2007年02月27日
1月初旬から2月中旬まで40日あまりに渡って、中国五輪チーム(U-22代表)は欧州、そして香港での“合宿生活”を送った。ロンドンでは、地元の2部チームなど3度にわたって「乱闘騒ぎ」を起こし、世界中に報道されるなど失態もあり、またプレミアの2軍チームに完敗。満を持して望んだ中国の春節(旧正月・中国では最も盛大に祝う)恒例の「香港サッカー新年杯」では決勝まで勝ち進んだものの、試合中の動きは決して満足できるものでないなど、中国のスポーツマスコミはこぞって不安材料を書き立てている。では、中国期待の五輪チームは今、いったいどんな状態にあるのか。関係者の取材を元に、私なりに、今回のキャンプの功罪をまとめてみたい。
まず今回の合宿の収穫である。例の乱闘騒ぎで、今回のキャンプの意義など全く消し去ってしまったという厳しい見方がある中で、あえて収穫をあげるならば、チーム内への「ドゥイコビッチイズム」の浸透といえるだろう。
セルビア人のドゥイコビッチ監督は去年10月、中国五輪チームの監督に就任した。数多くの候補者が挙がっては消え、半年あまりの迷走を続けた上、ようやくの監督決定であった。そのバタバタもあり、12月のアジア大会は、選手選考も中国サッカー協会の手によるもので、「ドゥイコ色」はほとんどといっても生かせなかった。結果的には、準々決勝でPK戦によりイランにやぶれ、ベスト8どまりという、中国サッカーファンにとってはやや不満の残る結果となった。
ただ、この大会、少しこれまでと違ったと感じられたのは、選手たちの「闘争心」であった。ボールに対する積極性、1対1での粘り強さなど、「一人っ子世代」の彼らに最も欠けた部分がそれであり、ドゥイコビッチが最初に手をつけたのが、選手の「精神的部分」の改革だったのだ。
その「改造計画」に成果が現れてきたのが、欧州・香港の今回の合宿だったといえる。さらに、春節の香港新年杯では、「スピード」を旨とするドゥイコ色のサッカーが少し垣間見られたような気がする。ただ、決勝のジャマイカ戦にしても0-0でPK戦により破れたとはいえ、まだまだ「戦う集団」としての気迫のようなものがなかなか感じられず、随所に甘さが見られ、まだまだドゥイコ色が浸透していない印象を受けたのも事実だ。
さて一方、「負」の面である。例の乱闘騒ぎでこの「負」の面が大きく強調されたのは言うまでもない。そして、「軍隊並み」の厳しい統制と長期にわたる合宿生活が選手にストレスを与え、それが爆発した・・・というのが、乱闘騒ぎの「要因」とされるものである。もちろん、原因はこれだけに留まらないが、このことが、先ほどの「精神面」の問題点の中で、今も残る大きな課題といってもいいだろう。選手たちにとっては、試合中の厳しいマーク、ラフプレーの中でどれだけ自らをコントロールできるか、さらに試合外の厳しい環境の中で、いかに平常心を保てるかということは、1年半後の最高のプレッシャーの中での「本番」の出来に大きく関わってくる。さらに指導陣についても、ただ締め付けるだけの選手統制法に問題があったことを考えなければなるまい。
posted by 朝倉浩之 |00:29 |
サッカー |
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2007年02月24日
中国の正月、春節が今日で明けた。日本にいると想像もつかないことだが、中国人はこの春節というのを殊のほか大切にする。それは日本人の正月の比ではない。この期間、13億の中国人が大移動を開始する。その行き先は、自らの故郷である。大晦日は家族と過ごし、春節初日と2日目は親戚のうちに年始回りに行き、それ以降は、各地で開かれる縁日に遊びに行く・・これが中国人の一般的な春節の過ごし方である。
私は、この春節を山東省の農村にある友人宅に身を寄せ、いまや都会ではあまり見られなくなった中国伝統のお正月の様子を体験してきた。去年は北京で春節を過ごしたのだが、これまた田舎の正月の「盛り上がり」というのは、都会とは比べ物にならないものであった。この様子をお伝えするのはまた別の機会に譲ろう。
中国人誰もが皆、故郷へ帰省するこの春節だが、そうはいかない人たちがいる。「国家代表チーム」のメンバーである。中国では、優秀な選手が各競技別に中央に集められ、彼らは統一行動をとりながら、練習に励む。今は、春からのスポーツシーズンに向けた充電の時。こちらでは「冬訓」と呼ぶのだが、つまり冬合宿の真っ最中なのだ。ある競技チームは南方へ、あるチームは北方へと、それぞれの目的に合わせて合宿地を選び、練習に励んでいるのだが、彼らには春節休みはない。だから、周りが次々と故郷に帰り、両親や親戚と一緒に過ごすこの時期を彼らは競技場で過ごすと言うわけだ。少なくとも国家チームに所属している間は、春節中に故郷に帰ることはまずできないと言ってもいい。
そのため・・といっていいのか、どうか分からないが、この春節中のスポーツニュースでは毎年恒例の映像が流される。それは「合宿地から明けましておめでとう!」なるもの。つまり、各競技チームの選手たちが、各合宿地で、新年の宴会を開き、そこにカメラが入って、故郷の両親に新年の挨拶をするというものだ。これを延々と各競技別に並べていくのだから、見ているこちらが疲れる。だが、中国人からすれば、これは全く疲れないらしい。彼らは、春節にも帰省できない「不幸な人たち」。でも、それもこれも中国の名誉のため。そんな気の毒な彼らが両親に向けて、新年の言葉を贈る様子をしばし感慨にふけりながら、そしてお正月気分にひたりながら、まったりと眺める・・というのが、これまた中国のお正月・・というわけである。
明日はお正月明け。みんなが帰省してガランとしていた北京の町もいつもの喧騒を取り戻す。日曜日を振り替えて、春節の連休を作っているため、明日は通常通り出勤、と言う人が多い。そして新年の香港で行なわれるサッカー大会以外、ほとんど動きのなかった中国スポーツも、動き始める。
中国スポーツの面白さを心新たにお伝えしていきたい・・という意気込みつつ、中国人と同じく、明日から「亥年」のスタートを切りたい。
posted by 朝倉浩之 |20:43 |
スポーツコラム |
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2007年02月16日
アテネ五輪のヒロインが4度目の引退申請を提出した。
テニスの女子ダブルスで、孫テンテンとペアを組んで、中国人初の金メダルを獲得し、世界をあっと驚かせた李テイが、国家体育総局テニス管理中心に「引退申請」を出していることが分かった。
ただ、スポーツ選手を国家が育てる中国では、引退も自らの意思では出来ず、「申請」を出して、受理されて初めて可能になる。13日の時点では、テニス国家代表の蒋宏偉監督には「李テイ引退」の正式通知は来ておらず、今のところ、体育総局で「辞表預かり」の状態になっている模様だ。
李テイは2004年のアテネ五輪で孫テンテンと組んで、金メダルを獲得。しかし、その後はぱっとせず、また持病の腰痛が徐々に悪化していたことも引退を決意した原因のようだ。父の李瑞堂氏も「娘はテニスをやりたくないわけじゃない。体がついていかないのだから仕方がない」と残念がっている。
ただ、実はこの引退申請、今回が初めてではない。
「一度目」はアテネ五輪で金メダリストとなった直後、提出した。そのときは直属の所属先となる「湖北省体育局」が湖北省代表として出場する「第10回全国運動会(日本の国体に当たるが4年に1度行なわれる)」に出場してからにしてほしい、と懇願され、やむなく辞表を撤回した。
そして「二度目」はその全国運動会直後で、このときは「アジア大会までは何とか・・」と国家体育総局に説得され、またまた撤回。
さらに、そのアジア大会がが終わった後に「三度目」の引退申請。そして今回が4度目・・というわけである。
「そんなに辞めたいなら・・」とも思うし、「よっぽどの腰痛なんだろう」とも思うが、余りの不調により、孫テンテンとのコンビもすでに解消され、今は宙に浮いた感のある李テイの引退申請をここまで頑なに拒むというのは、何か理由があるのだろうか。
12日各紙が報道したのに対し、中国等当局はこれを否定。ただし、15日には声明を発表し「李テイはケガにより国家代表を離れる。」とした。つまり、ケガが治れば再度復帰する含みを残したわけだ。だが、本人、家族の反応等を見ても、再び彼女がコートに戻ることはないような気がする。
posted by 朝倉浩之 |15:17 |
テニス |
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2007年02月16日
今週初めにかけて、ドイツでは3つの室内陸上大会が開催された。(2月3日、6日、13日)本格的な陸上シーズンに向けてのプレ大会的ものだが、ここで、中国期待の陸上エース、劉翔(男子陸上110mハードルの世界記録保持者、アテネ金メダリスト)が登場。60mハードルに出場し、初戦のシュトゥットガルトでは2位に甘んじたものの、最終戦となったカールスルーエでは、自己の持つアジア記録を更新する7秒42を出して優勝した。
2008北京に向けて、ここまで全て「順調」に調整が進んでいる劉翔。だが、このドイツ室内シリーズで、一人の若者がクローズアップされ、劉翔のライバルとして注目を浴びている。
デイロン・ロブレス(1986年生まれ・キューバ)。劉翔(23歳)より若い弱冠20歳のホープである。17歳の時、2003年にカナダで行なわれた世界ユース選手権で世界デビュー。去年モスクワで行なわれた世界インドア陸上では、60mハードルに出場し2位に入った。
実は、今回のドイツシリーズは、この売出し中のロブレスと、「世界記録保持者」劉翔の一騎打ちが大きな見所として注目されていた。
今回、両者は2度対決。一度目は2月3日シュトゥットガルト戦。今年初の公式戦となったこの日、劉翔は7秒45で2位。その劉翔の前を走っていたのがロブレスだった。ロブレスは7.38で見事、優勝。このとき、中国のスポーツ各紙は劉翔の「敗戦」をやや過剰に取り上げたが、孫海平コーチ(劉翔の専属コーチ)は「あくまで調整にすぎない」と意に介さなかった。
続く6日のデュッセルドルフ戦は、ロブレスが出場せず。劉翔が7秒53の今年室内4位の成績で優勝。
そして迎えた13日のカールスルーエ戦で、再度、両者が対決し、劉翔が7秒42のアジア記録。ロブレスが7秒44で2位に入った。このレース展開を振り返っておこう。スタートが最も良かったのは劉翔で、0.127秒での反応。ロブレスは1000分の8秒遅れてスタートした。だが、第1ハードルを越える時点で、ロブレスは劉翔に追いついた。劉翔は「後半型」の選手。一方のロブレスは「前半型」である。ほぼ同時に第2ハードルを越えた後、第3ハードルでは、ロブレスがやや優勢を保っていた。だが、第4ハードル以降はやはり劉翔が強かった。第5ハードル時点では完全に劉翔が前に行き、最終的には劉翔の「後半のスピード」が勝った。
実際、後半型の劉翔にとって、短距離の60mハードルは非常に不利であり、このレース展開を見る限りでは、仮に距離が110mに伸びれば、ロブレスとの差はもう少し開いた可能性が高い。だが、そういった条件を差し引いても、このロブレスの台頭は、劉翔にとっては非常に手ごわいし、我々スポーツファンからすれば、非常に頼もしい存在となる。
まず彼はまだ若い。瞬発力が必要とされる短距離のハードル競技において、この若さは何にも勝る武器となる。さらに、ロブレスの記録と劉翔のを比べてみると、いずれも同年代での比較では、ロブレスが勝っているのである。さらに、去年の時点で、すでにロブレスは110mハードルにおける「13秒水準」に達しており、劉翔のライバルに十分になり得る実績も挙げた。去年は13秒10を4度出していることから、13秒の壁を破るのも時間の問題。こうなれば、世界記録12秒88の劉翔もうかうかしていられなくなる。そして今回のドイツシリーズで60mハードルの「7秒40の壁」を破ったのは、このロブレスだけ。(3日シュトゥットガルト)7秒38の記録は実に歴代7位の好成績である。
もちろん、ライバルはまだいる。35歳の大ベテラン「ハードルなぎ倒し男」アレン・ジョンソン(アメリカ)は世界の舞台を知り尽くした男だし、2005年ヘルシンキを制したラッジ・ドゥクレ(フランス)も十分に強さのある走りを見せる。ただ、何にも勝る「若さ」「可能性」を秘めたこのキューバの若者からは非常に面白い存在だ。
これまではアレンVS劉翔の対決構図が注目の的だったが、そこにロブレスが加わる・・・。この1年半、110mハードルの「王者」争いは目が離せなくなりそうだ。
posted by 朝倉浩之 |13:20 |
陸上 |
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2007年02月15日
中国サッカーが難続きである。
男子五輪チームが先週半ば、遠征先のイギリスで、試合中に相次いで乱闘事件を起こしたのに続いて、女子チームでは、「内紛」が勃発している。
中国サッカー協会と国家体育総局は、15日、馬良行監督を解任し、現在、監督代行を務めている王海鳴氏を監督に起用することを決めた模様。就任は春節明けとなる。
中国における女子サッカーの注目度は日本では想像しがたいほどのものだ。今でこそ日本の女子サッカーも「なでしこJAPAN」がマスコミにもてはやされ、一定レベルの関心をもたれるようになっているが、中国は、自国の男子チームがワールドカップに出場する前から、女子ワールドカップに出場し、決勝まで出て、アメリカと激戦の末、PKで敗れるなどの活躍で国内を沸かせてきた。だから、この女子サッカーの一挙手一投足は、スポーツマスコミの関心の的となっているのである。
さて、まず事件は1月29日に起きた。代表メンバーの主力の一人、施萌雨が突然チームを離れ、帰ってしまったのだ。その日、記者の取材を受けて「体調が思わしくない」との理由を述べた。そして、実はこの前にも、主力選手の一人、袁帆がチームを離れていた。
さらに、この同じ日、女子サッカーの強化のため、サッカー協会に招かれてチームの“顧問”という肩書きについていたクラウセン氏(ドイツ)も突如、母国へ帰国したのだ。彼は、今の男子五輪チームがU16時代に、彼らを率いて、世界ベスト16に入り、その手腕が大いに評価された実績がある。だが、その彼にも見放されてしまったわけだ。
おまけに、2002年にチームに合流した馬良行監督も休暇を申し出て、入院。2004年のアテネで大敗して責任を取ってヘッドコーチに下がっていた王海鳴氏が監督代理となるという事態が起きた。
この「満身創痍」の状況の中で、2月初め、中国広東省で、中国、イングランド、ドイツ、アメリカが集まる4ヶ国対抗戦を戦ったのである。結果はイングランドに2-0で勝利。ドイツには0-0の引き分け。アメリカには0-2で敗れ、1勝1分1敗の「まずまず」の成績。ただ、敗れたアメリカとの最終戦が終わった後の、ファンからのブーイングの行方が、この事件のそもそもの発端を物語っていた。
ブーイングの矛先は、チームの「代表」という肩書きを持つ李飛宇氏。この人が非常に評判が悪い。特に選手にとっては最悪である。今年初めにチーム代表に就任した李氏は早々から「整風」を宣言し、選手に対する厳しい管理体制を敷いた。携帯電話は練習前に回収。イヤリングなどの装飾品は合宿中一切禁止などなど。さらに、ある日の夕食の時に、選手と口論となり、「お前などは、俺が一言言えば、試合に出れなくなるんだ」といってタオルを投げつけたという事件も伝わっている。また実際に、選手を監督に許可なく、直接、チームから外すなどの「越権行為」もあり、まさに問題行為の連続だった。
このような状況に対して、すでに選手たちが連盟で、中国サッカー協会に対して、チーム代表の交代を要望する嘆願書を提出するという事態にまで発展したのである。
さて、これに絡んでかもしれないが、先ほどの馬良行、王海鳴、クラウセンの首脳陣3人が監督の椅子を巡る確執があったとも伝えられている。そしてその結果、クラウセン氏は前述のとおり、病気を理由に帰国。さらに馬良行監督は、病気を理由に入院し、先日、解雇を言い渡された。そして結局、王海鳴氏が監督復帰することがほぼ決まり、春節明け(中国の正月・今年の春節休暇は2月18日~24日)に正式就任する予定。この「権力争い」は王海鳴氏が「勝利」したというわけだ。
王氏はアテネでの女子サッカー惨敗の責任を取って、一度は降りたものの、当局側からはかなり信頼が厚い。一方、その後を受けて就任した馬良行氏は、その歯に衣着せぬ物言いで、サッカー協会や李チーム代表らとは、確執が伝えられていたが、選手からの信頼は厚く、またファンからも支持されていた。サッカー協会としては、恐らく次期監督候補として招聘したクラウセンだが、恐らくこの状況に嫌気が差してしまって、母国に逃げ帰ったというのが本当のところだろう。
今年9月10日から、中国の武漢、上海など5都市で、女子サッカーのワールドカップが開催される。この大会で、最低4位以内。さらに、来年の北京五輪でメダル獲得をもくろむ中国女子サッカー代表。その重要な起点となる2007年のスタートでつまずいたわけだ。去年はアジアカップでは優勝を果たしたものの、ドーハのアジア大会では、何とか3位に入るのが精一杯。何よりも、中国人のプライドを傷つけたのは、去年は、日本戦2試合いずれも敗れ、「抗日」が果たせなかったことだ。ただでさえ、風当たりの強い状況があっただけに、この「内紛」は、中国サッカーファンに大きな不安を呼び起こしている。
「本番」までもう時間はない・・・。こんなことをやっている場合ではないのだが・・。
posted by 朝倉浩之 |15:01 |
サッカー |
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2007年02月14日
ケガで戦列を離れていた姚明(ヨウメイ)の復帰の時期が秒読みに入ってきた。NBA(全米バスケットボール協会)のヒューストンロケッツ所属のセンター、姚明が中国大手スポーツ紙、中国体育報の取材に対し、自分自身の希望としてはと前置きした上で「2週間後には練習を再開し、3月上旬には試合に復帰したい」との考えを明らかにした。
姚明は去年12月23日のクリッパーズ戦で、着地の際に、右ひざ下の骨折で全治6週間の診断を受けた。その後、今月18日にラスベガスで行なわれるオールスターにもファン投票2位で選出されたものの、出場はまず無理と言う状況だった。
(本ブログhttp://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/11)
姚明は現在、バイスクルによるトレーニングを行なって、脚力の回復を図るなど、復帰に向けて積極的に練習を重ねている。
現在、ヒューストンロケッツはウェンスタン・コンフェレンスの地区3位(33勝18敗・2月14日 日本時間17:00現在)につけており、「チームの要」の復帰が待たれている。
なお、姚明についての詳しい紹介は以下の管理人のコラムをご覧ください。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgiy=2006&d=1201&f=column_1201_008.shtml
posted by 朝倉浩之 |17:33 |
バスケットボール |
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2007年02月13日
(1)北京オリンピック、スタジアムは今年全て竣工
2008年の北京オリンピックに向け、準備が順調に進んでいる。このうち、メインスタジアムとなる通称「鳥の巣」は今年年末に竣工し、あとは本番の開会式を待つばかり。また北京では28のオリンピックプレ大会、さらに香港で馬術の、青島でヨットのプレ大会がそれぞれ行われる。
(2)中国水泳陣が世界を相手にどこまでやれるか?
今年3月17日、オーストラリアのメルボルンで、第12回世界水泳世界選手権が開かれる。世界チャンピオンの斉暉らが率いる、今伸び盛りの中国水泳軍団が世界を相手にどこまで戦えるか。また「日本のシンクロの母」井村雅代氏を指導者に迎えたシンクロナイズドスイミングは期待通りの成績をあげられるか?すでに世界的地位を確立した「飛び込み」に続いて、水泳王国を築き上げることができるかに注目したい。第12回世界水泳世界選手権は3月17日開幕。
(3)『ガラスの美女』趙ヌイヌイ、ようやく復帰か?女子バレー復活へ。
去年、日本で行われた世界選手権で屈辱の5位に甘んじた中国女子バレーボール代表。アジア大会では雪辱を果たしたものの、バレー世界一復活に向けて、今年は正念場を迎える。今年半ばにスイスで開かれるモントレー・マスターズ、中国・寧波で行われるファイナル・グランプリ、そして11月のFIVBワールドカップなどで大規模大会が目白押し。ケガに悩まされ続けた身長197センチの「ガラスの美女」趙ヌイヌイがついに完全復帰に期待したい。
(4)愛ちゃん、世界最強卓球チームに恩返しの一勝なるか?
5月21日から、第49回世界卓球選手権がクロアチアのザグレブで開かれる。日本の福原愛選手はすでに出場決定。世界ランキングの上位を独占する中国勢に挑む。去年まで、中国スーパーリーグで武者修行をしていた福原が、中国勢に一泡吹かせることができるのか。
(5)注目の女子サッカー、中国でW杯開催!!
FIFA女子ワールドカップが9月10日から中国各地で行なわれる。各国のフル代表で戦う今大会は、来年のオリンピックと並ぶ女子サッカー最高レベルの大会。1991年の第一回大会以来、2度目の中国開催となる。オリンピックでメダル獲得を目指す女子代表にとっては、その前哨戦とも言え、是が非でも上位進出を果たしたいところ。ただ、去年のアジア大会では決勝進出さえできず3位と苦しんだことから、ここ半年あまりの建て直しが急務となる。しかも1月中旬に馬良行監督が病気を理由に辞任。あまりいい材料が揃っていないというのが現状である。
(6)進化し続ける中国陸上のエース劉翔、世界選手権での金なるか?
去年は12秒88の世界新記録を出した110mハードルの劉翔。今年の目標は、8月25日から大阪で開かれる世界陸上で中国人初の金メダルを取ることとなりそう。212の国と地域から選手役員3200人が参加する今大会は、2008の金メダルを目指す劉翔にとって、最高の前哨戦となりそうである。ハードルの決勝は8月31日。
posted by 朝倉浩之 |01:17 |
スポーツコラム |
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2007年02月11日
%color(black){}7日に起こった中国国家オリンピックチーム(U21ユース代表)の乱闘事件について、メディアの報道を中心にお伝えした記事に関して、引き続き、多くの反響を頂いた。コメントの中でtibetanさんがおっしゃるように、今回の事件は決して許されるべきでないものの、「報道も世論も総じて、五輪代表に対し、徹底的に批判する姿勢を見せている」ということに私自身も、ある意味の安堵感を感じている。
あれから、数人の中国人の体育関係者、友人(スポーツに全く関心のない人も含めて)らと、この点について議論したが、総じて言うのは「今回の乱闘事件を断固として批判する」「彼らは人間的に成長していない」「彼らは我々の代表チームでも何でもない。彼らに代表されたくない」果ては「中国のサッカーはもうだめだ」などという絶望論まで聞こえてくる始末である。つまり、少なくとも、私の交友範囲においては、今回の事件に対して、極めて厳しい態度を取っているということだ。(もちろん、これが全てというわけではない)。
ただ、新聞報道に関して言えば、11日付の朝刊で、例の五輪チームと乱闘事件を起こしたイングランド2部のクイーンズパークレンジャースが9日、またしても試合中に乱闘事件を起こしたことを大きく伝え、暗に、クイーンズパークが「荒くれ者」であるイメージを強調しようとしているようにも思える。ただ、実際にこのチームは問題の多いチームなのかもしれないが・・・。この問題の取り扱われ方は、今後の中国スポーツに行く末にも関わってくることだと思う。今後も積極的に追って行きたい。
さて、今回の事件に関して、多くの人たちは五輪チームの選手たちの「素質」に問題があると見ている。この「素質」と言う言葉は、日本語とは全く意味が異なり、どちらかといえば、「人格・人間性」などという意味に近い言葉である。今の中国の教育面における合言葉がこの「素質教育」であり、大学入試一辺倒ではなく、子供たち一人ひとりの人間性を養っていこうというのが、目標となっている。
そして、おりしも、今年のスポーツ界のテーマとして、挙げられているのが、このスポーツ選手の「素質」なのである。これは、北京青年報、北京新報、新京報など北京の新聞各紙が年始のスポーツ特集記事で、この問題を取り上げ、今年の大きな課題の一つに上げていた。その矢先の今回の事件・・というわけである。
中国のスポーツ界は日本と大きく異なる。私は去年、北京市内の朝陽区体育学校というスポーツ専門校に取材に行ったことがあり、機会があれば、中国のスポーツ選手育成について、レポートを書きたいと思うが、スポーツ選手が極めて専門化しており、5,6歳の低年齢児童の段階から、身体能力の優れた子供を選び出し、オリンピックを頂点としたピラミッドに組み込み、国費で育成するという形を取っている。学校体育が基本となり、アスリートと一般人の垣根がやや低い日本とは異なっている。
そのため、彼らは一度、スポーツ専門校に入れば、一般の「大学を頂点とする学歴社会」とは無縁のところで、スポーツ三昧の青年期を送る。当然、同年代の生徒らに比べると学力では差が出てくる。そして、優秀な成績を挙げれば、地区、省の国家チームに選抜され、その中から国家代表チームに選ばれる。彼らは北京に集められ、合宿生活を送りながら、国家から衣食住を保障されつつ、最高レベルの指導を受けながら、トレーニングを重ねる。そして、その中から、晴れのオリンピック選手が選ばれるというわけである。
ところが、スポーツ選手は一般に、遅くとも30代半ばまでには、競技者としてのピークを終える。一定年齢になれば、彼らは引退せざるを得ない。問題はその後・・である。優秀な選手やマスコミに取り上げられた選手は、その後、指導者やその他の道も開かれている。また場合によっては、体育関係の官僚として、地方、または中央で役人としての仕事を行う人もいる。だが、そういった道が開けるのは、ごくひと握り。しかも一部の人気競技に限られている。それ以外の選手は、「第2の人生」を歩まざるを得ない。だが、彼らは一般の学歴体系とは別のところで青年時代を送ってきた。そこから突如、今の厳しい学歴社会に放り込まれれば、どうなるかは想像がつくだろう。
私はあるアスリートを知っている。彼は、以前、世界選手権でも優勝したことのある優秀な選手だった。だが、引退後、何らかの事情があったのだろう。指導者への道は開けず、結局、社会に放り出された。そして今は、ある食堂でひと月1000元足らず(15000円ほど)の給料で、掃除の仕事をやっている。かつての金メダリストがこの状況である。惨めと言うほかないだろう。
このような悲劇が起きないよう、現在、中国のスポーツ界は引退後の「セカンドライフ」に向けた「素質教育」を進めようとしている。たとえば、先ほどふれた体育学校でも、一定レベルの教科教育を施し、いわゆる「重点学校」と言われる進学校から教員を招いて、かなりハイレベルな学校教育を行うなどの動きが近年出ている。そうなれば、例え途中で脱落せざるを得ないことがあっても、学歴社会に「復帰」できるというわけだ。
先月末、23歳の若さで引退を表明した羅雪娟(アテネ五輪の平泳ぎ金メダリスト)は、北京大学で国際関係学を学ぶことになっている。一昔前なら、指導者か体育関係の官僚くらいしかアスリートの進路はなかったが、第2の人生をスポーツだけに頼らない生き方をしようとする一流アスリートが増えている。この動きも「素質教育」推進の流れだろう。
そしてこのスポーツ選手の「素質向上」の中には、やはり、スポーツ選手の人間性の低さに対する批判とその改善というのも含まれている。よく言えば「純粋」だが、悪く言えば「世間知らず」な彼らは、うまくいけば英雄として尊敬を受けるが、そうでなければ、“一般の”中国人から逆に軽蔑の対象となる・・・これが今の中国スポーツの現状である。
今回の「乱闘事件」はおりしも、この「素質問題」が浮上している矢先の出来事であり、だからこそ、スポーツ界全体に大きなショックを与えているのだろう。それだけに今回の問題をサッカー界のものだけに留めず、中国スポーツ界全体の課題として重く受け止めてほしいと願っている。2008年、オリンピック開催国の大役を果たすのだから当然の課題である。
posted by 朝倉浩之 |22:21 |
スポーツコラム |
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2007年02月10日
ここ数日、中国サッカー界に続いている激震。昨日、このブログにメディア報道の内容から、私見を書かせていただき、多くの反響を頂いた。私自身も、心情として「まさにその通り」と思うことが多く、またこの事件が国際的に与える影響の大きさも改めて実感した。彼らは少なくとも「国家代表」として公の場に出ているのであって、いくらサッカーの試合、しかもユースの代表とはいえ、彼らの行動により、中国人全体が語られてしまうのはやむをえないと思う。
だが、中国での「生活者」の立場から、そう語りたくない・・というのが私の心情である・・・としか言いようがない。
中国U21代表がヨーロッパ遠征中に起こした「乱闘事件」は私自身の目の前で起きたことでなく、事後の映像と報道だけで判断せざるをえない。だから私自身も取材者としてでなく、一人のサッカーファンとして発言せざるをえない。
2月7日、ヨーロッパ遠征の親善試合の一環として、イングランド2部リーグのクイーンズパークとの試合に臨んだ中国U21代表は、後半30分、両軍入り乱れる乱闘事件を引き起こし、その試合が没収となった。この試合は観客は入らず外に開放された試合ではなかったが、カメラは入っており、映像としては、この乱闘の様子が終始、残っている。
一サッカーファンとして、あえて、この問題の真相、すなわち、一体あのときピッチ上で何があったのか・・ということを知りたいと思う。
もちろん、何度も言うように、試合の場で、しかも公のピッチ上で、暴力を振るうなどもってのほかで、これに対して何ら弁解の余地はない。だが、ここまでに至った理由は必ずあるはずだ。それを知った上で、彼らを批判したい。「一人のサッカー選手」、しかも世界に対して、「国を代表する」選手として、自分をコントロールする力が必要ではなかったか。それもまたサッカーにおける技能の一つであり、そこを育成できなかった中国サッカー全体の欠陥に問題がある・・・私はそうもいえると思う。
2月9日午後、帰国を命じられた7名の選手が北京首都国際空港に到着した。以下は今朝の朝刊(北京新報)、新華社の報道によるものである。
新聞によると、あの「乱闘事件」の発端は、今回帰国した選手の一人、コク(告におおざと)林が、相手選手の粗野な暴言やラフプレーに耐え切れなくなり、自ら「鉄拳」を出したことが発端となったとある。そのコク林も昨日、帰国し、記者団に囲まれたが、彼は一言、「責任は私にある。どのような処罰でも受け入れる」と語ったのみだったという。
さて、別の選手の言葉からも、その真相を探ってみよう。
呂征は、あのときの場面を振り返って、「彼ら(相手選手:クイーンズパークレンジャース)は故意に体を蹴ってきた。(記者に対して)もし誰かが殴りかかってきたら、あなたはどう反応しますか?」と語った。
また楊程は「相手は、試合開始当初からラフプレーが多かった。全て、直接、こちらの体を狙うもので、ボールには全然行ってなかった。おまけに常に、口汚い言葉で我々を罵っていた。試合前、みんなでは言ってたんだ。ピッチでは冷静を保とうと何度も。だから、みんなずっと我慢していた。殴り合いが起きたときも、大部分は止めようとしていた。でも結果的には、止めようとした者も一緒に殴り合いをしてしまった・・・」
もう一人、名前は明かされていないが、控え選手の回想をネット大手の「新浪」が伝えている。
「その時、私はベンチに座っていた。相手の動きが特にラフになってきて、ガオ林(冒頭に出た”発端になった”とされる選手)を挑発した。ガオ林は大声で中国語で『こんなことを続けてたら死人がでるよ』といったが、審判は意味が分かっていないようだった。我々は彼には『相手をケガさせるな。また怒らせるな。』と諌めた。しかし、相手側の背番号6の選手(氏名は不明)が自分のミスで、私たちに同点に追いつかれた。(0-1から中国が後半早々に同点に追いついた)そのためコーチから叱責を受けた。その鬱憤を晴らすために、ますますプレーはラフになり、口も悪くなった。」
またアゴを縫い、歯を折るという大ケガをした鄭濤も、ガオ林が相手選手に囲まれたのを「助けに」いったのをきっかけに暴行を受けたということも証言した。(以上全て新浪ネット引用)
さて、「けんか」の過程を振り返って、どちらが悪かったのかを判断しようとしても、あまり意味がない、というのも確かだ。少なくとも、イギリス側は一つのクラブチームに過ぎず、一方の中国側は、「中国代表」の名前を背負った選手たちであり、いくらラフプレーや口汚い罵りがあったとしても、「それもまたサッカー」ではある。それがどれだけ彼らを傷つけていたかは、我々には分からず、安易には言えないが、やはり『国家代表』であるからには、それをやりすごすだけの能力を身につけていてほしかったとしかいいようがない。
発端となったガオ林ら選手の処分については、今のところ、中国サッカー協会としては、「十分な調査を行ってから、改めて」としている。
posted by asa8043 |10:31 |
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2007年02月09日
一人の男が前の男にジャンピングパンチ。それを合図とするかのように、22人の男たちが一斉に取っ組み合いを始める。脇からは、次から次に別の男が加勢し、殴り合いはどんどんエスカレートしてく・・・。
これは、どこかの喧嘩の様子を描写したものではない。サッカーの試合、しかも国際親善試合。加えて、その一方が、中国13億の期待を一身に受けた「U21ユース代表チーム」。そして彼らは、来年北京で行われるオリンピックに国の威信をかけて戦うことを嘱望されたイレブンたちなのである・・・。
事件が起きたのは7日、英ロンドンで行われた親善試合。これは、中国U21代表がこのチームになって、初めて行ったヨーロッパ遠征である。相手は、地元チームのクイーンズパークレンジャーズ。クイーンズパークが前半1点を先制したあと、後半すぐに中国が同点に追いつく。すかさずクイーンズが勝ち越すというゲーム展開だった。
1-2で残り10数分というときのことだった。突然、ピッチの中央で、殴り合いが始まり、それがいつのまにか、両軍の選手が入り乱れての乱闘、さらには控えの選手、コーチ陣までが飛び出しての「大戦争」となってしまったのである。騒ぎが収まったのは1分後。ここで主審が試合の没収を宣言した。
後に残ったのは、けが人だった。途中出場した鄭濤が最も大きな被害を受け、殴られたときに歯が一本折れたのを始め、下あごが完全に変形。5分ほどこん睡状態に陥るという重傷を負った。さらにキーパーの王大雷も負傷した。(事件の過程は中国体育報より)
実はこの事件には伏線がある。これが初めてではないのだ。
この前日、2月6日、英プレミアリーグのチェルシーの下部チームと対戦した際、すでに乱闘事件が発生していた。しかも、この遠征中、その前にも、U21代表は乱闘騒ぎを起こしており、今回が3度目というわけだ。
今、中国のスポーツメディアは、この中国を背負って戦うべき五輪代表の話題で持ちきりである。8日付けの各紙は「恥ずべき失態」などの見出しを掲げ、彼らの行動に批判を加えた。「いかなる理由があろうと、グラウンド上で暴力を振るうなどもってのほか」というのがサッカー協会、メディアの統一した見解である。
またチームを率いるドィコビッチ監督も「選手には失望した」と怒りのコメントを出した。(新浪ネット)
さて、この理由について、昨日(8日)のCCTV中国中央テレビのスポーツチャンネルでは、特別番組を編成して、特集していた。解説者らが言うには、
1 U21としては初めての遠征、しかも長期にわたるヨーロッパ遠征で選手たちにストレスがたまっていた
2 サッカー協会の試合編成に対する不満(5,6日に対戦したチェルシー2軍は15,6歳のジュニア年代のチームであった)
3 度重なるラフプレーへの不満
などの理由を挙げていた。
さて、理由を考えるのに、もう少し遡ってみたい。5日のチェルシー2軍との初戦。試合開始3分から、中国の左FWの於海が相手を故意に倒し、交代を余儀なくさせた。また24分には、同じく於海が肘で相手を突いた。すかさず主審が警告を発した。またキャプテンの陳濤も何度かラフプレーを見せ、審判の警告を受けていた。相手は15,6歳のジュニア。そもそも彼らとの試合自体が、代表チームの選手にとっては、あまりいい思いをしなかったのだろう。
この不穏な空気に、より拍車をかけることがあった。この日はスタジアム観客を入れての試合だったが、詰め掛けたのは、当然ほとんどがチェルシーのサポーター。だが、中には中国人も混じっていた。互いに、チーム名と国名を呼び合い「がんばれ」とやっていたときは良かったが、後半に入って、中国人サポーターが徐々に興奮してきたのか、チェルシーサポーターが「チェルシー!」と叫んだあと、それに合わせて「***」と相手を侮辱する言葉を中国人サポーターが叫び始めた。これにより、ピッチ上だけでなく、スタンドも含めて、非常に不穏な空気が漂ったとのことだ。(2月5日付け新華社より)
おまけにこの試合は0-1で敗れた。実力的に格下かどうかはともかく、なんと言っても国家代表チームである。少なくとも「年下」の相手に敗れたものだから、彼らの屈辱も相当なものだったろう。
また問題の7日、クイーンズパークレンジャースとの試合は、互いにラフプレーを連発する荒れた試合となった。それに対する不満が鬱積して・・・というのが、とりあえずは妥当な見方だろう。(新浪ネット)
ただ、3回にわたって、しかも全て異なったチームに対して、乱闘騒ぎを起こすというのは正気の沙汰ではない。
結局、このあと行われる予定だった練習試合はキャンセルされるという結果となった。また記者会見で、五輪チームとして公式に謝罪し、数人の選手を翌日、送り返した。
これらの試合について、U21のドィコビッチ監督は「英サッカーはそもそも激しい当たりが特徴である。我々はそれに対処する方法を(乱闘とは)別の方法で解決しなければならない」と述べている。
さて、この事件に対して、私は「だから中国はだめなんだ」というような立場はとりたくない。私の友人(中国人)はこの件に関して、「彼らの素質(人間性・道徳性など言う意味)の問題だ。彼らは小学校さえまともに出ていないんだから」と語った。「彼らに我々を代表などしてほしくない」とやや興奮気味にだ。確かに彼らは、幼い頃から体育学校に選抜され、そこからサッカーを全てに優先させて生きてきた選手たちだ。だが、これをもって彼らの人間性そのものを否定したくはないし、もちろん「中国人」全体を評価したくはない。
またスポーツとは時として、このような乱闘を生むことも珍しくないはずだ。我々もプロ野球の世界で時折見かけるではないか。これをもって、彼らの人間性を否定することはあるまい。もちろん、暴力は否定されるべきで、競技場で殴り合いをするなどとんでもないことだが、彼らが一球、一投、一打に真剣に勝負していることをそこで実感し、だからこそお金を払って、貴重な時間を割いて彼らの真剣勝負を見たいと感じるのである。だから、乱闘はもちろん悪だが、乱闘をするほど彼らが真剣勝負であるからこそ、スポーツは魅力的である、という論理も成り立つわけである。
だが、今回の事件は、決してそのような「真剣勝負」の場で起きたわけではない。これはあくまでも「親善試合」である。来年に迫ったオリンピックに向けて、欧州サッカーの当たりの強さ、身体能力の高さ、守りの堅実さを実感し、国際経験を少しでも積ませることが今回の目的であったはずだ。だが、この事件によって、今回の遠征は「大ケガ」と「国際的汚名」という結果を得るにすぎないものになってしまった。
たかが親善試合・・という言い方はしたくない。だが、実際にこれは練習試合なのだ。たとえ、相手のラフプレーがあったにせよ、また気に入らない相手だったにせよ、また他に何か要因があったのにせよ、この「練習」の意味を全く無に帰させてしまうような「乱闘騒ぎ」は、何とか自分自身をコントロールして防ぐべきであった。それが国家を背負って戦う「選ばれた」選手の務めであるはずだ。
彼らは15,6の「少年」ではない。二十歳を過ぎたれっきとした「大人」である。サッカーの世界では、これは選手として、ピークに入ろうとする時期であり、試合中において、少なくとも「自分を制する」だけの力は持ち合わせてなければならない。これは世界で勝っていくために必要な「技能」だと考えるがどうだろうか。
今回の事件は、中国サッカー協会も重く受け止め、今後、原因の調査を徹底的に行うとしている。私は、この件については、上記に書いた表面的なこと以外に、もっと根の深いものがあるのではないかと思っているが、とにかく、徹底的に調査をして、「なぜこのようなことがおきたのか」を解明してほしい。中国スポーツを愛するものの一人として、そう願っている。
posted by asa8043 |19:42 |
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2007年02月08日
私が中国に渡ってから始めたスポーツがある。
韓国の国技、テコンドーである。「なぜわざわざ中国で?」と聞かれるが、
一つには、日本のマスメディアにいたときよりも、時間の融通が利きやすく
稽古がやりやすいこと。そしてもう一つは、元々、このスポーツに興味を持っていたからである。
日本にいたとき、シドニー五輪銅メダリストの岡本依子選手を何度か取材したことがあり、彼女の練習風景を見ていて、「かっこいいなあ」と思ったという単純な動機である。テコンドーは足技の豊富さで知られている。そしてローキックが禁止されている格闘技で、弧を描く美しい足技が駆使されることもあり、「足でやるボクシング」とも形容される。
シドニー五輪で正式種目化されるまでは、各国際大会も韓国の独断場となっていたのだが、それ以降は各国が入り乱れてメダル争いをする状況となっており、特に中国は、2006年アテネ五輪でも67キロ級で陳中が金メダルを取るなど、韓国と並んで、高いレベルを誇っている。
このテコンドーに対する中国の力の入れ具合は相当なものである。現在、中国国内での競技者は100万人を越え、道場は1000ヶ所以上。去年11月、河南省の少林寺に取材に訪れたときは、少林寺周辺の武術学校でテコンドーを学科として稽古している様子が見られた。ある武術学校の校長は、「かのブルースリーもテコンドーの稽古を取り入れていた。足技を学ぶのに最適の武術」と語っていた。
指導者制度も改革されている。中国では基本的に、全ての職業は国家による認定が必要となるが、去年11月から、中国でテコンドーを教える指導者は、全て「指導者認定制度」の対象とし、合格した場合は中国テコンドー協会のホームページに掲載されることになった。
現在、中国テコンドー代表は、天津で冬合宿に入っている。
12月のドーハ・アジア大会では中国女子が3個の金メダルを獲得し、メダル数だけを見れば、女子は韓国と肩を並べるくらいのテコンドー強国に成長してきた。ただ、まだまだ技術的には未熟なことが多く、韓国から外国人コーチを招聘して、レベルアップを行っている。
今年5月18日から22日まで、北京の郊外、昌平区で世界選手権が行われる。ここで、中国は女子が2個の金メダル、男子がメダル争い、という目標を立てている。
「本家」を奪わんと力を入れている中国、それに競技の国際化を目指して、全面的なバックアップをしつつ、微妙な心情を持ちながら、選手権に臨む韓国。この両者の争いが見ものだ。そういえば、この構図は、日本で言えば、柔道に似たようなものがあるかもしれない。
さて、私の稽古はといえば、本来、体が硬いせいもあって、とても、あの美しい足技まで到達しそうにない・・・。ちょこまかと足を挙げて、蹴ろうとするのだが、とても「ローキック以上に」届きそうにない。イメージトレーニングのほうは十分なのだが、目標の黒帯はまだまだ先のことになりそうである。
posted by 朝倉浩之 |08:14 |
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2007年02月07日
「世界で最も過酷な卓球大会」といえるだろう。
5月にクロアチアで行われる世界卓球選手権に出場できる12の枠をめぐって
世界で最も優れた選手が、国内で壮絶な戦いを繰り広げる・・
今、中国・広東省で行われている「国内選抜試合」はそんな卓球大会である。
そんな国内選抜試合の女子の部で、2日目の今日(6日)番狂わせが起きた。
昨日は危なげなく全勝した世界ランク一位の張怡宁(ちょう・いねい)が、
明らかに格下の劉詩雯と、今売り出し中の郭ヨクに連敗するという波乱が起きたのだ。もしも、これが世界選手権ならば、大会が始まって2日目に、彼女が敗れるなどということはありえない話だろう。だが、世界最強メンバーが競い合うこの大会では、こんな”番狂わせ”は当たり前のように起こる(つまり番狂わせとは言えない)のである。
世界に敵無しの張怡宁だが、現在は不調がささやかれている。記者陣のインタビューに答え、張は「確かに好調ではない。でも一年中ずっと好調でいられるわけがない。不調なら不調なりに戦えるのが選手だ」と述べた。
しばらくは、中国の国技、卓球に注目していきたい。
posted by 朝倉浩之 |00:28 |
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2007年02月06日
2月5日、北京は真冬とは思えない小春日和となった。例年なら、分厚いダウンジャケットがなければ凍えてしまうこの時期、セーター一枚でぽかぽかと感じる一日。日中は16度まで上がり、なんと同時期としては、1840年に観測が始まって以来、最も高い気温だったという。167年前に、中国で本当に気象観測する力があったのか・・・などと訝しく思いつつ、これも地球温暖化の影響なのだろうかと、少々心配になってくる。
さて、中国東北の吉林省で行われた冬季アジア大会も終わり、今度は舞台を南に移して、広州では、5月にクロアチアで行なわれる卓球世界選手権に向けた卓球「選手選考大会」が2月5日から始まった。この選考大会、ただの国内予選と思ってもらっては困る。恐ろしくレベルが高いのである。いや、世界一の大会といっても恐らく間違いではあるまい。何といっても、赤ん坊がラケットを持って生まれてくる?というお国柄である。サッカーやバスケットボールが人気を集めているとはいえ、やはり卓球は中国のナンバーワン国技。この選手選考会に集まる注目度は並大抵のものではない。
まず選手選考に参加する選手は全員が「国家代表チーム」のメンバー。
中国のスポーツ育成システムは度々説明しているが、国家代表チームを頂点とする完全なピラミッド型となっている。底辺には、地域に点在している「スポーツ学校」と呼ばれるスポーツ専門校があり、各地域で優秀な子ども達を受け入れ、その中からさらに優秀な選手が各省の、そしてそのまたエリートが国家代表へと階段を登っていく。しかも、「国技」卓球の国家代表と言えば、日本でいえば、イチローや松井並みの英雄であり、ここまで上り詰める選手というのは、13億中国人民のうちの一握りなのである。
そして、この「クロアチアへの直通キップ」と名づけられた選手選考会では、その一握りの選手たちが9席の「世界選手権」出場キップを目指して戦う。この戦いがまさに熾烈を極める。なんせ世界ランクにおいて、男子はトップ3を始め5人、女子はトップ4を占めて5人が10位以内に中国選手が入っているという状況。だが、全員が世界選手権に出られるわけではないのである。
この戦いは実に見ごたえがある。何と言っても世界最高レベルの選手たちがしかも、去年から、この選考会は中国中央テレビCCTV5(スポーツチャンネル)で全国に生中継されるようになった。選手選考過程の透明性を計ると共に、この段階からテレビカメラを入れて、プレッシャーに打ち勝つ力を育てようと言うわけだ。つまり彼らは13億人が見つめる前で、中国国内のいわば「選手選考」という内輪の試合を戦うことになる。さすが世界最強国のやることは末恐ろしい・・。
今行なわれている女子の選考試合は「第1ラウンド」と「第2ラウンド」の2回にわたって行なわれる。世界選手権出場者は、両ラウンドの結果で決定される。今回は、世界ランク1位の張怡寧(ちょう・いねい)、かつての中国のエース王楠ら、そうそうたるメンバーが出場している。直近の国際大会であるクロアチアオープンとスロベニアオープンでいずれも優勝した売り出し中の郭ヨクでさえ、第1ラウンドでベスト6、第2ラウンドでベスト8以内に入ることが要求されている。
世界選手権、五輪を何度も制しているベテラン、王楠はこう語っている。「この選手選考大会が最も緊張する大会。各選手たちの力はほぼ同レベル。誰が勝っても、負けてもおかしくない。世界選手権のほうがよっぽど楽である」
サッカーでも、ワールドカップ本選よりも、南米やヨーロッパ予選がむしろ激烈な争いになる。まさにそれだ。若手からすれば、一気に指導陣らの目にとまる絶好の機会、逆にベテラン勢からすれば、そんな若手達の追い上げやテレビカメラの向こうにいる13億中国人民のプレッシャーとの戦いというわけである。
女子の「選考レース」は5日から8日まで。その後、男子が9日から12日まで行なわれる。そして第2ラウンドが3月に行なわれて、出場選手が決定する。現在、国家代表チームの選手は合計22人。だが、世界選手権の出場枠は12。そして、このうち9席がこの選考レースによって決められ、残り3席は首脳陣が選考する「監督推薦枠」となる。
この大会、ベテラン王楠は不調が伝えられており、初戦は若手選手に敗れ、早速スポーツ紙は「王楠限界説」を見出しにしている。この選考試合における選手の一挙動一挙動が細かく報じられ、一面を飾るのも卓球王国ならではだ。
今回の世界選手権での選手選考が2008年五輪に大きな影響を与えるのは間違いない。男女シングルス・ダブルス・ミックスダブルス全てで金メダルが必須となる中国。これだけのプレッシャーくらいは難なく打ち勝たないと、卓球代表として世界に出る資格はないというわけだ。
posted by 朝倉浩之 |16:29 |
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2007年02月05日
吉林省で行われていた冬季アジア大会も閉幕し、いよいよオリンピックまで秒読みが始まったといえる。2008年8月8日に開幕する北京オリンピックまで、あと1年と半年あまり。いよいよ今年は選手選考も本格化し、出場権を巡る激烈な争いが始まる。もちろん、ホスト国となる中国勢の意気込みは相当なものである。
そこで、今回は2007年の中国スポーツの見所をまとめてみた。
(1)サッカー、オリンピックチームがどこまでやれるか?新監督効果はいかに??
北京オリンピックでのベスト4入りを目指す中国は、今年も去年に続き、日本・韓国との親善試合を行なう。去年の中国・日本戦は中国が2連敗。しかし、今年は評価がうなぎ上りの新監督ドゥイコビッチの下、新体制の中国オリンピックチームの頑張りを期待したいところである。ただ心配なのは去年、年末のアジア大会での惨敗。新監督はチームの建て直しができるのだろうか。
(2)スペシャルオリンピックス、上海で開催!
今年10月、知的障害者のスポーツの祭典、第12回「スペシャルオリンピックス夏季世界大会」が上海で開催される。異なる国や民族、文化背景を持つ知的障害者、ボランティアらが交流するとともに、『勇敢にチャレンジし、勝利する』の精神のもと、日ごろの成果を競うこの大会。ハンディを持った方とボランティアが一致協力して、作り上げるスポーツの祭典に注目してほしい。
(3)新たなる黄金時代なるか・・・世界最強のバドミントンチーム
6月にはスコットランドのグラスゴーでバドミントンの世界最高峰といわれる第10回世界国・地域別対抗バドミントン選手権 (スディルマンカップ)が開かれる。2年前のこの大会で優勝を果たした中国は、去年、日本で行われたトマス杯、ユーバー杯という二つの国・地域別対抗戦でも優勝し、名実ともに世界最強のバドミントンチームとなった。3つの対抗戦を制する「三冠」を今年も実現することができるのか。スディルマンカップは6月10日から始まる。
posted by 朝倉浩之 |00:48 |
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2007年02月04日
8日間に渡って行われた第6回冬季アジア大会が4日、閉幕。中国・吉林省を舞台にした雪と氷のスポーツの祭典が幕を下ろした。
式典には温家宝首相が出席。閉幕宣言を行った。
閉会式も、開会式と同様、アジアオリンピック評議会(OCA)に所属する45の国と地域全てが参加。大会が始まって以来初となる。
中国選手団の旗手は、今大会ぶっちぎりの金メダル獲得、トリノ五輪のスキーフリースタイル・エアリアルで優勝をさらい世界をあっと驚かせた韓暁鵬が務めた。
また、フィギュアスケートのエキシビションも行われ、女子のシングルで優勝した中野友加里(早大)らが演技を披露した。
今大会は、アジア大会史に残るものとなった。参加国がアジア全体に及んだことはもちろん、そのうち26カ国・地域が試合出場。参加選手802人、観客数20万人以上など、全て大会史上最多となった。
またドーピング検査面においても、今回は違反が全くなかった。
時事通信社によると、組織委の安莉事務局長が大会後、総括を発表し、選手団や報道陣に対する言語サービスなどにやや不足があったが、北京五輪ではそういった点を改善していきたいと述べたということである。
次回、2011年に行われる第7回大会は史上初めて、日本・中国・韓国の”アジア3強”の元を離れ、カザフスタンのアルマトイで行われることになっている。
アジア冬季スポーツの新たな時代の幕開けを感じさせる大会となったのは間違いない。
posted by 朝倉浩之 |21:31 |
アジア大会 |
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