基本練習と体操。9時半から2時間半にわたる『マナー科』。そこでは立ち姿や歩き方、体の方向の変え方などが指導される。

正午の休憩の後、昼2時からは、伝統舞踊や民族舞踊の時間。これにより、体の柔軟性や協調性を養うという。3時からまた2時間にわたる「マナー科」があり、午前中の“復習”を行う。食事と休憩のあと、夜7時にまた90分間の授業があり、オリンピックに関する知識やマナー講座が行われる。毎日夜10時までスケジュールはびっしり。担当教官によると「休み時間は、化粧を直す気力もないほど疲れ果てて、ベッドで眠り込んでいる」とか。

並大抵ではない努力によって、選ばれたものだけが「コンパニオン」の座を手に入れることができるというわけだ。

 では食事はどんなものだろう。研修中の彼女らの一日辺りの食費はわずか25元(400円ほど)。メニューは、朝が肉まん、卵、豆乳、粥など。昼がご飯と野菜、肉、魚料理。食事はいずれも十分な栄養の摂取と、太りすぎを防ぎ、プロポーションを保つことができるよう研究されているという。また夏場は蚊などの虫が多かったが、蚊取り線香や殺虫剤を常時備え、蚊にさされて『顔がはれる』などということが絶対にないよう、気を使っているそうだ。

 研修生の一人は「私の憧れは劉翔。劉翔が金メダルを受け取るとき、そこにいれたら、うれしい」と語る。この研修は2008年3月までつづき、最終選考が行われる。

posted by asa8043 |16:06 | 北京五輪 | トラックバック(0)
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2007年12月17日

卓球プレ五輪、停電の原因はシステム故障

13日から北京大学体育館で行われていたプレ五輪「卓球プロツアーファイナル」。

大会2日目の14日に起きた「停電」について、当局側の発表があった。詳細は当ブログの以下の記事。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/289

昨日は北京五輪組織委員会の劉淇会長が会場を訪れ、視察を行った。新聞「北京日報」によると、当然、今回の停電騒ぎにも話題は及び、その原因について、「非常電力設備の故障によって、競技場内の照明システムに支障をきたしたもの」と説明した。

これに対して、劉淇会長は、「問題が起きるのはやむをえない」とした上で、「しっかり教訓を得て、実践の中で改善していくよう」と語ったという。

posted by 朝倉浩之 |14:02 | 卓球 | トラックバック(0)
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2007年12月16日

中国サッカー、体育当局の”弱気”に監督が反発

中国五輪代表、当局の“弱気”に監督は反発・・・

今月3日開かれた国家体育総局の2008年冬季キャンプ作業部会で、五輪代表の現状について、報告を受けた際、当局の責任者は、五輪での目標について、これまでの「ベスト4」を変え、「出来るだけ多く勝つこと」という表現を使った。事実上の目標引き下げで「軌道修正」を行ったといえる。ここ最近の練習試合の結果とチームの現状などから、『ベスト4は無理』との判断が下ったのだろう。

だが、これに対し、ドゥイコビッチ監督の反論が16日付の成都商報に掲載された。

ドゥイコビッチ氏は「上が何と言おうと、我々の目標は変わらない。五輪代表はベスト4の力を持っている。そして、監督として、私は全ての試合に勝つつもりでいる。もちろん6戦全勝で金メダルが目標だ。」と語った。

五輪代表は先日、アメリカ代表と練習試合を行い、0-0で引き分けたばかり。そのアメリカについては「個人の能力は高いが、全体では中国に及ばない」とばっさり。さらに欧州勢は「確かに実力は上。だがユースレベルの力はそれほどでもない」とし、前回、五輪代表が準優勝したトゥーロン杯の例を挙げた。また以前ガーナで指導していた経験からアフリカ勢については、「戦術面で劣る」と評し、「相手の弱点は全て分かっている。あとはそれを利用すればいい」と語った。

ドゥイコビッチ監督の「全部勝つ」というのは、当然のコメントである。試合をする以上、相手が誰であれ、全て勝つというのは、「スポーツ人」として当然のことだ。

一方、体育総局の『目標引き下げ』は中国サッカーの現状からして、妥当なところではあるのは確か。だが、ならば従前の「ベスト4」は一体なんだったのだろう。この時期にきての、目標引き下げは、「五輪後の保身」なのか、何か別の意図を持ったものとしか思えない。この五輪代表の戦いぶり、そして「死の組」に入ったフル代表のW杯大陸予選の結果によっては、中国サッカーに取り返しのつかない打撃が加わることになる。役人は『逃げ道』があるが、戦う選手たちとサッカーファンには『逃げ道』はない。徐々に失われつつあるファンたちの「国内代表への信頼」を取り戻せるよう・・・来年は中国サッカーにとって、大きな鍵になる年となりそうだ。



posted by 朝倉浩之 |12:01 | サッカー | トラックバック(0)
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2007年12月15日

五輪聖火のチョモランマ登山隊、高地トレを開始

北京五輪の聖火が世界最高峰チョモランマに登る・・・

その試みに挑戦する「中国登山隊」のメンバー31人が、13日から雲南省昆明で50日間の高地トレーニングに入った。中国新聞社が伝えた。

登山隊はすでに北京で、第1段階の『平地トレーニング』を終え、今回の合宿に臨んだ。昆明は日本の長距離選手などが合宿を張ることでも知られている。

今回のトレーニングを終えたあと、来年の旧正月のあと、チベットでの第3段階の合宿が待っている。

責任者は「登山トレーニングは、低いところから高いところに場所を移していくのが基本。昆明は、登山隊員の心肺能力と体力向上の場として、非常に適している」と語る。

posted by asa8043 |01:11 | 北京五輪 | トラックバック(0)
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