2008年04月28日
体育館に所狭しと並べられた卓球台。そこでは子どもからお年寄りまで、ピンポンに汗を流している。“選手”たちの表情は本気そのもの。それもそのはず、みんな各団地の名誉を背負って参戦した「コミュニティ代表」なのだ。
北京市では市民参加型の卓球大会「和諧コミュニティ杯」が開催中。今は各区ごとの決勝大会の真最中だ。
このうち「東四オリンピック体育文化センター」では、東城区地区の熱い戦いが行われていた。区内にある30の団地がそれぞれ10人一組の代表チームを出し、団体戦を戦う。これで勝ち抜いたチームが晴れて「区代表」として北京市大会に出場することができるというわけだ。
今年71歳になる最年長の李富林さんは「小さい頃から、ずっと卓球をやってきた。だから今も体は丈夫」と誇らしげに語る。試合では「まだまだ若いものには負けない」とばかりに奮闘しておられた。
この活動は、中国が全国で展開する「五輪を通じて全国民が健康になろう」という活動の一環。しかし、さすが卓球王国。やはりこの市民卓球大会が他のどのイベントよりも盛り上がっているし、また各選手のレベルも高い。
見た目は普通のお父さんだが、昔はこれでも結構なモンだった・・・なんて選手が結構いて、さすがに、そういう人たちのラケットさばきは、素人と一味違う。また子ども達の参加者も多く、競技層の裾野の広がりは相当なものだ。
中国の卓球の強さは、この草の根のレベルが支えているのかもしれない。
posted by asa8043 |17:26 |
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2008年03月10日
中華“支配”からの脱却?~変わる世界の卓球地図(1)
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/376
一大勢力「海外兵団」の誕生
元々、中国人が海外に出て卓球をするということは1980年代半ばから始まっていた。中国改革開放によって、国際大会で実績を挙げたあと引退した選手などが新天地を求めて、続々と海外に出始めたのである。そのほとんどは、ある一定の年齢となり峠を越えた選手であった。その中には、今も米国で現役選手として、北京五輪出場を狙っている49歳の成応華(四川省出身)がその代表格である。
その後、彼らが切り開いた『海外への道』は徐々に、中国でくすぶっていた『中レベルの選手』たちを惹きつけていく。『卓球王国』中国では、運動能力が最も優れた子ども達は卓球選手の道を選ぶことが多く、卓球人口の層は厚い。
地方レベルでも、強豪の遼寧省あたりになると、他国ならばエースになれるような逸材が一軍にも上がれないという状況が起きる。そんな選手たちが少しずつ、海外に流れ、それが徐々に拡大して、「海外兵団」と呼ばれる一大勢力に成長していくのである。
この『海外兵団』が大きな話題を呼んだのは1988年のソウル五輪のときだった。オーストリア代表として出場していた丁毅(元人民解放軍チーム)が当時、メダル獲得が確実視だれていた中国選手を予選リーグで破ったのだ。これにより、彼ら『海外兵団』の存在が中国国内でも大きくクローズアップされ、その是非が論議となった。
その後、この一大勢力の数が増加していることは先ほど指摘したとおりである。そして、この状況に対して、今回、国際卓球連盟は規制案を発表した。その内容は以下の通りである。
「国籍変更制限」の概要(2008年9月1日発効)
(1)21歳以上の選手が国籍を変更した場合、世界選手権やW杯には出場できない。
(2)15歳未満で国籍変更をした場合は3年間、15歳以上18歳未満は5年間、18歳以上21歳未満は7年間、世界選手権やW杯には出場できない。
ただし、IOCが管轄するオリンピックや連盟のプロツアーに関しては、今回の規定外となっているため、今後も該当の選手はその国を代表して出場できる。
圧倒的多数で“支持”された規制案
この規制案に対して、各国・地域の代表による投票が行われ、最終的には賛成48、反対2で可決された。反対したのは、代表選手の全てを中国大陸の元代表に頼っているシンガポールと香港で、中国は賛成にまわった。
まず、反対したシンガポールと香港はいずれも『海外兵団』の影響力が最も大きい国である。特にシンガポールは、『海外兵団』の力で、今大会、初の準優勝を飾った。人口の75パーセントを華人が占めるお国柄からも、中国とのパイプは太い。また決してスポーツ強国ではない同国にとって、卓球は数少ない国際的舞台での活躍が期待できる種目。この地位を維持したいというのは当然の考えだろう。両国とも「連盟の意図は分かるが、一刀両断に規制するやり方は良くない」と反対票を投じた。
一方、欧州諸国を始めとする国が規制案に賛成する理由は、主に『自国の選手により多くの機会を与えたい』ということである。ジュニアの頃から苦労して頑張っても、いざ国際大会という段階で、中華系の選手がやってきて、ポンと代表の椅子の座に座ってしまう・・・そんなことになれば国内の若手選手のモチベーションに影響する。いくら実力的に上でも、上位にずらりと“国籍変更選手”が並んでしまう状況では、将来の卓球選手を志す子ども達もやる気をなくすだろう。
規制案、中国の見方は?
では、この『規制案』の矛先が向かっている中国はどうか。前述のように中国は投票で、賛成票を投じている。男子代表の劉国梁監督は「そもそも“海外兵団”の存在は中国卓球に何ら影響を与えない。彼らは皆、年齢の高い選手、もしくは国内で淘汰された選手だからだ。」としつつ、今回の規制案について「国際的な視点から見ればいいこと」と語る。例え、中国国内でドロップアウトした選手でも、他国に行けばトップ選手となる。それによって、各国の協会が選手の育成を怠っているという状況が多く見られるからだ。
ただ選手サイドでは、意見は異なる。中国のある選手は「いずれにしても海外に出てプレーするつもりはない」と断言する。彼は決して一流ではない選手だが、今のところ、国内大会やプロリーグなどに出場していれば十分な収入になるという。敢えて、国籍を変えてまで海外でプレーする必要はないということだろう。かつて中国が貧しかったころは、海外に出ることは大きな夢であり、高い収入への近道であった。だが、国全体の経済力も高まり、国内リーグを支える企業の力も強まった今、国外に出るメリットも薄れているというのが実際のところだろう。
『海外兵団』の一員はこう見る
一方、『海外兵団』の一人でシンガポールの主力選手、リー・ジアウェイ(北京出身)は反対意見を唱える。「国内は選手の数が過剰気味でチャンスが少ない。海外に行くのは、あくまで生計を立てるため、生活のためだ。一律の規制はおかしい」。
各選手とも、海外に出る理由は異なっている。『生計を立てるためやむなく出国する選手』と中国国内でも十分機会があるにもかかわらず、敢えて高い収入などを求めて出国する選手などを一律に、その年齢のみで規制するのはおかしい、ということだろう。
またオランダ代表として五輪出場が決まっているリー・ジアオ(36歳・山東省出身)は『オランダで短期間に自国の選手を育てることは不可能。レベルの高い海外選手が引っ張らなければオランダ卓球はだめになる』と語る。
彼ら『海外兵団』の選手たちに共通しているのは、『自分たちの存在が世界の卓球を引っ張っている』という誇り。確かに、彼らが今後引退すれば、その国の指導者として、より高いレベルの育成ができるようになるだろうし、現時点では若手の台頭に障害があっても、長い目で見れば、『海外兵団』の役割は大きい、という見方もありうる。
変わるか・・・「中国支配」の国際卓球界
ただ、やはり現在の「海外兵団」は中国の第一線でやれない選手の受け皿的な意味合いが強い。中国の育成サイドとしては、こういった受け皿があることで、安心して選手育成ができるというメリットはあるのだろうが、それをいいことに、どんどん中国選手に進出されたのでは、相手国にとってはいいことだけとは限らない。
卓球の世界大会が完全な個人戦ならともかく、国別団体戦が行われたり、国・地域ごとに出場枠が決められたりと、あくまで『国・地域』単位で動いている以上、やはり公平性を保つため、また自国選手の保護のため、ある程度の規制をかけることはやむをえない。
もちろん、スポーツの国際化が進んでいる今日、やみくもに卓球界を国家という枠に縛りつけて置くというのは合理的ではない。
ただ一つの国の卓球界を盛り上げるには、一流選手を押し込むだけが方法ではないはず。今後はむしろ、指導者間の交流や選手の技術交流などがしやすくなるようなシステムを作り上げていくべきだろう。
さまざまな各国、各選手の思惑が絡む今回の改革・・・ただ、これまで中華系の選手たちが『統治』してきた世界の卓球界が、これによって、どう変わっていくのかが興味深い。
posted by 朝倉浩之 |15:34 |
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2008年03月09日
世界各地で増え続ける“中華系”選手たち
先月24日から行われた世界卓球選手権の団体戦は、男女とも中国が圧倒的な強さを見せて、優勝を果たした。女子の若手NO1郭躍が決勝のシンガポール戦で不本意な試合を見せたほかは、男女とも安定した戦いぶりを見せ、さすが『卓球王国』を感じさせる内容となった。
さて、この大会期間中、国際卓球連盟は、今後の世界の卓球界の枠組みを変えるかもしれない大きな決定をした。卓球選手の『国籍変更制限』である。
今大会の女子決勝で、初の決勝進出を果たしたシンガポール。その最初の組み合わせが、郭躍(中国)とリー・ジアウェイ(シンガポール)のシングルスだった。リー・ジアウェイは中国・北京出身の27歳。中国のエース、張イネイ(26歳)とは年齢が1つ違いで、共に同じ体育学校で育った。1994年に北京代表となったが、その後は機会に恵まれず、結局96年にシンガポールへ渡り、同国の国籍を取得。以降、シンガポール代表の主力として、国際大会に出場している。(現在世界ランク8位)
実は各国には、今、このような『中国語を話す代表選手』があちこちにいる。そして、世界選手権などの国際大会では軒並み、彼らが上位進出し、準決勝、決勝レベルでは、ほとんどが彼らの間での対戦となっている。
今回の世界選手権でも、オランダやドイツの白人選手に混じり、中国人選手が主力として活躍した。全選手95人(中国大陸、香港、台湾)を除くのうち、元々中国国籍を有していたのは実に21人。試合後、彼らはCCTV中国中央テレビのカメラの前に引っ張り出され、中国語で試合を振り返っているのだが、当然のことながら、なんだか不思議な感じがする。今回、国際卓球連盟が下した決断は、これらの『国籍変更』について、制限を加えようというものである。
これら海外国籍を取得した“元”中国人選手のことを中国では「海外兵団」と呼ぶ。何だか、おっかない感じの名前だが、要は「海外ピンポン軍団」くらいの意味合いである。
世界卓球を“統治”する『海外兵団』
この『海外兵団』は、男女それぞれ世界ランク100位以内の選手のうち、なんと55人(男子21人、女子34人)に上る。このうち、最もランキングが高いのは、女子では6位に入っている遼寧省出身の王越古(シンガポール・27歳)。男子は10位の高寧(シンガポール・24歳)だ。
王越古は張イネイと同期で、未来を嘱望されたが、1997年の国内大会で右足をケガして手術を受け、国家代表の座を奪われて、再起を図るべく、日本に渡り、その後、シンガポールへ渡った。
高寧は国家代表の2軍から上がることができず、新天地を求めた選手。ちなみに、各国の選手の内訳を見ると、香港が最も多く11人(男子5人、女子6人)、続いてシンガポールが9人(男子2人、女子7人)、台湾2人とやはり中華圏が目立つ。
だが、それ以外にもスペイン、クロアチア、米国、イタリア、ノルウェイ、カナダ、ドミニカなど、とにかく幅広く、選手が散在していることが分かる。日本も五輪代表となった男子の韓陽を筆頭に吉田海偉、金沢咲希らがランキング100位内で頑張っている。こうなってくれば、ただでさえ、中国本土の選手が上位独占している状況だけに、国際大会の『内戦状態』は当たり前ということになる。
自前の“ヒーロー”作りに向けて
この状況に対して、異論を唱えたのが国際卓球連盟のアダム・シャララ会長(カナダ)らをはじめとする欧米の卓球関係者である。ある米国の関係者は「米国代表はほとんどが中国人。女子は全てが華人(米国籍の中国系)で米国生まれは一人だけ。これでは、米国本土の選手の成長機会が奪われてしまう」と現状を嘆く。
かつて卓球王国として君臨した欧州諸国の声も大きい。国際大会の対戦は、中国系選手がずらりと並び、顔ぶれはマンネリ気味。現在は、まだ高い人気を誇っているが、このままの状態が続けば、国内での卓球人気が将来にわたって続いていく保証はない。「やはり自前のヒーローが必要」というのは、欧州を中心に各国の一致した見方となっている。
では、このような「海外兵団」が生まれた背景はどこにあるのだろうか。
(続く)
'「国籍変更制限」の概要(2008年9月1日発効)
(1)21歳以上の選手が国籍を変更した場合、世界選手権やW杯には出場できない。
(2)15歳未満で国籍変更をした場合は3年間、15歳以上18歳未満は5年間、18歳以上21歳未満は7年間、世界選手権やW杯には出場できない。'
posted by 朝倉浩之 |20:27 |
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2008年01月07日
日本の卓球代表は福原、平野で決まりそうだが、『卓球王国』中国は、話がそう簡単ではない。
1月3日、国際卓球連盟は最新の世界ランキングを発表した。規定によると、このランキングで上位20位に入った選手が自動的に五輪出場資格を得るが、その数は各国2名以下と決まっている。つまり、3名以上が上位20位に入っていても、出場資格は得られないというわけだ。
最新のランキングでは、男子がワン・ハオとマー・リンが1位、2位を占めた。また女子は、若手のグオ・ユエが初めて1位となり、“女王”ジャン・イニンに取って代わった。
ここには、かつてのトップランカー、男子のワン・リージンと女子のワン・ナンが入っていない。中国卓球陣の層の厚さを改めて感じるランキングとなった。
今のところ、男女の上位二人が直接、オリンピックに出場。そして、二人のベテラン、ワン・リージンとワン・ナンが3月6日から香港で行われる五輪アジア予選に出場して、『第3の切符』を争うという見方が強い。ここでベスト8以上に入れば(よほどのことがない限り、間違いないが・・)中国は“予定通り”3つの席を確保することになる。
ただ、当局責任者は「五輪出場者はまだ決定していないし、最終エントリー期日まで公開はしない」という方針を明確にしている。
規定によると、2008年1月最初の世界ランキングが発表されたのを受け、各国連盟は、五輪出場選手を内定しなければならない。だが、これはあくまで『仮決定』であり、6月15日の最終エントリーまでに変更することができる。
卓球の全種目を“総なめ”することを義務付けられている中国卓球陣としては、最後の最後まで、選手の確定を公表せず、与えられた3枠を、その時点での最高の布陣で臨もうというわけだ。
実際、中国のトップ選手間の差は非常に小さく、各国際大会の優勝者も、中国選手が互いに奪い合う格好となっている。誰が出ても、世界トップ3を占めることは間違いないというわけだ。
“超”卓球強国、中国ならではの贅沢な悩み・・・大会前まで誰が出てくるか分からない・・北京五輪のドラマはすでに始まっているといっていいかもしれない。
posted by 朝倉浩之 |11:05 |
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2007年12月17日
卓球のプレ五輪「プロツアーファイナル」は16日、閉幕。結局、女子ダブルスで韓国ペアが決勝進出したのを除いて、いずれも決勝は中国人同士の対戦となった。男女単複は全て中国勢が優勝した。
女子単は世界ランク4位の李暁霞がザグレブ世界選手権覇者の郭躍をやぶって最終戦を制した。決勝の組み合わせは世界選手権と同じ。その雪辱を果たしたことになる。また男子単の決勝は、世界ランクトップ二人の対戦となり、ランク2位の馬琳が1位の王コウを下して優勝した。唯一、中国人以外が出場した女子複の決勝。郭躍・李暁霞の相手は、1回戦で福原愛のペアを下したキム・キュンア、ポク・ミヨン組(韓国)だ。カットを多用して、中国ペアの力のあるレシーブを交わしながら、接戦に持ち込んだ韓国ペアだが、結局4-2で郭躍・李暁霞が勝利。満員の会場の声援も後押しした。
チケットは、大会2日前までにすでに完売。決勝当日も、無人となって閉鎖された売り場に、チケットを求めてやってくる人が後を立たなかった。
会場は販売されていない席を除いて、ほぼ満員。最終試合の男子シングルスは夜11時を回った。北京の地下鉄・バスはいずれも、この時間は当てにできない。会場の北京大学は北京の北側にあり、決して交通が便利な場所ではないのだが、会場の観客はほとんど席を立つことなく、試合終了まで見守った。
さすがは卓球王国・・・
4つの金メダルを全て総なめ・・・これは最近の国際大会では当然のことであり、むしろ金メダルがとれなければ、翌日の新聞でコテンパンに叩かれてしまう。そんな強烈なプレッシャーの中で戦う選手たちは大変だ。会場に響く「加油(ジアヨウ・がんばれ)」の大声援は、同時に、「国技」に挑む選手たちに対する強いプレッシャーでもある。そして、「卓球王国」ぶりを感じさせるのは、選手の力だけではない。会場の応援も素晴らしい。『観客の観戦マナー』については、私もこのブログ記事を通じて、何度か話題にしたが、事、卓球に関しては「さすが」と脱帽である。
誰か一人が選手の名前、例えば「王楠」と叫べば、その周囲の人たちが「加油(ジアヨウ・がんばれ)」と続く。それを繰り返す応援なのだが、選手がサーブのために身をすっとかがめた瞬間に、その声が止んで、『息を飲む』音が聞こえる。会場が一瞬、緊張するのだ。全てのスポーツに、この『息を飲む』瞬間があり、これを楽しむことがスポーツ観戦の醍醐味だと思うのだが、一連のプレ五輪シリーズで、この感覚を味わえたのは、今回が最初だ。
また中国人の観客は、「中国人同士」の対戦における応援の仕方をよく分かっている。卓球ではしばしばそういった場面が見られるからだろう。その局面で、劣勢にある選手の名前を呼び上げ、会場全体がそれに続く。その「選手選び」が実に的確なのだ。だが、あまりに、一人の選手の名前が連呼されすぎると、別の場所から、相手の名前も出てくる。声のかけ方、内容、タイミング・・・いずれも抜群だと感じた。
歌舞伎などの伝統芸能でも観客のかけ声一つで、その舞台が変わってくるという。また優れたスポーツ文化は観客が育てていくもの・・・というのは、このブログでも何度も触れていることだ。
試合中、一流のスター達の名を呼ぶ子供たちのかけ声が何度も上がった。世界トップレベルの選手が自分と同じ中国人であることを誇りに思い、憧れの気持ちを持つ子供達は多いだろう。
女子シングルスの決勝は、郭躍と李暁霞・・・いずれも20歳に満たない選手だ。かつての女王、王楠・・そして世界トップを走り続ける張イ寧も、観客席でその試合を傍観していた。中国では、トップ選手が世界一を守り続けるだけでなく、後から次々と、若い選手が登場してきて、新陳代謝が起こる。そのスピードが異常に早い。
中国のスポーツ選手といえば、国家が育てる「ステートアマ」のイメージが強いが、本当の「王国」は、それだけで作り上げられるものではない。その“幹”になる部分は、選手、観客、そして未来を担う子供たちが一体となって、作り上げている・・そんな気がした。
posted by 朝倉浩之 |16:59 |
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2007年12月17日
13日から北京大学体育館で行われていたプレ五輪「卓球プロツアーファイナル」。
大会2日目の14日に起きた「停電」について、当局側の発表があった。詳細は当ブログの以下の記事。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/289
昨日は北京五輪組織委員会の劉淇会長が会場を訪れ、視察を行った。新聞「北京日報」によると、当然、今回の停電騒ぎにも話題は及び、その原因について、「非常電力設備の故障によって、競技場内の照明システムに支障をきたしたもの」と説明した。
これに対して、劉淇会長は、「問題が起きるのはやむをえない」とした上で、「しっかり教訓を得て、実践の中で改善していくよう」と語ったという。
posted by 朝倉浩之 |14:02 |
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2007年12月15日
世界初の『卓球専用スタジアム』である北京大学体育館。
プレ五輪「卓球プロツアーファイナル」の第2日、卓球にとって最も大切な照明設備に、ハプニングがあった。
15時過ぎ、試合場では、中国のエースの一人、王励勤らがダブルスの試合に臨んでいた。突然、場内の照明が暗くなり、場内は騒然とした。そして、15時25分ごろには、ほとんどの照明が消え、いくつかの非常用電灯が灯るのみとなった。それまで、日本の福原が「暑い」というほど、かなり強烈にコートを照らしていた照明が消えてしまったため、場内は、いっそう騒然となった。
突然の停電で試合は中断(14日午後3時25分ごろ)
選手たちは、やむなく試合を停止し、卓球台を離れ、待機した。およそ15分後、再び、照明が灯り、試合は再開された。
その後、4-0で相手を下して2回戦進出を決めた王励勤は試合後、「プロは試合中、どんな状態になろうと、それを克服しなければならない。それがプロとしての力だ。停電の影響はそれほどない。以前も同じような目にあったことがあるから(笑)。中断中はちょうどペアの相手といろいろ作戦が練れて良かった。」と語った。
だが、照明の良し悪しは卓球の試合にとって、生命線といってもよい重要なこと。照明が明るすぎて暑い・・・というのも問題だが、少なくとも来年は、停電で中断・・などということがないよう、万全を期して欲しいと思う。
なお、原因については、まだ発表されていない。
posted by 朝倉浩之 |00:44 |
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2007年12月15日
プレ五輪の一つとして行われている卓球プロツアーのグランドファイナルは昨日、北京大学体育館で開幕。今日の第2日は日本の福原愛がシングルス、ダブルスに出場したが、いずれも敗れた。
来年の五輪出場を確実にしている福原は来年の会場での初試合。まずは平野早矢香と組んで、韓国勢に挑んだが、セットカウント4-2で破れ、初戦突破はならなかった。続くシングルスは、ダブルス終了わずか30分後。改めてコートに顔を見せた福原は若干、疲れが出ているようではあった。
福原は単複いずれも初戦敗退。奥が福原。手前が郭躍(中国)
相手は、世界選手権の王者で、世界ランク3位の郭躍(19歳・遼寧省)。体育館の照明が予想以上にきつく『暑かった』と振り返る福原だが、その力の差は、暑さや疲れだけのものではなかった。第1セットこそ、調子の出ない郭躍を中盤から突き放し、11-7で先取したものの、その後は、郭躍の強さと安定感に圧倒された。第2セット、第3セットこそ、競り合う場面が見られたが、第4セットは中盤から完全に集中力を切らし、大差をつけられた。王者の勢いは最終セットも止まらず、結局、セットカウント4-2で破れ、今年、最後の大舞台は、初戦で姿を消すことになった。
「福原 加油!!」
試合中、福原のスマッシュが決まったり、いいプレーが出たときは場内が拍手に包まれる。またピンチになると、「福原(フーユエン) 加油(がんばれ)!」という掛け声が飛ぶ。中国人選手と対戦して、声援が飛ぶのは、恐らく福原くらいだろう。中国人の間でも、「お人形さん」という愛称で呼ばれ、親しまれている、その人気ぶりが分かる試合風景となった。さらに、試合後は、対戦相手の郭躍を差し置いて、中国メディアが福原の周りを囲んだ。次々と中国語で質問をする記者に対して、きれいな発音の中国語で丁寧に答える福原。マスコミに対する丁寧な応対は、福原が愛される理由の一つだが、中国メディアへの対応振りも、他の中国選手も及ばないほど、誠実だと思う。中国のテレビ・新聞メディアが殺到し、それに中国語で応えるものだから、日本から大挙してやってきた記者陣が待ちぼうけを食らわされるという風景も見られた。来年の北京五輪では、恐らく唯一、新聞の1面を飾れる日本人アスリートとなるだろう。
試合後の福原に殺到する中国メディア
照明が暑い?
試合後の取材を終えたあと、ヘタヘタと地面に座り込んだ福原。一言、『疲れた』・・・。世界初の卓球専用スタジアムとして建設された北京大学体育館。だが、福原は中国メディアに対しては、「スタジアムは素晴らしい」とコメントしたものの、日本のマスコミに対しては、本音を吐いた。「とにかく暑かった」という福原は、試合中、何度もラケットで体を仰ぐ姿、そして汗をタオルで拭く姿が見られた。ダブルスの第2セット目あたりから、照明による暑さを感じ、体力の消耗がかなり激しかったという。強い照明については「テレビ局にいるみたい」と記者団を笑わせたが、来年に向けて、その克服が重要なのは間違いない。「プレーで対策を練るのではなく、別のやり方で」という福原は、暑い日にランニングをするなどの根本的な体力向上による暑さ対策をしていくと語った。北京五輪が開催されるのは8月。その暑さは、今回の比ではないだろう。「今日は技術よりも体力の差」と振り返った福原。来年の本番を前に、会場自体のクセを知ることが出来たのは大きな収穫といえるだろう。
来年の課題は暑さ対策?
posted by 朝倉浩之 |00:15 |
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2007年10月28日
愛ちゃんが世界最強コンビを破る・・
27日、卓球のオーストリアオープンの準々決勝で、日本の福原愛・平野早矢香ペアが中国の最強コンビ、張イ寧・王楠ペアにセットカウント4-1で勝利。北京を目指す若い日本ペアに大きな自信となる勝利となった。
張イ寧は、現在世界ランク1位。卓球を国技とする中国の『女王』であり、現在、各国際大会を総なめにしている選手。一方の王楠は『かつての女王』。五輪、世界選手権、W杯の3冠を成し遂げた名選手であり、獲得した世界チャンピオンの数は、二人合わせると、数えれば切りがないほどだ。
その中国最強コンビに第1セット、真っ向からぶつかっていった日本の若いペアは11-6で先取。第2セットは力の差が出て、5-11と奪われたが、第3セットは9-9から福原・平野組が粘り勝って11-9で奪取。さらに第4セットは、日本ペアの勢いが勝って11-6、第5セットも11-6でとって、結局、セットカウント4-1で“圧勝”を飾った。
posted by 朝倉浩之 |17:04 |
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2007年08月05日
中国・瀋陽で行われたサッカー4カ国対抗戦で日中の生臭い『対決ムード』がメディアを通じて伝えられる中、同じ中国の北京では、日本と中国の友好イベントが開催された。
日中国交正常化35周年を記念し、「日中文化・スポーツ交流年」の認定イベントとして「日中友好都市小学生卓球交歓大会」が、8月2日から5日まで行われた。
この卓球大会は、各都道府県、市町村の小学生の代表、男女2人が来中し、それぞれの中国の『姉妹都市』の代表選手2人とタッグを組んで、団体戦を戦うというもの。血なまぐさい国別対抗戦ではなく、友好都市同士の日中合同チームが卓球の腕を競う・・というのが、このイベントの面白いところだ。
大会は団体戦形式で行われ、ミックスダブルスを1試合、シングルスを4試合の計5試合で3勝したほうが勝ちとなる。ダブルスは中日両国の男女ペア。シングルスは、相手が必ず異なる国の選手となるよう組み合わされるのが特徴である。
今大会には、両国の男女5、6年生232人が終結し、58の日中合同チームを組んで出場。中国プロバスケットリーグCBLのフランチャイズとしても使用されている北京市西部の「首鋼体育館」を舞台に2日間の熱戦を戦った。
東京・北京チームとして出場した森薗政崇君(12歳)は、7月末に行われた全日本ホープスの同年代の部で見事全国制覇を果たした選手。今大会は決勝トーナメント2回戦で対戦した鳥取・河北チームの中国人選手にフルセットの末、敗れたものの、それ以外は、中国選手を相手に力を見せつけた。風貌のかわいらしさとは裏腹に、試合後のインタビューの受け答えはすでにプロ選手並み。冷静に試合を分析し、大物ぶりを感じさせた。
大会は予選リーグを突破した32チームを4グループに分けて、決勝トーナメントを実施。各グループの優勝は北京・東京、西安・奈良、煙台・別府、唐山・酒田の4チームとなった。
だが、大会の結果よりも、やはり選手たちの技術交流は大きな成果となっただろう。全体を見ると、やはり、中国勢の力はすごい。さすが卓球王国という感じである。日本側は、いずれも小学校、もしくはスポーツ少年団で練習している子供たち。もちろん、通常の学校生活を送りながら、放課後、週3,4回、練習に参加しているという子がほとんどである。
一方の中国選手たちは、ほぼ全員が各省の体育学校(スポーツ選手を専門に育成する学校)の5,6年生で、体もしっかり出来上がっており、日本選手とダブルスを組んで並ぶと、まるで子供と高校生・・という感じだ。またレシーブの姿勢を見ていても、基本がしっかりして、揺るぎがない。また攻撃のバリエーションも豊富で、『いろんなこと』ができる。体もしっかりできているからパワーもある。
卓球は、他のスポーツとは違い、年齢や体の大きさが決して決定的な実力差に結びつかないのが特徴だ。もちろん、スポーツだから最終的にはパワーが必要となるが、それ以上に大切なのは『ボール感』だという。そのセンスを磨くのは早ければ、早いほどいい。幼児のころから卓球を始めることがいいことかどうかはともかくとして、ある程度成長してから、始めると、いくら運動能力が高い子でも、なかなかトップレベルにまではいけないというのが現実だ。だから、小学生が中学生に、中学生が高校生に、高校生が大人に勝つ・・ということは当たり前のように起きる。それだけに、小さいころから体系的に、選手を育てていくことは、非常に重要となる。5,6歳から体育学校で徹底的に「卓球感」を叩き込む中国が日本の同年代の子供たちを圧倒するのも、当然・・というわけだ。
ただ、中国のやり方を真似すべき・・というわけではない。そのような『体育学校』のみのアスリート育成システムに次々と問題が生じているのは、このブログ記事でも何度か指摘しているとおりである。ただ、こういったイベントを通じ、またできれば、日ごろから指導者交流、選手交流などを行って、積極的に中国の技術、練習法を学んでいくことは必要だと思う。
その意味で、今大会を通じて、日本の子供たちはいい刺激になっただろう。試合中、冷静で落ち着いていて、プロの風格さえ感じさせる・・・、そして、まるでサイボーグのように正確にレシーブをし、また非常にクレバーに相手を揺さぶる術を心得ている中国人の小学生選手たち。
国家による育成、厳然としたピラミッドの中で厳しい競争を経て選手を育てる中国と、学校スポーツの延長線でトップアスリートを育て上げる日本。その二つの『異なったアスリート養成システム』が交流し、ともにいいところを学びあうことができる機会というのは、日本の卓球会にとっても、非常に有意義なイベントだったと思う。
中国と日本は卓球の世界においては、常にライバルであるとともに、『教え、教えられ』の関係であった。
1950年代は日本の卓球が世界に君臨した全盛期であり、中国は「日本に追いつけ、追い越せ」とばかりに日本の技術を研究し、日本から指導者を招き、積極的に、日本から学んだ。
そして現在は中国が卓球世界一として素晴らしい技術を保っており、日本の有力選手が子供のころから中国に卓球留学をしているのはよく知られていることである。また日本のトッププレーヤー、福原愛のコーチも中国人だ。
今、中国と日本はスポーツの世界で、ややもすれば『血なまぐさい』対決ムードを漂わせることが多い。だが、できることならば、相手に学び、また教える・・そんな関係で互いのスポーツが発展すべきだし、これまでの日中スポーツ史はまさに「教え、教えられ」の歴史であった。
日中スポーツの対抗戦が、今のような状況であることは、決して「当たり前」ではないことだけは、しっかり心に留めておくべきだ。
各県・市町村選手団が北京に到着
58チームが熱戦を繰り広げた
東京代表の森薗君(12歳)。彼が日本の卓球を引っ張っていくことは間違いない。
政治の中心地、人民大会堂で行われた閉会式
中日の子供たちが一緒に記念撮影
posted by asa8043 |22:38 |
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2007年02月07日
「世界で最も過酷な卓球大会」といえるだろう。
5月にクロアチアで行われる世界卓球選手権に出場できる12の枠をめぐって
世界で最も優れた選手が、国内で壮絶な戦いを繰り広げる・・
今、中国・広東省で行われている「国内選抜試合」はそんな卓球大会である。
そんな国内選抜試合の女子の部で、2日目の今日(6日)番狂わせが起きた。
昨日は危なげなく全勝した世界ランク一位の張怡宁(ちょう・いねい)が、
明らかに格下の劉詩雯と、今売り出し中の郭ヨクに連敗するという波乱が起きたのだ。もしも、これが世界選手権ならば、大会が始まって2日目に、彼女が敗れるなどということはありえない話だろう。だが、世界最強メンバーが競い合うこの大会では、こんな”番狂わせ”は当たり前のように起こる(つまり番狂わせとは言えない)のである。
世界に敵無しの張怡宁だが、現在は不調がささやかれている。記者陣のインタビューに答え、張は「確かに好調ではない。でも一年中ずっと好調でいられるわけがない。不調なら不調なりに戦えるのが選手だ」と述べた。
しばらくは、中国の国技、卓球に注目していきたい。
posted by 朝倉浩之 |00:28 |
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2007年02月06日
2月5日、北京は真冬とは思えない小春日和となった。例年なら、分厚いダウンジャケットがなければ凍えてしまうこの時期、セーター一枚でぽかぽかと感じる一日。日中は16度まで上がり、なんと同時期としては、1840年に観測が始まって以来、最も高い気温だったという。167年前に、中国で本当に気象観測する力があったのか・・・などと訝しく思いつつ、これも地球温暖化の影響なのだろうかと、少々心配になってくる。
さて、中国東北の吉林省で行われた冬季アジア大会も終わり、今度は舞台を南に移して、広州では、5月にクロアチアで行なわれる卓球世界選手権に向けた卓球「選手選考大会」が2月5日から始まった。この選考大会、ただの国内予選と思ってもらっては困る。恐ろしくレベルが高いのである。いや、世界一の大会といっても恐らく間違いではあるまい。何といっても、赤ん坊がラケットを持って生まれてくる?というお国柄である。サッカーやバスケットボールが人気を集めているとはいえ、やはり卓球は中国のナンバーワン国技。この選手選考会に集まる注目度は並大抵のものではない。
まず選手選考に参加する選手は全員が「国家代表チーム」のメンバー。
中国のスポーツ育成システムは度々説明しているが、国家代表チームを頂点とする完全なピラミッド型となっている。底辺には、地域に点在している「スポーツ学校」と呼ばれるスポーツ専門校があり、各地域で優秀な子ども達を受け入れ、その中からさらに優秀な選手が各省の、そしてそのまたエリートが国家代表へと階段を登っていく。しかも、「国技」卓球の国家代表と言えば、日本でいえば、イチローや松井並みの英雄であり、ここまで上り詰める選手というのは、13億中国人民のうちの一握りなのである。
そして、この「クロアチアへの直通キップ」と名づけられた選手選考会では、その一握りの選手たちが9席の「世界選手権」出場キップを目指して戦う。この戦いがまさに熾烈を極める。なんせ世界ランクにおいて、男子はトップ3を始め5人、女子はトップ4を占めて5人が10位以内に中国選手が入っているという状況。だが、全員が世界選手権に出られるわけではないのである。
この戦いは実に見ごたえがある。何と言っても世界最高レベルの選手たちがしかも、去年から、この選考会は中国中央テレビCCTV5(スポーツチャンネル)で全国に生中継されるようになった。選手選考過程の透明性を計ると共に、この段階からテレビカメラを入れて、プレッシャーに打ち勝つ力を育てようと言うわけだ。つまり彼らは13億人が見つめる前で、中国国内のいわば「選手選考」という内輪の試合を戦うことになる。さすが世界最強国のやることは末恐ろしい・・。
今行なわれている女子の選考試合は「第1ラウンド」と「第2ラウンド」の2回にわたって行なわれる。世界選手権出場者は、両ラウンドの結果で決定される。今回は、世界ランク1位の張怡寧(ちょう・いねい)、かつての中国のエース王楠ら、そうそうたるメンバーが出場している。直近の国際大会であるクロアチアオープンとスロベニアオープンでいずれも優勝した売り出し中の郭ヨクでさえ、第1ラウンドでベスト6、第2ラウンドでベスト8以内に入ることが要求されている。
世界選手権、五輪を何度も制しているベテラン、王楠はこう語っている。「この選手選考大会が最も緊張する大会。各選手たちの力はほぼ同レベル。誰が勝っても、負けてもおかしくない。世界選手権のほうがよっぽど楽である」
サッカーでも、ワールドカップ本選よりも、南米やヨーロッパ予選がむしろ激烈な争いになる。まさにそれだ。若手からすれば、一気に指導陣らの目にとまる絶好の機会、逆にベテラン勢からすれば、そんな若手達の追い上げやテレビカメラの向こうにいる13億中国人民のプレッシャーとの戦いというわけである。
女子の「選考レース」は5日から8日まで。その後、男子が9日から12日まで行なわれる。そして第2ラウンドが3月に行なわれて、出場選手が決定する。現在、国家代表チームの選手は合計22人。だが、世界選手権の出場枠は12。そして、このうち9席がこの選考レースによって決められ、残り3席は首脳陣が選考する「監督推薦枠」となる。
この大会、ベテラン王楠は不調が伝えられており、初戦は若手選手に敗れ、早速スポーツ紙は「王楠限界説」を見出しにしている。この選考試合における選手の一挙動一挙動が細かく報じられ、一面を飾るのも卓球王国ならではだ。
今回の世界選手権での選手選考が2008年五輪に大きな影響を与えるのは間違いない。男女シングルス・ダブルス・ミックスダブルス全てで金メダルが必須となる中国。これだけのプレッシャーくらいは難なく打ち勝たないと、卓球代表として世界に出る資格はないというわけだ。
posted by 朝倉浩之 |16:29 |
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