2008年08月11日
北京五輪サッカーは10日、1次リーグ2戦目が各地で行われた。C組の中国は秦皇島でベルギーに0-2で破れ、これで最後にブラジル戦を残した状態で勝ち点1。早くも決勝トーナメント進出は絶望的となった。
実質的に指揮権をもつ殷鉄生ヘッドコーチは次のブラジル戦について「世界最高水準の学習の機会」と語り、すでに諦めモードが漂っている。ただそれでも、オリンピック代表は一国のスポーツシーンを背負って立つチーム。「次」のために、今度こそ高い運動能力を持つ選手たちの「本当の姿」を見せてほしいと思う。
ただ、やはり疑問に思うのは、今回の五輪代表の結果について、「誰が責任を取るのか」そして「どう結論付けるのか」である。ドゥイコビッチという外国人監督を招き、相当の費用と手間をかけて、チームを強化してきた。その上での今回の結果をどう位置づけるのか。現場で指揮をとった殷鉄生ヘッドコーチか・・・実質的に指揮権を奪われたドゥイコビッチ氏か・・・それともサッカーファンの非難が集まっている中国サッカー協会か。やはり、戦った選手たち全員に責任があったと片付けるのか。
前回、このブログで「中国サッカーは末期症状」とのコラムを掲載し、それが中国語に翻訳され、中国メディアを中心に大きな反響を受けた。賛否両論入り混じり、中国国内で多くの賛否をいただいたが、私がその記事で一番問題にしたかったのは、まさに今このときのことだ。
様々な要因が重なって、指導者を変えざるを得なくなったことはやむを得ないが非常に残念だ。なぜなら、中国サッカーのすぐ先の未来を担う選手たちの強化方針、五輪に向けて行ってきた取り組みが正しかったのか、誤っていたのかを検証する機会を失ってしまったからだ。誤っていたとしたら、何が足りないのか、どのような方向性ならば良かったのか。それをはっきりと結論付ける機会を失ったのだと思う。
もし、最後までドゥイコビッチが先頭に立っていたとしたら、たとえ同じ結果であったとしても、まず単純にファンはドゥイコビッチに責任を問うて、ある意味「溜飲を下げる」だろう。ドゥイコビッチの戦略と選手起用、サッカー協会の強化策に何らかの問題があったことがはっきり明確となり、これを分析して、次の4年間、次のW杯に向かうことができる。
そして、近視眼的に五輪とW杯を見てきたことを反省し、中国サッカーを「草の根」から変えていかなければならないことを実感するだろう。一部の省では始まっている「各年代に応じた強化と明確な指針」が必要であることを痛感するはずだ。
だが、試合が終わった後、(まだ望みがなくなってはいないとはいえ)なぜか、中国サッカーについてすっきりとしないのはなぜだろう。正しかったこと、誤っていたことを反省する機会が失われ、全てがあいまいなまま、試合が終わってしまったという感じがしてならない。
だが、それでも高い潜在能力を感じさせる中国サッカーが日本と並んでアジアサッカーを引っ張っていくのを望む気持ちは変わらない。今回の敗戦から、何を学ぶか、どう変わっていけばいいのか・・・中国サッカーファンは「次」に希望を持って、決して見捨てず、見守っていってほしいと思う。
posted by asa8043 |11:02 |
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2008年07月19日
中国サッカーが末期症状だ・・・。
オリンピックまであと20日あまりと迫ったにもかかわらず、サッカー五輪代表のドゥイコビッチ監督(セルビア)が事実上、解任された。名目上、代表チームとの関係は残るようだが、実質的には更迭と考えていいだろう。
これだけの大規模大会の前に、監督が解任されるというのは前代未聞の事態。そういえば、女子代表もこの前、外国人監督が更迭され、中国人監督が就任したばかりだ。中国は男女とも、「オリンピックのため」の指揮官を失い、当初の予定になかった体制で、本番を迎えることになる。
「ドゥイコビッチは最初、“神”だと思っていた。だが、今は“人間”だと思っている」サッカー関係者の一人の言葉だ。
すったんもんだの末、選ばれたドゥイコビッチ監督は過去の実績(前回W杯でガーナをベスト16に導く)とそのサッカーに対する見識の深さが高く評価され、鳴り物入りで、中国五輪代表の監督という重大なポジションに座った。その後、国家代表についても「総監督」として実質的には最高指揮官の地位にたち、中国サッカーは、迫りくる五輪、W杯予選を全て、この一人の指揮官の肩に託すという選択をした。
だが、国家代表は結局「結果」を出せなかった。総監督という一歩引いた立場ではあるものの、選手起用、戦術面では完全に「傀儡政権」をコントロールしていたドゥイコビッチだったが、その選手起用法については、結果が出なかったこともあって、多くのサッカーファンから非難を浴びた。
ところで、先日、ドゥイコビッチが遠征先からバスに乗る際、ホテルの会計を忘れていたため、あわててバスを降り、そのため、チームの出発が「8分」遅れる、という“事件”があった、と地方紙が報じた。これによって、チームの不協和音が生まれた・・・というのだが、いうまでもなく、こういった「些細なこと」が「不協和音」に聞こえてくること自体が、もうすでにドゥイコビッチ政権の末期症状を示していたのだろう。
中国サッカーの「ご意見番」的存在である金志揚氏は、この解任について「やむをえないこと」とした上で、「すでに選手の中にもドゥイコビッチに対する不信感が生まれている。“被害”を最小限に食い止めるには、この時期にやめさせるしかなかった」とサッカー協会の決定を支持するコメントを出している。
私自身は、チーム内部の状況については門外漢であり、あれこれ言う論評をする資格はない。だが、それでも、この時期の監督交代は、オリンピックに、というより、中国サッカーの未来にとって、あまりにも痛手が大きいと思う。
ドゥイコビッチは、確かに戦術面、選手起用などで決して「目に見える」成果を挙げたわけではない。そして現実問題として、「結果」も出ていない。だが、チームに「戦う姿勢」を注入しようと努力したし、少しずつではあるが、チームを変えつつあった。もちろん、このまま五輪に突入すれば、決して理想的な結果は残せなかった・・のかもしれない。だが、それらの不協和音を何とか解消して、「最後の20日間」を乗り切る方法はなかったものか。
なぜなら、「一つのスタイル、理念を貫き戦って結果が出なかった」のと「それを貫き通せなかった」のとでは、同じ失敗をしても、全く意味合いが異なると思うからだ。一人の指揮官に国全体のサッカースタイルの改革を託したにもかかわらず、結局、それを大舞台で試すことなく、葬り去ってしまう・・・中国サッカーは多くの時間を無駄にしてしまった気がしてならない。
ドゥイコビッチは確かに神ではなく、人間だ。選手起用での失敗もあるし、戦術が結果に結びつかないこともある。それでも、「オリンピック」という最大の発表の舞台で、ドゥイコビッチがこれまでに築いてきた「何か」が見られるはず、と多くの人たちが楽しみにしてきたはずだ。その貴重な本番を失ってしまったことの損失は大きい。
魅力的な身体能力を持ち、大きな可能性を秘めているからこそ、私は、同じアジアのスポーツファンとして、中国サッカーに大きな関心を寄せてきたし、期待を持って、見つめてきた。だが、今回の出来事は、登りかかった木の上で、はしごを下ろされた気分だ。
また何より気の毒なのは、中国のサッカーファンである。祖国のサッカースタイルが少しずつ築かれていくのを彼らはここ数年、つぶさに見てきた。大いに辛口で文句を言いながらも、本番で、そのスタイルが花開くことを心のどこかで確信しながら、見守っていた。それが結局、相も変らぬ監督交代劇を見せられ、「またか」という思いの中、やりどころのない「あきらめムード」が漂ってきているのを、今私は肌で感じている。
中国サッカーはW杯予選敗退で終わったわけでも、北京五輪で終わるわけでもない。10年後、20年後に、この「歴史」を糧にして、花開くときがくる「はず」なのだ。だが、それを支えるのは、今のサッカーファンたちの「希望」であるはず。それを根こそぎ奪い、失望を与えた・・・今回の「中国サッカー」の罪は大きい。
posted by 朝倉浩之 |21:24 |
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2008年07月06日
中国サッカーで、残念ながら、もう「珍しくもなくなった」暴行事件がまた発生した。
だが今回、少し穏やかではないのが、あの“やんちゃ”な五輪代表ではなく、ラフプレーの国家代表でもない。女子サッカーの国内選手権だというから驚いた。
中国湖北省武漢市で4日に行われた全国女子サッカーユース選手権の北京市代表vs河南省代表の試合中、双方の選手ら40人が殴り合いになるという事件が発生した。中国の新聞、インターネットメディアが伝えた。
各メディアの報道を総合してみると、こうだ。
この「暴行事件」が発生したのは武漢市内で行われたU18の全国選手権。3箇所に分かれて行われた試合のうちの一つが北京代表と河南省代表の対戦だった。
試合は、開始当初から、「一触即発ムード」が漂っていたということだが、それほど大きな反則もなく、試合は進んでいた。
前半の中ごろ、北京代表の一人が攻撃の最中、シュートを打とうとしたときに、河南省の選手を蹴ってしまい、反則をとられた。この際、両選手が二言、三言、やりあったあと、突然、河南代表の選手に殴りかかったという。そして、この瞬間、双方のベンチから控えの選手たちが飛び出して加勢。ペットボトル飲料や靴、レガースを互いに投げ合うなど、もみ合いになった。双方のコーチ陣が仲裁して、何とか騒ぎは収まったそうだが、このもみ合いの時間について、あるメディアは「10分あまり」と伝え、あるメディアは「10秒ほど」と伝えるなど、かなりの開きがある。
この二人に対してレッドカードが出て、試合は続行。結局、このあと北京が2点をもぎとり、2-0で試合をものにした。
この「暴行」の一部始終は北京体育大学の職員がユース育成の資料のため、映像を撮影しており、これを証拠として、中国サッカー協会は厳重な処罰を検討しているという。事件の発端となった二人の選手に対しては、試合出場停止1年程度の厳しい処置が下るだろうといわれている。
さて、「暴行事件」の理由はまだはっきりとはしていないが、一昨年、河南省のこの年代のチームは北京に0-6の大差で破れたことから、北京代表を非常に意識していたという。また去年も河南省は敗れたため、「負けたくない」という気持ちが高まり、この「暴行」を招いたのではという見方が一般的だ。なお、事実関係は報道により、違いがあり、その後当局が「当初の報道ほど“ひどくはない”」とコメントするなど、事件の全体像は見えていない。
ただ、いずれにしても「選手間の殴打」と乱闘騒ぎがあったのは事実のようだ。
近年、その「素行」が問題視されて止まない中国サッカー。つい先ごろも、男子リーグで騒ぎがあり、悲しいことに、こういった「暴行事件」もあまり珍しくなくなってきた。そして、一国のサッカーの集大成である国家代表や五輪代表が世界の表舞台で、ラフプレーをはじめとする受け入れがたいプレースタイルを見せ、非難されたのは記憶に新しい。
ユースの、しかも女子の国内リーグがこの状況では・・・
こういった「事件」が頻発すれば、2010年W杯出場を早々と逃し、冷め切っている国内のサッカー熱をもっとどん底に追いやることになりかねない。中国のサッカー人たちは、この状況をどう立て直していくのだろうか。
posted by 朝倉浩之 |19:29 |
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2008年06月12日
“おさわがせ“アナウンサーのブログ記事が大きな波紋を呼んでいる・・・
中国の人気スポーツキャスター、黄健翔さんが6日、自身のブログで、「サッカー国家代表のドゥイコビッチ総監督が、CCTV中国中央テレビの女性記者を“妊娠”させた」と“暴露”したのだ。
黄健翔さんといえば、前回の2006年ドイツW杯でCCTVの実況アナウンサーとして、イタリア戦を況中、思わず私情を交えて、「イタリア万歳」などと絶叫し、論議を巻き起こした“おさわがせ”アナウンサー。その後、CCTVを退社し、フリーとなって、他局でスポーツキャスターを務めている。
その彼が、国家代表の総監督であり、まもなく本番を迎えるサッカー五輪代表の監督を務めるドゥイコビッチ氏とCCTV女性記者のスキャンダルを暴露した・・・というのだから、大騒ぎとなるのは当然だ。
問題となったのは6月6日付けの「丑話説在前辺」と題する記事。黄さんは「私は今フリーの立場。だから組織(CCTVのこと)の権威を代表する必要がない。だから遠慮しない」と前置きした上で、、まずは、翌日(7日)に迫ったW杯アジア3次予選を前にして、国家代表に対して、苦言を並べる。
だが、その後、話題は監督への批判に及び、国家代表のドゥイコビッチ総監督が、チームに密着する形で取材をしていたCCTVの女性記者を“妊娠”させた、との仰天発言が飛び出す。
記事によると、その後、相手女性は「局内で悪いうわさが立ち、取材記者の座を追われた」のだそうだ。
この“暴露”に対し、ネット上では、「プライバシーを暴露すべきではない」「かつての同僚にひどい仕打ち」と黄健翔さんを批判するコメントをはじめ、「中国サッカーは悪いうわさが多すぎ。まるで芸能界だ」というサッカー界全体に対する批判、また「CCTVの記者は体で記事を書くのか?」「うそに決まっている」「いや、彼のいうことは信じる」など、さまざまな意見が書き込まれている。また、この妊娠させられた「女性記者」とは誰かというのも大きな話題となっており、さまざまな憶測が飛び交っている状態だ。
ドゥイコビッチ氏は、現在、サッカー国家代表の総監督と五輪代表の監督を兼務している。国家代表は、このブログか書かれた翌日に天津で行われたW杯アジア3次予選のカタール戦で破れ、グループ予選突破が非常に厳しくなっている。また北京五輪も間近に迫り、チームにとってはもっとも重要な時期を迎えている。
この大切なときに、中国サッカーの理解者であり、キャスターとして多くのファンを持つ黄健翔さんが、どうしてこのような「暴露話」を掲載したのか・・・一部には、自分を退職に追いやったCCTVへの報復のため、などの推測も出ているが、その本当の理由はわからない。
なお、問題の箇所はその後、削除され、「皆さんの意見を受け入れ、個人のプライバシーに関する部分は削除しました。中国サッカーの現状を目の当たりにすると、心穏やかでいられないのです」とのコメントが残されている。
“おさわがせ”アナの爆弾記事・・・この内容の真偽も含めて、今後、論議を呼びそうだ。
黄健翔さんのブログ
http://blog.sina.com.cn/s/blog_5137be2601009iwc.html
posted by 朝倉浩之 |00:20 |
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2008年06月07日
2010年サッカーW杯に向けた正念場・・・
7日、アジア3次予選が行われ、天津では中国がカタールと対戦。先週のアウェイでは0-0の引き分けに終わった両者だが、今日、絶対に勝たねばならないのは中国のほう。だが、前半13分に必要のない反則で与えたPKの1点がのしかかり、中国は0-1で敗れた。
序盤は中国ペースだった。中国は攻撃の主導権を握り、エースの鄭智を中心に中盤と前線が積極的に攻めた。開始早々にハオ・リンが少林拳ばりの“飛び蹴り”シュートを見せると、11分には朱挺が後ろ足でボールにあわせるテクニックあるシュートを放つなど、中国が優位に試合を進めた。
だが、ゲームの流れを変えたのは“いつものとおり”反則だった。前半31分、カタールの右サイドからのフリーキックは、ペナルティエリア内に入ってキーパーがしっかり抑えた。が、その瞬間にホイッスル。中国のハオ・リンがエリア内で、相手に明らかに手をかけ、引き倒してしまっていた。これでPKとなり、中国は1点を先制された。
ハオ・リンからすれば、キーパーの位置は見えにくかったかもしれないが、ボールは完全にキーパーの守備範囲内。難なく、抑えられるイージーボールだった。これでゲームの流れは変わり、中国は一転、攻めてがなくなった。このあとは明らかな反則2つで、イエローを二つ食らって、前半を終えた。
後半に入っても、ドゥイコビッチ総監督は選手交代でリズムを変えようと試みた。杜震宇を入れて孫祥を下げ、ハオ・リンを下げて韓鵬を、朱挺を下げて曲波を入れて、1点を取りにいく。だが、結局、その流れは変えられず。カタールは、”のらりくらり”と中国をかわし、中国は攻め手が見つからない感じだった。
あせりはいつものように、反則を生む。”首絞め男”として前科のあるリ・ウェイフォンが、またも必要のないファールでイエローを出され、累積で次試合に出場できなくなった。また、ベンチにいた孫継海は、審判への執拗な抗議でレッドを食らって一発退場。こちらも次の試合に縁がなくなった。
試合は、打つ手がなく、1-0でカタールの勝利。
これでカタールが勝ち点7。現在、グループトップのオーストラリアは明日8日、イラクと対戦する。
一方、中国は勝ち点3のまま。オーストラリアの結果次第では、”自力”による勝ちぬけが完全になくなることになるが、いずれにしてもグループ予選の情勢は非常に厳しい。
中国はこのあと、14日にホームでイラク戦、22日にアウェイでオーストラリア戦を控える。
posted by 朝倉浩之 |23:07 |
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2008年05月13日
12日午後に発生した四川大地震の影響は、現在開催中の中国サッカースーパーリーグにも及んでいる。
中国サッカー協会は5月14日に予定されていた成都vs長沙、河南vs青島を始め、今節のゲームを全て中止すると発表した。これは10日に成都市でリーグ戦を行った成都と青島の両クラブが、地震の影響により、移動ができなくなったため。サッカー専門ウェブ「体壇網」が伝えた。
またサッカー協会は、地震後、各クラブと協議し、安全状況を確認するとともに、今後の日程について、調整を行った。今節のゲームは、今週末の17,18日に移動し、その後の試合は、W杯予選のあとに開催する。
また今週末の試合では、災害復旧のためのチャリティ試合を企画し、試合前に被災者に黙祷を捧げるほか、選手やチーム関係者、観客らから募金を募ることにしている。
また地震当時、アジアサッカー連盟の視察団が成都を訪れていた。
posted by 朝倉浩之 |12:50 |
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2008年04月21日
会場に大きなどよめきが起こった。
北京五輪サッカーの組み合わせ抽選会。男子は、ホスト国の中国がいるC組の中に最後に入ってきたのがブラジルだった。
20日、北京市内のホテルで北京五輪のサッカー競技の組み合わせ抽選が行われた。
男子はニュージーランド、ブラジル、ベルギーと同組のC組。7日にニュージーランド戦(瀋陽)、10日にベルギー戦(瀋陽)、13日にブラジル戦(秦皇島)を戦うことになる。
また女子はスウェーデン、アルゼンチン、カナダと同組のE組となった。
組み合わせ抽選後に行われた記者会見には、サッカー協会関係者とこのほど就任した女子代表の監督が出席。商瑞華監督は「まだチームを見始めてから時間がたっていないが、非常に若いチームという印象。短時間でレベルアップしていけるよう頑張りたい。重要なのは団結力」と語り、チーム内の内紛によって監督更迭という事態に陥ったチーム状況の改善を第一に掲げた。
またサッカー協会の南勇副主席は「男子は決勝リーグに残ることは困難な挑戦」と厳しい見方を示したものの、「ホスト国として、決勝リーグに残ることは責任」と、改めて決意を語った。
記者会見での彼らの表情は一様に硬かった。そして「決勝リーグに残るのは、非常に困難な挑戦」と率直に記者団に語った。確かに男子は、これまでの成績から考えれば、相手がどこになろうとも、非常に厳しい状況であるのは事実だ。
だが、ホスト国として決勝リーグ入りを最低限の目標に、これまで、かなりの強化を続けてきた。どのような組に入ろうと、『強敵』ばかりなのは当然。今、この時期、『弱気発言』は禁句だろう。
同組で、全く及びそうにないのはブラジルのみ。あとは、今後の研究によって、十分対等にやれる対戦相手である。現在、男子代表はヨーロッパ合宿中。相手と日程も決まり、いよいよ中国サッカーの正念場が刻一刻と近づいてきた。
posted by 朝倉浩之 |00:36 |
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2008年04月19日
久々にここに帰ってきた。
北京市中心部にある工人体育場(スタジアム)である。サッカーファンの中には、この名前に聞き覚えのある方もいるかもしれない。
生まれ変わった工人体育場
2004年のアジア杯決勝。いわゆる『反日騒ぎ』の真っ只中に開催された日本対中国の決勝戦の舞台がまさにここである。その時、私もその場にいた。中国人「球迷(サッカーファン)」の様子をこの目で見てやろうと、用意された『日本人専用席』にも敢えて行かず、一般の中国人に混じって観戦した。私は、日本人であることを知られないよう・・・後半20分の中田浩二の勝ち越しゴールに思わず声を上げるのをこらえながら、観戦した覚えがある。後にも先にも、別の意味で“緊張”しながらサッカーの試合を見たのは、このときだけだ。その日、北京工人体育場は中国国旗がひしめき、真っ赤になっていた。そして、聞くに堪えない日本への罵声が飛び交っていた。今から思えば、すごい『現場』だった。
その後、北京五輪のスタジアムとして生まれ変わるため、2年間、閉鎖。ここをホームとしていた中国スーパーリーグの北京国安も郊外のスタジアムに本拠地を移し、改修工事が続いていた。
その工人体育場が64000人収容の五輪スタジアムとして生まれ変わった。古ぼけたトイレやその他の各施設が一新され、メディアルームも素晴らしいものができた。オーロラビジョンも、しっかりしたものが2基設置され、『今風の』スタジアムとなった。当時はその名の通り、『労働者のための』スタジアムという感じがしたから、まさに隔世の感だ。
今日、ここでは改修を終えて最初の試合が行われる。
北京五輪の女子サッカーの出場権を巡るプレーオフである。ブラジルとガーナが最後の切符を争う。
日中の暖かさとはうって変わって肌寒くなってきたこの時間。出場するのが中国と全く無関係ということで、北京市民の関心は薄く、バックスタンドがようやく3,4割程度、埋まった程度だ。2004年の『あの時』とは比べようもないスタンド。だが、北京在住のブラジル人と見られる人たちが団体でやってきて、なかなかノリのいい応援を繰り広げている。
女子サッカーではあるが、ブラジルのテクニックは非常に高いし、ガーナの選手も身体能力が高い。だが、時折生まれるナイスプレーも、スタンドは軽く沸く程度で、『あの時』に感じた怒号のような歓声は聞こえてこない。球迷の強烈な声援がこだまするのもサッカーの醍醐味だから、何となく拍子抜けするが、このカードだから仕方ないか・・・。
ちなみに本大会では、この女子サッカーの決勝、そして男子の準決勝一試合がここで行われる。そのときは、こんなにのんびり構えて、サッカーを見ていられないだろう・・・。
いよいよ明日は北京五輪の男女サッカーの抽選会が北京で行われる。日本が出場する五輪競技としては最初の抽選会だ。各テスト大会が目白押しになったこともあり、いよいよ本格的に北京五輪に向けて動き出した・・・そんな実感がする週末だったが、その締めくくりとなる明日の抽選会。私も現場に行って、五輪を闘う日本サッカーのスタート地点を見届けたいと思う。
北京工人体育場の紹介は以下のブログ記事を参照
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/133
posted by 朝倉浩之 |20:29 |
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2008年03月27日
中国女子サッカー代表の次は『出戻り』監督・・・
前監督のエリザベス氏の更迭から続いていた新監督選びにようやく決着がついた。26日のネットメディア華奥星空の報道によると、中国サッカー協会は、女子サッカー代表の次期監督に、元女子代表監督で、現在、女子クラブチームの監督を務めている商瑞華氏が選ばれたということだ。
商瑞華氏は1987年11月、中国女子代表の創成期に2人目の監督として就任。6年間、監督を務めたのち、各クラブチームやユース代表の指導者を務めてきた人物。
中国サッカー協会は、北京五輪まで残り5ヶ月足らずという緊迫した情勢の中、「中国サッカーを良く知る」「中国人」という条件の中で人選を進めていたが、すでに指導者としての実績もあり、選手からの信望も厚い商氏が『出戻り監督』として、チームを率いることになったというわけだ。
女子サッカー代表は、五輪までチームを率いることになっていたドマンスキー氏が去年の女子W杯での成績の責任を取る形で退任。だが、その後就任したエリザベス氏はチーム代表との確執が表沙汰となり、結局、更迭された。詳しくは以下のエントリーを見てほしい。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/380
人選としては、『落ち着くところに落ち着いた』という感じだろう。“本番”までの時間を考えれば、一からチームに溶け込まなければならない人物を据えるわけにはいかず、またこれまでの実績からしても、『無難な選択』といえる。
ただ、前任のエリザベス氏はともかく、協会やファンから全幅の信頼を置かれ、ある程度、成果を挙げていたドマンスキー氏にまで逃げられてしまった中国の監督人事には疑問を持たざるを得ない。
素質、身体能力とも世界で十分に戦える力を持つ中国女子代表。そこに『テクニック』と『スピード』を加えるべく招いた史上初の外国人監督だったが、たった2人、しかも道半ばで頓挫してしまったことになる。
posted by 朝倉浩之 |14:25 |
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2008年03月27日
「もし予選突破できなければ全責任を負う。全てのサッカーファンに謝りたい」
昨日行われた2010年サッカーW杯アジア3次予選のオーストラリア戦を終えて、シャオ・ジアイーが発した言葉だ。今日、中国メディアのスポーツ面の多くを飾ったのがこの言葉だった。
試合終了直前まで両チーム無得点。最後の最後に得たPKをエースが外す・・・古今東西のサッカーを見ていれば何度となく目にするこの『悲劇』だが、彼の様子を見ていると、中国国民をまさに『代表』しなければならない中国のアスリートのつらさを実感した。中国はアスリートを国家の力で育てる。それは、クラブ制度が充実してきたサッカーでもやはり同じ。国家代表としてのミスは全国民に対して謝罪しなければならない『重大事』となってしまうのだ。
PKを得たとき、ピッチにいる選手の中で最も経験があり、最もキックの精度が高いのはシャオ・ジアイー・・・。エースの鄭智もピッチを降りている中、その人選は当然のことだった。だが、無常にも彼の放ったキックは相手GKの足に当たって跳ね返った。サッカーに「もし」はありえないが、「もし」このPKが決まっていれば、ほぼ間違いなく『勝ち点3』は中国のものになり、“大金星”が中国に転がり込んでいた。
1900mの高地である昆明に試合場を設けたことは、「とりあえず」は功を奏した。前半は完全にオーストラリアのペースだったものの、高地に対応して体力の温存を考えたのか、それほど積極的な攻撃は見られなかった。後半は、完全にオーストラリアの足が止まり、「時間を待つ」ようなサッカーとなった。
そして、試合終了直前、積極的に相手陣営に飛び込んでいった途中出場の曲波が相手GKに倒され、キーパーにイエローが出た。(この判定には論議があるが・・・)ここで、1点が入って値千金の1勝が中国にころがりこんできていれば、今回の“策”は大成功となったのだろう。その意味では、『戦犯』がPKを外したシャオ・ジアイー一人となってしまうのは、やむをえない部分もある。
だが、高地での試合は一方で、中国代表にも大きく影響した。ポストになっていたFW韓鵬がいなくなり、エースの鄭智が後半途中に、スタミナ切れでベンチに下がったあとは攻め手がほとんどなくなった。ほとんどの選手が空気の薄い高原に慣れる為、20日以上前に昆明入りしていたが、ケガから復帰したばかりの韓鵬と海外クラブから直前に帰国した鄭智は結局、それに対応できなかった。またそれ以外の選手も、やはり決して、いつもの状態ではなかった。明らかに高地での悪条件の影響だろう。
高地での試合は『両刃の剣』だった。両チームとも過酷な条件の中で必死に戦い、その結果、最後のPK「しか」得点機がなかった。結果的にそれを外したシャオ・ジアイーにゲームの全責任がかぶさるような格好になったが、この場面に至るまで、両チームとも点が取れなかったことこそが問題であり、その理由はやはり「高地での試合だったから」というほかない。
では「もし」この試合を北京や広東省でやっていたらどうなっただろう。鄭智はフル出場できただろうし、イラク戦でやろうとしていた“速いパス回しのサッカー”の片鱗が見えたかもしれない。一方で、屈強なオーストラリア選手の猛烈な攻撃に合い、勝ち点どころか、大差で敗れていた可能性もある・・・というか、その可能性が高い。
だから、0-0で試合を終え、勝ち点1を手に入れた中国にとって、高地での試合は成功であった。だが一方で、『自分達のサッカー』ができなかったという点で失敗でもあった。PKの失敗は、その流れの一要素に過ぎず、むしろ、責められるべきは、そこに至るまで『1点』がとれなかった攻撃陣と『高地』を戦術面で生かしきれなかった首脳陣ということになるのだろう。
W杯は本選に出場し、そして勝たねば意味のない大会だ。そのために、各国はあらゆる手段を使うのであり、今回の『昆明』という試合会場の選択も、なりふり構わぬ中国代表の姿勢の表れだった。その必死のせめぎ合いの中で、そして皮肉にも、『昆明』を選んだことによって、さまざまな喜怒哀楽が生まれる。だからサッカーは面白い、と思う。
次は6月2日のカタール戦。イラクとオーストラリアが相手の2つの引き分けは、中国にとって『失望』ではなく、『希望』であることは間違いない。標高1900mの極限の試合環境の中で、強豪を相手に勝ち点1をもぎ取ったことを自信として、次に臨めるか・・・1億サッカーファンの期待を背負う中国代表の『死の組』での戦いが続く。
posted by 朝倉浩之 |11:51 |
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2008年03月26日
26日、W杯アジア第3次予選の中国代表対オーストラリア代表が行われ、0-0の引き分け。中国は試合終了直前に得たPKをモノに出来ず、貴重な1勝をフイにした。
2010年W杯南アフリカ大会に向け、中国にとっては正念場となったこの試合。あえて、試合会場を標高1900mの雲南省・昆明に置き、20日以上前に現地入りして、体を作ってきた。海外組(鄭智、シャオ・ジアイー、孫継海)も直前に合流して、現時点でのベストメンバーで臨む大会となった。
だが試合は予想通り、序盤は身体能力、戦術に勝るオーストラリアがゲームをコントロールする展開。中国はパスカットからロングボール、サイド攻撃を仕掛けようとするが、オーストラリアの守りに阻まれる。中盤をオーストラリアが支配し、中国は目指す「早いパス回し」ができない。
前半30分過ぎに、中国はいくつかチャンスを作ったが得点ならず。またオーストラリアも決定的チャンスがあったものの、中国キーパーが守りきり、前半は0-0で折り返した。前半はどちらかというと両チームとも慎重なサッカー。特にオーストラリアは1900mの高地で後半にスタミナを持たせるため、『温存』ムードが漂った。
後半、中国はFW韓鵬に当てて、サイドからの攻撃で何度かゴールを伺うが、フィニッシュが決まらない。その後は、両チームとも疲れが見え、チャンスにつながらない。
決定的な機会は後半42分、中国に訪れた。ゴール前にドリブルで曲波が持ちこみ、相手キーパーと交錯。これがキーパーの反則をとられ、中国がPKのチャンスを得た。だが、シャオ・ジアイーが正面に蹴ったボールは、読みの外れて左に飛んだ相手キーパーの足に当たり、ゴールならず。決定的なチャンスを物にできず、試合は結局このまま終わり、中国の『金星』はならなかった。
オーストラリアの後半の動きが目に見えて落ち、結果的には、試合地を昆明に選んだのは正解となった。だが、試合終了直前のPKで、誰もが中国の勝利を予感したにも関わらず、勝ちきれなかったことは大きい。シャオ・ジアイーの痛恨のキックは中国のW杯への道において「決定的」になりかねない。
だが、これもまたサッカー・・・である。中国はこれで強豪のイラク、オーストラリアを相手に2試合連続で引き分け。次は6月2日のカタール戦となる。
posted by 朝倉浩之 |16:54 |
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2008年03月14日
次から次へと『お騒がせ』の続く中国サッカーで、またも“内乱”・・・
今度はフランス人のエリザベス監督が率いる女子サッカー代表で問題が起きたのだ。
ポルトガルで行われていたサッカーの女子国際トーナメント「アルガルヴェ杯」で、中国は史上ワースト2位の9位となった。だが、これはあくまで親善試合。米国、ノルウェーなど欧米の強豪国と戦うことで、北京五輪に向けたウォーミングアップする・・・あくまで、今大会の意味合いはそれでしかない。確かに、2月に開催された東アジアサッカー選手権の日本戦以来、連敗が続く、という不名誉な結果となったが、この成績で一喜一憂するような、そんな性質の大会ではないのだ。
にもかかわらず、今大会がクローズアップされたのは、“例によって”監督とフロントの内紛であった。
3月8日、ノルウェーに1-3で敗れた試合後、エリザベス・ロイゼル監督(フランス)は取材を一切拒否し、同時にチーム代表の張健強氏の解任を要求。はっきりと「張氏が解任されないならば、チームには残れない」と発言し、これまで「誰もが知っている秘密」だった内紛がはっきりと表沙汰になった。
エリザベス監督については、かなり以前から、多くの批判が集まっていた。戦術や選手起用に関しても疑問の声が大きかったし、選手とコミュニケーションを取ろうとせず、外国人スタッフとばかり食事をしている・・・などといった選手側の不満もメディアを通じて、度々伝わってきた。
有名なのは以前起きた「遅刻騒動」だ。中国・重慶での合宿期間中、練習場にエリザベス監督が遅刻したという“事件”。これに対し、チーム代表の張健強氏が罰金の支払いを求めたものの、これを監督が拒否した。
エリザベス監督は当時、病気の父親を見舞う電話をしていたのが理由だと、後で分かり、また、遅刻といっても、それほど練習に影響を与えるものではなかったのだが、これが報道されたことにより、選手、協会、そして監督サイドの“疑心暗鬼”な状態が明るみに出たのだ。
また、東アジア選手権にいたる数ヶ月間で、『敗戦の責任を選手だけに押し付けている』、『中国人コーチをスタンドにおいやり、フランス人コーチだけで周りを固めようとしている』、『練習方法が合理的でない』などなど、数え上げれば切りがないほど、彼女に対する不満が噴出した。ここまで代表監督に対する、しかも外国から招いた監督に対する批判が公然と沸き起こるのはめずらしいし、しかも、それを選手サイドが堂々と口にしているところが『末期症状』を示しているというほかない。
その流れの中で、監督とチーム代表の『内紛』が明るみにでたというわけだ。これについては、何が原因なのか、さまざまな報道がなされているが、私には、本当のところは分からない。
ただ、エリザベス監督が「張健強氏とは協力できない」「彼がいる限り、まともな環境で仕事ができない」と記者団のいる場で公言しているのは事実。中でも聞き捨てならないのは、ノルウェー戦で、張健強代表がエリザベス氏を解任するため、選手たちに「わざと負けさせた」という発言である。
この真意は分からないが、少なくとも、現在の彼ら二人の関係はすでに互いの我慢の“限界点”まできていることは想像できる。
今後の方針については、来週月曜日17日の記者会見で明らかにされるということだが、あるスポーツメディアによると、人事を統括する国家体育総局の責任者はすでにエリザベス氏の更迭に同意しており、エリザベス氏本人も帰国の準備に入っているという。
中国女子サッカー代表の『内紛』といえば、前監督のドマンスキー氏が就任する前の馬良行監督と李飛宇チーム代表の争いが記憶に新しい。詳しくは以下のエントリーをご覧になって頂きたいが、両者がチームの指導方針をめぐって対立し、結局、監督が解任されるという結末を迎えた。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/39
その後、就任したドマンスキー氏はフロントの信頼もそれなりに得て、ある程度の成果が上がり、女子代表に“光明”が差したものの、W杯の不振の責任をとる形で退任。その後を受けて就任したエリザベス氏もご覧の通り・・・というわけだ。
私は、個人的には、一度、外国人指導者を信頼して招いた以上、全てを任せて、『まな板の鯉』にならないと、中国サッカーは変わっていけないと思っている。
目先の勝敗だけで監督を闇雲に批判し、『木を見て森を見ず』をやってしまっては、中国サッカーの発展はない。だから、ここ数週間続いたエリザベス監督に対する『中傷報道』にも私は批判的だった。
だが一方で、中国女子サッカーは構造的に『内紛』の運命にあるのかもしれない・・とも思えてくる。
この現象が、たまたま、それぞれが持つ個性がぶつかり合った結果なのか、それとも何らかの構造的な問題なのか、という疑問である。
この北京五輪の5ヶ月前という時期・・・またも繰り返した『内紛』。この理由は一体何なのだろう。
早くも次期監督についての噂が聞こえてくる。「もう外国人監督はこりごり」という声もあり、また時間的にも差し迫っていることから、「中国サッカーを熟知しており、海外経験もある程度持っている」との条件を満たす「中国人」となる可能性が大きい。
しかし、はっきりいって、今からチームを引き受け、自分の色にチームを染め上げて、自信を持って北京五輪に臨めるだけの時間は、次期監督には与えられない。さまざまな不安を抱えながら、本番になだれ込むことになるだろう。
だが、男子サッカーと同じく、中国サッカーにとって、五輪が全てではなく、何よりも「これから」が大切だ。その「これから」のために、『内紛』を招く、この不可思議な構造の原因がどこにあるのかを探る必要があるだろう。
posted by 朝倉浩之 |12:14 |
サッカー |
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2008年02月28日
あの『首しめDF』もメンバー入り・・・
26日、中国サッカー協会は、中国代表の昆明合宿に参加するメンバーを発表。これが、そのまま3月26日に行われるW杯アジア予選・オーストラリア戦のメンバーにつながる。
焦点は、何と言っても、先日の東アジア選手権の日本戦で、日本代表MFの鈴木と乱闘寸前の騒ぎを起こし、『首絞め男』として大きな論議を呼んだリー・ウェイフォンの去就であった。
実はリーには、以前も“前科”があり、そのときには代表メンバーを外されている。このことから、今回もメンバーを外されるのでは・・・という憶測が流れていたが、蓋を開けてみると、メンバーにはしっかり名を連ねていた。
前回の東アジア選手権では、ディフェンス陣の力不足が明らかとなり、守りの要であるリーを欠くことはあまりにも大きな痛手となる。大一番を前に、「けじめをつける」という“名”より、“実”を取ったといえよう。アジアトップレベルの力を持つオーストラリアとの一戦は、中国のゴール前がかなり賑やかになるのは目に見えている。ここでリーを欠くことで、ディフェンスに重大な問題が生じれば、サッカー協会側の責任問題ともなりかねない。そういった配慮が、今回の選考の理由になったのだろう。
日中サッカー界の対立のみならず、大会そのものの存続まで揺るがしつつある『騒動』の“中心人物”がメンバーに入ったことは疑問ではあるが、中国サッカー全体にとって、この上なく重要なオーストラリア戦を前に、“きれいごと”を言っていられないというのが現実のようだ。
ただ、リー・ウェイフォンの次の試合でのプレーは、中国サッカーファン、メディアのみならず、アジア全体から注目されることを忘れてはなるまい。その空中戦の強さから、『大頭』というあだ名で親しまれるリー・ウェイフォン。大舞台で「汚名返上」なるかに注目したい。
今回の召集メンバーは、東アジア選手権で今ひとつだったディフェンス陣が大幅に強化されるものとなった。オーストラリア戦は『ディフェンス重視』で臨むというドゥイコビッチ総監督ら首脳陣の意向が表れた格好である。
昆明は、陸上の高地トレーニング地としても知られる場所。決して、いい環境とはいえない場所を敢えて、中国のホームの舞台に選んだ。ここに代表チームが先乗りして、現地の気圧に慣れた後、強豪を迎え撃とうという算段である。中国代表のオーストラリア戦にかける並々ならぬ思いが表れているといえよう。
だが、その『思い』は決してラフプレーという形で表現されるべきではない・・・このことを代表メンバーが前の大会を通じて学び取ったかどうか・・・そして、これを大舞台で生かせるかに注目である。
posted by 朝倉浩之 |13:09 |
サッカー |
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2008年02月22日
サッカー東アジア選手権の日本対中国戦については、中国国内のサッカーファンの間でも大きな波紋を呼んでいる。その一部の声を紹介するため、インターネット上の掲示板の書き込みを翻訳して、掲載したい。
これは中国スポーツポータルサイト大手「新浪sina」に掲載された「日本サッカー協会の川渕氏が中国に激怒 中国代表は永遠に強くなれない」という記事に対する中国のネット利用者の書き込みである。
2月22日のある時点での書き込みを順に、ほぼ取捨選択することなく、掲載する。もちろん、ネット利用者ということで、年齢層にも偏りがあり、あくまで一部の意見ということで読んでもらいたい。
ただ、よくありがちな『過激意見』も混じるものの、今回の“事件”に対して、かなりの数の中国人自身も決して肯定的に見ていないこと、大きな不満がうずまいていることも感じ取れる書き込みである。
なお、途中、不適切な表現等もあるが、できるだけ書き込みの真意をそのまま伝えるため、あえてカットせずに掲載した。
(引用開始)
中国人として、日本代表の選手に心から謝りたい。俺は永遠に日本が中国に与えた傷を忘れないし、出来ることならば銃を持って戦場で彼らと会いたい。だが、サッカー場で、悪意を持って相手を傷つけるなんて、中国人の恥だ。中国代表は中国人のゴミだ。決して中国の大多数を代表していない!!
かつてのアジア杯で、日本のGK川口が跳び蹴りで我々の代表を脳震盪にさせた。川渕は「中国は永遠に強くなれない」というが、では、日本もまた永遠に強くなれないのか?
中国のGKは下劣で恥ずかしい。全試合出場停止だ・・永遠に試合に出るな。
僕はどうでもいい。どうせ、中国のサッカーはこの程度の力だ。勝てないのなら、人でも蹴ってればいい。3000万人の同胞が亡くなったことを思えば、僕には何も言えない。
以前、韓国との試合で相手を重症に負わせて、それ以来、韓国は我々と試合をしたがらなくなった。今回は日本・・・今後、我々はどこと試合をするのだ?
いつしかのアジア杯で、日本のGK川口のせいで、脳震盪を起こした選手がいた。あのとき、日本メディアはどう報道したのか?
中国代表の資質は低すぎる。愛国を語る資格なし!
我々は何度も日本人に謝罪と反省を求めている。いつのまにか、我々がかつての日本の野蛮な行動を学んでしまったのか。中国が試合に負けるだけではなく、人としても負けたことに我慢ができない・・
小鬼子(日本人のこと)が言うのももっともだ。中国代表の資質は低すぎる。
低俗で悪劣だったのは、全く持って我々の代表だ。ほぼ全ての選手が非常に悪劣で、この試合を見ている我々の顔に泥を塗った。これは世界に向け、放送されている大会であり、世界全ての人々が、テレビを通じて、我々の試合を見て、中国代表の技術の低さと人としてのレベルを感じただろう。日本人はあまり好きではないが、今は同情している。はっきり言おう。中国代表は、試合に負け、人としても負けた。中国サッカー協会はここ数年のチーム作りの理念を反省すべきだ。人間としてダメなのに、どうやってサッカーをするのか。
サッカー場では野蛮すぎてはならない!サッカー場を降りてからだろう。小鬼子に遠慮する必要がないのは・・・ハハ
高いサッカー技術で日本を倒してくれ!ラフプレーなんて、中国人の恥だ。
小日本がいうことも道理がある。この試合は本当に見ていられなかった。中国代表の資質は低すぎる。
今後、中国代表のユニフォームは黄色に変えたらどうだ?見てすぐに、危険だということが分かる
我々中国のことは、我々自身で解決する。日本に言われる筋合いはない!
中国人が野蛮だって・野蛮なのは日本人だろう。中国のメディアには、日本メディアに問題があることを指摘して欲しい。
中日戦の中国代表の行動が粗暴だったことは認める。けれども、日本人は優れているのか?南京大虐殺さえ認めないくせに。歴史を抹殺し、教科書を改ざんする恥のない民族ではないか。
もし、他の国が相手だったら、俺は批判する。でも、日本が相手なら、決してひどかったとは思わない。なぜなら、日本もかつて、同じようなことをしたのだから。
いずれにしても、ケガをした日本選手に、中国人として謝りたい。これはスポーツであり、中日戦争じゃない。これが戦争だったら、中国代表の選手なんて一目散に逃げるだろう。
サッカーファンは悪くない。悪いのは選手だ。
もしかして、中国代表の選手は、日本人を人としてみていなかったのか?
サッカー場でのラフプレーは普通のことだ。悪意だけを持って反則をするのでなければ許される。だが、実は私はこの試合を見ていない。中国代表のGKがどの程度のラフプレーをしたのか・・・
中国代表はいい箏と悪いことの区別をつけられないのか・・。こんな中国人は救いようがない。
川渕の意見に賛成だ。中国のサッカーファンとして、中国代表の恥も外聞もない行動が恥ずかしい。この試合で怪我をした日本の選手にお見舞いを言いたい。中国サッカー界の役員や選手は反省すべき。そうでなければ、中国サッカーは永遠に『恥の種目』となるだろう。
(引用終わり)
posted by 朝倉浩之 |15:13 |
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2008年02月21日
昨日、行われた日本対中国戦・・・一夜明けた今日、各メディアやサッカー関係者は、中国代表に対して、非常に厳しい見方を示した。その中で、中国国家代表のコーチや北京国安(中国スーパーリーグ)の監督を経て、去年まで北京理工大学の監督を務め、青少年の育成などでも評価の高い金志揚氏が自身のブログに昨日のゲームの感想を語った。金氏は、国内サッカーファンの信望も厚く、現在は、国内サッカーに対する『ご意見番』的な存在である。
その記事の一部を抜粋し、日本語訳して転載する。中国サッカーの『ご意見番』が昨日の中国代表をどう見たのか・・・非常に興味深い分析が書かれている。なお、試合内容の具体的な分析については省いて、翻訳した。
(引用開始)
サッカーは一生懸命だけでは出来ない~中日戦を見て
サッカーはただ『一生懸命』であるだけでは勝てない。サッカーは知能、技能、体力が合わさった総合的なスポーツだ。中国代表は『知能』と「技能」では日本に及ばないが、体力は負けていなかった。そして身体能力は相手より上だ。
中国代表は、試合中、常に『一生懸命』であった。だが、そうであればあるほど焦りが出て、フォーメーションは崩れ、最後はデタラメなサッカーをやっていた。
この試合、中国は4枚のイエローを受けた。何度、同じことを繰り返すのか。リー・ウェイフォンはまた1枚のイエローを食らった。彼のようなベテラン選手が自分をコントロールできないなら、若い選手はどうなるのか。
焦りというのは恐ろしい。そして頭を使わず、ただ『一生懸命』だけで相手に勝とうとする考え方はもっと恐ろしい。その結果、ただ勝てないだけではない。それは我々のサッカーの将来を担う・・・すなわち試合を見ている子供達に悪い影響を与えるのだ。
リ・ウェイフォンやジュ・ティンらの一部の動作は全く必要のないものであり、我々からすると『見掛け倒しの物笑いの種』という感じだ。
この試合、中国代表の前半は非常によかった。後半、日本の中盤が少し変化した。これによって、中盤のコントロールが効かなくなり、焦りが出てきた。精神的な不安定さはミスを生み出す。最後には、卓球のようなサッカーとなった。ただ後ろからロングボールを蹴りだすだけの盲目的なサッカーだ。
前半と後半は中国代表の精神状態は全く異なり、結果も違った。前半は、気持ちの部分で強さがあったし、それが相手の中盤を制約した。何度かチャンスも作った。だが、後半は、相手の変化に、今度は我々が制約された。彼らは中盤で厳しくプレッシャーかけてきて、中国にパスの機会を与えなかった。これで、中国の中盤での優勢を失わせた。
(中略)
全体的に見れば、まず、中国代表の『一生懸命』は、後半のサッカーを混乱させた。そして、中国代表の技術のなさが明らかになった。いやそれだけではない。代表チームの戦術のなさ、そして何より、道徳的な資質のなさ・・・いずれにおいても、非常にレベルが低かった。
大会前の、やれ優勝だ、やれ日本と韓国に勝つだ・・などという盛り上がりが非常に、滑稽に思えてくる。こういった盛り上がりは、決して悪いものではない。ただ口だけではなく、実際に『勝つためにはどうすればよいか』を考え出さねばならない。現実には、日本戦の後半で、相手のプレッシャーが強くなってきたとき、これに中国は対応する方法を全く見出せなかった。
もう一つは、両サイドのディフェンスの問題だ。今大会、これまでに中国代表は4点を失っているが、それら全てが右サイドからの突破からだ。この点を早急に改善しなければならない。次の試合は、リー・ウェイフォンは出場できない。あんな無意味なイエローが、中国代表にこんな大きな損失をもたらすというわけだ。
実際、今大会は勝敗にそれほど大きな意味がない。中国代表の目標はあくまでもW杯出場である。その意味では、日本、韓国、北朝鮮というのは、格好の相手だ。今大会を通じて、試合経験を積み重ねればいい。負けることは怖くない。大切なことは、試合の中から教訓を得ること。そして、3月26日のオーストラリア戦(W杯アジア予選)に気持ちの面でしっかり準備をしていくことだ。
(引用ここまで)
氏の言葉は、W杯予選への期待で締められ、その未来への希望は失われていないが、随所に痛烈な批判がある。中国の多くのサッカー関係者にとっても、歯がゆさとイライラばかりの試合だったといえるだろう。特に、多すぎるイエローと『一生懸命』が空回りしたラフプレーには、実際、国内でも強烈な批判が渦巻いている。
この『ご意見番』の言葉を受けて、代表チームは変わることができるのだろうか。
posted by 朝倉浩之 |17:15 |
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