2010年02月11日
中国サッカーの病巣・・その処方箋は?
ある人が、中国で一人の「プロサッカー選手」を育てるのに、どれくらいの費用がかかるかを計算したら、100万元(1500万円)ということらしい。 小学校を出てすぐに「足校」と呼ばれるサッカー専門スクールに入り、23歳でプロリーグ入りするという計算だ。毎年平均10万元(150万円)、このうち3割は学費、そして半分近くは指導者への「付け届け」に消えていくという。 日本の学校スポーツでも、遠征費用や何やで、力のある選手が一人前に育つのには家庭に相当な負担がかかることが以前から問題視されている。私には経験がないから分からないが、下手をすれば、総額で数百万円というレベルになる場合もあるのだろう。 だが費用はともかくとして、その内訳は中国独特だ。 半分以上が指導者への「付け届け」・・・要は「うちの子をよろしく」とばかりに、贈り物(多くは現金だろう。日本人ほど現金を送ることに抵抗感は感じていない)を指導者に送るということなのだろう。医者にまともに診てもらうのに「贈り物」は当然・・という社会だから、各年代のチームの指導者にしっかり面倒を見てもらうためには、現金を送るのは当然、という文化なのかもしれない。 指導者の給与は驚くほど安いから、そうでもしなければやっていけない、というのも正直なところなのかもしれないが、そんなやり方が続けば、本当に才能のある子どもも、貧乏な家庭に育てば、決して日の目をみないことになる。 日本でも多かれ少なかれ、そういう部分はあるが、さすがに費用の半分が「付け届け」ということはないだろう。日本人がそれを聞けば信じられない数字かもしれないが、中国生活が長かった私は決して驚かない。(個人的な話だが、婚姻届の受理に賄賂を要求された経験がある) さて、話はサッカーに戻す。プロリーグの勝敗を莫大な金銭で買い取る・・・チームの役員、選手、そしてサッカー協会の役員までもそれに加担していた・・・驚くべき、そして悲しむべきニュースだが、「金で才能を育てる」文化が根付いている中国サッカー界では、決して意外な話ではない。そしてこの構造を改善せよ、といえば、それは「中国社会そのものの改革」につながってくるのであり、実は容易ではないのだ。 だが、このような体質が今の中国サッカーの低迷を招いていることはいうまでもない。かつて軍人中心の中国代表がアジア一の力を誇った・・・そのころに戻れ、というわけではないが、プロリーグを「金では買えない何か」の魅力があるものにしていかないと、「金脈」にアリたちがたかる、今の構造のままでは、この低迷は今後も続いていくことになろう。 確かに、この「拝金サッカー」を変えていくのは容易ではない。なぜなら中国社会そのものの「重力」に引きずられずに、プロスポーツ界のモラルを築いていくには長い時間がかかるだろう。だから即効性の薬はない。 だが中国5千年の「漢方薬」がある。漢方薬は決して即効性はないが、体の内面からじわっと効いて、長い時間をかけて、健康な体を作っていく。学校スポーツ、組織のあり方、スポーツ選手のモラリティなど変えていくべき点は多い。 今回の悲しい出来事を通じて、サッカー界にきちっとした「漢方薬」を処方して、新しい第一歩を歩んでほしい。
posted by asa8043 |21:25 |
スポーツコラム |


